2018年9月30日日曜日

筋ほぐし~顔面部・頭部・頸部の筋ほぐしは、感情的な緊張をゆるめてくれます~相手を助けるときは、絶対に、あなたが必要だと思う助け方を強要してはいけない。

昨日の神戸での筋ほぐしの様子です。

20190929 神戸 筋ほぐし

20190929 神戸 筋ほぐし

20190929 神戸 筋ほぐし

20190929 神戸 筋ほぐし

20190929 神戸 筋ほぐし

20190929 神戸 筋ほぐし

20190929 神戸 筋ほぐし

正しい筋ほぐしを施術すると、感情的な緊張問題がゆるんで穏やかになります。

「相手をコントロールしたい」「支配したい」という気持ちは生じません。

いまここにある自分と相手が溶け合い、それによりトリガーポイントが消えます。

見つけてもらったトリガーポイント=感情のしこりが喜んでくれるのです。


トリガーポイントには意思があって、探して見つけてもらうと喜びます。

『触知できる索状部位の中にある硬結』には、そんな性質があります。

再現された痛み=関連痛がひろがり、そしておさまっていきます。

そこにはただ、相手を想う気持ちだけがあります。


力づくでコリを潰そうとするのも、世話をして依存させようとするのも、邪(よこしま)です。

コントロールや支配がもたらすのは、さらなるトリガーポイントの増加です。


その昔、少しだけブームになったニール・ドナルド・ウォルシュの言葉。

人間関係の目的は相手に満たしてもらうことではなく、「完全な自分」を分かち合う相手をもつことだ。・

あなたがたは他人が恐怖のもとだと考えているが、あなたがたの信念が恐怖のもとなのだ。

行動の奥にある信念に取り組まなければ、長い目で見た行動を変化させることはできない。

相手を助けるときは、絶対に、あなたが必要だと思う助け方を強要してはいけない。

相手に対する責任を引き受けるほど、あなたは相手に対して権力を持つことになる。もちろん、あなたは良い気分になるだろう。だが、そんな援助は弱者を惑わす媚薬だ。

愛する者を世界に押し出しなさい。彼らが自分自身を体験できるようにしなさい。それがほんとうの愛だ。


こうやっていま見てみると、22年前の言葉としては、とても現代的です。


筋・筋膜トリガーポイントセラピーを日本で使うときは、「信念」に気をつけて欲しいと思います。

相手を助けるときは、絶対に、あなたが必要だと思う助け方を強要してはいけない。

大切なことなので、2回書きました。

ここを間違うと、泥沼状態に陥ります。


愛着に障害があると、相手の責任を引き受けて権力を持とうとします。

相手を依存させようとし、支配するために世話を焼きます。

その行為には愛がないため、日に日に筋肉に硬結が増え、索状部位がひろがっていきます。

眼だけがギラギラして、妙なテンションになります。


何かに憑りつかれているような雰囲気になります。

ときどき、筋硬結が消えた人が「憑物がおちたみたい」という感想を言うのは象徴的です。

自分の邪な心に支配された状態から、素の状態に戻れたということです。

ギラついていた眼が、優しい眼に変化し、明るくて穏やかになります。


感情的な緊張を自覚することは、トリガーポイントまみれの人には難しいものです。

手技療法のマニュアルに「謙虚であれ」と書いてある理由の重みを再認識しています。

2018年9月28日金曜日

顔面部・頭部の筋ほぐし~圧倒的な量をこなすことで質があがる~失敗することに金と労力をかける~失敗を乗り越えたモノなら、それはいいモノだ。

昨日の塾生講座のテーマも「筋ほぐし」でした。

20180927 薬院校塾生講座

非常に好評な『顔面部・頭部』をやりました(日田の女王リクエスト)。

塾生のTweetより。

Tweet

テキスト通りに施術すれば、期待以上の成果が得られたりします。

解剖学的に正確な位置に、適正圧で、適正時間、精密に触れることで。


筋・筋膜トリガーポイントセラピーに限りませんが、基本通りに施術する必要があります。

なので、座学をみっちり受けて理解を深めておく必要があります。

座学の不足は、相手の身体を傷つけ、破壊する事故につながります。

ボディワーカーにとって、相手の身体を傷つけるのは致命的な行為です。


相手の話をじっくりと聴くことができないと、座学の内容を正しく理解できません。

自分勝手な解釈をし、テキストとはまったく違った施術をすることになります。

その結果は事故です。

ボディワーカーは自己の知識を深めるとともに、技術の錬磨に集中しなければなりません。


自己宣伝に注力する暇があったら、ボディーワークの能力を向上すべきです。


整体術の世界には、こんな言い伝えがあります。

「きっちり稽古をやっていれば、ちゃんとやっていける」

真面目に毎日コツコツと学び、稽古を重ねていれば実力がつきます。

見る人が見れば、その人の実力は一目でわかります。


その佇まいを一目見ただけで、「この人に触れて欲しい」と思わせるのです。

それこそ、施術を受けたいという人たちが列をなします。


薬院校開校以降、一貫して塾生には「鬼練習をしなさい」と主張しています。

ブレイクスルーは、基本の反復練習によって起こります。

質が高い内容を、圧倒的な量で練習すれば、それまでの壊れた自己の機能を修復できます。

量をこなせば質があがるのは、量質転化の法則として有名です。


文字通り、我武者羅(がむしゃら)にやらないとダメです。

量が質に転化するまでには、かなりの量が必要です。

もし、途中でやめてしまうと、始める以前のレベルより質が下がります(相対的に)。

途中でやめてしまう人は、量質転化の逆法則の罠に堕ちることとなります。


勘違い自己判断で、「自分は理解できた。技術を身につけた」というのは危険です。

質だけを求める人は、こうして間違った自己流に陥ってしまうのです。


気が遠くなるような圧倒的な量をこなしているうちに、ある日、奇跡が起きます。

いきなり一気に質があがるのです。

どんな物事も、ほとんどの人たちは途中でやめてしまいます。

途中でやめなければ、その先にはブルーオーシャンがひろがっています。


量質転化の法則が面白いのは、『量をこなすことで、さらに量をこなせるようになる』という点です。

つまり、『量をこなせる能力≒質をあげる能力』ということです。

処理スピードがあがることで、劇的に質があがるというわけです。

なぜ、処理スピードがあがるかというと、『失敗を繰り返した』からです。


圧倒的な量をこなすということは、圧倒的な失敗数を経験するということです。

何度も何度も間違いを指摘され、全否定されるということです。

来る日も来る日も、間違いの指摘が繰り返されるのです。

そしてある日、あっさりと間違わないでできてしまいます。


それを人は、成功といいます。

しかし、量をこなした人にしてみれば、それは当然の結果でしかありません。

ありとあらゆるパターンの間違いを消去法で消していった結果です。

量をこなさない人は、必要な失敗を経験できないのです。


宇宙兄弟

宇宙兄弟

ドラえもん

途中でやめる人は、ブレイクスルーポイントに届きません。

そして、まわりの質があがっているので、相対的に以前より質が下がります。


圧倒的な量をこなした人と、途中でやめた人の質の違い

弁証法の、

「量的な変化が質的な変化をもたらし、また質的な変化が量的な変化をもたらす」

という量質転化の法則。

量をこなして質をあげ、質をあげることでさらに量をこなせるようになるのです。


そして、いま自分が繰り返していることが、未来の自分の質を決めていきます。


そんなことを、塾生たちが一生懸命に相手の顔をほぐしているのを見ていて思いました。

安部塾は、間違いを指摘されに来る場です。

私は、間違いは間違いとして指摘し、何度も失敗を繰り返させます。

私は、相手がブレイクスルーポイントに達するまで量をこなすのを見守ります。


量をこなしたくない人と縁がないのも、それはそれでいいのだと思います。


昨日につづき、パンドーラーの壷のお話。

パンドラの壷より

壷を開けたとたん、病気、憎しみ、ねたみ、嫉妬...あらゆる悪いものが、黒い霧と一緒に飛び出してきました!恐ろしさから、パンドラは急いで壷のふたを閉めました。

そこにエピメテウスが帰ってきました。
「いったい、どうして泣いているのだ?」と、パンドラに声をかけましたが、パンドラは顔をおおい、ただただ泣いてばかりでいます。

すると、壷の中からやさしい声がします。
「ふたを開けてください。私は〈希望〉です」
エピメテウスは、恐る恐るフタを開けました。

〈希望〉の女神が現れ、空へゆっくりと舞い上がっていきます。
パンドラとエピメテウスは、ほのかに明るい光に包まれました

引用ここまで。


私にはヘルメス的なところがあり、この話が好きだったりします。

解剖学本のタイトルにもなっている『プロメテウス』とのつながりも。

プロメテウス解剖学

人間を愛するプロメテウスの名を冠したこの本は、安部塾の教科書です。


もうおわかりだと思いますが、希望は、プロメテウスが、もしものときのために壷に忍び込ませておいたのものです。
 
プロメテウスのおかげで、私たちはたとえどんなひどい目にあっても、希望を持つことができるのです。

プロメテウス解剖学のタイトルを見る度に、このエピソードを思い出します。

そして、私たちは希望を持つことができるからこそ、圧倒的な量をこなせるのです。

2018年9月27日木曜日

筋ほぐし(筋・筋膜トリガーポイントセラピー)で身体を軽くする~思いやりがある人は筋ほぐしができる~思いやりのある人を真似る

9月29日(土)は、神戸集中講座で、

9月30日(日)は、下関集中講座で、

筋ほぐし(筋・筋膜トリガーポイントセラピー)の解説をします。

思いやりのあるパートナーに恵まれると、驚異的に身体が軽くなります。

安部塾東京トリガーポイントセラピー

再三再四書いていますが、鍵となるのは『適正圧』です。

そして、障害になるのは、施術側の『自己受容感覚と脳の機能』です。

正確に身体を動かせない人は、うまく相手に触れることができません。

脳の運動結果予測の誤差が大きすぎて、相手にダメージを与えてしまうのです。


詳細はこの記事を → 身体運動は予測制御によって実現されている


予測誤差を低下させ、限りなく0に近づけることができる人のタッチには、思いやりがあります。

予測誤差を低下させることができない人のタッチは乱暴で、思いやりがありません。

この場合の愛は、「思いやり」です。

予測誤差を低下させれない理由でよくあるのが「支配欲」です。


支配欲が強い人は、トリガーポイントを押して潰すようなイメージで圧します。

当然の結果として、相手の身体は破壊されてしまいます。


思いやりがある人は、相手の反応をモニタリングしながら、そっと圧します。

筋・筋膜が解放されてバランスがとれ、身体が軽くなります。


北風と太陽ですね。

北風と太陽

 まず、北風が力いっぱい吹いて上着を吹き飛ばそうとする。しかし寒さを嫌った旅人が上着をしっかり押さえてしまい、北風は旅人の服を脱がせることができなかった。
 次に、太陽が燦燦と照りつけた。すると旅人は暑さに耐え切れず、今度は自分から上着を脱いでしまった。

 手っ取り早く乱暴に物事を片付けてしまおうとするよりも、ゆっくり着実に行う方が、最終的に大きな効果を得ることができる。

引用ここまで


按手の達人たちはみな口をそろえて、「思いやりが大切」と主張します。

按手の達人たちはみな『聴き上手』です。

やたらと指示ばかりする人には思いやりがありません。

思いやりがある人は、まず相手のことをしっかりと観察します。


それは、相手に共感できる能力があるということです。

共感できないことには、思いやることはできません。

思いやりとは、相手の感情を理解し、それに従って行動することです。

真摯に相手に向き合って情報を集め、それに基づいて理性的に行動することなのです。


純粋な思いやりの心=真心からくる『思いやりの行動』は連鎖します。

思いやりの心には返報性があります。

なので、自分自身もしあわせな気持ちになります。

そして、思いやりの心がある人たちが、まわりに集まってきます。


トリガーポイントセラピーでは、ジャンプサインを手掛かりにすることがよくあります。

相手の筋肉の単収縮反応や表情の変化をしっかり観察し、感覚を総動員するのです。

そうすることで、適正圧の誤差を極限まで0に近づけます。

眼の完全矯正が不可欠なように、筋肉への適正圧も完全であるべきなのです。


具体的には、どうしたらいいのでしょうか?

さっきの記事で『型』の解説をしました。

「思いやりのある人(気持ちよく付き合える人)の行動を真似すること」が大切です。

筋・筋膜トリガーポイントセラピーの達人の行動を真似ればよいのです。


思いやりの心のレベルが高い人は、すごいことをサラッとやってしまいます。

その動きは的確で、誤差の修正がの必要がありません(誤差がないから)。


思いやりのレベルが低い人には、破壊的な圧し方をします。

その動きは的確さに欠け、修正不能な誤差の数値を記録します。

相手を観察していないので、当然と言えば当然のことなのですが、物凄い誤差です。

そして、その誤差を修正しようともしません(認知していないから)。


脳のセルフモニタリングの能力が鍵となります。

考え方として、日々の動きを繊細な身体操作で行うことで動作予測の誤差をなくします。

そして、高いモニタリング能力を駆使して、相手の筋肉の状態を探ります。

自分の身体の動作予測の誤差すら修正できない状態では、相手の筋肉の状態がわかりません。


わからないならわからないなりに、謙虚に愛をもって触れればいいのですが、それもしません。


優れた手技療法家は、身体操作においても優れています。

自分の身体を丁寧に使う脳の能力を用いて、相手の身体をほぐしているからです。

力づくで相手を変えようとする人は、自分の身体も力づくで動かしています。

結果、炎症反応に悩まされ、慢性痛を抱えることになっています。


詳しいことは、慢性痛のサイエンスを、お読みください。


筋肉は負の情動の悪影響をモロに受けるため、単に物理的なアプローチだけをしても結果が出ません。

人は、希望によって生きます。

→ パンドラの壷

パンドラの壷

慢性痛のサイエンスの182Pに、パンドラの壷の「希望」の解説があります。

「今日まで、私たちがどんな災難に遭って途方に暮れたときでも、希望だけは決して私たちを見捨てることはない。そして私たちが希望を失わない限り、いかなる不幸も私たちを零落させることはない」185P

パンドーラー

私も、慢性痛の克服の鍵は「希望」だと考えています。

脳機能の終着点は、「希望」。

そして、それを理解できる「修正誤差0の脳」を育てるのが「筋ほぐし」だと思います。

2018年9月26日水曜日

身体運動は予測制御によって実現されている~よく見ることが大切~ものごとを客観的に俯瞰で見る


感情とはそもそも何なのか 新刊 現代科学で読み解く感情のしくみと障害

感情とはそもそも何なのか 新刊 現代科学で読み解く感情のしくみと障害より

 外界が見えている状態を一般に視覚イメージとよぶ。この視覚イメージは脳内でつくられたものである。わたしたちが3次元の実世界に目を向けることにより、網膜像がつくられる。網膜像は2次元である。3次元の実世界からこの2次元網膜像がつくられる過程は、物理学(光学)によって説明されるが、脳は逆に、得られた2次元網膜像から3次元の世界を推論し、視覚イメージを形成しているのである。わたしたちが見ている世界は、脳が2次元網膜像から3次元実世界の構造と状態を推論した結果であると言える。またこれは、2次元網膜像がつくられる物理過程とは逆の過程なので、逆光学とよぶこともある。言い換えると、得られた2次元データから、それが得られた原因(すなわち3次元の実世界)を推論する過程であると考えることができる。一般に、2次元のデータから3次元の構造や状態を推論することはできない。しかし、われわれはそれをいとも簡単に、また正確に推論することが可能なのである。42-43P

 身体運動は予測制御によって実現されている。たとえば、手や腕を動かそうとした場合、大脳の運動皮質から運動神経系を通じて、手や腕の筋肉に電気信号が伝わる。電気信号が筋肉に到達すると、筋肉は収縮する。これによって関節角が変化し、運動が生ずるのである。手や腕の運動が生じると、その運動を感覚信号としてとらえることができるし、筋肉が収縮すると拮抗筋が伸展する。筋肉が伸展すると、その筋肉からその筋肉にある自己受容器によって、自己受容感覚(固有感覚)が中枢に伝えられる。これらの感覚信号を運動のフィードバック信号とよぶ。
 脳は運動をするとき、その運動の結果を予測しているということである。46P

 脳内のさまざまな部位でモニタリング機能が働いている。モニタリングというのは何らかの状態を監視するということである。通常は上位中枢からモニタリングシステムにこうではないか、こうなるのではないかという信号が送られてきて実際の信号との誤差をとる。誤差が0であれば正しくモニタできているということになる。つまりシステムを理解するために、状態を予測する信号を出すのである。
 視知覚は網膜から脳に伝えられる信号からその原因を脳が推定した結果なのである。47P

 いくら自己の身体状態を調節しようとしても、何らかの理由によって予測誤差を低下させられないとしよう。こうした場合、メタ認知的な信念が調整されず、自己効力感が低下し、疲労感を誘発すると考えられている。この種の疲労は肉体的な疲労とは異なるので、安静にしていてもよくはならない。そして低い自己効力感は一般にストレスに対する抵抗力を低下させ、さまざまな精神疾患を招く危険性が増える。81P

引用ここまで


メタ認知(メタにんち)とは認知を認知すること。人間が自分自身を認識する場合において、自分の思考や行動そのものを対象として客観的に把握し認識すること。それをおこなう能力をメタ認知能力という。

■メタ認知能力(メタにんちのうりょく: Metacognitive Ability)
現在進行中の自分の思考や行動そのものを対象化して認識することにより、自分自身の認知行動を把握することができる能力を言う。 自分の認知行動を正しく知る上で必要な心理的能力。

Knowledge Monitoring Ability(知識を監視する能力)
Knowing about knowing(知っているということを知っていること)
Cognition about cognition(認知していることの認知)
Understanding what I understand(自分の理解していることを理解すること)
と定義されている。

引用ここまで


メタ認知能力が低い人は、他者と適度な距離感を保ちながら付き合うことができません。

自分の感情を自覚できていないので、人間関係が偏ってしまいます。

自己中心的な考え方をし、自分が正しいと思い込んでしまう傾向があります。

協調性がなく、場に合わせた対応ができません。

※学習とメタ認知は、こちらのサイトが詳しいです → メタ認知の概要
※仕事とメタ認知ならこちら → 誰もが身につけたい!ちゃんと学ぼう「メタ認知」


安部塾でいう「頭がいい」というのは、「メタ認知能力が高い」とイコールです。


学力が低い人は、「そもそも自分は何がわかっていないのか」がわかりません。

自分が何をしたらいいのかがわかりません。

偏った認知で偏った認知を修正(?)しようとするので、おかしな言動をとります。

「視点を変えて物事を見る」ことができないので、どんどんおかしくなります。


なんてことを考えていたら、こんなTweetが。


これ、的確です。

https://twitter.com/fta7/status/1044687578606096384

https://twitter.com/fta7/status/1044687578606096384


ほんと、できない自分が考えると、できない方法しか思いつけません。

いつも塾で言ってることですが、おかしなときはおかしなことしか思いつかないのです。

うまくいかないときは、視点を変えることが必要です。

ものごとを客観的に俯瞰で見ることができれば、中立的修正が可能になるかもしれません。


メタ認知は、大脳の前頭連合野の機能と考えられています。

生後20年以上かけて、使えるようになるレベルに達する能力です。

ただし、ものごとを客観的に俯瞰で見るように心がけて生きた場合に限ります。

ナルシシストは、メタ認知能力が低いのです。


メタ認知ができないということは、扁桃体が暴走しやすいということです。

つまり、フリーズしたり、パニックを起こしやすいということです。

当然、炎症反応が起きやすく、痛みに対して過敏になります。

慢性痛に悩まされることになるのです。


慢性痛に悩む人が、闘争or逃走モードなのは、一見してわかります。


統制型愛着パターンの人は、過干渉に走りがちです

周囲を支配しコントロールするという形の愛着の仕方です。

自分が「基準」となって、周囲を仕切ろうとします。

自分を特別な存在と見なし、自分を中心に世界がまわることを期待します。

現実の人生が思い通りにいかないとひきこもりに陥ったり、思い通りになる存在を支配することで不満をまぎらわしていたりします。

※この段落は「人を動かす対話術 心の軌跡はなぜ起きるのか 岡田尊司」より


コフートも面白いです。

「自己愛」と「依存」の精神分析―コフート心理学入門 和田 秀樹

統制型愛着パターンの人は、いかの3つの対象を求めます。

■鏡自己対象
自分がほめてほしいと思ったとき、常にほめてくれる自己対象。あるいは自分が独りぼっちかな、と思ったとき無条件に愛してくれる自己対象。典型的には幼少期の母親。
■理想化自己対象
自分にとって神様になってくれて、心細いときに「私がいるから大丈夫だよ」と言ってくれたり、苦しい時に生き方のヒントを与えてくれるような自己対象。典型的には父親など。
■双子自己対象
自分と同じ(弱い)人間なのだ、と感じさせてくれる自己対象。その弱くだらしない姿をみることで、ああ、自分と同じだ、と安心を感じることができる。 


私が塾長をやっているときは「理想化自己対象」となっています。

おとーちゃんスキルが炸裂している時です。

ときたま、「双子自己対象」もやります(これは自然発生)。

「鏡自己対象」になる能力は低いのでやりません。


「母親の力」は圧倒的なのです。


話を戻して、身体運動は予測制御によって実現されています。

セルモニタリングの能力を高める身体操作を学ぶのが効率的です。

2018年9月25日火曜日

筋運動による痛みの軽減/骨格筋は分泌器官/健康維持に適した筋運動は?

慢性痛のサイエンス 脳からみた痛みの機序と治療戦略 著:半場 道子


慢性痛のサイエンス 脳からみた痛みの機序と治療戦略 著:半場 道子より

一般に慢性腰痛患者では、体幹筋力の低下抗重力筋の萎縮が指摘されている。また、dysfunctionnal painの状態にある患者では、うつ状態に陥っていることが多く、寝たきりか部屋に閉じこもりがちである。筋運動量の少ない日常が常態化して、微小重力に近い環境が続くと、姿勢保持筋の筋量は低下し、痛み刺激閾値は低下する

 このような慢性痛患者に対し、薬物療法や認知行動療法と組み合わせて筋運動を促し、運動量を増加させるプログラムを組むと、痛みの軽減に効を奏する。

 骨格筋を動かして痛みが少し軽減されれば、その分だけ身体を動かすことが可能になる。骨格筋を動かすことは、さまざまな生理活性物質を分泌させ、遺伝子発現を促して全身の慢性炎症を抑制し、筋委縮を防ぐ作用に結びつく

 筋運動はこれまで、運動器機能を改善させるリハビリテーションと考えられてきた。しかし、骨格筋を収縮させることが生命維持のうえで重要な意義を有することが最近明らかになり、従来とは違った意義が注目されている。119P

 注意すべきは骨格筋から分泌される生理活性物質は、弱い筋運動時と強い筋収縮のときとでは異なっている点である。

 軽い運動時を続けているときには、抗炎症作用を持つIL-10、IL-4などが筋組織から産生されるので、全身の慢性炎症が抑制される。また、軽い筋運動の継続は、PGC1-αを発現させ、慢性炎症を防止し記憶力を向上させ、老いを減速させている。脂肪細胞から産生されるアディポカインのほとんどが慢性炎症を促進し、がん、2型糖尿病などの生活習慣病や老化を加速させるのとは逆の作用をもたらす。

 しかし強い筋運動を続けた場合は、分泌される生理活性物質はかなり異なる。強い筋運動時には炎症性サイトカインが体内に急増し、慢性炎症を促進する方向に向かう。結果として関節軟骨の摩耗を招き、変形性関節症や疲労骨折に至ってしまうのである。アスリート並みの強い筋運動を続ければ健康が向上するという健康神話は誤った伝説である。120P

 健康向上に好効果をもたらすのは、日常的に軽く骨格筋を動かすことであって、強い筋運動ではない。本章で言及した筋運動とは、スポーツジムで行うエクササイズを指しているのではなく、通勤時の歩行、家事労働、買い物、農作業、荷物の運搬など、日常的に継続可能な有酸素運動である。

 筋運動や有酸素運動というと、ランニング、水泳、スポーツジムでの筋肉トレーニングなど、特別なエクササイズを思い浮かべる方が多いが、日常的に身体を動かす習慣が必要なのである。額に汗がうっすら浮かぶ程度の、日常的な筋運動が慢性炎症の抑制と筋委縮の防止に効果が大きい。128P

 筋運動量が少なくなると、ROSの害が増大し慢性炎症が拡大する。大腸がん、前立腺がん、子宮がん、膵臓がん、皮膚がんは、日常的に筋運動のない人に多く発生すると結論づける研究も存在する。129P

引用ここまで


「強い筋運動を避けてください!」

安部塾の定番フレーズです。

慢性痛のサイエンス 脳からみた痛みの機序と治療戦略 著:半場 道子には、他にも最新研究の成果がたくさん書いてあります。

誤った伝説を信じないようにして欲しいので、12月1・2日の下関UZUハウスでの講座で詳しく解説します。

強い筋運動を避けてください!」

大切なことなので、3回引用しました。


強い筋運動時には炎症性サイトカインが体内に急増し、慢性炎症を促進する方向に向かう。
健康向上に好効果をもたらすのは、日常的に軽く骨格筋を動かすことであって、強い筋運動ではない。


これ、よくよく頭にいれておいてください。

私の忠告を聴いておけば、後悔せずにすみますから。


ついでに言うと、手技において必要な圧も同じです。

軽くが大切です。


骨格筋は分泌器官です。

そのことを忘れないでください。

2018年9月21日金曜日

慢性痛のメカニズム

菊地一臣先生推薦本です。

痛みを抑制する脳内機構。

侵害受容性の慢性痛。

神経障害性の慢性痛。

非器質性の慢性痛(慢性腰痛など)。

筋運動による痛みの軽減。

骨格筋は分泌器官。

記憶のメカニズム。

……等々。

慢性痛を理解しないと、脳がヤバイ😱💧

塾生講座で解説している内容が満載です。

12月の安部塾開校4周年記念講座は、下関のウズハウスで、この本の解説をしたいと思います。

4年目にしてようやく本題に入るというね(笑)。

先日のトリガーポイントの講座で、慢性痛の人たちが、侵害刺激と適正圧の区別がつかないのは、感覚ではなく理屈で圧力をとらえているからだと気づきました。

つまり、慢性痛のサイエンスを理解していないと、生きづらさ満載になってしまうということです。

今日から東京集中講座でトリガーポイントをやりますが、心を鬼にして(元々ですが)、侵害刺激を与えようとする人には厳重注意をしていきます。

相手の体にアザをつくるような手技、帰りの電車で辛くなるような手技は、相手に対する暴力でしかありません。

体調を良くしに参加した講座で、体を傷つけられるなどという事態は、あってはなりません。

主催者として、真剣に学科の内容を聴くこと、そして、注意事項を厳守することを求めます。

触れる者は、最大限の愛情と集中力を発揮し、適正なポイントに適正な圧を与えてください。

決して、勝手な自分の思い込みで相手を侵害しないでください。

話を戻して、慢性痛のサイエンスの解説が楽しみです。

2018年9月20日木曜日

性格が丸くなるということ~魅力的なパーソナリティとして円熟する~信頼や愛情に恵まれる

この本のエピローグが素敵です(昨日の記事のつづきです)。

パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか 岡田尊司著


パーソナリティ障害 いかに接し、どう克服するか 岡田尊司著より

 パーソナリティ障害は、大きなエネルギー源ともなれる。創造的な仕事であれ、奉仕的な仕事であれ、自らが抱える傷や歪みゆえに、パーソナリティ障害の人は、ねじりが利いたバネが強い力を発揮するように、ツボにはまれば途方もない力を生むのである。そうした力が活かされるように、現実的な適応力をつけ、あるいは、そうできるように周囲が支えることは、とても大切だと思う。

 パーソナリティ自体は、その人の人柄であり、そう簡単には変わらないし、変える必要もない。しかし、パーソナリティ障害は、パーソナリティの度が過ぎて社会に適応して生きていくのを邪魔している部分なので、変える必要があるし、実際、変えることができる

 パーソナリティ障害を克服した人は、とても魅力的なパーソナリティとして円熟する年々、周囲の評価も高まり、信頼や愛情に恵まれるだろう。それに反して、パーソナリティ障害を引きずったまま年取った人は、周囲から煙たがられ、見せかけだけの関係で結びついた人ばかりに取り囲まれることになる。本当に信頼できる人は離れていき、次第に孤独になっていく。

 どんなに世間的に成功しても、パーソナリティ障害が克服されていなければ、その人の人生は空虚である。その人は、生涯かけて、心の根本的な空虚が、成功や金や欲望の満足によっては、満たされないことを証明しただけで終わるだろう。

 若い頃は、パーソナリティは、生まれ持ったものや育ってきた環境によって大きく左右される。しかし、ある程度の年齢になれば、自分の弱点を克服しようと努力した人と、問題に向かい合わずに過ごしてきた人との差は歴然となる

 そこそこの年になれば、人は自分のパーソナリティに責任があると思う。その年になれば、親や不遇な環境のせいにばかりはできないのだ。いかに生きてきたかが、その人のパーソナリティには、顔に刻まれた皺のように刻まれている。中年になっても、子供のように自分勝手に振舞い、自分を顧みることもない。情けない大人にならないように、自分のパーソナリティと生き方を描き続けて欲しい。

 重いパーソナリティ障害を抱えていた人も、問題や困難にぶち当たりながらも必死に生き抜いてきた人は、三十代半ばくらいから落ち着いてくることが多い。そうすると、とてもいい持ち味を発揮するようになる。

 年齢とともに、多くのパーソナリティ障害は改善されていく。性格が丸くなったという言い方があるが、年を重ねることは、極端な偏りを修正してくれ、適応力を高める。ただし、逆の場合もある。若い頃はそうでもなかったのに、年とともに、性格がいやらしく、捻じ曲がってくることもあるし、傲慢になったり、横暴になったり、横暴になったりすることもある。結局、その人の生きてきた人生が、表れるのである。

引用ここまで(283-285P)


人生の前半は、母親次第です。

遺伝子と環境で決まるからです(遺伝子が70~80%)

しかし、後半は、自分次第です。

引用元にあるように、パーソナリティ障害を克服した人は魅力的になるからです。


人生の前半は、全部母親のせい。

人生の後半は、全部自分のせい。

前半が理不尽だった人は、後半にボーナスステージが待っています。

ただし、前半で「中立的修正」に成功した場合に限りますが。


若い頃は、パーソナリティは、生まれ持ったものや育ってきた環境によって大きく左右される。しかし、ある程度の年齢になれば、自分の弱点を克服しようと努力した人と、問題に向かい合わずに過ごしてきた人との差は歴然となる


大切なことなので、2回引用しました。


そう。自分の弱点・問題に向かい合っていくことが大切なのです。


自分のパーソナリティ障害を直視し、改善していくことに集中するのです。

そうすれば、認知の中立的修正に成功し、信頼と愛に満たされます。


筋肉と関節の状態には、パーソナリティの状態がそのままあらわれています。

魅力的なパーソナリティとして円熟している人の筋肉や関節は機能的です。

性格が丸い人の関節の機能は精密で、その動きの美しさは見惚れるほどです。

一貫して書いていますが、筋肉や関節には感情が記憶されているのです。


今日の塾生講座で、パーソナリティの解説をします。

パーソナリティの理解がない状態で運動をして、効果をあげるのは難しいものです。

明日からの東京集中講座では、手技の解説をします。

手技こそ、パーソナリティがモロに反映しますので、ご参加ください。

2018年9月19日水曜日

頭とあごをほぐそう~人生が変わります(ついでに顔が若返りますw)

ビジュアルでわかるトリガーポイント治療 増補改訂版 より、頭部のトリガーポイント。

頭部のトリガーポイント 

頭部のトリガーポイント 適応と原因

集中講座で頭部のトリガーポイントをやったら、続々と報告メッセージが(笑)。

みなさん、顔面を固めて、表情を無理につくって生きていたようです。

頭部のトリガーポイントの原因と適応を読めばわかりますが、

「顔を壊すのは不安・感情的緊張」だったりします。


「しかめっ面」が原因に入っているのにも注目です。

くどいようですが、顔をつくらないようにしましょう。


で、頭部・顔面・頸部をほぐせた人の見た目が、めっちゃ若返っております。

で、かつてない高評価という流れです。


ただ、パートナーワークで強く押されて悪化した報告もありまして、

「暴力的な圧」とか「支配的な圧」を使う人には、厳重注意が必要なようです。


あれだけ、「ピンポイントに触れれば、ただ触れているだけでほぐれます」と解説しても、

全身トリガーポイントまみれの人たちには、なかなか届かないようです。


ふと思い出したのですが、その昔、掌圧法をやってる方が、

「慢性痛抱えている人たちって、適正な圧がどれくらいなのかわからないんだよね」

って、いつも口にしていました。

いま私も、慢性痛のある人=ストレス反応MAXの人は、適正圧がわからないという事実を実感しています。


こうなってくると、いっそ「与えれるレベルのグループ」「受けることしかできないレベルのグループ」に分けて、一方的なほぐしにした方がいいのかもしれないと思います。

ほぐし合いは、双方のレベルが与えれるレベルでないと成立しませんから。


こままいくとほぼ間違いなく、「適正圧がわからない人」による事故が起きます。

実際、悪化したという報告があったので、ここで対策をしないと取り返しがつかないことになります。

触れることができるレベルに達するまで、受けるだけという規制が必要です。

薬院校開校当初にアジャスト強過ぎ問題がありましたが、再燃したカタチです。


セルフケアならいけるかとも思いましたが、適正圧がわからないということは自己破壊するということになります。

慢性痛になっている時点で、セルフケアをこなせるレベルではないということになります。


これは、思ったよりめんどくさい事態になってきました。


9月21~24日の東京集中講座では、レベル分けしての実技練習にします。

慢性痛がある人は自己申告してもらい、手技を受けるだけというスタイルです。

また、塾長判断で、触れるレベルに達していない人の実技も禁止します。

事故が起きてからでは遅いので、厳しく規制します。


安部塾は安全性を最優先します。

暴力的・支配的な手技を用いる人は、参加を許可しないことにします。

2018年9月18日火曜日

愛のあるタッチが筋肉をほぐしてくれる。支配的なタッチは筋肉をこわばらせてしまう。

20180918 薬院校集中講座 トリガーポイント虚血圧迫法

3日間のトリガーポイント虚血圧迫法の講座を終えました。

あらためて「愛の技術(The Art of Loving)」の重要性を再認識しました。

愛のあるタッチができる参加者のパートナーは、みるみるうちにほぐれていきます。

愛のないタッチしかできない参加者のパートナーは、こわばっていきます。

愛がないと、相手がこわばっていくことに気がつけません。

支配的な人は、知らず知らず暴力によって筋肉を思い通りに変化させようとします。

自分が触れたことで、かえってトリガーポイントが増加・活性化していることに気がつきません。


相手に愛があるかどうかは、触れられた人は瞬時にわかります。

そして、支配的なタッチをされた後に筋肉がこわばってしまうことでダメージを受けます。

支配的な人とのパートナーワークの、致命的な欠陥です。

愛の欠如は、基本的信頼感を壊滅的レベルに破壊してしまうのです。


自らの身体を壊してしまうほどに愛のない身体操作をしている人の基準は狂っています。

狂った基準で相手に触れれば、相手の身体を壊します。

愛のあるタッチをするように指示を出しても、支配的な人はその意味がわかりません。

なので、力づくで筋肉をほぐそうとして破壊します。


相手への尊重がないこのような行為は「愛」ではなく「支配」でしかありません。なので、筋肉はこわばるばかりで、ほぐれることはありません。相手の筋肉はもちろん、自分の筋肉もです。


支配で筋肉はほぐれません。

筋肉は信頼によって覚醒し、愛によってその力を発揮するのです。


愛のない支配的なタッチは、相手の筋肉をこわばらせ、自分自身の筋肉もこわばらせます。

支配的な侵害刺激と、厳しくも受容的な愛の刺激は、まったく逆の結果をもたらすのです。


愛のあるタッチとは何かを理解したいなら、フロム先生のこの本がおすすめです。

愛するということ 新訳版  エーリッヒ・フロム (著), Erich Fromm (原著), 鈴木 晶 (翻訳) 


エーリッヒ・フロム先生の愛の技術とは、相手をしあわせにしたいと思うことそのものです。

それは、相手を成長させる覚悟を決めることです。

たとえ「自分がどう思われようと」も、相手の成長を願うのです。

自分が認められたくて(好かれたくて)相手に何かをするのは愛ではありません。

自分が嫌われてでも成長を願うのが愛です。

お互いがそうやって高め合い、関係性も深くなっていくのが本来のパートナーワークです。

自分を特別な存在として承認して欲しいなんていうのは、愛でも何でもありません。

ナルシシズムや依存心を克服しないと、愛のあるタッチをすることはできないのです。


相手に、自分の考えを押し付けたり、束縛したいと思うのは、自分と相手を全く同じにしたい、同一化したいという想いからです。

相手への尊重がないこのような行為は「愛」ではなく「支配」です。

「愛においては、二人が一人になり、しかも二人でありつづけるという、パラドックスが起きる」エーリッヒ・フロム

これが、パートナーワークの基本です。

154Pより

二人の人間が自分たちの存在の中心と中心で意志を通じあうとき、すなわちそれぞれが自分の存在の中心において自分自身を経験するとき、はじめて愛が生まれる。この「中心における経験」のなかにしか、人間の現実はない。人間の生はそこにしかなく、したがって愛の基盤もそこにしかない。そうした経験にもとづく愛は、たえまない挑戦である。それは安らぎの場ではなく、活動であり、成長であり、共同作業である。調和があるのか対立があるのか、喜びがあるか悲しみがあるかなどといったことは、根本的な事実に比べたら取るに足らない問題だ。根本的な事実とはすなわち、二人の人間がそれぞれのその本質において自分自身を経験し、自分自身から逃避するのではなく、自分自身と一体化することによって、相手と一体化するということである。愛があることを証明するものはただ一つ、すなわち二人の結びつきの深さ、それぞれの生命力と強さである。これが実ったところにのみ、愛が生まれる。

引用ここまで

愛があることを証明するものはただ一つ、すなわち二人の結びつきの深さそれぞれの生命力と強さである

大切なことなので、2回引用しました。

フロム先生に学ぶボディワークの極意とは、

二人の人間が自分たちの存在の中心と中心で意志を通じあう

です。


それが、「愛のあるタッチ」の本質です。


触れることによる筋ほぐしは、テクニックの問題というよりは愛の問題なのです。


愛する能力がある人のタッチは、筋肉をほぐします。

愛する能力のない人の支配的なタッチは、筋肉をこわばらせます。


フロムは、愛の基本要素は尊敬と知であると言います。

尊敬とは、相手がかけがえのない存在であることを知る能力です。

そのために相手を知らなければならない

その土台として、相手に依存しない、一人でもいられるための集中力が必要としています。


人が人に愛を与えるためには、自分が十分に満たされていることが必要です。自分自身の心が満たされていなければ、他人に愛を与えることもできません。

で、フロム先生はこう言います。

母親への愛着から父親への愛着へと変わり、最後には双方が統合されるというこの発達こそ、精神の健康の基盤であり、成熟の達成である。神経症の基本原因は、この発達がうまくいかないことである。

なんですよ。

「厳しくすること」「自分や他者を規律すること」という父性的な愛の要素は、「ただありのままで愛されるのだ」という無条件の母性愛の土壌が豊かな環境のもとでなければ、健全に育ちはしません。

ここが、支配的なタッチと、愛のある厳しいタッチの違いなのです。

が、ただあるがままで愛されてこなかった人には、この違いがわかりません。


昨日の講座後の「ひがみ根性」の解説で話しましたが、「子どもにとって母性愛の重要性は、父性愛とは比べ物にならないほど大きい(フロム)」のです。

これは、大人も同じです。

 母親の愛はその本質からして無条件である。母親が赤ん坊を愛するのは、それが彼女の子どもだからであって、その子が特定の条件をみたしているとか、ある特定の期待にこたえているからではない。
 父親との関係は、これとはまったく異なる。母親は私たちが生まれた家である。自然であり、大地であり、大洋だ。

フロム先生のこの解説が好きです。

母親が赤ん坊を愛するのは、それが彼女の子どもだからであって、その子が特定の条件をみたしているとか、ある特定の期待にこたえているからではない。

好きな言葉なので、2回引用しました。


父親の愛は、努力で手にすることができます。

条件さえ満たせばいいわけですから。

しかし、母親の愛はそうはいきません。

もし得られないとなると、どんなことをしても得ることができません。

無条件の愛ですから。

基本的安心感を根本的に破壊し尽くすのは、母親の愛の欠如なのです。


フロム先生の「愛の技術」を読んでいると、母親の偉大さを痛感します。


と、ここまで書いていて思いました。

「ただありのままで愛された」という経験をするのが、パートナーワークの本質ですね。

愛のある母親のようなタッチこそが、破壊された基本的安心感を再構築してくれるのです。

満たされた愛着が、筋肉の構造を本来あるべき状態に戻してくれるということです。


11月3・4日の「筋膜リリーステクニック」薬院校集中講座に向け、このあたりのことをもっとまとめていこうと思います。

2018年9月17日月曜日

顔と頭の緊張をゆるめる手技~トリガーポイント虚血圧迫法3日目

今日の薬院校集中講座は、神回となりました。

顔面部と頭部のトリガーポイントセラピーは、劇的に効きます。

薬院校集中講座20180917 胸鎖乳突筋

薬院校集中講座20180917 咬筋

薬院校集中講座20180917 内側翼突筋

薬院校集中講座20180917 内側翼突筋

薬院校集中講座20180917 頭蓋表筋(後頭前頭筋)

薬院校集中講座20180917 胸鎖乳突筋

一気に肌がきれいになるのと、見た目に若返るのとで、参加者の満足度が高かったです。

あらためて、表情筋は鍛えるものではなく解(ほぐ)すものだと再認識しました。

表情筋に蓄積されたネガティブ感情を解放し、自然な表情を取り戻すことが大切です。

咬筋や側頭筋に問題を抱えていた人たちは、顔がやさしくなりました。


11月3・4日の薬院校集中講座は「筋膜リリーステクニック」をやることにしました。

今回のトリガーポイントセラピーに続く、手技による筋ほぐしです。

詳細が決まったら、告知します。

2018年9月16日日曜日

横隔膜ほぐし~トリガーポイント虚血圧迫法2日目~楽に吸える身体づくり

今日は、安部塾薬院校集中講座の2日目でした。

今日は、臀部→大腿→下腿→腹部→背部の流れをやりました。

今日の狙いは横隔膜の解放。

今日不参加だった昨日の参加者は、以下の写真を頼りに教本で動作確認をしてみてくださいね。

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法
 
20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

20180916 トリガーポイント虚血圧迫法

とまあ、こんな感じでひたすらほぐし合いでした。

明日はいよいよ、前腕→上腕→首のラインをやります。

時間足りるかな(笑)。