姿勢の教科書(竹井仁・ナツメ社)より引用いたします。
足部から骨盤への運動連鎖エクササイズ① 右骨盤橋挙上の場合
運動連鎖 足部~骨盤 ① |
上行性代償の場合には、足部から膝、股関節、骨盤へと支持性を伝達していくエクササイズが有効になります。まず、右骨盤挙上位の場合のエクササイズです。
右骨盤挙上位の場合、右の足部は回外(踵骨内反)して足部外側縁に体重をかけ、膝は内反傾向となり、股関節は内転位です。このアライメントを修正するためには、まずは立位にて、右片足立ちをとります。
そこから、右側部を回内するのに連鎖して右膝を内側に移動させ、さらに右股関節を外転させながら左骨盤を挙上させます。
この肢位で最低5秒間は止めてください。10回から開始し、徐々に回数を増やしてください。5秒間保持の間に、息は止めないようにしてください。
足部から骨盤への運動連鎖エクササイズ② 右骨盤橋挙上の場合
運動連鎖 足部~骨盤② |
次の段階では、股関節の外転に加えて外旋を強調します。まずは右片足立ちにて、体幹と骨盤を右に回旋させておきます。
そこから、右足部を回内するのに連鎖して体幹と骨盤を同時に左回旋させながら左膝も左側に開いていきます。
さらに右下肢後外側からの筋・筋膜らせん連結を用いて右股関節を外転・外旋させながら左骨盤を挙上させます。
この肢位で最低5秒間は止めてください。10回から開始し、徐々に回数を増やしてください。5秒間保持の間に、息は止めないようにしてください。
体幹の筋・筋膜らせん連結
筋・筋膜らせん連結 |
足部から骨盤への運動連鎖エクササイズ①(左骨盤下制の場合)
運動連鎖 足部~骨盤③ |
次に、左骨盤下制位の場合のエクササイズです。
左骨盤下制位の場合、左の足部は回内(踵骨外反)して内側縦アーチを低くし、膝は外反傾向となり、股関節は外転位です。このアライメントを修正するためにまずは立位にて、片足立ちとなります。
そこから、左足部を回外するのに連鎖して左膝を外側に移動させ、さらに左股関節を内転させます。
この肢位で最低5秒間は止めてください。10回から開始し、徐々に回数を増やしてください。5秒間保持の間に、息は止めないようにしてください。
足部から骨盤への運動連鎖エクササイズ②(左骨盤下制の場合)
運動連鎖 足部~骨盤④ |
次の段階では、股関節の内転に加えて内旋も強調します。まずは左足立ちにて、体幹と骨盤を右に回旋させておきます。
そこから、左足部を回外するのに連鎖して、体幹と骨盤を同時に左回旋させながら右膝も左側に閉じていきます。
さらに左下肢後外側からの筋・筋膜らせん連結を用いて左股関節を内転・内旋させながら右骨盤を下制させます。
この肢位で最低5秒間は止めてください。10回から開始し、徐々に回数を増やしてください。5秒間保持の間に、息は止めないようにしてください。
引用ここまで
足部から骨盤への運動連鎖エクササイズは応用が効くので、足部が回外(踵骨内反)なのか足部が回内(踵骨外反)なのかを観察してから、両足とも同じエクササイズをするという選択もあります。多かれ少なかれ足部の歪みは誰にもあるので、調整しておいて損はないと思います。
機能的な脊柱側弯症がある場合、筋バランスが崩れて「短縮あるいは優勢筋」と「延長あるいは弱化筋」という状態になっています。そのままにしておくと問題が起きがちです。