昨日、大牟田サークルにて足の深層筋のほぐしについて解説しました。リフレッシュボール(テトラ)で、足背と足底の中足骨の間を前後に動かし圧迫するテクニックです。
足背と足底の中足骨間部をほぐす |
適応は、第1中足趾節関節の痛み、腱膜痛、外反母趾、第2趾の痛み、しびれ、股関節・膝関節・足関節の痛みなどです。ほぐれると、歩行姿勢や歩容が改善します。
昨日、大牟田サークルにて足の深層筋のほぐしについて解説しました。リフレッシュボール(テトラ)で、足背と足底の中足骨の間を前後に動かし圧迫するテクニックです。
足背と足底の中足骨間部をほぐす |
明日(30日)は、機能運動学大牟田サークルです。いつもの方々が参加できないらしく、少人数になりますとのことなので、「筋ほぐしフォームローラー講座」をやることにしました。出番を待つフォームローラー達(某プロフィットネスショップD社製ほか)。
フォームローラー |
11月の各地のワークショップは、「筋膜リリース(フォームローラー)とトリガーポイントセラピー(リフレッシュボール)。ストレッチングと筋の解剖」を予定しております。
フォームローラーを使った筋膜リリース・ベーシック |
フォームローラーを使った筋膜リリース・ベーシック |
マッサージボールを用いたトリガーポイントセラピー・ベーシック |
梨状筋 |
■梨状筋(りじょうきん、piriformis muscle)
作用:股関節の外旋。股関節が60~90度屈曲している時は股関節の外転・内旋。
起始:数個の筋尖で仙骨の前面、前仙骨孔の外側および坐骨の大坐骨切痕の縁。S3~4の骨盤仙骨孔の外側および間。
停止:大坐骨孔を通って大転子先端の内側面。大転子の先端腹側表面。
走行:仙骨から大腿方向にほぼ水平。
メモ:梨状筋と上双子筋、下双子筋、外閉鎖筋、内閉鎖筋、大腿方形筋はあわせて深層外旋六筋あるいは六外旋筋と呼ばれる。いずれも骨盤帯に付着しており、股関節を外旋させる。
梨状筋のストレッチングといえば、このフォームが一般的です。
梨状筋ストレッチング |
「え?梨状筋は外旋筋じゃないの?」という反応がよくあります。
梨状筋の起始・停止を立体的にイメージしてみればすぐにわかると思いますが、股関節屈曲位では梨状筋は外旋作用をもちません。内旋筋としてはたらいています。二関節筋であるハムストリングスの緊張を和らげるために膝関節屈曲位にして、股関節完全屈曲と外旋を組み合わせると、梨状筋をストレッチできます。
意味がわかれば、このフォームでもいけます。
梨状筋ストレッチング 王丹 |
10月後半の、各地のワークショップで解説いたします。
☆大阪ワークショップ
10月20日(木)→ 詳細
☆名古屋ワークショップ
10月21日(金)→ 詳細
☆神戸ワークショップ
10月22日(土)→ 詳細
☆新宮校ワークショップ(休日)
10月23日(日) → 詳細
☆新宮校ワークショップ(平日)
10月24日(月) → 詳細
アナトミートレインー徒手運動療法のための筋筋膜経線 第4版 医学書院 |
脳システムは、脳や感情の影響をどのように受け入れ、身体にどのような反応を与えているのか?
……帯の言葉通りの内容です。261~341Pの付録1の内容が特に素晴らしいです。
この「付録1」の論考は、生命体が自らの成長や体型を自己調節し、生理的プロセスを維持し、目標に向かって意欲を高めていく過程で、膜がどのように関与しているかを示すものである。各事項は相互に関連しているが、別々に読んでもかまわない。261P
闇雲にエクササイズをしたり、手技をしても、脳と膜のお話が理解できていないと、結果にはつながりにくいのではないかと思います。11月の各地のワークショップで解説したいと考えております。参加を予定されてある方は、在庫があるうちに購入されておいてください。
ストレッチング2022縮小画像 モデル:王丹 |
私モデルのストレッチング画像が、ウエアの関係で見づらいとのことなので、後日撮り直ししようかと考えております。神戸のワークショップ会場が撮影に適しているので、撮影会もありかなと。一緒に動画も撮影して、メイキング風景をとるのもいいかなと。
10月のワークショップ予定。
☆大阪ワークショップ
10月20日(木)→ 詳細
☆名古屋ワークショップ
10月21日(金)→ 詳細
☆神戸ワークショップ
10月22日(土)→ 詳細
☆新宮校ワークショップ(休日)
10月23日(日) → 詳細
☆新宮校ワークショップ(平日)
10月24日(月) → 詳細
実践ストレッチ クリスチャン・バーグ ガイアブックス 8~9Pより
誤った方法でストレッチングすると、時間の無駄であるばかりか、損傷のリスクが高まる。筋をストレッチするときの事実を認識し、作用する(収縮する)筋の作用と反対の作用を1種類以上行うことに気を配ろう。
筋の機能が肘を曲げることであるなら、これをストレッチするために肘を伸ばす必要がある。筋が肘を屈曲し、膝を伸ばし腰の弯曲を大きくする場合は、ストレッチするために股関節の伸展、膝関節の屈曲または腰の弯曲を伸ばす必要がある。これらの作用の1つだけを行うのでは、望ましいストレッチはもたらされない。また、関節の可動性を増大しすぎると、損傷も及ぼしかねない。
安全にストレッチを行うために、次の4つの基本原則に従う必要がある。すなわち、疼痛を避ける、ゆっくりとストレッチする、正しい筋をストレッチする、必要な関節および筋だけを作用させることである。
注意してストレッチすれば、筋は望ましい反応をする。ストレッチを無理やり行うと、筋は思い通りに動かない。痛む箇所をストレッチすると、身体の防御機構が作動し、危険だと判断する。筋が痛みを記憶すると、収縮することによって自己防衛しようとする。これは、ストレッチングによって望むことと反対である。
腕や脚を投げるようにしてストレッチすると、筋は速く伸張する。このようにすると、身体は、筋が断裂また損傷しそうだと察知する。すると今度は、筋が収縮することで保護しようとし、目的を適えられなくなる。
運動する方向のわずかな違いで、筋をストレッチすることにも関節包の上で引き伸ばしてしまい、身体を傷つけることにもなり得る。身体を保護し、時間を有意義に使うためにも、正しく行うことが重要である。
注意せず適当にストレッチを行うと、他の筋や関節に負の効果を及ぼす場合があり、状況を悪化させることにもなりかねない。
引用ここまで。
ストレッチングは、正しく行えば効果を得ることができますが、間違っておこなえば逆効果を得ることになります。時間の無駄でもあります。
トリガーポイントの触知 |
「手技療法とオステオパシーにおけるトリガーポイントと筋肉連鎖(GAIABOOKS)33~34Pより
体の特定部位に痛みがある場合には、神経根性疼痛、関連痛症候群、偽性の神経根性疼痛、筋筋膜のトリガーポイント、テンダーポイント、内臓体性反射といった多くの症状の発現が考えられる。
神経根性疼痛
●痛みの領域はその分節支配を受けている領域である。
●支配を受けている領域における感受性異常
●時にはその分節支配を受けている筋肉の力が低下し、萎縮にまで至る。
●腱反射が低下。
関連痛症候群
神経根によるものではなく、投射された痛み。たとえばヘッド氏帯。
偽性の神経根性疼痛
末梢神経の興奮によって皮膚の特定の領域に放散する痛み。例えば腰筋の拘縮による大腿神経痛。
テンダーポイント
運動器の特定の部位である圧痛があるポイント(凝り)をいう。テンダーポイントは運動器の過緊張や伸張、ストレス状態から発生すると思われる。患者が痛みを訴える領域にテンダーポイントが必ずしもあるわけではない。このポイントは診断の目安となり、治療効果の指標としても役立つ。
内臓体性反射
内臓の体性反射障害が脊髄後角に求心性インパルスを送り、そこで求心性インパルスは介在ニューロンと接触する。それから運動繊維と交感繊維が筋肉、皮膚、血管へこの刺激を伝える。
こういった異常な刺激は皮膚の過敏症、血管収縮や発汗の増加につながりかねない。同時にその分節から運動神経支配を受ける筋肉の筋緊張が亢進することがある。
この内臓体性反射はたいてい内臓にはっきりとした症状が現れる以前からある。皮膚の変化や発汗の変化、脊柱起立筋の筋緊張亢進は診断上たいへん重要なものだ。これらの病変が慢性になると組織が一変する。皮膚が「乾いてざらつき」、筋肉が繊維化する。
臓器の病変の程度いかんによってこういった症状が明白となる。
原因が内臓体性反射である場合、通常いくつもの分節に可動域制限が見られる。
トリガーポイント
トリガーポイントとは筋肉組織内で触知できる塊で圧痛がある。どの人でもその痛みは局所的で、痛みが放散する領域は予見できる。トリガーポイントは脊柱分節のように筋肉組織内の「促通された」領域である。つまりサブリミナル刺激の影響を受けることが多い。
通常トリガーポイントは当該筋肉の硬化している繊維内に存在するほとんどが筋肉の停止部付近にある。当該繊維をギターの弦のように指で爪弾くことができる。
無症状のトリガーポイントや潜在性のトリガーポイントが、活動性のトリガーポイントの痛みが拡散される方向にある筋部位に発生する現象も見られる。雪だるま式に痛みを伴った症候群が現れるのはこのためかもしれない。
ローレンス・ジョーンズのいうテンダーポイントとは、非活動性のトリガーポイントに他ならない。
視野の狭窄、呼吸障害、運動障害、感覚障害を伴った多くのヒステリーは、トリガーポイントから流れるインパルスが起因かもしれない。ヒステリー症状のある人がトリガーポイントを持っている人が多いのは事実である。
引用ここまで
臓器の障害は、直接の筋膜の動きからくる歪みと、内臓体性反射による歪みから現れてきます。臓器は容器である運動器に順応し、同じように、運動器という構造の歪みが臓器の位置や機能に影響を与えます(機能が構造に順応)。
☆東京ワークショップ
10月7・8・9・10日(金・土・日・月)→ 詳細
☆新宮校ワークショップ(休日)
10月23日(日) → 詳細
☆大阪ワークショップ
10月20日(木)→ 詳細
☆名古屋ワークショップ
10月21日(金)→ 詳細
☆神戸ワークショップ
10月22日(土)→ 詳細
☆新宮校ワークショップ(休日)
10月23日(日) → 詳細
☆新宮校ワークショップ(平日)
10月24日(月) → 詳細
一般的なトリガーポイント |
「手技療法とオステオパシーにおけるトリガーポイントと筋肉連鎖(GAIABOOKS)32~33Pより
バイオケミカル的、バイオメカニクス的、心的な障害で筋筋膜構造がストレスを受ける状態に陥りかねない。
レオン・チャイト―は、変化が次のように進展すると見ている。
①生体内に機能障害が起こると局所的にマッスルトーンが亢進することになる。
②このマッスルトーンの亢進により除去される老廃物が減少して、局所的に酸素の供給不足が起こり、虚血につながる(これは筋肉がどれだけ働かないかによる)。
③トーンの亢進により局所的な浮腫ができることがある。
④これらの要素(老廃物、虚血、膨隆)が緊張と痛みの原因となる。
⑤痛みと緊張は筋緊張亢進の原因となるか、それをさらに進行させる。
⑥その結果、炎症か少なくとも慢性的な興奮状態が生じる。
⑦脊髄領域で分節が促通される。
⑧マクロファージと繊維芽細胞が活性化する。
⑨いわゆる「リンク」が発生して結合組織の産生が高まり、硬化や短縮につながる。
⑩筋膜は連続しているので生体の別の部位にも緊張が広がり、リンパ液や血液の循環に影響を与える。
⑪筋肉組織は血管の障害のために線維化する。
⑫連鎖反応で姿勢筋が短縮し、相対筋が弱化する。
⑬筋肉が短縮すると骨膜の痛みを伴いながら腱が緊張する。
⑭筋肉のバランスが崩れた結果、協調運動障害が起こる。
⑮このため関節に機能障害が出て、筋膜の変化がさらに進む。
⑯脊髄領域で徐々に分節の促通が進行し、筋肉内にトリガーポイントが発生する。
⑰筋肉の拘縮でエネルギーが失われる。
⑱呼吸機能や消化といった他の身体系統に筋緊張亢進による負荷がかかる。
⑲そのうち筋緊張亢進、筋短縮、神経の促通によって交感神経活動が亢進して、中枢神経系にマイナスのフィードバックを行う。その結果体内の状態が不安定で過敏になり、緊張がさらに高まる。
⑳この段階で他の機能障害も出てくる可能性がある。
㉑いまや急性の病変への扉が開け放たれている。もはや自分の力ではこの不幸な状態からは逃れることはできない。
このプロセスで痛みが起こるのは組織ホルモンの放出が原因である。ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンがアルファ繊維、デルタ繊維、C繊維を刺激する。また大脳辺縁系と大脳の前頭葉もこれにかかわる。
痛覚は人によって異なり、状況次第でさまざまに変化する。感染と同様に、感情的なストレスの状況も痛みの閾値を低下させることが研究によってわかった。
微細外傷のような刺激が生体に徐々に与えられたなら、痛みの閾値はどちらかというと上昇する。それとは反対に急性の外傷では閾値は低下する。侵害受容性の刺激は悪影響を与えるため、身体はできる限りその効率が上がらないようにしようとするからである(組織ホルモンの放出、繊維化など)。これと関連して、痛みは早く伝わるが、関節からのインパルスはゆっくりと伝わることを述べておく。
引用ここまで。
感情的な要素がトリガーポイントの発生と活性化にいちばん強い影響を与えます。感情が反映しやすい僧帽筋、胸筋、梨状筋にはトリガーポイントができやすいのです。
「もはや自分の力ではこの不幸な状態からは逃れることはできない。」のはその通りで、自分がやってきたことが狂っていたから不幸な状態に陥っているわけで、何の修正もせずにこれまで通りの対処をしたら、悪化の一途を辿るのは明白です。正しい対処を学ぶことが大切だと存じます。
有名どころでは、筋筋膜リリース、マッスルエナジーテクニック、ストレイン・カウンター・ストレインテクニック、ポジショナル・リリース・テクニックなどがあります。私は、虚血圧迫法を用いております。