2020年7月30日木曜日

股関節の使い方~美術解剖学で学ぶ脚と足の機能~8/1下関集中講座

8月1日(土)の下関集中講座で、股関節の使い方の解説をいたします。教科書は、「アーティストのための美術解剖学」「モーションを描くための美術解剖学」です。持っていない方も理解できるような内容となっております。
「アーティストのための美術解剖学」「モーションを描くための美術解剖学」
すでに購入された方は、この本の素晴らしさを実感されてあると思います。機能運動学の「どのように動かすのが機能的なのか?」という内容に対し、「どのように動かすのが美しいのか?」という内容となります。キーワードは「機能美」です。機能美とは、余分な装飾を排してむだのない形態・構造を追求した結果、自然にあらわれる美しさのことです。造形美は、見た目の美しさや外観の美しさです。

高い身体スペック(性能・仕様)から自然に生みだされる美しさを追求することが、結果的に現実世界における人生を豊かにしてくれます。身体性能は、基本に忠実に、基礎を積み重ねることで高まっていきます。近道はありません。身体性能が低い人ほどショートカットを望みますが、それは地獄への道です。

The road to hell is paved with good intentions.という言葉があります。「地獄への道は善意で舗装されている」「地獄への道は善意で敷き詰められている」と訳されます。間違った善意によって、誰かをむしろ悪い方向に導いてしまう「自称善意の人」がおられますが、よい結果にはつながりません。善意の持ち主である本人は自分の言動を「悪」だと思っておらず、正しさを確信しているので質(たち)が悪いのです。

間違った善意は、すぐに判別できます。「身体スペックに裏打ちされた機能美があらわれているかどうか?」を観察してみましょう。その人が言っていることではなく、その人の姿勢・呼吸・声・動きのすべてのアラを探してみましょう。関節の動きには「その人の本質的な部分」が象徴的にあらわれます。自分の身体すら自由に操作できない状態で、他者の人生を良い方に導くことができるのかということを冷静に考えてみるといいかもしれません。

美術解剖学の本を読んでいると、身体のラインやリズムからモデルの本質を見抜くことの重要性を実感いたします。1日の下関では、基本となる身体知識と股関節の使い方を解説したいと思います。なお、本講座終了後にパンケーキの焼き方の解説も予定しております。

2020年7月28日火曜日

「機能美」~「機能解剖学的に正しい姿勢や動作は、美術解剖学的に美しい」 8月9・10・16日新宮集中講座、8月1日下関集中講座、8月2日大牟田機能運動学サークルの御案内。

8月集中講座 教科書
8月9・10・16日の新宮校集中講座は「機能解剖学的に正しい姿勢や動作は、美術解剖学的に美しい」をテーマに、基本的な身体の使い方を解説いたします。
→ 詳細

「機能解剖学的に正しい姿勢や動作は、美術解剖学的に美しい」をテーマに、基本的な身体の使い方を解説いたします。「形態は機能に従う」という言葉は、19世紀の生物学から生まれたとされており、生物が生涯の間に身につけた形質(獲得形質)が子孫に伝わるとした説がその源流とされます。人間界においても、機能的な姿勢と動作を獲得している方々は美しく健康的な身体をつくりあげておられます。

19世紀、アメリカのホレーショ・グリーノウ(彫刻家)は「美は機能の約束である」としました。美しさは、機能の純粋さに因るものであり、「機能」と「美」は排他的な関係ではありません。無駄のない形態や構造を追求する結果として、自然にあらわれてくる美しさを「機能美」といいます。「機能」と「美」のバランスがとれた状態です。8月からの安部塾は、「機能美」を追求してまいります。

8月1日(土)の下関集中講座では、先行公開版の「機能解剖学的に正しい姿勢や動作は、美術解剖学的に美しい」をテーマとした講座を開催いたします。詳細案内ができ次第、御案内いたします。

8月2日(日)の大牟田機能運動学サークルでは、①開放運動連鎖と閉鎖運動連鎖②下行性運動連鎖と上行性運動連鎖③呼吸と運動④フットプリントから運動内容を考える⑤コントラポストについて解説いたします。7月に開催した新宮校集中講座「運動連鎖」の集大成となります。

御参加、お待ちしております。

2020年7月23日木曜日

8月からの安部塾の教科書、美術解剖学。

検討の末、8月以降の安部塾の教科書は写真の2冊とすることにしました。当初はモーションだけでいいかなとも思いましたが、アーティストも内容が素晴らしいため、両方揃えることにしました。各地の集中講座で使います。なくても大丈夫ですが、学びを深めたい方は購入された方がよいかもしれません。

2020年7月13日月曜日

7月16日大阪集中講座、18日神戸集中講座は、骨盤からの運動連鎖と足からの運動連鎖について解説いたします。

今週の関西での集中講座は、「運動連鎖」「呼吸と運動」について解説いたします。
7月16日(木)大阪集中講座 → 詳細
7月18日(土)神戸集中講座 → 詳細

内容は、
①開放運動連鎖と閉鎖運動連鎖
②下行性運動連鎖と上行性運動連鎖
③呼吸と運動
④フットプリントから運動内容を考える
⑤コントラポスト(片脚荷重)について
……を、予定しております。

骨盤からの運動連鎖と足からの運動連鎖について、基本をみっちりやりたいと考えております。御参加、お待ちしております。

2020年7月3日金曜日

「人間は論理的思考が弱く、何をするかわからない」ので、美術解剖学をやっていきます。

フールプルーフとは

フールプルーフとは、機器の設計などについての考え方の一つで、利用者が操作や取り扱い方を誤っても危険が生じない、あるいは、そもそも誤った操作や危険な使い方ができないような構造や仕掛けを設計段階で組み込むこと。また、そのような仕組みや構造。

フールプルーフ設計では「人間は間違えるものである」「よく分かっていない人が取り扱うこともある」という前提に立ち、誤った使い方をしても利用者や周囲の人を危険に晒したり、機器が破損したり、致命的な事態や損害を生じさせないような構造に設計する。また、誤った使い方ができないような構造を工夫したり、危険な使い方をしようとすると機能が停止するような機構を組み込むこともある。

よく知られる例としては、正しい向きにしか挿入できない電池ボックスや、ドアが完全に閉じなければ起動しない電子レンジや洗濯機、ギアがパーキングに入っていないと始動しない自動車、左右に離れたボタンやレバーを両手で同時に操作しなければ降りてこない裁断機やプレス機、人が座っていないと水を噴射しない洗浄便座などがある。

これに対し、機器の一部が損傷、故障、停止などしても危険が生じないような構造や仕組みを導入する設計思想のことは「フェイルセーフ」(fail-safe)という。

引用ここまで


「人間は論理的思考が弱く、何をするかわからない」

身体操作技法を教えていると、この言葉の意味が実感できます。自らの身体を破壊してしまうような非合理的で暴力的な動きを平気で繰り返してしまうのが人間という生き物なのだと思います。そこに論理的な思考は存在しないことが観測できます。そして、文字によって論理的に解説をする講座はそれほど流行らず、音声によって感覚に訴える講座に人が集まりがちです。身体の動きが悪く、慢性痛を訴えている人たちに特徴的なのが、「長文を読むことができない」という現象です。

こちらの参考リンクをお読みください → 単語や文をつなげて読めない

文章が読めない人は、脳内の各機能をつなげる情報伝達物質が減少しているということがわかっています。このため、集中力が大幅に欠如した状態となります。文字を認識しながら、文字と文字の意味をつなぎながら、ひとつの意味のある文として解釈する能力の発揮ができていない状態です。音声を聞けばわかるけど、文字で書かれるとわからないという人もこの状態だと考えられています。

私が「音読(声を出して読む)」ことをお奨めしている理由です。

単純な図解や絵が多いと、文字が読みやすくなることもあります。同時に、図や絵を描くと理解できることがあります。文字で考える負荷は高いので、図の上で考える習慣を身につけることで、現実世界での動きがよくなっていきます。これにより、致命的な事態や障害を生じさせないような基本構造を設計できるはずです。

そして、この問題です。








……という感じの「文字はわかるけど言葉がわからできない」「単語の意味は個別にはわかるけど、言っている人の意図とは違う解釈をしてしまう」という現象です。読む人が「言ってる人の抱いているイメージと自分が抱いているイメージは違うものであるという前提がないために、このようなことが起きてしまうとされています。

こちらの記事も面白いです → 日本の生産性を引き下げている「文章を読めない人」 情報が伝わらず、高学歴でもコミュニケーションに支障

メンタルな影響も無視できない。感情が先に立ってしまうと、自分の感情やイメージに沿ったキーワードだけを無意識的に抽出し、まったく異なる結論を導き出してしまうことがよくあるからだ。引用ここまで

「自分の感情やイメージに沿ったキーワードだけを無意識的に抽出」している人の動きこそが、論理が破綻している動きであると、私は考えています。ミラーニューロンの働きを考えてみたとき、「他者の動きを正確に真似ができる人」にしか「共感」はできないわけで、身体能力が低ければ、それ相応の理解しかすることはできません。人間関係の調整機能と身体操作の調整機能は連動していると推測されます。

「自分の感情やイメージに沿ったキーワードだけを無意識的に抽出」している「自分の身体が思うように動かない人」は、社会的に成功して満たされることが困難なため、自分の意見が賞賛される王国をつくろうとしてしまう傾向があるように感じます。結果的には、他者に対する共感能力の欠如のために、何を打ち出しても鳴かず飛ばずとなります。そして、何の価値もない肩書を得るために散財を繰り返し、普通に努力して成功している人たちを馬鹿にするようになりがちです。

「人間は論理的思考が弱く、何をするかわからない」という前提でものを考えることができれば、道は拓けます。美術解剖の学びは、最適なナビになるような気がしております。

2020年7月2日木曜日

動きのつながりが、健康で美しい身体をつくります。7月4日(土)の下関集中講座と、7月5日(日)の機能運動学大牟田サークルにて、「運動連鎖」の解説をいたします。

機能運動学
7月4日(土)の下関集中講座と、7月5日(日)の機能運動学大牟田サークルにて、「運動連鎖」の解説をいたします。足から上につながる運動連鎖と、骨盤から下につながる運動連鎖について解説いたします。姿勢や動きを改善する際、この知識がないとなかなかうまくいきません。コントラポスト(片脚荷重時のS字脊柱)についてもお話しいたします。

コントラポスト(片脚荷重時のS字脊柱)

片脚だけ、股関節やひざや足首がパキパキ鳴る場合、多くは「非荷重脚側」で起きていると思います。6月の各地の講座で解説いたしましたが、7月は胸郭と骨盤の動きに加えて、足からの上行性運動連鎖と骨盤からの下降性運動連鎖に対する理解を深めて欲しいと思います。確実に動きがよくなり、見た目が美しくなるはずです。

ご参加、お待ちしております。

脇腹を引き締め肋骨の形を美しくする呼吸のお話

連日、ツイキャスにて胸郭のお話をしております。お時間のあるときに、観てみてくださいね。