2018年10月31日水曜日

ふくらはぎとすねの筋ほぐしとトリガーポイントの解説とメタ認知

11月3・4日の薬院校集中講座の予習用記事。

まずは、トリガーポイントのイメージ図。

索状硬結と硬結(粒)

トリガーポイント 硬結

そして、ふくらはぎのトリガーポイント図。

腓腹筋・ヒラメ筋・後脛骨筋
すねのトリガーポイント図

前脛骨筋・長腓骨筋・短腓骨筋

他に長母趾伸筋・長趾伸筋・長母趾屈筋・長趾屈筋などあります。

下腿が解放されると、足の接地がよくなります。

足裏がきちんと床に着くことは、現実に即した考え方の基本となります。

「地に足がついた考え」というやつです。


地に足がついていない人は、文字通り「浮足立った=冷静さに欠ける考え方」をします。

『自分自身そのものに価値を見いだせない』のです。

『自分に付随する何かで価値を見いだそうとする』のですが、破綻します。

キラキラしたがる人の足元は崩壊しています。


自分軸は、美しい足底とやわらかい下腿から生まれます。

メタ認知の源泉は足底です。

自分が認知していることを客観的に把握し、制御する。

『認知していることを認知する』


ノイズのない信号が足底から脳に送られることが必要なのです。


メタ認知ができると、冷静に自分自身を観察できます。

問題を特定し対処できるので、目標設定が正確になり、達成力が向上します。


ふくらはぎとすねを荒廃させたまま生きていくなど、無謀すぎる企てです。

……11月3・4日の薬院校集中講座で、そんな話を熱く語ります

前腕部の筋ほぐしで、首肩が楽になる理由について。

前腕部の筋ほぐしをすると、首肩まで楽になります。

トリガーポイントマップを見ると、こんな感じです。

前腕1

前腕2

前腕3

これだけを見ると、「あれっ?」となります。


では、アナトミートレインのアームラインを見てみましょう。

アナトミートレインより

フロントアームラインとバックアームライン

筋筋膜経線的には、「なるほど!」となるはずです。

小胸筋~上腕二頭筋~とつながる、この絵がお気に入りです。

アームライン 小胸筋と上腕二頭筋

腹直筋から折り返して、胸骨筋~胸鎖乳突筋~後頭部にごにょごにょ。


Sフロントライン

前腕の筋硬結・索状硬結をなめてはいけません。

ほぐしましょう。

11月3・4日の薬院校集中講座、8日の大阪集中講座、10日の神戸集中講座、17・18日の東京集中講座で、実技の解説をします。

2018年10月30日火曜日

棘上筋・棘下筋・肩甲下筋の筋ほぐしが、自由自在な腕のコントロールに導いていく。

最近の安部塾の定番は、棘上筋・棘下筋・肩甲下筋の筋ほぐしです。

棘上筋・棘下筋・肩甲下筋

ローテーターカフ(回旋筋腱板・かいせんきんけんばん)は肩甲骨の前面と後面からおこる肩甲下筋、棘上筋、棘下筋、小円筋の腱。

上腕骨の骨頭を関節に引き寄せ、腕をあげやすくするための筋腱。

上腕骨頭を護って肩関節を安定させてくれる。

腕を使う運動に関係し、運動効率を向上させてくれる。


肩関節外転動作異常のとき、棘上筋障害を疑ってみる。

たいがいはヒットする。

肩関節外旋痛・肩関節内旋伸張痛のとき、棘下筋障害を疑ってみる。

たいがいはヒットする。

肩甲下筋は、ごにょごにょ。


定番のこれ。

ローテーターカフのストレッチング

正しくセッティングしてからのストレッチングは、安定の肩関節を実現します。


美しいアームワークには、健全な回旋筋腱板が不可欠です。

磨きに磨いて、腕の動きを美しくしましょう。

2018年10月29日月曜日

お口の中から頬の筋肉をほぐすと至福

内側翼突筋ほぐしが至福です。

顎関節異常があるとき、内側翼突筋過緊張がよく観察されます。

医療用手袋をはいて、内側翼突筋ほぐしをすると、機能改善することがあります。

内側翼突筋

外側翼突筋の過緊張も、顎関節の異常をひきおこします。

外側翼突筋の過緊張が関節円盤に影響を与えることで開口ロックや閉口ロックが起きることがあります。

顎関節痛の痛みがあるときや、クリック音がするときには、外側翼突筋ほぐしをしてみましょう。

至福です。


咬筋ほぐしも至福です。

咬筋

以下のサイトが面白いです。

参考サイト1 → 非歯原性歯痛
参考サイト2 → 非歯原性歯痛~筋・筋膜性歯痛の治療~


11月3・4日の薬院校集中講座で、口腔内の至福の筋ほぐしをやろうかなとか考え中です。

2018年10月27日土曜日

前脛骨筋とヒラメ筋の筋ほぐし

昨日の薬院校で、『前脛骨筋とヒラメ筋』をやりました。

前脛骨筋とヒラメ筋

テニスボールで抑制圧迫すると、腰が軽くなります。

これから寒くなるので、僧帽筋&肩甲挙筋ともども、ほぐし必須な筋となります。


11月3・4日の薬院校集中講座で、詳しく解説します。

2018年10月25日木曜日

筋締め・筋ゆるめ・筋ほぐしに集約します

安部塾の内容はこれまで多様化の一途をたどってきました。

薬院校開校4周年を迎えるにあたり、ボディワークを集約することにしました。

◼️筋締め
◼️筋ゆるめ
◼️筋ほぐし

以上、三本立て(トリニティ)でいきます。

11月より、筋の高性能化にハゲみます。

「感覚器としての筋」の性能を磨きあげることが、さまざまな問題に対するブレイクスルーの基礎であることを伝えてまいります。

これまで以上に深い内容になるため、一見さんお断り風な雰囲気になるかと思います。

私はずっと、「来るもの拒まず。去るもの追わず」でやってきました。

しかし、誰も彼も受け入れるのは、それなりにダメージを負うということを学びました。

というわけで、今後は、自分の筋の性能をあげて、パーソナリティ(人柄)を円熟させたい人に限って関わっていくことにしました。

しばらくは、「風姿花伝」を私自身の教本とし、地道に進んでいきます。

共に極みを目指しましょう。

2018年10月24日水曜日

『筋締め&筋伸ばし講座』始めます♡ ~機能的筋トレ&ストレッチング

11月16・17・18日(金・土・日)の東京集中講座は、

『筋締め&筋伸ばし』やります。

アナトミートレインより SFLとSBL

筋筋膜経線を意識した動きや、各種ボディーワークの動きを解説します。

例えば、

・胸鎖乳突筋→胸骨筋→腹直筋のつながり締めを意識した『腹筋運動』

・胸鎖乳突筋→胸骨筋→腹直筋のつながり伸ばしを意識した『背筋運動』

と、いった感じです。

相反抑制を効果的に使い、美しい動きと身体をつくります。


相反抑制とは、主動筋の収縮(過緊張)は拮抗筋の抑制につながるというものです。

主動筋を収縮させたとき、主動筋を支配している神経線維は促通インパルスを送る一方で、拮抗筋には抑制インパルスを送ります。

『主動筋が収縮すればするほど、拮抗筋が弛緩する』という現象です。

私がいつも口にしている「正しい筋トレをすれば、筋肉はやわらかくなる」というやつです。





基本ですね。

安部塾は特別なことはしない主義です。

大切な基本を淡々と積み重ねて、数年かけて奇跡を起こします。

きちんと学び、地道に気が遠くなるような反復練習をこなした人は輝きます。


もうひと動画♡




圧倒的な知識と、繊細な感覚の美しすぎる融合(フュージョン)。

指先・趾先まで神経が行き届いた、息を呑むような美しい動き。

精妙・巧緻・精巧・華奢・華車・たおやかな動きが、観る者を虜にしてしまいます。

それゆえ、ただそこに存在しているだけで、社会貢献することになります。


私は、『がさつな動き』が嫌いです。

がさつとは、細かい所にまで気を配ろうとする態度が欠けている状態です。

荒っぽくぞんざいな動きをする参加者には、注意します。

がさつであるデメリットは、果てしないからです。


がさつな人の6つの心理や特徴とは?より抜粋

・他人の話を聞いていない
・開き直りが早い(「だって」「でも」を繰り返す)
・不器用
・信頼があまりない
・ものの使い方が雑

抜粋ここまで


動きがきたない人を、少し観察してみたら、上の特徴が透けて見えるはずです。

前頭葉が未発達で、扁桃体に興奮癖がついてしまっている状態です。


あなたが自尊心だと思っているのは本当はナルシシズムかもしれないより抜粋

自尊心は子ども時代に最も低く成長と共に高まっていくのに対し、ナルシシズムは子ども時代に高く徐々に低くなっていきます。

そして自尊心もナルシシズムの子育てのスタイルに大きく影響されます。ナルシシズムのレベルが高い子どもの親は、「この子は数学に関してなら何でも知っているんです」というように、子どもの知識を人に過大申告したり、IQを過大評価したり、パフォーマンスを過度に称賛したりします。また、大勢の子どもの中にいても目立つようにユニークな名前をつける傾向にもあるとのこと。子どもはこれら親の行動を無意識に内面化するため、最終的には子どもの他人に対する態度を親が決めてしまうという結果を生み出すことに。

一方で、自尊心のレベルが高い子どもの親は、慈しみや感謝の気持ちを持って子どもに接します親は子どもを重要なものとして扱うため、子どもたちは無意識のうちに「自分は大切なものなんだ」というメッセージを内面化し、健やかな自尊心を育てることが可能になります

自尊心はナルシシズムに比べて誠実さや忍耐力との関連性が高く、一方でナルシシズムは「他人に敵意を向ける」といった悪い意味での「同調性」項目と関連性が示されました。自尊心と同調性の間にも関連性は認められたものの、関連性は小さく、かつポジティブなものであったとのこと。

そして対人関係機能においては、ナルシシズムと自尊心は測定項目の75%で異なる結果となり、ナルシシズムは「怒りを表現すること」や、「大声で怒鳴ること」「脅すこと」「物理的な攻撃性」といった敵対表現と関連性が見られました。また、人間関係における問題が多いこと、不相応にリソースを得ようとする傾向もあったといいます。これらの特徴と自尊心との関連性は認められませんでした。

この時、ナルシシズムのレベルが高い人は自分を社会的なネットワークの中心だと見なし、他人を自己陶酔的・神経質・不愉快・脱抑制的なものとして見ているため、自尊心が高い人に比べ競争や論争に巻き込まれやすい傾向にあります。しかし自尊心が高い人は社会的ネットワークにおいて他人との親密性を感じやすく、ネットワークにおいて他人を魅力的・リーダーシップが高い・地位が高い・知的・感じがいい・親切といった観点で見ているとのこと。

そして、ナルシシズムはアルコール依存や反社会的な行動・攻撃性などの病理学項目との関連性も多く認められています。特に演技性パーソナリティ障害との結びつきが強いとのこと。

自尊心が「他人と親密で深い関係を結びたい」という望みと関連しているのに対し、ナルシシズムは「他人を支配したい」「他人よりも優れた結果を得たい」というところに立っているわけです。

引用ここまで


30年以上にわたり、いろいろ研究してみました。

ほんとうの意味で動きを改善するためには、ナルシシズムを克服しなければならないとさとりました。


ここで、主働筋と拮抗筋の関係を思い出してみましょう。

自尊心を高めると、ナルシシズムは低下します

よく似てると思いませんか?

こり固まった筋肉はナルシシズムが具現化したものだと、私は考えています。


というわけで、この視点でもう少し研究を進めていきます。

2018年10月23日火曜日

頭の筋ほぐしの絶大な効果について~頭蓋表筋をほぐすと、対人関係が改善するかも。

頭蓋表筋

頭蓋表筋(とうがいひょうきん)は頭部の浅頭筋のうち、前頭、後頭、側頭部にかけての筋肉の総称。筋肉の一方が皮膚で終わっている皮筋である。

引用ここまで

頭蓋表筋

■前頭筋
頭蓋表筋の一部で、額をおおっている薄い筋肉です。眉と鼻の付け根の皮膚を挙上すると同時に、頭皮を前方へ引っ張っています。額に水平方向の横ジワを生じさせます。しかめっ面。

■後頭筋
「頭蓋表筋」の一部で、後頭部にある筋肉です。頭皮を後方に引っ張っています。前頭筋と後頭筋の筋肉の働きによって、頭皮全体を前後に動かすことができます。前頭筋の作用を補助します。

■帽状腱膜

頭蓋骨の上部を広くおおっている平らな健で、前頭筋と後頭筋とをつないでいます。

頭蓋表筋

ストレス等で筋肉が過剰緊張状態になると、膜が頭蓋骨側に押しつけられます。

ストレスホルモン(コルチゾール)の作用で、虚血状態に陥ります。

酸欠・栄養失調・老廃物漬けの3点セットです。

筋肉内に発痛物質が溢(あふ)れます。

本来は薄い頭蓋表筋の内部に、表面から触れてわかるほど溢れかえります。


圧痛点という硬い小さなシコリが生まれます。

圧痛点から局所的なコリが起こり、それが連鎖反応的に首や肩にコリをつくり出します。


ここからが奈落です。

顔が老けて見えるようになります。

表情筋すべてが過労状態に陥るのです。

ハゲしい運動障害を起こし、しわができ、たるみまくります。


そして……

この筋肉は眼輪筋と連動して、ごにょごにょします。

眼筋と後頭下筋群の連動と、よく似たシンクロを示します。


ちょっとしたヒントを。

カウンセリング・マインド 「学ぶ」から「使う」へ―サロン・マニュアル  松岡優子(著) 55Pより

不安になると、一発で頭蓋骨に貼りつくので、筋肉フィードバックで負の連鎖が……。


頭蓋表筋ほぐしの効果は絶大です。

緊張型頭痛/後頭部の痛み/目、眉毛、まぶたの裏側の痛み/額のしわのばし などなど


集中講座参加者はもうおわかりだと思いますが、外後頭隆起がポイントです。

外後頭隆起


後頭骨の外表面のほぼ中央にある隆起で、このまわりをごにょごにょすると素敵です。


オリエンタルセラピー好きな人は、玉枕をよく刺激しています。

外後頭隆起から両側に2~2.5cmくらいずつ離れたところです。

感覚的には、眼の真後ろ付近です(実はここに深い意味がw)。

目の疲れの緩和効果・鼻詰まりの緩和効果が期待できます(まんまですが)。

オリエンタルセラピー 小周天

オステオパシーでも、よくアプローチされています。


そして、外後頭隆起には僧帽筋が。

僧帽筋と外後頭隆起

これも、集中講座では定番ネタですね。

怒りがからんだ慢性筋肉痛のときは、ここがごにょごにょでしています。


頭蓋表筋をほぐすと、不安が解消し、顔の印象が明るくなります。

結果、対人関係がよくなります。


目が死んでる人は、対人関係がアレになります。

参考サイト → 目が死んでる人の特徴や心理、原因!死んでいる目の治し方は?

特徴① 口元だけで笑う

目が死んでいる人は特徴的な笑い方をします。多くの人は笑うときに表情筋が収縮させ、このため顔や目元の形が変わります。笑っている表情は表情筋の働きによってつくられます。このような場合は、例え声を出さなくとも相手が笑っていると判断できます。

一方で、目が死んでいる人は表情筋をつかった笑顔をつくりません。口角はつり上げて笑い声は声に出しても、目が笑っていない状態になります。このため、笑い顔をみた人は違和感を感じるわけです。

心の中では本当に笑っていたとしても、表情は笑顔ではありませんから、非常に不気味に映ることもあります。

このように、死んだ目をしている人は全般的に顔の表情に乏しいことから、「死んだような」という表現が使われているのも納得がいきます。

特徴② 活力が無い

死んだ目をしている人は、あまりエネルギッシュではないか、そうであるように周りの目には映ってしまいます。全般的に活力に乏しく、元気がないように見えます。

というのも、多くの人は顔の表情で自分の感情を周りに伝えるのに対して、目が死んでいる人はそれがありません。顔の表情は非言語のコミュニケーションの一つであり、様々な情報を周りの人に与えます。

楽しい時は目元を緩ませたり、怒っているときは口を曲げて、眉を潜めたりします。基本的には、感情は顔全体をつかって表現されます。しかし、目が死んでいる人は目元が動かず、口元だけで表情をつくりますから、非常にわかりにくいのです。

活力がある、ないも顔の表情で読み取れます。多くの人が目に生気を宿らせているのに対し、目が死んでいる人は、活力を感じさせるような表情をしていないことが多くあります。

引用ここまで


死んだ目をしている人と、積極的にお付き合いしたい人は、ほとんどいないと思います。

まずは、眼を甦らせましょう♡

「びっくり眼(まなこ)」と、怒り・不安と慢性筋肉痛・関節痛

塾生講座で、「びっくり眼(まなこ)」のお話をしています。


「びっくり眼」とは、「あたかも目を見張ったような表情」です。

怒りや不安・恐れのときにあらわれる眼です。

眼輪筋のトリガーポイント

「目は口ほどに物を言う」といいますが、目には感情があらわれます。

目が小さいとか大きいとかというのは、瞼裂(けんれつ)という上下のまぶたの間の大きさの問題です。

眼球そのものの大きさというわけではありません。

眼球は眼窩(がんか)と呼ばれる周りを骨で構成されたくぼんだ空間にはまっています。

眼球と骨の隙間には眼窩脂肪があり、眼球を動かすための筋肉や涙を作るための涙腺があります。

乾燥しないように、上下のまぶたで保護されています。

そして、感情は、まぶたの動きにあらわれます。


例えば、「怒り」

上まぶたが引き上げられ、下まぶたに力が入れられます。

眉が中央に引き寄せられ、唇が上下からはさまれます。

やってみたらわかりますが、「イラッ」となるはずです。


そして、眼輪筋まで動かすと、「ムカッ」とします。

眼輪筋による表情フィードバック効果です。


眼輪筋には、感情を強める効果があるという仮説があります。

眼輪筋の動きが伴わない表情は弱いです。


しあわせな表情ではどうでしょう。

ほんとうにしあわせな人は、口角がにんまりとして、目を細めています。

つくり笑い・愛想笑いでは、眼輪筋が動きません。

なので、しあわせそうなふりしている人の眼は怖いのです。


カウンセリング・マインド 「学ぶ」から「使う」へ―サロン・マニュアル  松岡優子(著) 55Pより



デュシェンヌ(神経学者)は、

偽りの喜びである嘘の笑いでは、大頬骨筋が動く。しかし、眼輪筋を収縮させることができない

と、解説しています。


そして、笑いの表情は脳がつくります。

→ 脳が笑いの表情を作る

大頬骨筋に次いで、笑いで強く収縮する顔面の筋肉は、目の周囲を一周している眼輪筋で、その筋肉は2層に分かれ、内側の眼輪筋には本来は目を強く閉じる働きがありますが、笑いで収縮するのは外側の方の眼輪筋で、目を細くして目じりにしわを作る動きを作ります。この2つの筋肉の収縮運動で、(1)頬と口の両端が持ち上がる、(2)目の下が膨らんで目が細くなり、目じりにしわが寄る、という笑顔の筋肉運動が出来上がるのです。そしてこの笑顔は目尻にいわゆるカラスの足あとと呼ばれるしわを作り、これが「眼が笑っている」という自然な笑いに見られる柔和な表情の主なものとなります。この眼輪筋の収縮は「快の笑い」の際に強く、「緊張緩和の笑い」がこれに次ぎ、「社交上の笑い」では著しくない、と志水先生は述べています。

注目すべきことは、彼らがこの客観的な笑いの測定方法を用いて、うつ病や統合失調症などの精神疾患患者では著しく笑いが減少していることを実証したことです。

引用ここまで


うつのときの脳は、炎症状態にあります。

慢性筋肉痛・関節痛のときの脳も、炎症状態にあります。

観察してみると、「社交上の笑い」ばかりで、目が笑いません。

扁桃体が過活動状態だからです。


眼輪筋は、自分の意思で全体をスムーズに動かすことができません。

『ほんとうにしあわせを感じること』が必要なのです。

スキルがない人が筋トレをしてスポーツをすると、ケガが絶えません。

ふしあわせな人が表情筋を鍛えて世に出ると、ストレスフルになります。


この理由で、安部塾では『認知の歪みの修正』によって、自然に目を笑わせるように指導しています。


下手に表情筋を自分の意思で動かすと、信号にノイズが生じます。

その結果、脳の炎症状態が深刻化します。

つくり笑いすればするほど痛みが強くなるという負の連鎖が止まりません。

そしてつくり笑いノイズで、修正ができなくなってしまいます。


眼が怖い人と安部塾メソッドの相性はよくありません。

眼が怖い人の伝達信号にはノイズが多くて、話を聴けないのです。

話を聴けないために、独自の解釈をしてしまうので、本質をつかめません。

結果、自己愛性憤怒(narcissistic rage)が引き起こされてしまいます。


精密な運動をすることで、脳の機能が改善します。

その結果、しあわせ脳になっていきます。

しあわせな脳が生み出す眼輪筋の動きが、しあわせ感を高めます。

この正の連鎖を起こすことが大切だと思います。

2018年10月15日月曜日

慢性痛と扁桃体~恐怖や不安が過剰に起きると、痛みの軽減が阻まれ、慢性痛に転化する。

今日は、小難しい『慢性痛と扁桃体』のお話を。

慢性痛のサイエンス 脳からみた痛みの機序と治療戦略 著:半場 道子

慢性痛のサイエンス 脳からみた痛みの機序と治療戦略 著:半場 道子26-29Pより

 扁桃体は辺縁系の神経核で、不快感、恐怖、不安、怒りなど、負の情動の発現に中心的役割を担っている。アーモンド型をした左右1対の器官で脳の底辺にあり、嗅覚情報が生存に重要であった両生類、下等哺乳類など野生時代の名残りで、嗅球・嗅索に近い位置にある。

 扁桃体には、生きるうえで必要な原始的感覚(嗅覚、侵害情報、触覚、内臓感覚、視覚、体温感覚、味覚、聴覚など)がすべて入力される。これらの感覚情報に対して、過去の経験や記憶に基づいて、有害=負情動か、有益=快情動かの評価を下して、記憶の固定に関わっている。

 扁桃体は、機能の異なる複数の亜核から成る神経核で、系統発生的に古い中心核と皮質内側核、比較的新しい基底外側複合体、の3つに分けられる。
 扁桃体に入る情報の中で、侵害情報は、身体が侵襲されたという「命の一大事」の警告信号である。生体は侵害情報を短い経路で伝える脊髄腕傍核扁桃体投射を発達させて緊急事態に備えている。これは脊髄三角(三叉神経)の第一層細胞→腕傍核→扁桃体中心核外側外包部、という短い痛覚投射系で情報を伝えている。

 扁桃体中心核外側外包部は、驚くべき特殊性を持っており、このニューロン集団の約80%は侵害刺激に応答する。痛み情報処理に特化した機能であるがゆえに、「侵害受容性扁桃体」の異名で呼ばれるほどである。命を脅かす侵害受容に対して、生体がいかに緊急の情報処理機構を発達させ、本能的行動を速やかに起こすように進化したかを物語っている。扁桃体への投射には、これよりもっと長い痛覚投射経路もある。視床や大脳皮質感覚野を経由し、基底外側核に入力する経路である。これは脊髄ー腕傍核ー扁桃体投射より時間はかかるが、より正確な多くの情報も含んで入力される。

 侵害信号が入力されると、扁桃体中心核はただちに本能行動を起こすように、視床下部、脳幹網様体などの広範の領域に向けて、出力を送る。結果として呼吸・脈拍が速く顔面が蒼白になり、ストレスホルモンが分泌され、フリージングなどの情動表出も瞬時に起きる。骨折すると冷や汗が出て顔面蒼白になるし、銃を突きつけられた瞬間、フリージングが起き、全身わなわなと震えた、というのは扁桃体の迅速な応答による。

 扁桃体は侵害情報を生命を脅かす信号として、恐怖感、不安感、拷問感を付して情動記憶の回路に送る。したがって痛みは恐怖・不安感を伴った「苦」、厭な不快情動として強烈な記憶として固定され、単なる感覚ではなくなる。

 扁桃体の情動的評価は、海馬、嗅内皮質、島皮質、帯状皮質、視床背内側核、大脳基底核、中脳水道周囲灰白質、前頭皮質などに送られる。そのため自律神経応答、表情や姿勢などの運動系の変化、認知機能も含めた精神活動、負情動に関わる脳回路網などが、一斉に活動する。

 野生時代、危険に満ち満ちた荒野を生きのびるために、生体は負情動を発達させた。危険を未然に察知し、注意深くそれらを回避するために、不安や恐怖感は不可欠であった。生体警告系としての急性痛も同様で、痛みを検知・認知し、恐れ、不安を感じる負情動が付加できたからこそ、それ以上の身体損傷や健康悪化を防ぐことができた。

 生命維持のうえで、負情動が果たしてきた役割は意義深い。しかしながら、恐怖や不安感が過剰に起きると、痛みの軽減を阻んでしまう。dysfunctional painを引き起こして、慢性痛に転化させてしまうのである。

引用ここまで
扁桃体

まとめると、扁桃体が過活動状態に陥ると、痛みが消えませんということです。

扁桃体が過活動状態に陥っているときは、考え方が歪んでいます。

そして、事態は悪化の一途を辿ります。

思いつく対処が、ことごとく真逆のものばかりだからです。


固定される記憶が歪み、その歪んだ記憶を元に判断するということになるからです。


助かるためには、自分の思い込みは間違っているということを認めることです。


自分が正しいことを証明する情報を集めると、自滅します。

改善しなくてはならないのですから、問題点を指摘してくれる情報を集めればいいのです。


ナルシシズムに陥っている人たちには、それができません。



他者を否定して生きているからです。


話を戻して、過活動に陥った扁桃体を落ち着かせるためには、機能的な運動が合理的です。

呼吸に集中して、人体の構造通りに動く。

必要であれば、愛情豊かな人に、ボディワークしてもらう。

慢性痛は、いつの間にか、消えてなくなるはずです。


慢性痛のサイエンスは、素晴らしい本です。

2018年10月14日日曜日

他者の行為の意図を理解したり他者の感情に共感したりすることができるのは、ミラーニューロンシステムのおかげ。

昨日の記事のつづき。


感情とはそもそも何なのか 新刊 現代科学で読み解く感情のしくみと障害 乾 敏郎 著  

 まず大切なことは、ミラーニューロンは高次の運動ニューロンだということである。高次の運動ニューロンは、これから行う行為を指定して、その運動を実行するための指令を発する。ところがミラーニューロンは、自分が何かの物体を割るときに、割るという少し前に活動する(したがって運動ニューロン)が、他者が物を割るところを見ただけでも活動する。このように、このニューロンは他者の行為を鏡で見ている自分の行為のように反応するため、ミラーニューロンと名づけられた。たとえば、ボールを投げている人の動きを見るだけで、自分がボールを投げるときに使うミラーニューロンが活動することになる。つまり、行為の理解は、視覚だけではなく、自分の運動、つまり身体で理解しているということである。
 さらに2002年に、視聴覚ミラーニューロンとよばれるニューロンが発見されたが、これは、物を割る動作を見るだけでなく、割る音を聞くだけでも活動する。つまりミラーニューロンは、視覚だけでなく聴覚とも運動指令信号が統合されているニューロンだということである。
 実際に何かをつまんでいる行為者の脳内では、つまむ動作に関わる運動ニューロンが活動する一方で、その様子を観察している観察者の脳内でもつまむ行為に対応する運動ニューロンが活動するという形で共鳴が生じていると言える。最近になり脳活動の共鳴は、コミュニケーション場面にある二者間の脳の実際の活動として観測されている。行為を理解する背景には、行為者と観測者の脳の同じ部位が活動し、ある種の共鳴状態になっていることがある。52-54P

like-meシステムは、自己と他者を同一視することにより、他者の行為の意図や感情をオンラインで推測するシステムである。つまり、観測した他者の動作からその人の行為の意図や感情を読み取るものである。このシステムはミラーニューロンシステムによって支えられている。すなわち、ミラーニューロンシステムによって自己と他者を同一視することにより、他者の行為(の視覚情報)を理解するのである。ミラーニューロンシステムが働くことにより、自己と他者の脳活動が共鳴していると言うこともできる。これらの部位にあるミラーニューロンが他者の行為を理解するミラーニューロンシステムとして働くためには、後部上側頭溝も機能しなければならない。この部位は、他者の動作の視覚情報(バイオロジカルモーション)の処理に関わる。この部位が下頭頂小葉と相互結合し、さらに下頭頂小葉が下前頭回と相互結合することで、他者の動作を自分自身の運動に対応させることが可能となり、理解へとつながるのである。54-55P

 実は、下前頭回にあるミラーニューロンは島を介して扁桃体と相互に結合していることが知られている。これによって他者の行為を自己の運動と同一視するだけでなく、その運動に伴って生じる感情と結びつけられて、共感という機能が実現されることになる。自己が痛みを伴う刺激を受ける場合にも、同じ刺激を親しい友人が受けているのに共感する場合にも、前島および吻側前帯状皮質が活性化し、さらに活性化の強さは共感スコアと相関していた。また自己が痛みを伴う刺激を受けるときのみに活動したところは後方島や二次性体性感覚野であった。共感に関する経路は、顔の表情から他者の感情を推測することにも同様に関与すると考えられている。共感は、他者の行為に伴う心的状態(感情)に関する情報が提供されるという意味で、コミュニケーションを円滑に進める上で重要となり、協調的で向社会的な行動の動機付けとしても重要となる。以上のような脳内ネットワークを基盤としたlike-meシステムによって、他者の行為の意図を理解したり他者の感情に共感したりすることができるのである。55-57P

引用ここまで


ミラーニューロンシステムが、行為の意図を理解したり、他者の感情に共感したりするのを支えている。

ということは、ミラーニューロンの機能に問題があると、他人の脳活動と共鳴できないということになります。

他人の動作の模倣が苦手な人が、対人コミュニケーションで問題を起こしやすい理由かもしれません。


実際、相手の行為の意図をまるで理解できない人もよく見られます。

相手の表情を読めないばかりか、自分の表情を偽ろうとする人もいます。

表情と扁桃体の関係を考えてみると、辻褄があります。

眼が怖いのも、説明ができます。


「よく相手を視て、よく話を聴く」ということは「ミラーニューロンを機能させる」ということなのだと思います。


うまくいかない人は、相手のことを視ていません。

そして、相手の話を聴いていません。

ミラーニューロンシステムが機能していないからなのだと思います。

だとしたら、ミラーニューロンシステムを磨きあげるしか選択肢はないような気がします。


と、ここまで書いていて気がつきました。


元々ミラーニューロンシステムが機能していない人って、生きていくこと自体がハードゲームなのだと。

相手の行為の意図が理解できないからこそ、一方通行になるのです。

自分に対して過度に集中し、自分のことばかり話すというワンサイドゲーム。

自分に対して過度に集中するからこその、消えることのない慢性痛と慢性疲労。


オキシトシンレベルが低いがゆえに、他人といると疲れ果ててしまう。

愛情をホルモンレベルではなく、理屈で考えてしまうがゆえの嘘くささ。

幸福感がないのに、しあわせそうに振舞うがゆえの眼の怖さ。

扁桃体の過活動・過覚醒が問題であるのに、他に原因を求めるがゆえの破綻。


そして、これらの事実を、身体で理解できないという問題。

……ハードゲームです。


他者の動作を、自分自身の運動に対応させることができないために、理解ができない。

この状態で生きていくというのは、本当に大変なことなのかもしれません。


脳で何が起きているかは、現代の検査機器の発達でわかるようになりました。

しかし、実際に問題を起こしている人の脳は、この事実を理解することができません。


古今東西の賢者が、「仕方がないことなのだよ」と書き残しているのは、こういうことなのかもしれません。

度し難し……理屈を聞かせてもわからせようがない。どうしようもない。

どの時代の賢者も、一様にそう書き残しています。

元々の脳の構造なのですから、度し難いのかも仕方がないのかもしれません。


同じ解説をしても、瞬時に正確に理解できる人と、自分勝手に解釈をする人がいます。

まったく理解できていないのに、他人に言葉でアドバイスを始めます。

理解できている人は、自らの身体で体現します。

ミラーニューロンシステムが使えているかどうかは、身体で表現できるかどうかでわかるのです。


そして、システムが機能している人は、機能していない人を見て負の影響を受けます。

機能していない人は、機能している人からの正の影響を、あまり受けません。

これが、理解させるための努力の決末に待っている破綻の原因なのだと思います。

双方ともに、疲れ果ててしまうのです。


ミラーニューロンシステムが機能していない人に対して、私は無力です。

この本は、私が学んできた方法論が、システムが機能していることが前提のものであることを再認識させてくれたように思います。


今日の下関集中講座の小話で、この話をします。

2018年10月13日土曜日

首の解放と、見た目の若返り効果。

最近の安部塾は、『首の解放』がブームです。

首の解放
何回解説しただろう(笑)。

プロメテウス解剖学より 

今日の神戸集中講座と、明日の下関集中講座でも解説します。


「眼があく」「顔が締まる」という感じの、見た目の若返り効果が、やる気をそそるようです。


姿勢制御の基本は、後頭下筋群と胸鎖乳突筋の機能改善からです。

地味にきっちり、筋ほぐし・筋のばしをしましょう♡


2018年10月11日木曜日

対面して、白目を見て、一緒にいるということ。白目の動きを追うことで、心の動きが読める。会い続けるということ。

第2回 山極壽一(霊長類学):サル、ゴリラ研究から現代社会を考える(提言編)より

ゴリラは顔と顔を合わせて挨拶します。人間も食事や会話をする時、机を挟んで対面します。対面しないと誠意が伝わらないと思うのは、言葉だけで会話をしているわけではないからです。

 では対面するとなぜ気持ちが伝わるのかというと、その秘密は目にあります。京都大学野生動物研究センター教授の幸島司郎さんたちが、類人猿の目はサルの目に似ていて、人間の目だけに白目があることを発見しました。その白目を見ることによって、相手の内面の動きをモニターしているんですね。それが言葉よりも重要なんです。

 対面して相手の感じていることを読み、共同作業によって身体をつなぎ合わせて生きてきた私たちは、インターネットというヴァーチャルな世界で脳をつなぎ合わせて暮らし始めている。それは共感能力の低下や信頼関係の喪失につながると私は思っています。

引用ここまで

「サル化」する人間社会 (知のトレッキング叢書)  山極 寿一 (著)

人は、相手の白目の動き(本当の表情)を見て、相手の感情を推し量ります。

感情を推し量ってもらうために、人には白目があるといえます。

なので、相手の白目を見ることができる対人距離が必要です。

そして、相手の眼の動きを追えるだけの完全な視機能も必要です。


人は、一緒に食事をすることで、お互いの信頼感を高めます。

そして、信頼感は何を食べたかではなく、一緒に食べた時間によって醸(かも)されます。


山極壽一先生の言葉より

信頼感というのは、実は内容じゃなくて、時間が担保するんです。その二人で何をしたかってことじゃなくて、二人でどのくらい長くいたかということ、二人じゃなくても、三人でも四人でも良い、それがその仲間同士の信頼感を担保する」

「(現代の)効率化・経済化の社会というものは、時間というものをコストだと思っている。でも、時間というのは、長い長い人類の進化の間、それはコストではなく、大切な宝だったんですね。
 相手の自分との間で共有し、サルにはできない信頼関係を醸成するための大きな道具だったの。それを人間は、効率化・経済化の名の下に手放しつつある」

引用ここまで

系統樹 


書かれた言葉には補足情報がありません。

なので、書き手の気持ちはきちんと伝わりません。

直接会う必要があるのです。

白目を見ないと理解し合えないのです。


一緒の時間を過ごすということ自体が、信頼感を育みます。

「自分のために時間を割いてくれた」

そう思えることが、響くのです。

書かれた言葉が信頼感を担保することはありません。


私たちは、言葉を習わないと、言葉の意味がわかりません。

しかし、私たちは何も習わなくても、相手の白目を見れば相手のことがわかります。

白目には「心」があらわれるから。

だから、白目を見れば、心を読むことができるのです。


白目の動きを追うために必要な対人距離は、近接相(45~75cm)です(E・T・ホール)。

近接相では白目の動きが追えるので、相手の内面の動きをとらえることができます。

相手の心の動きが、そのまま目にあらわれます。

白目の動きを追うことは、相手の心を読むということです。


会話域は、50~150㎝(西山和彦)。

会話なしではいられない距離です。


対人関係ストレスから、脳に炎症が起きている人たちの眼が怖い理由。

それは、白目の動きに、壊れた心の動きがあらわれるからではないかと思います。


眼球運動は、身体の動きを導きます。

眼筋→後頭下筋群→刺筋→全身の筋肉という流れです。

もし、心が壊れていたとしたらどうなるでしょうか?

壊れた心が、眼球の動きを壊してしまうはずです。


脳が炎症を起こしている人の動きが不自然な理由は、眼球運動が壊れてしまった結果なのだと思います。


解決策はあるのでしょうか?

昨日の記事でも書きましたが、「仲間と一緒にご飯を食べること」です。

ただし、対人距離近接相で、相手の白目を見つめて対話しながら。

お互いに、相手の心を読み合います。

しあわせになれます。


私たちが、ヒトに進化できた原点に還ればいいのだと思います。

サル化してはいけないのです。


それ以外のメソッドは、おおむね破綻します。

少し観察してみれば、すぐにわかるはずです。


慢性痛やうつの本質は、脳の炎症です。

炎症状態の脳は、まともに機能していません。

脳の炎症を鎮めることができるのは、「愛するということ(The Art of Loving)」です。

脳の感情障害を克服することが、筋肉の過剰緊張状態を解除するということなのです。


「お互いを思いやり、やさしく触れ合うこと」

それが、脳の炎症を鎮め、白目の動きを落ち着かせてくれます。

指技を受けた人の眼が大きくひらくのは、練習中によく見られる光景です。

心がやさしくなった(感情障害が緩和された)結果、眼が落ち着いたのです。


今日・明日の塾生講座では、『会い続けること』の大切さを解説します。

私の白目を見に来てください。

2018年10月10日水曜日

首を解放すると動きがよくなる~筋肉が常に緊張状態にあると慢性疼痛症状が出る「

9日のKANONでの塾生講座で、「首の解放」やりました。

Ideちゃんの斜角筋ストレッチの解説

後頭下筋群を、やわこで解放する。

首を解放しないと、姿勢も動きも改善できません。

後頭下筋群


首が詰まっていると動けない理由は、この本を精読すればわかると思います。

感情とはそもそも何なのか



 脳は運動するときに手の初期位置と最終目標位置の差に対応する信号を出力しているのではない。運動野から出る信号は運動指令信号ではなく、自己受容予測なのである。大切なことは、運動野から出る信号は、感覚の予測信号だということである。

 運動野が感覚の予測信号を出すと、現在の自己受容信号と目標となる自己受容信号との差、すなわち予測誤差が生じる。この予測誤差がなくなるまで運動する。「筋肉の自己受容器→脊髄運動ニューロン→筋肉」という信号の流れの反射弓を働かせることで、目標が達成できる。つまり随意運動においてもこの反射弓が主役なのである。

 したがって、自由エネルギー原理では、運動とは「目標となる状態の自己受容感覚を予測信号とし、それが達成されるように反射球を駆動させる」ことである。

 近くの場合は予測誤差によって予測信号が更新されるが、運動の場合と同じようにしてしまうと、せっかく目標として立てた自己受容感覚予測自体が変化して運動の目標が変わってしまう。したがって運動制御においては、目標として立てた自己受容感覚を途中で変化させずに、その運動を達成することが必要である。そこで運動制御では予測誤差が中枢に向かうのを抑制する必要がある。別の見方をすると、これは自己受容感覚の信号の精度がきわめて高いから予測誤差を無視すればよいともとらえることができる。

引用ここまで


少し考えてみましょう。

もし、自己受容感覚の精度が低かったらどうなるのかと。


実践アレクサンダー・テクニーク


自己受容感覚とは、動作においてバランス、位置、緊張を感知する感覚です。

五感は一般的に、聴覚、視覚、嗅覚、味覚、触覚を指します。20世紀半ば、神経生理学者がそこに自己受容感覚という「第六感を付け加えました。第六感は、空間における身体のバランス、位置、動きを感知する感覚のことです。この感覚は、関節の受容体、筋肉、内耳のバランス器官から情報のインプットによって得られます

自己受容感覚(proprioception)を文字通り訳すと、「身体内部を感じる」という意味になります。またこの感覚は、「身体の目」と呼ばれることもあります。第六感があれば、自分の空間における位置と質量が分かり、またその場所にとどまるために筋肉がどれほど緊張しているかに気づくことができます

日中の動作の大半は無意識に行われ、考える必要がまったくありません。この能力のおかげで、どんな状況でも、あるいはどんな仕事が課せられても、すべきことに完全に集中することができます。これは非常に便利な状態です。しかし、筋肉を過度に収縮したときに受け取るべき、身体からのフィードバックを拒否してしまうという欠点もあります。

人間の生活は、感覚から絶えず刺激を受けます。生活のスピードが増し、外的世界から受ける要求に応えようとするにつれて、「筋肉が収縮して疲労している」という体内からの感覚的メッセージを、無視し始めることがあります。同様に、緊張状態が正常かつ自然な状態とさえ感じるようになり、身体のプログラムにしっかりと組み込まれてしまうことがあるのです。

第六感への理解を深めると、大きな利点が得られます。まず身体の調子やバランスがより整います。また悪い影響を生む身体の使い方をすると、すぐに気がつくようになります。これによってストレスレベルをコントロールしやすくなります。また姿勢と感情の関連性に注意するようになり、そのフィードバックを利用して、健康を持続することができます。

引用ここまで


筋肉が硬い人の動きはよくありません。

感情も同じように硬くなっています。

表情も凍りついています。

姿勢もよくありませんし、不健康です。


上の二つの引用文を熟読してもらえば、その理由は瞬時にわかるはずです。

そう。

『脳の炎症状態』です。

慢性痛やうつの本体は『炎症』なのです。


感情とはそもそも何なのか 現代科学で読み解く感情のしくみと障害 乾敏郎 著91-92Pより

 ストレスがかかると、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されるが、負のフィードバック機構によって、しばらくするとコルチゾールの分泌が抑制される。しかし、うつ病の場合この負のフィードバックがうまく働かず、コルチゾールの分泌が抑制されない。これによって、より多くの代謝エネルギーを予測し、ホメオスタシスが維持できず、炎症誘発状態に陥ると考えられる

引用ここまで


過覚醒』という状態があります。

  覚醒水準が亢進すること。強いストレスなどを受けたときにみられる。

 強いストレスを受けたとき、交感神経の活動が亢進したり、副腎皮質ホルモンが分泌されたりして、体は活動するのに適した状態になります。これは、生体防御のための正常な反応であり、ストレスが解除されると、体もリラックスした状態にもどります。しかし、何らかの原因で、ストレスが解除されても体が緊張した状態を保ち続け、不眠症、イライラ、ちょっとしたことに極端に反応する、警戒心が強くなるなどといった状態が続いてしまうことがあります。これを、過覚醒といいます。

引用ここまで

身体はトラウマを記憶する

身体はトラウマを記録する――脳・心・体のつながりと回復のための手法 べッセル・ヴァン・デア・コーク より

 脳幹と大脳辺縁系の基本的な自己システムは、人が生命を脅かされると著しく活性化し、強烈な生理的覚醒を伴う、圧倒的な恐れや身がすくむような思いを引き起こす。トラウマを追体験している人には、何一つ理解できない。彼らは生きるか死ぬかという状況にはまり込んでいる。それは、身動きをとれなくするような恐れや、見境のない憤激の状態だ。心も体も、まるで危機が差し迫っているかのように、しきりに覚醒させられる。ほんのかすかな音が聞こえてもはっと驚き、些細なことで苛立つ。絶えず眠りを妨げられ、食べ物は官能的な快楽をもたらさなくなることが多い。すると今度は、凍りついたり解離したりして不快な感情を抑えようとする必死の試みが引き起こされかねない。 

他者との触れ合いや同調は、生理的な自己調整の源泉であるものの、人と親密になりそうになると、傷つけられ、裏切られ、見捨てられるのではないかという恐れが引き起こされることがよくある。

長期にわたって怒ったりおびえたりしていると、筋肉が常に緊張状態になるために、いずれ痙攣や背中の痛み、偏頭痛、線維筋痛症といった、何らかの慢性疼痛の症状が出る。


引用ここまで


過覚醒している人によくみられる、筋肉の過剰緊張と味覚障害(偏食)。

そして、怖い眼。

身体感覚を深く感じることができないということ。

左脳ブローカ野(前頭葉)の機能停止。


物事を順序立てることができない。
因果関係を突き止めることができない。
自分の行動の長期的な影響を把握できない。
将来のための計画を立案したりできない。


扁桃体が暴走し、コルチゾールやアドレナリンなどのストレスホルモンが急増する。

心拍数も呼吸数も増え、血圧が上がり、記憶や注意に問題が発生する。


計画立案、予期、時間と前後関係の感覚、不適切な行動の抑制、共感的理解に働く前頭前皮質の機能停止。

前頭前皮質の機能停止が、「おかしな言動」を加速させていきます。


そして、おかしな言動を重ねるほど孤立化が進み、前頭前皮質の機能停止状態が続きます。


自分で自分を救う道は、

自分とのつながり

他者とのつながり

世界とのつながり

自然とのつながり

を回復させていくことしかないと思います。


データが示しているように、扁桃体暴走状態&前頭前皮質機能停止状態からの生還は難しいものがあります。

ただ、「やさしい人になりたい」という純粋な願望さえあれば大丈夫です。

やさしく後頭下筋群を解放することから始めればいいのです。

やさしさが自分に起こす奇跡を体験できるはずです。


ただ、とても残念なことに、前頭前皮質機能停止状態にある人に、この記事は届かないのですが。

計画立案、予期、時間と前後関係の感覚、不適切な行動の抑制、共感的理解の機能喪失。

ほんの少しでも、前頭前皮質機能が戻れば希望はあるのですが。

ほんとうは、やさしい人たちと、おいしい食事をし、仲良く眠ればいいだけなのです。


やさしくない人たちと、味覚障害な食事をし、ひとりで眠っているうちは厳しいのです。


話を戻して……

首の解放をすると動きが良くなります。


明日・明後日の塾生講座で、首の解放の解説をします。

2018年10月6日土曜日

首こりと後頭下筋群~あごが引きづらい人は過緊張状態かも~眼球運動にも影響

昨日の塾生講座とレッスンは、後頭下筋群のソフトタッチテクニックをやりました。

頭を後ろに引いて直立させる機能がある大切な筋肉です。

参加者復習用画像です。

後頭下筋群のトリガーポイントと関連痛
タッチする方向は、こんなイメージです。

後頭下筋群 プロメテウス解剖学より

■大後頭直筋
軸椎(第2頸椎)の棘突起から起始し、後頭骨の下項線中央3分の1の領域に停止。
■小後頭直筋
環椎(第1頸椎)の後結節から起始し、後頭骨の下項線内側3分の1の領域に停止。
■上頭斜筋
環椎の横突起から起始し、後頭骨の下項線中央3分の1の領域に停止。
■下頭斜筋
軸椎の棘突起から起始し、第1頸椎の横突起に停止。

それぞれ左右に2つずつ存在しています。

両側が収縮すると頭部が後屈します。

片側のみが収縮することで頭部が回旋します。


後頭下筋群が固まると、体感的には、「あごが引きづらい感じ」になります。

「うなずく」ことが難しくなるので、素直さが失われます(フィードバック効果)。

頭も重く(痛く)なります。

ここから、慢性痛の負の連鎖が始まります。


うなずくことができないのは、仰向けに寝てみるとよくわかります。

うなずけないということは、他者の話をじっくり聴くことができないということです。

うなずくは「肯く」であり、肯定・同意・承諾などの気持ちを表して首をたてに振ることです。

肯けないことで、否定・反意(不同意)・拒否(拒絶)に陥りやすくなります。


動作が思考に及ぼすフィードバック効果です。


×印を矢印の方向にごにょごにょすると、姿勢がパリッとなります。

過緊張状態だった後頭下筋群がゆるむことで、頭が上に、おでこが前に向かうからです。

後頭下筋群をごにょごにょ

僧帽筋→胸鎖乳突筋→斜角筋→後頭下筋群→肩甲挙筋→回旋筋腱板の順でごにょごにょ。

素直で明るい愛し愛されキャラとなります♡


加えて眼球のお話

後頭下筋群が衝動性眼球運動に及ぼす影響についてより

【結果】
(眼球の動かし易さと眼球運動幅)左右へ眼球運動を行なってもらい比較した結果、9例中7例、眼球運動幅が大きい側と反対方向に眼球の動かしやすさを訴えた
(後頭下筋群の筋収縮の左右差と眼球運動幅)9例中7例が、左右の眼球運動で眼球運動幅が大きかった目の側と反対側後頭下筋群の筋緊張が高かった. 
(アプローチ前後の眼球運動幅)アプローチ後、被検者9例中8例が眼球運動幅が増大した.殆どの被検者において動かし易さが変化したと訴えた.
【考察】
スポーツでは動体視力が必要となる.その中で衝動性眼球運動に焦点を当てた.当初、眼球運動幅が大きい側の目の方向に動かし易いと考えていたが、反対の結果となった.これは眼球を動かしにくい側の眼球運動を動かし易い側で代償しているのではないかと考える.そして後頭下筋群の筋収縮の差も、努力性筋収縮を引き起こしていたのではないかと考える.また、坐位姿勢を変化させ、頭頚部の筋緊張を変化させた事で眼球運動幅の増大が起こった理由として、衝動性眼球運動及び頚部運動の両方を駆動するものが運動前野にある事、運動前野の腹側部位が刺激を受けると、衝動性眼球運動を活性化する事から、後頭下筋群の筋緊張の調整をする事で眼球運動が活性化し、眼球運動幅も増大したものと考える.
【まとめ】
衝動性眼球運動と後頭下筋群の筋緊張には関連があると考えられる.

引用ここまで


眼球運動と後頭下筋群は鉄板ネタですね。


後頭下筋群をほぐして、しあわせになりましょう。

2018年10月5日金曜日

肩こりと僧帽筋~僧帽筋のストレッチングについて

昨日は、塾生講座で僧帽筋のストレッチングの解説をしました。

まずは、僧帽筋のトリガーポイントの地図を見てみましょう。

僧帽筋の関連痛地図

赤いところが実際に痛みを感じるところ。

×印がトリガーポイント。

こうやって見ると、痛いところをもむという発想がマズイことがよくわかります。

中部僧帽筋は近いところにポイントがありますが、上部・下部は離れています。


さて、ストレッチングですが、意味を理解してやらないと危険だと考えています。

機能解剖学を理解してストレッチングをすると、トリガーポイントにアプローチできます。

活動性のトリガーポイントを、非活動性(潜在性)に変化させれるのです。

うまくいけば、トリガーポイントを消し去れます。


塾生講座で解説した、僧帽筋下行部(上部線維)について再解説してみます。

起始は、後頭隆起の外側・後頭骨上項線の内側1/3・項靱帯を介して頚椎棘突起・第7頚椎棘突起に付着しています。

停止は、鎖骨の外側1/3・肩甲骨の肩峰周辺に付着しています。

上図の赤丸部を確認してください。


静的ストレッチングの基本は、起始と停止を遠ざけることです(上図の赤矢印)。


マニュアル的には、こんな感じになります。

僧帽筋のストレッチング

ただこの型を、意味もわからず適当に真似するのと、理解してやるのとでは効果が違います。

起始と停止をイメージすると、センスがいい人なら、感覚がまるで違ってしまうことがわかるはずです。


安部塾のストレッチングは、痛気持ちいいところまで伸ばしません。

セーフティゾーンを超えないように、「気持ちがいい範囲」を守ります。

特に、トリガーポイントまみれの筋肉は強度が落ちているのでなおさらです。

できれば、ソフトタッチでアプローチしてからのストレッチングをオススメします。


ここまで解説すればわかると思いますが、いわゆる肩こりのストレッチングは下部僧帽筋に注目する必要があります。

安部塾でキャットバックが徹底される理由でもあります。

キャットバック

今日15:30~の塾生講座は、上図のポーズの意識の仕方を、鬼解説します。

で、そこからのキャットポーズ。

猫のポーズ

これまでは、違う身体になったように感じれるかもしれません。

センス次第ですが(笑)。


呼吸ですが、今回は、

5秒(4カウント)吸って型をつくる→5秒(4カウント)吐いて伸ばす→5秒(4カウント)吸って中立へ→5秒(4カウント)休む→……

というIBUKIの基本呼吸でやっています。

自画自賛的に、IBUKI最高です(笑)。


それでは、今日も薬院校でお待ちしております。

13:30~薬院校グループレッスンあります。

一般の方も参加できます。

僧帽筋ほぐしをどうぞ♪

2018年10月4日木曜日

筋緊張&慢性痛とパーソナリティ(人柄)~ソフトタッチで筋緊張をゆるめる~筋ほぐしはパーソナリティ磨き

10月25日(木)の、大阪集中講座は『筋ほぐし(トリガーポイント・ソフトタッチテクニック)実技』と『筋緊張&慢性痛とパーソナリティ(人柄)』について解説します。

筋ほぐし~ソフトタッチテクニック


 パーソナリティ自体は、その人の人柄であり、そう簡単には変わらないし、変える必要もない。しかし、パーソナリティ障害は、パーソナリティの度が過ぎて社会に適応して生きていくのを邪魔している部分なので、変える必要があるし、実際、変えることができる。
 パーソナリティ障害を克服した人は、とても魅力的なパーソナリティとして円熟する。年々、周囲の評価も高まり、信頼や愛情に恵まれるだろう。それに反して、パーソナリティ障害を引きずったまま年取った人は、周囲から煙たがられ、見せかけだけの関係で結びついた人ばかりに取り巻かれることになる。本当に信頼できる人は離れていき、次第に孤独になっていく。 そこそこの年になれば、人は自分のパーソナリティに対して責任があると思う。中年になっても、子供のように自分勝手に振舞い、自分を省みることもない、情けない大人にならないように、自分のパーソナリティと生き方を磨き続けて欲しい。
 問題や困難にぶち当たりながらも必死に生き抜いてきた人は、30代半ばくらいから落ち着いてくることが多い。そうすると、とてもいい持ち味を発揮するようになる。
 年を重ねるということは、極端な偏りを修正してくれ、適応力を高める。ただし、逆の場合もある。若い頃はそうでもなかったのに、年とともに、性格がいやらしく、捻じ曲がってくることもあるし、傲慢になったり、横暴になったりすることもある。結局、その人の生きてきた人生が、表れるのである。

引用ここまで


慢性痛の研究をしていると、『認知の歪み』の問題を学べます。

認知の歪みとは、『誇張的で非合理的な思考パターン(irrational thought pattern)』です。

認知の歪みは筋緊張を高め、抑うつや不安を永続化させてしまいます。

デビッド・D・バーンズは、『気分や感情は事実ではなく、逆に「歪んだ考え方がマイナスの気分を生み出す』としています。

現実を不正確に認識させ、否定的な思考や感情を再強化してしまうのです。


そしてこの『マイナスの気分』は、筋肉の索状部位の中にある硬結とつながっています。

筋ほぐしを成功させるためには、認知の改善(Cognitive restructuring, CR)が必要です。

認知の歪みを特定し、これを打ち破るのです。

歪んだ思い込みに囚われたままで、筋緊張をゆるめることはできません。


歪んだ思い込みは、ストレスフルな状況を生み出すからです。


リンク先の記述をお読みください。

→ 慢性痛に対する幼少期ストレスによる脳神経機能異常の影響 - J-Stage


慢性痛のときの脳は代謝が落ち、血流やカルニチンなどの伝達物質が減っています。

セロトニン神経系のダメージが大きくなることで、痛みの感受性が高まります。

脳機能も低下し、筋肉痛や関節痛などの症状を引き起こします。

筋肉痛の原因の75~95%がトリガーポイントであることを考えると、つながりが想像できます。


慢性痛のときの脳では、扁桃体、海馬、帯状回、視床、中脳、橋など部位での炎症が起きています。

健常時ときの脳と比較すると、明確な差があります。

健常時のときの脳にとっては何でもない行為が、慢性痛のときの脳には負担となります。

ほんの少し歩いたり、運動したりするだけでも、すぐに炎症が起きてしまうのです。


炎症が起きている脳は、繊細な感受性を失います。

慢性痛のときの動作が粗雑な理由です。


厄介なのは、自分の認知に歪みがあるという自覚がないという場合です。

自分の認知の歪みの問題だと理解できる人は、パーソナリティの円熟を目指せます。

まわりのせいにしてしまう人は、パーソナリティ障害をこじらせて孤立します。

脳の炎症は孤立することでさらにひどくなります。


慢性痛が長く続くと、MRIの画像で海馬の萎縮が見られるようになります。

たかが筋緊張と甘く考えていると、脳機能が低下し続けてしまうことになるのです。


私は、カギとなるのは『愛着の安定』だと考えています。


愛着が安定している人は、自分が信頼して愛着している人が自分のことを愛し続けてくれると、安心しています。

信頼して愛着している人からの愛情がなくなるなんて、考えもしません。

助けて欲しいときも、まわりの人は助けてくれるという信頼感が強く、気軽に援助を求めることができます。

対人関係のバランスがよく、楽しみながらプロジェクトに取り組めます。


愛着が安定していると、ストレスをためこまずに人付き合いができるのです。


何より、愛着が安定している人は、前向きで素直です。

人からの反応や言動をありのままにとらえます。

自分自身に対しての圧倒的肯定感や信頼感があるからです。

他人の言動に左右されずに、楽しく過ごすことができるのです。


愛着が安定している人は、自分が相手の意見を否定したり、要求を拒否したりしても、相手が自分のことを好きでいてくれると確信しています。

自分の考えや気持ちを言葉にして表現することは、相手を否定することではないのです。

自分の意見や気持ちを偽ってまで、相手に合わせたりしません。

思ってもいないことを口にしたり、表情をつくったりして相手を操作しようなんて考えません。


相手を尊重し、信頼しているからこそ、自分の意見や気持ちの本音をストレートに口にします。

ストレートなやり取りこそが、相互理解につながると感じるからです。


話し合いも、感情的対立からの勝ち負けへのこだわりがありません。

相手の考えを認めても、自分の居場所が脅かされるとは感じないのです。

存在や立場を脅かされると感じないので、相手を侵害することがありません。

扁桃体の暴走=不安・恐怖から自分を守るための逃走・闘争モードに入らないのです。


もうおわかりだと思いますが、愛着が安定している人の脳機能は健全です。

結果として、痛みを抑制するシステムが機能します。


相手を尊重するソフトタッチで触れることによって、

相手から尊重されるソフトタッチで触れてもらうことによって、

私たちの心が満たされ、愛着が安定し、脳の機能が健全になるということなのです。

侵害刺激を用いて相手の筋肉を潰そうとする人は、それが理解できていません。


相手を尊重しなければ、愛着はいつまでも安定しません。

相手を支配することでは、愛着は安定しないのです。


まずは、ソフトタッチで相手に触れるということはどういうことなのかを学んで欲しい。

そして、前向きに素直に触れ合って欲しい。


各地でソフトタッチテクニックの講座を開催していくことにしました。

2018年10月2日火曜日

『筋ほぐし』~ ソフトタッチ手技を集中講座でお伝えします~触れる者も、触れられる者も、しあわせになれる手技。

『筋ほぐし』~ ソフトタッチ手技

『筋ほぐし』~ 筋・筋膜トリガーポイントセラピー・ソフトタッチ手技を、各地の集中講座でお伝えいたします。

安部塾薬院校集中講座(11/3・4) → 詳細
安部塾東京校集中講座(10/20・21) → 詳細 (東京校はセルフケア中心となります)
安部塾神戸集中講座(10/13) → 詳細
安部塾下関集中講座(10/14) → 詳細


万全を期すために、ソフトタッチを徹底し「触れる」ということにこだわります。

指先の感覚に集中し、思いやりをもって索状部位内の硬結に正確に触れます。


浅い理解による過剰な圧迫によって筋肉を破壊するという事故は繰り返しません。

危険で有害な支配的手技を行う参加者は、相手に触れることを禁じます。


力づくではなく、愛着を満たし安定させることで筋をほぐします。


筋ほぐし ~ 頬骨の位置確認

9月の神戸と下関の講座は、寝落ちするレベルの高い質のソフトタッチができました。

きちんと理論を理解してもらえた結果です。

深いレベルで筋がほぐれる体験は、しあわせな気持ちに導きます。

触れる者も、触れられる者も、しあわせになれる手技をお伝えします。


脳と愛情ホルモン(オキシトシン)のお話などもしたいと思います。

思いやりをもって触れることを学びたい方、お待ちしております。