2019年7月19日金曜日

股関節伸展と体幹のねじり~ランジの考え方

安部塾オンラインサロン用の動画を撮るついでに、ブログ用の動画も撮りました。

Facebookにアップして貼り付けています。



股関節の使い方が、体幹部のねじりの質を変えます。

今日からの東京集中講座で解説します。

2019年7月18日木曜日

股関節の自由度を高める股関節外旋力~腰を落として姿勢を安定させ、動作を素早くする力。

明日からの東京集中講座のテーマは「体幹のねじり」。

ここで重要になってくるのが、股関節外旋力です。

股関節外旋はターンアウトと呼ばれていて、脚の外転可動域を増大させます。

股関節外旋が側方への下肢振上げ動作に及ぼす影響は極めて大きいのです。

側方への下肢振上げ動作時、股関節外旋が下肢を高く上げやすくすることになります。



「股関節外旋は解剖学的に脚を外側に上げやすくする。正常なポジションにおいて脚の動きは、骨盤と股関節の間における関節構造に制限される。脚が外側に引かれると,大腿骨頭が寛骨臼縁に当たるので、脚が動かなくなる。しかし、股関節を外旋していたならば大転子が後方に動き、寛骨臼縁には大腿骨頭の平らな側面が当たる」Kushner とWatkins



側方と同様に後方への下肢振上げ動作においても、股関節外旋を伴う動作でより高く脚を振り上げることができる。



……股関節が外旋できないと、後方に脚が上がらないのがよくわかります。


骨盤に対する大腿骨の運動による股関節の外旋(解放運動連鎖)


腰椎と骨盤が同じ方向に動く腰椎骨盤リズムによる股関節外旋


腰椎と骨盤が反対方向に動く腰椎骨盤リズムによる股関節の外旋。

骨盤の回旋する方向とは逆方向へ回旋する腰椎に注目。


※図は、筋骨格系のキネシオロジーより


股関節の外旋イメージは、「ふとももの正面を外側に向ける動き」です。

膝下も含めれば、「つま先を外側に向ける動き」ということになります。

ヒトの股関節の機能の特徴は、股関節が外旋されことで股関節の動きの自由度が高くなること。

股関節外旋の柔軟性が高いと、動きのパフォーマンスが向上するということになります。


膝を大きく横にひらけるので、骨盤を立てて上体を起こせます。

結果、腰を落とすことが可能になり、重心位置を身体中心にもってこれます。

重心位置が身体中心にもってこれていれば、重心移動が容易になり素早く動けます。

前後左右どの方向にも、安定して動くことができます。


龍舞においては、股関節の外旋力が必須となります。

竹屋神社 龍舞 塾長

外旋しない股関節では、膝を外にひらくことができません。

腰を落とそうとすると、骨盤が前傾してしまうことになります。

結果、重心位置が前方へ移動し、後方へ動けなくなります。

簡単に転倒することになります。


各スポーツはもちろん、武術においても、股関節外旋力が重要です。

7月20日(土)東京で、中国武術のための機能解剖学講座で解説します。


股関節の外旋を理解してからの体幹のねじり。

そこからのミット打ち!

お楽しみに♪

2019年7月15日月曜日

今日の新宮校集中講座の様子と、新宮校お盆特別講座の御案内

今日は、新宮校集中講座でした。

早速、安部塾オンラインサロンに解説動画をアップしました。

安部塾オンラインサロン 2019/07/15 新宮校集中講座 筋ほぐし

楽しげな様子が伝わってくる動画だと思います(笑)。

オンライン塾生は、楽しんでください。


明日より、新宮校お盆特別講座の申し込みを受け付け開始します。

→ 新宮校お盆特別講座詳細

■8月10日(土)足関節・膝関節の機能改善(足趾~あしゆびのテクニック、足の甲・足首の使い方、膝蓋骨)
■8月12日(月・祝)股関節の機能改善(股関節の外旋・内旋のテクニック・開脚テクニック他)
■8月13日(火)肩関節の機能改善(肩甲骨・腕の動きの改善~肩甲骨の安定性と可動性の向上)
■8月14日(水)肩関節・股関節の機能改善(対角らせん~脚と腕をつなげる)
■8月15日(木)脊柱・体幹の機能改善(脊柱の可動性と安定性の向上~やわらかい背中をつくる)
 ※機能改善運動と手技の組み合わせとなります。


すっかり、毎年恒例の講座になりましたが、今年も基礎の基礎・基本をみっちりやります。

ひさしぶりに、足と肩甲骨にこだわって解説したいと思います。

御参加、お待ちしております。

身体操作解説動画と解説資料づくり

昨日の大牟田集中講座の動画をオンラインサロンにアップしました。

身体操作解説動画
いま、今日の新宮校集中講座の配布資料をつくっています。

20190715新宮校集中講座資料 『筋ほぐし・筋締め』

なんでもそうですが、つくるのにはとても時間と手間がかかります。

観たり、読んだりするのは、ほんの一瞬です。

しかし、それに費やした正しい努力は、必ず実を結びます。

地道な積み重ねの大切さを感じる日々です。

2019年7月14日日曜日

オンライン講座で動画を配信しました

昨日の新宮校ヨガ講座のときに、実演動画を撮りました。

夜、安部塾オンラインサロンで配信しました。

安部塾オンラインサロン

5月から配信予定だったのですが、新宮校の工事などで延び延びになってしまいました。

いろいろ考えたのですが、Youtubeの限定公開動画でいくことにしました。

長すぎると情報量が多くなるので、7分以内がよさそうです。

配信を繰り返しながら、内容を充実させていこうと思います。

文章によるまとめと合わせて、理解を深めてもらおうと思います。

明日の新宮校集中講座の「筋ほぐし」も、動画を撮って配信する予定です。

動画学習には限界がありますが、ミラーニューロンの力に期待することにします。

オンライン塾生は、楽しみにお待ちください。


今日の大牟田集中講座でも、動画撮ろうかな(笑)。

2019年7月13日土曜日

学ぶ側の一心の求めに対して、師も一心に応えることでさらに内容が深まる。

「易経」一日一言 竹村亞希子


易経一日一言0712より


僕はずっと、習いに来る人の「学びたい」「知りたい」に応えてきた。

これからも、そうしていこうと思っている。


そのとき、そのときに合ったことをやっていくこと。

易は「易わる」……「変化」の意味。

変化するのは「時」。

自然の変化に則した、この世の中の時の変化変遷の法則。

易経の「時」は、時間だけでなく、空間・場所・状況・立場・地位をも含む。


孟子の「去る者は追わず、来る者は拒まず」

孟子は「仮に私の弟子達が盗んだにせよ、それは大したことではない。私は学問の意志さえあれば誰でも弟子にするし、去っていく者は追わない。これが私の主義だ。」といった。 人とつきあうときには、淡々とした精神が大切であり、学ぼうとしてやってきた者はその過去にこだわることなく受け入れるべきであり、去っていく者は追ってもしかたがない。 相手の自由意志にまかせ、自分は淡々とするのが一番良いということ。

引用元: http://maki.life.coocan.jp/haha/koji/koji-3.html


僕も、去る者は追わない。

追っても仕方がない。

学ぶ意志があれば拒まない。

学ぶ意志がなければ拒む。


自分から離れて行こうとする者は、その意志に任せて、強いて引き留めない。

人と人の関係はあっけないほど簡単に壊れるし、なくなってしまう。

関係は変わり、終わり、離れ、変化していく。

相手に執着して関係の維持のために苦しむのは、変化を受けいれないからだ。


荘子先生は言います。

「君子の交わりは淡きこと水の如し、小人の交わりは甘きこと醴の如し」

[意味]物事をよくわきまえた人の交際は水のようだ。つまらぬ小人物の交際は、まるで甘酒のように甘く、ベタべタした関係であり、一時的には濃密のように見えても、長続きせず、破綻を招きやすいものだ
参考:故事百選

君子は人と交わるのに、水のようにさっぱりしているので、友情は永く変わることがない。

執着しない。

依存しない。

それは、自分の心に素直に生きるということ。

「この人なしには生きていけない」と感じるのは依存。

自分に嘘をついて、相手におもねることになる。

だから、自分の心に素直に、水のように淡くあればよい。


なんてことを考えていたら、今朝のFacebookにこんな記事が。




コツコツ地道に積み上げていると、時期が来たらあらわれるんですよね。

会うべきときに、会うべき人が。


「人間は一生のうち逢うべき人に必ず逢える。しかも、一瞬早すぎず、一瞬遅すぎないときに。しかし、縁は求めざるには生ぜず。内に求める心なくんば、たとえその人の面前にありとも、ついに縁を生ずるに至らずと知るべし森信三」


好い出会いは、いくらでもクリエイトできます。

地道に学び続け、地道に行動し続けていれば。

そして、可能な限り他者貢献できるように努力していれば。

妄想するだけで行動(他者貢献)しない人に、好い出会いはありません。


腐っている人は、まず、この人は自分にとって得かどうかを考える。

自分に何らかの利益をもたらすか、そうでないのかを考える。

そして、何も得にならないと思うと、相手にしない。

得になると思うと付き合おうとする。


そんな人の顔貌は貧相で、日に日に孤立してくことになる。

会うべき人に会うというのには、怖い面もある。

いわゆる「怨憎会苦(会いたくない人に会う苦しみ)」。

損得で他者を見ている人は、会いたくない人にばかり出会うことになる。


ひきつった(凍りついた)笑顔をしているのですぐにわかると思う。


対して、行動(他者貢献)しようとする人は、人に恵まれる。

いつも、しあわせそうな顔をしている。


中島みゆきさんの『糸』より

「縦の糸はあなた 横の糸は私

 逢うべき糸に 出逢えることを人は仕合わせと呼びます」

仕合せには『めぐりあわせ』の意味がある。


話を戻して、

一心に学ぶことを求めていればいい。

そうすると、一心に応えてくれる。

今日のヨガ講座も、そんな感じで(笑)。

2019年7月12日金曜日

明日の新宮校ヨガ講座の配布資料をつくりながら思う~「千日の稽古をもって鍛とし、万日の稽古をもって錬とす」

明日の新宮校ヨガ講座の定員5名のために、配布資料をつくりました。

2019/07/13 新宮校ヨガ講座配布資料
かなりの情報量です(笑)。

今回は、「骨格・関節」「筋肉」のそれぞれの動きについて解説します。


現在の自分の身体は、過去の自分の行為がつくり出したものです。

未来の身体は、現在の自分の行為がつくり出します。

楽な姿勢や動作が正しいわけではなく、機能的で美しい姿勢が正しいのです。

その姿勢・動作に相応しい呼吸と骨・関節・筋肉の動きを学ぶことが大切だと思います。


いま現在の姿勢が崩れ、おかしな動きをしているとしたら、間違っているのは自分の感覚です。

姿勢と動作の改善において立ち塞がる最大の壁は、自分自身の思い込みです。

基礎を学び、基本の積み重ねる中で、自分の間違いを自覚して修正していく。

気が遠くなるような繰り返しの中で、はじめて自分の感覚の修正ができていきます。


自分が感じていることを、根本から疑うことに全力を注ぐことから始めます。

ほとんどの場合、最初の一動作目からすべて間違っているものです。

間違っていることに気づいたところから、ようやくスタートラインを目指せます。

実際にスタートラインに立てるのは、鬼のような反復練習の果てです。


やっとのことでスタートラインに立てたとして、その先には、これから積み重ねなくてはならない膨大な学習と練習が待っています。

それらを着実に乗り越えてきた者は、ただそこに存在しているだけで説得力を持ちます。


……なんてことを考えながら、配布資料をつくりました。


宮本武蔵『五輪書』に、

「千日の稽古をもって鍛とし、万日の稽古をもって錬とす」

という言葉があります。

「鍛錬」の語源だそうです。


基礎が定着するのが「鍛」。

ひとつの道として揺るぎなく完成するのが「錬」。

「鍛」には千日(約3年)を要し、「錬」には万日(約30年)を要する。

継続的な努力・精進が欠かせません。


19歳からはじめた身体操作の稽古は32年続けてきたことになります。

適当な練習を3~4年ちょろっとやったくらいでは、何も身にはつかないと思います。

間違った練習を数年やったとしたら、後退しただけということになります。

正しい練習を積み重ねても、なかなか前進できないのですから。


姿勢と動きがおかしければおかしいほど、考え方もおかしくなっているので修正が難しくなります。

心身一如なのです。


明日は、「三角のポーズ」「体側を伸ばすポーズ」「ねじりのポーズ」の解説をします。

私的に、汎用性の高い重要な基本技だと考えています。

基礎の基礎からみっちりやりたいと思います。

オンライン講座用の動画も、撮影予定です。

間違えて学習した動きを、正しい動きに戻す難しさ。

相互フォローの方が、「間違った成功体験を積み上げるとそのパターンで覚える。そうなると元々思い込みが激しい気質があるので修正が不可能に近いレベルになります」という内容のツイートをされてあった。

動きがおかしい人の修正も、同じ理由で難しい。

考え方の修正が困難を極めるのと同様に、動きの修正もなかなかうまくいかない。

間違った成功体験を積み上げてしまい、そのパターンで覚えているからだ。

易経 陰の巻―結果が出ないときはどうしたらいい?

修正に必要なのは、『徹底的に人に学び、従うこと』ことだ。

易経の坤為地~大地に学ぶ智慧。

素直になることの大切さ。

陰の力の行き着くところ~『牝馬』。

苦難に学ぶことが基本となると思う。


身体操作の指導を生業にしている人は、こんなことを感じていると思う。

「動作の修正ができない人は、素直になろうとしない」

指示を守らず、反論ばかりして、全体の流れを断ち切る。

自分だけができないと、練習をやめてしまう。


陰の力が足りないのだ。


というよりも、陰の力があれば、指導者につく必要はない。

観る力が高いので、一瞥しただけで正確に動きを真似ることができる。

感覚も鋭く、判断を誤らない。

徹底的に人に学び、従うことができる子供が大きくなると、そんな大人になる。


動きの修正が難しいのは、陰の力を育てることをしないからだと思う。

坤為地を理解しないと、抜け出すのは難しい。


おかしな動きしかできないときの判断は、だいたい間違う。

間違った制御をしている脳が思いつくことは、やはり間違うことが多い。

「脳機能」で検索すれば、それがよくわかると思う。

動きを制御するのも、正しく思考するのも、機能としては同じなのだ。


来週くらいから、易経の勉強会的なことをやろうと考えている。

2019年7月10日水曜日

ふとももの後ろをゆるめる(ハムストリングスを伸ばす)~体前屈のコツ

今日は、レイ・ゾーナで脊柱と股関節の屈曲~体前屈の解説をする。

股関節の屈曲では、大腿四頭筋が引き締まり、ハムストリングスがゆるむ。

前もも全体が持ち上がることで、後ろももがほぐれていく感覚。

膝を後方に押し込むのは、安部塾では厳禁。


可動域と強さの向上という基本を守るべき。

受動的な柔軟性だけを向上させると、機能が崩壊する。

制御する強さがなければ、関節の深刻な障害を引き起こしてしまう。

良かれと思ってやっている動きが、身体を蝕み破壊していくのは、よく見かける光景だ。


体前屈しようとすると、硬いハムストリングスがそれを阻止する。

もっと曲げたいと倒そうとしても、深く曲げらない。

意地になって頑張れば頑張るほどハムストリングスは固まっていく。

そして、ハムストリングス障害を引き起こす。


身体操作指導者の指導に従い、呼吸を続けてみよう。

判断をせず落ち着くと、ゆっくりとハムストリングスがゆるみ始める。

無理に曲げるのをやめた瞬間に、顔がゆっくりとすねに近づき始める。


筋繊維には筋紡錘と呼ばれる受容器がある。

筋繊維に対して垂直に走っている、繊維が伸びる長さや速さを感じるセンサーと考えるといい。

筋繊維を伸ばすと、筋紡錘へのストレスが増大する。

頑張る動きは筋紡錘にストレスを与え、防御的収縮を引き起こす。


無理な体前屈ができないのは、筋紡錘が筋肉を守っているからなのだ。

美しく優雅な動きで筋紡錘にストレスをかけないように動く。

地味に継続していくと、強い緊張に耐えれられるように成長する。

結果として、柔軟性が高まり、自由自在に制御できるようになる。


体前屈には、いろいろなやり方がある。

今日は最初に、胸と骨盤をつなぐ腹直筋から使い始める。

次に、胴体と脚をつなぎ骨盤から脚の前に走る腸腰筋を使う。

そして前もも(大腿四頭筋)、さらにすねの外側の筋を使う。


つまり、身体の前面を引き締めることになる。

主動筋は、胸からつま先に走る筋肉と考える。

結果として、身体の後面はゆるむ。

拮抗筋は背中から足底に走る筋肉と考える。


……というような解説を、プロメテウス解剖学を用いてやる予定。

2019年7月9日火曜日

当たり前の努力を1年続けられるだけで、上位3%。当たり前のことを3年続けると、たぶん上位1%には入る。

Twitterより




安部塾では、当たり前の努力の継続をおすすめしている。

普通のジムは、やめていくことを想定して運営していることが多い。

継続できないけど料金を支払ってくれる会員さんがたくさんいると儲かる仕組み。

「楽して~」系にとびつく人たりは、一時的に熱狂し、すぐに冷める。


そして、当たり前の努力のレベルは、意外と高い。

継続できない人たちにとっては、かなりの努力だ。

努力することに慣れていないので、努力できる強度が著しく弱いのだ。

なので、努力が必要ないやり方を求め彷徨うことになる。


安部塾の3年間継続率は、それなりに高い。

なぜか?

最初から、継続しない人が来ないようにしているからだ。

うまい話で勧誘したりしないし、広告宣伝もろくにしないし、めんどくさそうなブログを書いているとか。


僕自身が、当たり前の努力を継続しているというのがボトムラインだと考えている。

当たり前の努力を継続できないような輩の元に、当たり前の努力を継続できる人は来ない。

当たり前の努力を、当たり前以上に積み重ねているから、来てくれるのだ。

当たり前のことを30年続けると、それなりに評価してもらえるようになれると実感している。


えらてんさんのTweet



これ、すごく的を射ていて、努力していない人がSNSで何を発信してもつまらない。

結果、つまんなさが拡散されてしまうだけとなる。

もっとも、むしろ誰にも見てもらえないわけだが。

単なる増幅器に、奇跡を起こす力はないのだ。


大切なことは、当たり前の努力の継続を続けることの尊さを理解することだと思う。

そして、当たり前の努力を積み重ねている人たちを尊い存在と認識すること。

間違っても、揶揄したり、バカにしてはならない。

恐ろしい展開になってしまうから。


現実的には、当たり前の努力が実を結びだすのは6年目から。

最低でも5年間の真摯な積み重ねが必要だと思う。

2019年7月8日月曜日

殴るということ(The Art of Striking)

昨日の下関集中講座の締めは『ミット打ち』。






殴るのは本能なので、だんだん楽しくなってきます。

いまは見る影もありませんが、私はその昔、ストライカー(打撃の人)でした。

攻撃用の筋力を落としたので、現在の攻撃力はほぼありません。

代わりにというか、防御力は当時を遥かに凌ぎます。


専守防衛(せんしゅぼうえい= Exclusively Defense-Oriented Policy)。

戦略守勢。

相手の攻撃を受けてから初めて力を行使する。

その程度は自衛に必要最低限の範囲にとどめる。


というわけで、ミットで相手の突きを受けるのは、よい訓練になります。

圧倒的な防御力があると、相手の攻撃を余裕をもって受け止めることができます。

相手は心ゆくまで殴ることで、本能的欲求を満たすことができます。

身体操作指導者は、相手を倒すための練習ではなく、受け止めるための練習をすべきだと考えています。


現代の日本では、オーバーキル(相手へ必要以上の攻撃=過剰攻撃・過剰殺戮)は犯罪です。

自制できなかった格闘技の猛者が、人生を狂わせて転落していくのを見てきました。

必要以上の強さは、エンターテイメント以外では必要とされていないのです。

戦略守勢の能力を高めるのが、格闘系身体操作指導者の平和な人生の礎となる気がします。


フレディ・ローチ氏のミットテクニックは、何度見ても見事だと感じます。

パンチの捕り方が神懸っていて、すごいなと。







7月19・20・21日の東京集中講座
7月25日(木)の大阪集中講座
7月27日(土)の神戸集中講座

軽くミット打ちの時間をとります。

ミット打ちしてみたい参加者は、軍手をご用意ください。

2019年7月6日土曜日

重力に抗(あらが)って動くことで身体が喜ぶ。身体は動きたがっている。重力に抗う喜びを伝えていく。

地球には重力がある。

重力に抗(あらが)うのは本能。

最近そう、思う。

重力に抗って身体を動かすと、身体が喜ぶのがわかる。


アンチ・グラヴィティ(anti-gravity)


散々抗った後、重力に身を任せて休む。

抗重力筋を伸ばす。

至福感に包まれる。

「これが基本だよな」と、感じる。


重力に抗う喜びを伝えていくのが、僕の仕事なのだと理解した。


抗重力筋は地球の重力に対して姿勢を保つために働く。

下腿・大腿・腹部・胸部・首の各部前後に張り巡らされている。

抗重力筋

前後でお互いに伸縮しながら、バランスをとる。

ただ立っているとき、ただ座っているとき、常に抗重力筋は緊張している。

疲労がたまり、収縮したままになりやすい。

姿勢が崩壊することになる。


抗重力筋が悪い姿勢を記憶した状態=身体の癖だ。

同じ姿勢を続けていると、この状態に陥る。


重力に抗う運動をしないと、抗重力筋が退化する。

抗重力筋同士のバランスが崩れてしまう。


セロトニン神経がもたらす生理作用として、覚醒・意欲や集中力などのメンタル面・自律神経調節・鎮痛・姿勢筋と抗重力筋の促通などが知られている。

セロトニンが減ると抗重力筋に緊張感がなくなって姿勢が崩れる。

重力に抗った姿勢を保てなくなる。

慢性的なコリと痛みに悩まされる。


覚醒時にセロトニン神経の自発性発射を増強させるのは、リズム運動。

リズム運動が、セロトニン神経のインパルス発射を増強させる。

ヒトのリズム運動として、呼吸・歩行・読経・太極拳・スクワット・読経・坐禅などが知られている。

安部塾では、呼吸のリズムに合わせて重力に抗う運動を行う。


セロトニン神経が活性化されると、内側前頭前野の血流が増加する。

澄んだ覚醒状態が生まれ、集中力や意欲などが向上し、気分状態に好ましい効果が現れる。


姿勢筋と抗重力筋の促通と鎮痛。

セロトニン神経の生理作用を学ぶと、重力に抗って運動すべき理由が理解できるはずだ。


セロトニン神経が活性化されると、眼窩に近い内側前頭前野領域の血流が増加する。

この領域は、『共感』において重要な役割を担う。

この領域の血流低下は、うつ状態の悪化と相関する。

血流増加はうつ状態の改善と相関する。


鎮痛ができない状態は、うつ状態。

重力に抗いながら、呼吸のリズムで動くと爽快感が生まれて、痛みを鎮めることができる。


この理由でも、「楽して~」という発想は捨てた方がいい。

重力に抗う喜びに目覚め、リズミックに活動することが大切だと思う。

2019年7月5日金曜日

努力を積み重ね、行動する。深みのある人間になる。

努力!

Twitterより



なんだかんだと理由をつけて、努力の積み重ねから逃げる。

行動しなくてもいいと、自堕落モードにはいる。


願いを叶えてくれる都合のいい宇宙など存在はしない。

願いを叶えてくれるのは、あなたのことが好きで好きで仕方がない人たちだ。

引き寄せに見える現象は、正しく努力を積み重ねてきた結果として起きる。

思うだけで叶うことはない。


「思うだけでいい」「願うだけでいい」と妄想し続けている人を見ればすぐにわかる。

一歩も前に進まないどころか、恐ろしいスピードで後退していく。

腹を括って足掻き続けると誓った人たちとの差が、圧倒的になっていく。

自ら考え行動するという原則に背けば、浮上できなくなる。


努力しない状態が半年も続けば、まわりにまともな人たちがいなくなるからだ。


努力が報われない理由はさまざまだ。

タイミングが合わないのかもしれない。

努力の方向性が間違っているのかもしれない。

努力の絶対量が足りないのかもしれない。

いずれにしても、全部自分の問題だ。

「努力の積み重ねに意味がない」というわけではない。


基本原理は簡単だ。

成功するまで努力し続ければいいだけだ。


というか、努力する人は可愛がられる。

成功と呼ばれるものの多くは、努力に免じて優遇してもらうことで起きる。

努力せずに、つくり笑いを浮かべる人を支援したいと考える人は、ほとんどいないと思う。

見えないところで努力することで陰の力がつき、成功への後押しが得られる。


圧倒的な努力を積み重ねると、人としての深みが生まれる。

その深みには、まわりの人たちをしあわせな気持ちにする力がある。


日々、コツコツと努力を積み重ね、行動する。

基礎の基礎を大切に、基本を守って生きていくことが大切だと思う。