今日は、レイ・ゾーナで脊柱と股関節の屈曲~体前屈の解説をする。
股関節の屈曲では、大腿四頭筋が引き締まり、ハムストリングスがゆるむ。
前もも全体が持ち上がることで、後ろももがほぐれていく感覚。
膝を後方に押し込むのは、安部塾では厳禁。
可動域と強さの向上という基本を守るべき。
受動的な柔軟性だけを向上させると、機能が崩壊する。
制御する強さがなければ、関節の深刻な障害を引き起こしてしまう。
良かれと思ってやっている動きが、身体を蝕み破壊していくのは、よく見かける光景だ。
体前屈しようとすると、硬いハムストリングスがそれを阻止する。
もっと曲げたいと倒そうとしても、深く曲げらない。
意地になって頑張れば頑張るほどハムストリングスは固まっていく。
そして、ハムストリングス障害を引き起こす。
身体操作指導者の指導に従い、呼吸を続けてみよう。
判断をせず落ち着くと、ゆっくりとハムストリングスがゆるみ始める。
無理に曲げるのをやめた瞬間に、顔がゆっくりとすねに近づき始める。
筋繊維には筋紡錘と呼ばれる受容器がある。
筋繊維に対して垂直に走っている、繊維が伸びる長さや速さを感じるセンサーと考えるといい。
筋繊維を伸ばすと、筋紡錘へのストレスが増大する。
頑張る動きは筋紡錘にストレスを与え、防御的収縮を引き起こす。
無理な体前屈ができないのは、筋紡錘が筋肉を守っているからなのだ。
美しく優雅な動きで筋紡錘にストレスをかけないように動く。
地味に継続していくと、強い緊張に耐えれられるように成長する。
結果として、柔軟性が高まり、自由自在に制御できるようになる。
体前屈には、いろいろなやり方がある。
今日は最初に、胸と骨盤をつなぐ腹直筋から使い始める。
次に、胴体と脚をつなぎ骨盤から脚の前に走る腸腰筋を使う。
そして前もも(大腿四頭筋)、さらにすねの外側の筋を使う。
つまり、身体の前面を引き締めることになる。
主動筋は、胸からつま先に走る筋肉と考える。
結果として、身体の後面はゆるむ。
拮抗筋は背中から足底に走る筋肉と考える。
……というような解説を、プロメテウス解剖学を用いてやる予定。