2025年12月19日金曜日

「思い込みや期待」が身体に物理的な変化をもたらす。プラシーボ効果とノシーボ効果。

 「プラシーボ(プラセボ)効果」と「ノシーボ(ノセボ)効果」は、どちらも「思い込みや期待」が身体に物理的な変化をもたらす現象ですが、その方向性が真逆です。

​ 簡単に言うと、「良くなる」と信じて良くなるのがプラシーボ、「悪くなる」と不安になって悪くなるのがノシーボです。

​1. プラシーボ効果 (Placebo Effect)
​ ラテン語で「私は喜ばせるだろう」という意味に由来します。
■​定義
 有効成分が含まれていない偽薬(でんぷんの錠剤など)や、治療効果のない処置を受けているにもかかわらず、「これは効く」という期待や信頼によって、実際に病状が改善したり、痛みが和らいだりする現象です。
​■仕組み
 脳内で「報酬系」が活性化し、ドーパミンや、天然の鎮痛剤であるエンドルフィン(脳内麻薬)が分泌されることで、実際に物理的な痛みが緩和されることが科学的に証明されています。
​■具体例
 ただのビタミン剤を「強力な鎮痛剤」と言われて飲み、頭痛が治まる。
​ 医師への信頼感が高いほど、薬の効果が強く出やすくなる。

​2. ノシーボ効果 (Nocebo Effect)
​ ラテン語で「私は害するだろう」という意味に由来します。
​■定義
 「副作用が出るかもしれない」「この治療は危ない」といったネガティブな期待や不安によって、実際には無害なものであっても、心身に不調(痛み、吐き気、めまいなど)が現れる現象です。
​■仕組み
 不安やストレスを感じると、脳内でコレシストキニンという物質が放出され、痛みに敏感になったり、ストレスホルモン(コルチゾール)が自律神経を乱したりすることで、実際に体調を崩します。
​■具体例
 ​「この薬は10%の確率で吐き気がします」と説明を受けただけで、偽薬を飲んでも吐き気を感じる。
​ Wi-Fiの電波に敏感だと思い込んでいる人が、電源の入っていないルーターの近くで頭痛を訴える(電磁波過敏症の一部で見られる現象)。

 医療の現場では、医師が副作用を丁寧に説明しすぎると、逆に患者さんに「ノシーボ効果」を与えてしまうというジレンマがあります。一方で、患者さん自身が治療に前向きな期待を持つことは、実際の薬の効果を高める強力な「ブースター」になります。

 プラシーボ効果とノシーボ効果は、医療現場だけでなく、私たちの日常生活のあらゆる場面に潜んでいます。これらを意識的にコントロールすることで、パフォーマンスを上げたり、余計な体調不良を防いだりすることが可能です。
​1. プラシーボ効果を「味方につける」コツ
​ 脳をポジティブに「勘違い」させることで、心身の状態を底上げする方法です。
​■「ルーティン」に意味を持たせる
 「これを飲めば集中できる(例:特定のコーヒー)」「この音楽を聴けばリラックスできる」というマイルールを決めると、脳がそれをスイッチとして認識し、実際に集中力やリラックス効果が高まります。
​■高価なもの・質の良いものを使う
 「これは高級な美容液だから効くはず」「最新のランニングシューズだから速く走れる」という期待は、実際に肌の調子を整えたり、運動パフォーマンスを向上させたりします。
​■言葉に出して脳に言い聞かせる
 「今日は調子がいい」「ぐっすり眠れた」と口に出すだけで、脳はその情報に合わせた身体状態を作ろうと反応します。これを「アファメーション」とも呼びます。

​2. ノシーボ効果を「回避する」コツ
​ 無意識のうちに自分をネガティブな方向に追い込まないための防御策です。
​■ネット検索の「病気探し」を控える
少し体調が悪い時にネットで症状を調べ、「重大な病気かも」と不安になると、そのストレス自体が新たな痛みや動悸を引き起こします。これを「サイバーコンドリア」と呼びます。不安な時は検索を止め、専門家に相談するのが一番です。
■​副作用の情報を「知識」として冷静に扱う
薬を飲む際、副作用の欄を見て「これ、絶対起きるな」と思い込むと、実際に症状が出やすくなります。「こういう可能性もあるが、体は良くなっている」と、主作用(良い効果)に意識を向けることが大切です。
■​周囲のネガティブな発言をスルーする
「今の時期、みんな風邪ひいてるよね」「この仕事、絶対疲れるよ」といった他人の言葉を鵜呑みにすると、脳が「自分もそうなる」と準備を始めてしまいます。

​3. 人間関係や育児・教育への応用
​ この効果は、自分だけでなく他人に対しても働きます。
​■ピグマリオン効果(他者へのプラシーボ)
 「あなたならできる」「期待しているよ」というポジティブな評価を受けると、相手は実際に能力を発揮しやすくなります。
■​ゴーレム効果(他者へのノシーボ)
 「お前は何をやってもダメだ」「どうせ無理だ」と言われ続けると、相手のパフォーマンスは実際に低下し、意欲も削がれてしまいます。

2025年12月17日水曜日

口蓋(こうがい:口の天井部分)と姿勢

 口蓋(こうがい:口の天井部分)と姿勢には、非常に密接な関係があります。一見、口の中と全身の姿勢は無関係に思えるかもしれませんが、「呼吸」「舌の位置」「筋肉の連鎖」という3つの要素を介して深くつながっています。

主な関連ポイントを整理して解説します。

1. 舌の位置と口蓋の形状

正しい姿勢を保つための鍵は、舌が口蓋にぴったりと吸い付いている「正位(スポットポジション)」にあることです。

  • 正常な状態: 舌が口蓋を押し広げることで、上あごのアーチが横に広がり、鼻腔(鼻の通り道)も十分に確保されます。

  • 低位舌(ていいぜつ): 舌が下に落ちていると、口蓋に圧力がかからず、上あごの幅が狭く高い「高口蓋(こうこうがい)」になりやすくなります。これが原因で歯並びが悪くなったり、鼻呼吸がしにくくなったりします。

2. 気道の確保と「猫背・ストレートネック」

 口蓋の形状や舌の位置が悪く、鼻呼吸がしにくい(口呼吸になる)と、体は無意識に空気を取り込もうとして姿勢を変化させます。

  • 前重心の姿勢: 狭くなった気道を広げるために、あごを前に突き出し、頭を前方に移動させます。

  • 姿勢の連鎖: 頭が前に出ると、その重さを支えるために巻き肩(猫背)になり、さらに骨盤の傾きや浮きゆび(足趾が浮く)など、全身のバランスが崩れていきます。

3. 筋膜のつながり(アナトミー・トレイン)

 解剖学的にも、舌や口蓋周辺の筋肉は「ディープ・フロント・ライン」と呼ばれる体の深層部を通る筋膜のラインの終着点です。

  • このラインは、舌から喉、横隔膜、腰筋、そして足趾までつながっています。

  • そのため、口蓋の状態や舌の緊張は、横隔膜(呼吸の質)や体幹の安定性に直接影響を及ぼすとされています。

 姿勢の悪さに悩んでいて、かつ「口がいつも開いている」「舌先が下の歯に当たっている」といった自覚がある場合は、MFT(口腔筋機能療法)の相談をするのが有効な場合があります。



新宮校ワークショップ(休日) 

12月21日(日)→ 詳細

 

 ☆新宮校ワークショップ(平日)

 12月22日(月)→詳細

 

 ☆新宮校年末ワークショップ

12月28日(日)→詳細

 

☆新宮校年始ワークショップ

1月4日(日) → 詳細

2025年12月10日水曜日

耳を引っ張ることで側頭骨と蝶形骨の間にストレッチをかけ、蝶形骨の緊張や歪みを改善し、全身のバランスを整える。

 耳の機能と蝶形骨(ちょうけいこつ)には密接な関係があります。蝶形骨は、頭蓋骨のほぼ中央に位置し、その名の通り蝶が羽を広げたような形をした重要な骨です。

👂 耳の機能との主な関係

 蝶形骨は、主に以下の点で耳の健康や機能に影響を与えます。

  • 平衡感覚(三半規管)との関連:

    • 蝶形骨は、平衡感覚を司る三半規管(側頭骨内にあります)と解剖学的に密接に関係しており、身体のバランス調整に不可欠な役割を担っています。

    • 蝶形骨が歪むと、この平衡感覚の伝達や機能に影響を及ぼす可能性があります。

  • 耳管の機能(気圧調整)との関連:

    • 蝶形骨の一部である翼状突起内側板(よくじょうとっきないそくばん)には、蓋帆張筋(こうがいはんちょうきん)という筋肉が付着しています。

    • この筋肉は、耳管(じかん:中耳と鼻の奥をつなぐ管)を開放する役割を持っており、外耳と中耳の空気圧を等しく保つのに重要です(嚥下時など)。

    • 蝶形骨の位置や動きが悪くなると、この筋肉の機能にも影響が出ることがあり、結果として耳の気圧調整に不調をきたす可能性があります。

  • 頭蓋骨の歪みと不定愁訴:

    • 蝶形骨は、頭蓋骨の多くの骨と連結しており、その歪みは頭蓋骨全体の歪みの中心的な要因となることがあります。

    • 蝶形骨の歪みは、側頭骨(耳の構造を含む骨)を囲む縫合の動きの不調と関連し、難聴やめまいなどの不定愁訴を引き起こす一因となると考えられることがあります。


💡 蝶形骨の調整とセルフケア

 耳を引っ張ることで、耳のそばにある側頭骨と蝶形骨の間にストレッチをかけ、蝶形骨の緊張や歪みを改善し、全身のバランスを整えるというアプローチがあります。

  • 蝶形骨の調整は、自律神経や血流にも影響を及ぼし、リラックス効果や、顔のむくみ・たるみの改善にも繋がるとされています。

 これらの解剖学的な繋がりから、耳の不調を考える際には、頭蓋骨の中央にある蝶形骨の状態も重要な要素として考慮されることがあります。

耳を引っ張ることで全身のバランスを整える。

 耳管(じかん)は、耳の健康と聴覚にとって非常に重要な役割を担う管状の器官です。

👂 耳管とは

 耳管は、中耳(鼓膜の奥の空間:鼓室)と鼻の奥(鼻咽腔:びいんくう)咽頭(上咽頭)をつないでいる管です。

👂 耳管の基本情報と構造

 耳管は、中耳(鼓膜の奥の空間:鼓室)鼻の奥(鼻咽腔/びいんくう)をつなぐ細い管です。

  • 長さと太さ: 成人で約35mm、直径約2~3mm程度です。

  • 構造: 一部は骨でできており、多くは線維軟骨と粘膜で構成されています。

  • 通常は閉じた状態を保っており、必要な時にだけ開く構造になっています。

🌟 耳管の主な役割(3つの機能)

 耳管には、中耳の機能を最適に保つための、主に以下の3つの大切な役割があります。

1. 換気機能(気圧の調整)

 これが最も重要な機能です。

  • 目的: 鼓膜の内側(中耳)と外側(外気)の気圧を等しく保ち、鼓膜が正常に振動できるようにすることです。

  • メカニズム: 普段は閉じていますが、つばを飲み込む(嚥下)あくびをするなどの動作をした際に、周囲の筋肉(口蓋帆張筋など)が収縮し、耳管が一時的に開きます

  • 効果: 飛行機の離着陸時やエレベーターでの昇降時など、急激な気圧変化があっても、この開閉によって中耳の気圧が調整され、「耳が詰まった感じ(耳閉感)」を解消することができます。

2. 排泄機能(粘液の排出)

  • 中耳内では常に少量の粘液(分泌物)が作られています。

  • 耳管は、この粘液を鼻咽腔へ排出し、中耳内に液体が溜まるのを防ぐ役割を担っています。

3. 防御機能

  • 耳管が普段閉じていることで、鼻や喉からの中耳への細菌やウイルス、鼻水などの逆流を防ぎ中耳炎などの感染から中耳を守っています。


 口蓋帆張筋(こうがいはんちょうきん、tensor veli palatini muscle)**は、耳管の働きに非常に重要な役割を担う筋肉です。

🌟 口蓋帆張筋の役割と機能

 口蓋帆張筋の主な機能は、その名の通り「口蓋帆(軟口蓋)を張る(緊張させる)」ことと、最も重要な「耳管を開放する」ことです。

1. 耳管の開放(中耳圧の調整)

  • メカニズム: 口蓋帆張筋は、嚥下(つばを飲み込む)やあくびなどの動作の際に収縮します。

    • この筋肉は、耳管の軟骨部の外側に付着しています。収縮することで、耳管の膜様部を外側へ引っ張り、通常閉じている耳管を一時的に開大させます。

  • 重要性: 耳管が開くことで、中耳(鼓膜の奥)と鼻の奥(鼻咽腔)の圧力が等しくなり、鼓膜が正常に振動できる状態が保たれます(換気機能)。

    • 飛行機での「耳抜き」は、この耳管開放の働きを意識的に行っている現象です。

2. 口蓋帆(軟口蓋)の緊張

  • 口蓋帆張筋は、腱が翼状突起(蝶形骨の一部)の鉤(かぎ)を回って横に走り、口蓋腱膜という腱膜となって軟口蓋に広がります。

  • 収縮すると、軟口蓋に緊張(張り)を与え、口蓋帆を上方向に引き上げる口蓋帆挙筋(こうがいはんきょきん)の働きを助けます。


👂 解剖学的な特徴と蝶形骨との関係

起始と停止

  • 起始(きし): 主に蝶形骨の舟状窩(しゅうじょうか)と棘(きょく)、および耳管軟骨の膜性板(まくせいばん)から始まります。

    • これこそが、前回お話した蝶形骨と耳の機能との密接な関わりを示す解剖学的根拠です。

  • 停止(ていし): 口蓋腱膜(軟口蓋を構成する腱膜)

神経支配

  • 三叉神経(さんさしんけい)の第3枝(下顎神経)によって支配されています。

    • 軟口蓋の他の筋肉が主に迷走神経や舌咽神経の支配を受けるのに対し、口蓋帆張筋のみが三叉神経の支配を受けるという点で特徴的です。


口蓋帆張筋は、嚥下、発声、そして中耳の健康を保つ上で欠かせない、非常に重要な筋肉です。


呼吸法と統合したテクニックを、各ワークショップにて解説します。

☆東京ワークショップ

 12月12・13・14日(金・土・日)→ 詳細    

 

 ☆大阪ワークショップ

12月18日(木)→ 詳細

 

☆名古屋ワークショップ

12月19日(金)→ 詳細

 

☆神戸ワークショップ

12月20日(土)→ 詳細

 

新宮校ワークショップ(休日) 

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12月28日(日)→詳細

2025年12月5日金曜日

移動距離と人生の質の関係

 移動距離と人生の質(QOL)の関係は、移動の目的や種類によってプラスにもマイナスにもなり得るという二面性を持っています。

​🏃 移動の多様性がもたらすプラスの影響
​ 日常生活からの脱却や新しい経験のための移動は、人生の質を向上させる傾向があります。  

​幸福度との関連:
​ 休日のお出かけ距離が長い人、あるいは日常的に多くの異なるエリアに訪問する人ほど、幸福度が高いという傾向が見られます。これは、遠出だけでなく、数多くの色々なエリアに出かけること自体が重要であることを示唆しています。
​ 移動により新しい知識や体験が得られ、成長やイノベーションにつながる可能性が指摘されています。
​ 遠出することで「スカッとする」といった感情は、人間の脳に埋め込まれた本能かもしれないという研究もあります。
​ 移動の多様性や新規性が幸福度と正のスパイラルを形成し、移動によって幸福を感じればさらに移動し、もっと幸福を得るという好循環が生まれる可能性があります。

​知識と経験の獲得:
​ 移動距離は、得られる情報の量と質に比例するとも言われ、多様な文化や価値観に触れることで、視野が広がり、新しいアイデアが生まれやすくなります。

🚗 長時間通勤がもたらすマイナスの影響
​ 一方で、毎日の通勤における長時間の移動は、多くの研究で人生の質を低下させることが示されています。

​時間的・精神的ストレス:
​ 通勤時間が長くなるほど、自由な時間(家族、趣味、リフレッシュ)が大幅に減少し、ワークライフバランスが崩れやすくなります。
​ 特に長時間通勤(例:片道1時間以上、特定の研究では50分超)は、主観的ウェルビーイングやメンタルヘルスレベルを低下させ、うつ病リスクが高まるという研究結果もあります。
​ 満員電車や渋滞といった受動的な移動手段は、最も楽しくない日常の活動の一つと見なされ、ストレスが溜まりやすいです。
​ ストレスは、頭痛や肩こり、消化器系の不調といった身体的な影響や、免疫力の低下にもつながることがあります。

​健康と生活習慣への影響:
​ 通勤時間が長くなるほど睡眠時間や運動時間が減少し、肥満リスクが上昇する傾向が示されています。
​ 食生活の質の低下(外食や中食の増加、野菜・果物摂取量の減少)との関連も報告されています。

2025年12月4日木曜日

「目は剥き出しの脳」 一点凝視が交感神経を優位にして全身の自律神経のバランスを崩すトリガーになる。

 「目は剥き出しの脳」という表現は、目(視覚器)が、脳の一部が体外に露出し、感覚器として特化したものであるという、解剖学的・発生学的な事実や、目と脳の密接な関係を強調するために使われます。

主なポイント

  1. 発生学的なつながり:

    • 目(特に網膜)は、発生の過程で脳の一部が外側に張り出して形成されたものとされています。

    • 網膜の神経細胞は、大脳や小脳と同じく中枢神経系に分類され、脳の組織と直結しています。

  2. 情報処理の重要性:

    • 人間が外界から得る情報の約80%は視覚から得られると言われています。

    • 目は膨大な情報を脳に送り込んでおり、視覚情報は脳の広い領域で処理されています。このため、目は脳の活動に直接的かつ大きな影響を与えます。

  3. 疲労と自律神経への影響:

    • 目を酷使することは、脳の疲労に直結します。

    • 目の筋肉の緊張や、情報処理による脳の過活動は、自律神経の乱れを引き起こす原因の一つと考えられています。これにより、肩こり、首の痛み、全身の倦怠感など、体のさまざまな不調につながることが指摘されています。


 一点凝視(長時間同じ距離、特に近くの一点を見つめ続けること)は、主に交感神経を優位にする要因となり、自律神経のバランスを乱す原因の一つと考えられています。「目は剥き出しの脳」という言葉の通り、目は脳と直結しているため、目の使いすぎは直接的に脳の疲労につながり、自律神経に影響を与えます。


⚡ 一点凝視が交感神経を優位にするメカニズム

 一点凝視が交感神経の働きを強める主なメカニズムは、目の筋肉の緊張脳の興奮状態の持続の2点です。

1. 👀 ピント調節筋(毛様体筋)の持続的な緊張

  • 近くの一点を見つめ続けるとき、目のピントを合わせるために毛様体筋が緊張し、収縮した状態が続きます。

  • この毛様体筋は、自律神経の中でも副交感神経によって支配されていますが、長時間緊張し続けると、その負荷が脳に伝わり、ストレスとして認識されます。

  • ストレス状態が続くと、身体は「戦うか逃げるか」の反応を示す交感神経を優位にして、ストレスに対応しようとします。

2. 🧠 視覚情報処理による脳の過活動

  • 長時間のデスクワークやスマートフォンの使用など、集中して一点を見つめる行為は、視覚野をはじめとする脳の広い領域で活発な情報処理を要求します。

  • この高い集中と脳の持続的な興奮状態が、「活動」「緊張」を司る交感神経の働きを強めます。

  • 本来、夜間や休息時に優位になるべき副交感神経の働きが抑えられ、自律神経のバランスが崩れやすくなります。

3. 💧 ドライアイと自律神経

  • 一点凝視をしていると、まばたきの回数が減少し、目が乾燥しやすくなります(ドライアイ)。

  • 涙の分泌は自律神経によってコントロールされています。目が乾く、ショボショボするといった不快な症状や目の炎症も、間接的に交感神経を刺激し、心身の緊張を高める原因となります。

💥 バランスの乱れが引き起こす症状

交感神経が優位になりすぎると、体には以下のような「戦いの準備」状態が起こり、さまざまな不調として現れます。

症状の分類具体的な症状交感神経優位による影響
目の症状眼精疲労、目の痛み、かすみ、充血目の血管収縮、瞳孔散大の持続
身体の症状肩こり、頭痛(特に緊張型)、倦怠感筋肉の緊張、血管の収縮
精神的な症状イライラ、不安感、不眠心拍数の増加、血圧の上昇、精神的な緊張状態の持続

 長時間の一点凝視による目の緊張は、単なる「目の疲れ」ではなく、全身の自律神経のバランスを崩すトリガーになるため、定期的な目の休息が重要です。目の健康を維持し、全身の健康を保つための具体的な方法は、「目を休ませる」「栄養を摂る」「血流を良くする」の3つの柱に分けられます。


👁️ 1. 目を休ませる・使い方を工夫する(デジタル疲労対策)

 目が脳の活動に直結しているからこそ、意識的な休憩が脳の疲労回復につながります。

  • 20-20-20ルール

    • 20分ディスプレイを見たら、**20フィート(約6メートル)**以上離れた場所を、20秒間見つめる。ピント調節筋(毛様体筋)の緊張を緩めるのに非常に効果的です。

  • 適切な画面距離と明るさ

    • スマートフォンは30cm以上、パソコンは40〜50cmの距離を保ちます。

    • 画面の明るさを、周囲の環境に合わせる(明るすぎず、暗すぎないように調整する)。

  • 意識的なまばたき

    • 集中しているとまばたきの回数が減り、ドライアイの原因になります。意識してギュッと閉じて、パッと開くまばたきを定期的に行いましょう。

  • 十分な睡眠

    • 目の休息は、脳の休息に直結します。特に、睡眠前のスマートフォンやPCの使用は、脳を興奮させ、睡眠の質を低下させるため控えましょう。

  • 屋外活動の奨励

    • 適切な紫外線対策(帽子やUVカットサングラス)を施しつつ、戸外で遠くの景色を見る習慣は、目のピント調節機能の訓練になり、近視の予防にも役立つとされています。

💪 2. 目の周りの血流を良くする・ストレッチ

 目を動かす筋肉(外眼筋や毛様体筋)の疲労は、自律神経の乱れにもつながるため、筋肉をほぐすケアが重要です。

♨️ 温める(温罨法)

  • 蒸しタオルやホットアイマスクで目の周りを温めると、血流が良くなり、目の奥の筋肉の緊張が和らぎます。

  • これにより、副交感神経が優位になりやすくなり、リラックス効果も得られます。

🤸 目のストレッチ(眼球運動)

  • 顔は動かさずに、視線だけで上下、左右、斜め、そしてぐるぐる回す動きをゆっくりと大きく行います。

  • 遠近ストレッチ: 近く(指先など)を数秒見つめた後、すぐに遠く(窓の外など)を数秒見つめることを繰り返します。



2025年12月3日水曜日

『人は心の中で考えたとおりの人間になる』(原題:As a Man Thinketh)。自分の思考の法則を完全に理解し、感情に振り回されない心の平穏を得る。

 ジェームズ・アレンの「現実は心に思い描いた通りになる」という思想は、彼の代表作である『人は考えたとおりの人間になる』(原題:As a Man Thinketh、1903年)の中心的なテーマであり、日本では『原因と結果の法則』という邦題でも知られています。この思想の核心は、「人間は、心の中で考えたとおりの人間になる」という点にあります。

💡 主要な考え方のポイント

  • 思考の創造力:

    • 心は創造の達人であり、私たちは思いという道具を用いて自分の人生を形作っています。

    • 私たちの思考は原因となり、人生における状況や環境はその結果として現れると考えられています。

  • 環境は心の鏡:

    • 私たちを取り巻く環境は、真の私たち自身を映し出す鏡にほかなりません。

    • 人は直接的に環境を選ぶことはできないかもしれませんが、思考を選ぶことはでき、それによって間接的かつ確実に環境を形作ることができるとされます。

  • 自己責任と力の認識:

    • 人が手にする成果も失敗も、すべてその人のものの考え方いかんにかかわっていると強調されます。

    • 人は、うちひしがれ絶望のどん底にあるときでも、自分自身の支配者であり、環境の設計者であるという真実に気づくことを促しています。

  • 目的と理想の力:

    • 目的を設定し、その目的に向かってまっすぐな道を心に描くことの重要性が説かれています。

    • 心の中に美しい未来像を描き、理想を追い求める人は、いつか必ずそれを実現するとされています。

    • 疑惑や恐れといったネガティブな感情を排除し、ポジティブな思考と信念を持って努力を重ねることで、理想的な人格と人生を築くことができるとしています。


⚖️ 「原因と結果の法則」の徹底

 アレンは、宇宙には「思考」に関する確固たる法則が存在し、これは自然界の法則と同様に揺るがないものであると断言します。

  • 思考が原因、環境が結果:

    • 私たちの心は創造の達人であり、思考という道具を使って自分の人生を形作ります。

    • 外部の環境や境遇は、心の中で密かに抱いている思考の反映にすぎません。

    • 良い思考や行動は決して悪い結果を生まず、悪い思考や行動は決して良い結果を生みません。これはトウモロコシの種からトウモロコシしか生まれないのと同じ、因果の道理であると説きます。

  • 環境は心の鏡:

    • 環境は、人間を作るのではなく、その人自身の姿を明らかにしてくれるもの(鏡)です。

    • 環境の変化を望むなら、まず自分の心の状態(思考)を意欲的に正し、進歩を遂げる必要があります。


🧘 人格・健康・成功における思考の力

 アレンは、この法則が人生のあらゆる分野で機能すると説明します。

1. 思考と人格

  • 人格は努力の産物:

    • 人格や性格は、決して生まれ持ったものではなく、日々の思考の積み重ねによって作り出されたものです。

    • 思考は行動となり、行動は習慣となり、習慣は人格となり、人格が運命となります。

2. 思考と健康

  • 心は健康を支配する:

    • 悪意、羨望、怒り、不安、失望といったネガティブな思考は、肉体から健康と美しさを奪います。

    • 強くて清らかで幸せな思考は、活力に満ちた美しい肉体と健康を創り上げます。病気を恐れる心は、かえって病気を引き寄せるとも述べています。

3. 思考と成功(目的)

  • 犠牲と信念:

    • 成功は偶然や幸運の結果ではなく、努力の結果です。

    • 成功を達成するためには、明確な目標を持ち、それをすべての思考の中心に置く必要があります。

    • 成功したいという欲望を叶えるためには、即座の満足を求める欲望(怠け心など)を犠牲にする必要があります。

    • 「自分はそれを達成できる」という強い信念と、疑惑や恐れを克服する忍耐力が不可欠です。


🙏 究極の目的:「穏やかな心」

アレンの教えの究極的なゴールは、世俗的な成功だけでなく、「心の平和」、すなわち穏やかな心(Serenity)に到達することです。

  • 穏やかな心は、賢明さがもたらす素晴らしい宝であり、自己コントロールを身につけるための長い忍耐強い努力の賜物です。

  • 自分の思考の法則を完全に理解し、感情に振り回されない心の平穏を得ることで、人はより大きな影響力と権威を手にすることができるとされます。

2025年11月28日金曜日

12月のワークショップ案内☆メインテーマ:足と舌からの姿勢改善

 12月の各地の安部塾ワークショップのご案内です。

 11月に引き続き、地味だけれど重要な足と舌の機能改善とともに、股関節の安定性を保持した可動性を高めていきたいと考えています。

☆メインテーマ:足と舌からの姿勢改善

 ■股関節のターンアウト(外旋):股関節の安定性を高める

・スクワット/ランジ/補助トレーニング

 ■ルルベ(つま先と甲を伸ばす動作)で、足の剛性を高める

・足首の活性化:足趾を開く力とかかとを上げる力を養う

・足のアーチの改善

■足首を曲げる動作で足の柔軟性を高める

・つま先上げ/かかと歩き/ふくらはぎストレッチ

■軟口蓋の引き上げと舌の位置改善:姿勢と呼吸の改善

・猫背や前かがみの姿勢の改善

■参加者からのリクエスト応答


☆飯塚ヨガワークショップ  

12月5日(金)→ 詳細

 

☆下関ワークショップ 

12月6日(土)→ 詳細

 

 機能運動学大牟田サークル 

12月7日(日) → 詳細 

 

 ☆東京ワークショップ

 12月12・13・14日(金・土・日)→ 詳細    

 

 ☆大阪ワークショップ

12月18日(木)→ 詳細

 

☆名古屋ワークショップ

12月19日(金)→ 詳細

 

☆神戸ワークショップ

12月20日(土)→ 詳細

新宮校のワークショップ案内は12月に入ってからお知らせいたします。