骨盤の主な役割と重要性
①骨盤は脊椎の土台であり、全身のバランスを保つ上で非常に重要です。骨盤が歪むと、その上に乗る脊椎や頭部まで歪み、姿勢が悪化します。
②盤状の骨が、膀胱や生殖器などの内臓を保護しています。
③股関節と連動して、歩行や立つ、座るなどの日常動作をスムーズに行うための軸となります。歩行・動作の要です。
④骨盤の動きの制限は、腰への負担を増やします。
④女性の場合、出産時に骨盤が開閉することで、赤ちゃんが産道を通るのを助けます。
骨盤の基本的な動き
骨盤は、主に以下の動きが可能です。
①前傾(ぜんけい): 骨盤が前に倒れる動き。反り腰になりやすい。
②後傾(こうけい): 骨盤が後ろに倒れる動き。猫背になりやすい。
③側方傾斜(そくほうけいしゃ): 骨盤が左右どちらかに傾く動き。(例:片方の腰が上がる、下がる)
④回旋(かいせん): 骨盤が左右に捻じれる動き。(例:片方の腰が前に出る、後ろに引く)
これらの動きがバランス良く行えることが理想です。
骨盤の運動例
ここでは、骨盤の基本的な動きを促し、柔軟性を高めるための運動をご紹介します。
1. 骨盤の前傾・後傾運動
①椅子に浅く座り、足裏を床につけ、背筋を伸ばします。
②息を吐きながら、おへそを前に突き出すように骨盤を前傾させ、腰を軽く反らせます。
③息を吸いながら、お腹をへこませるように骨盤を後傾させ、背中を丸めます。
④ゆっくりと10回程度繰り返します。
ポイント: 骨盤だけを動かす意識を持ち、首や肩に力が入らないようにします。
2. 骨盤の側方傾斜運動(ゆりかご運動)
骨盤の左右のバランスを整えるのに役立ちます。
①椅子に座り、骨盤を立てて座ります。
②片方のお尻を椅子から少し浮かせ、骨盤を左右に傾けます。まるで船が左右に揺れるように。
③反対側も同様に行います。
④ゆっくりと左右交互に10回程度繰り返します。
ポイント: 上半身はできるだけ動かさず、骨盤の動きに集中します。
3. 骨盤の回旋運動(ツイスト運動)
骨盤周りの筋肉を柔軟にし、腰の可動域を広げます。
①椅子に座り、骨盤を立てて座ります。
②両手を胸の前で軽く組みます。
③息を吐きながら、お腹をひねるように骨盤を左右に回旋させます。顔や肩も一緒に動かして構いませんが、骨盤の動きを意識します。
④ゆっくりと左右交互に10回程度繰り返します。
ポイント: 無理に捻じりすぎず、心地よい範囲で行います。
4. 骨盤底筋群を意識した運動(ケーゲル体操の応用)
骨盤の安定性にも関わる、骨盤底筋群を意識する運動です。
①仰向けに寝て、膝を立て、足裏を床につけます。
②息を吐きながら、尿を我慢するような感覚で、お尻の穴や尿道の辺りをキュッと締め上げます。
③数秒キープしたら、息を吸いながらゆっくりと緩めます。
④10回程度繰り返します。
ポイント: お腹やお尻に力を入れすぎず、骨盤底筋群に意識を集中します。
5. キャット&カウ(四つん這い)
骨盤と背骨の連動性を高める全身運動です。
①四つん這いになり、手は肩の真下、膝は股関節の真下に置きます。
②カウ(牛のポーズ): 息を吸いながら、お腹を床に近づけるように腰を反らせ、お尻を天井に向けます。顔も軽く上に向けます。
③キャット(猫のポーズ): 息を吐きながら、背中を丸め、おへそをのぞき込むようにします。お尻も丸めるように。
④ゆっくりと10回程度繰り返します。
ポイント: 背骨と骨盤が連動して動くことを意識します。
運動を行う上での注意点
①無理をしない: 痛みを感じる場合はすぐに中止してください。
②ゆっくりと丁寧に行う: 急な動きは避け、骨盤の動きを意識しながら行いましょう。
③呼吸を意識する: 呼吸と連動させることで、より効果が高まります。
④継続する: 毎日少しずつでも良いので、継続することが大切です。
これらの骨盤運動を日常に取り入れることで、骨盤の柔軟性と安定性が向上し、結果として姿勢の改善、そして全身の健康維持に繋がります。特にデスクワークが多い方や、長時間同じ姿勢でいる方は、こまめにこれらの運動を取り入れることをお勧めいたします。
--------------------------------------------------------------------------------------------------
☆8月の各地のワークショップで、骨盤の主な役割と重要性・基本的な動きについて解説いたします。
☆東京ワークショップ
8月1・2・3日(金・土・日)→ 詳細
☆飯塚ヨガワークショップ
8月8日(金)→ 詳細
☆下関ワークショップ
8月9日(土)→ 詳細
☆機能運動学大牟田サークル
8月10日(日) → 詳細