2023年は様々な和洋東西古今を問わず、身体操作技術の研究をすることができました。特に、頭部前方位姿勢についてはかなり理解が進みました。
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頭部前方位姿勢 |
首の付け根後方に「こぶ」のような盛り上がりができてしまっている状態の対策が出くるようになり、丸肩への対処が可能になりました。
アナトミートレイン(医学書院)より引用します。
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驚愕反応 |
フェルデンクライスは、「負の感情はすべて、屈曲として現れる」と述べている。怒りによる前かがみ状態、うつ状態によるうなだれた姿勢、恐れによる身を縮めた姿勢は数多く、様々な形態で見られる。これらはすべて屈曲に関与する。
人々は、鼡径部を縮める、腹部を締める、胸部を引っ込めるなど、それとはなく、あるいは明確に、この感受性の高い部分を保護している。
しかしフェルデンクライスの観察には注目すべき例外がある。すなわち、負の感情は通常、上部頸椎の屈曲ではなく過伸展を引き起こす。これは驚愕反応と呼ばれる反応に極めてはっきりと見ることができる。
明らかなことは、驚愕反応は全体的な屈曲反応ではなく、スーパーフィシャル・フロント・ライン上での短縮と緊張であるということである。この反応全体は、乳様突起が恥骨に近づけられることからはっきりと示される。これは前面で器官を保護するのみならず、顎を退縮かつ過伸展させ、頭を前方に下げる。
驚いた人の全身姿勢は、頸上部の過伸展に加えて、下肢が硬直し、体幹と腕が屈曲する。
引用ここまで
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頭部前方位姿勢 |
頭部前方位姿勢の人が怒り狂って他者を思い通りに従わせようとして吹きあがっているのを観察できると思います。怒り疲れて興奮がおさまると、うなだれてうつ状態になってしまうのもよく観察できるはずです。自分が元々信じていることを容易に変えられない。自分には一貫性があり、自分が正しいと強く主張する人が、頭部前方位姿勢なのが確認できると思います。私は、「何となく自分が間違っていると感じていても、自分を肯定するように物事を捉え、自分の選択や決断が間違っていないと思い込んでしまう。本当は間違っているのにも関わらず、間違いを認めたくないために、自分を守るように自己正当化してしまう。」という傾向と頭部前方位姿勢に強い相関があると考えています。
その人が自己正当化することで、こちらが悪者になってしまうケースもあります。そういうことになりそうなのであれば、それは反論してもいいでしょう。
そのときには、本人に反論するのではなく、その事実を評価する立場の人に「事実ではありません」と訂正を入れることです。要は、自分の身を守る程度には訂正する必要はありますが、基本的には受け流すことです。
引用ここまで
このとき、負の感情から頭部前方位姿勢になっている人からの攻撃を受け流す(戦わない)コツは、「姿勢を改善する=頭部中間位でいる」ということになります。
負の感情から頭部前方位姿勢になっているときは、自己正当化バイアスによって後押しされた根拠のない自信から、現実の自分の実力を過大評価しています。思い込みと自信過剰が強くなりすぎるため、本人が思っているほどには他者からは評価してもらえません。
頭部前方位姿勢は自分を守りたいという姿勢です。否定の否定をすることで自己正当化している状態です。自己正当化バイアスが強くかかるので、選択を間違えてしまいやすく、物事がうまくいかなくなります。
メンタル面から頭部前方位姿勢を改善するためには、常に自分を疑ってかかる必要があります。自己否定して、自分の何が間違っているのかを理解しなければなりません。
一度、ナチュラルに頭部中間位姿勢になってみればわかりますが、頭部前方位姿勢のときの認知は歪んでいることがほとんどです。また、頭部前方位姿勢のときは頭部中間位姿勢の人に対して謎に敵意を抱いたりしがちです。