1991年(32年前)に、手技療法の仕事を始めました。当時は現在ほど手技療法は盛んではなく、書籍は医道の日本社や科学新聞社から購入させていただいておりました。インターネットも普及していなかったため、情報を手にするのにとても苦労しました。一方で、被術者(施術を受ける人)は沢山おられたので、多くの経験を積むことができました。
最初に学んだ手技は、日本の武術などで使われていた「行」を伸ばす技術です。それから、当時流行していたカイロプラクティックとオステオパシーを学びました。
この時期に、「腰痛を含めた慢性痛は、ストレス反応で脳の機能が低下することで起きる」という説を知ったのですが、当時は誰ひとり耳を傾けてはくれませんでした。2015年、ようやくテレビで取り上げられます。2019年には、うつ病の話も。
2015年7月12日(日) 腰痛・治療革命 ~見えてきた痛みのメカニズム~
2019年7月17日(水) 社会復帰に新展開! 最新のうつ病治療
あなたのその腰痛は、「腰」ではなく「脳」に原因があるかもしれません。その場合、症状が劇的に改善する可能性があります。
治療しても効果がなく、一度治ってもぶり返すなど、なぜか長引く「慢性腰痛」(3か月以上痛みが続く腰痛)に悩まされている人達がいます。その数は、腰痛に悩む2800万人のうち、およそ半数に及ぶと推定されています。あなたの周りにも、お困りの方いらっしゃいませんか?
最新の研究で、その「慢性腰痛」の詳細なメカニズムが明らかになり、原因が「脳」にあることが分かってきました。そして「脳」の働きを改善し、腰痛を克服する対策が大きな成果をあげています。
慢性腰痛の多くは「正しい知識の不足などによる無用な恐怖」が生み出している“幻の痛み”であることが科学的に分かってきました。腰痛を改善するために重要なのは、“簡単”に恐怖を克服できる方法を“具体的に”示すことです。だからと言って、信頼性の乏しい方法を提示するわけにはいきません。そのため、世界的な腰痛の権威とタッグを組んで、科学的な根拠のある方法だけを厳選しお伝えすることに努めました。
引用ここまで
で、その後どうなったかというと、何も変わりませんでした(笑)。「正しい知識の不足などによる無用な恐怖」の力を甘く見ておりました。正しい知識を正しいと認識できる人にしか、この仕組みを理解することはできないのだと理解することにしました。無用な恐怖に踊らされている人は、正しい知識ではなく、「自分が求めている答え」を与えてくれる情報や人を求めてしまうようです。
「脳の問題なのに、なぜ手技療法が必要なの?」という質問があります。
「脳の問題だから、手技療法が必要なんですよ」と答えています。
動物の胚で、原腸胚期(あるいはそれに相当する時期)以後ある期間、胚の外側を覆う層状の細胞集団をいう。複雑な体制をもつ動物の胚では、外胚葉の一部は、原腸形成時に陥入した中胚葉細胞集団の影響下に脳、神経管をつくり、さらに脳は外胚葉に働きかけ、目、鼻などをつくる。
神経管形成時、胚内に入った外胚葉細胞(神経冠細胞)は胚内各所に移動し、色素細胞、神経節などになる。胚表面の外胚葉は表皮や表皮の構造物をつくる組織となる。
[竹内重夫] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
「外胚葉から、表皮と神経系(脊髄、末梢神経および脳)が生じる」というシンプルな理由となります。
とはいえ、神経細胞と同じ外胚葉由来の組織は、厚み0.2mmほどの表皮のみとなります。その内側の真皮は中胚葉由来です。表皮にまで伸びているのは神経の自由端末のみであり、各種感覚の受容器はそのほとんどが真皮にあります。
|
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0896627313007101 |
さらに、その奥には筋膜があります。知覚神経細胞から末梢に向かって伸びる神経線維の末端は侵害受容器と呼ばれています。痛み刺激が作用したとき、その刺激を電気的信号に変換します。この侵害受容器が分布しているところで痛みを感じます。
筋組織において、筋線維には侵害受容器は分布していません。筋を覆う筋外膜、あるいは筋内の筋内腱や筋周囲膜・筋内膜に分布しています。
つまり、痛みは主に筋膜で感じる=筋膜に存在する虚血性病変(筋膜の重積・癒着)の侵害受容器が筋膜性疼痛の発生源と考えられます。筋膜の結合組織細胞が、慢性的な酸素・栄養不足により発痛物質を遊離しているということです。
侵害受容器が過敏になった状態になると、そこから離れた場所に関連痛と呼ばれる痛みを発生させます。実際に感じる痛みはこの痛みとなります。
|
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kokyurinsho/2/4/2_e00058/_pdf |
「え? 脳の話はどこにいった?」となるかと思います。
皮膚は、「露出した脳」といわれています。皮膚に正しく触れることで、皮膚上の神経線維と脳内ホルモンのオキシトシンに変化が起き、親密な人間関係の構築につながります(触れ方が間違っていると疎遠な人間関係に)。
触れる際に重要な点は、触れる速度や圧となります。皮膚に触れることは通常は刺激の入力としての視点となりますが、皮膚は内臓 など身体内部や心の働きが表出される部位でもあります。つまり、出力として皮膚という視点も重要になってきます。皮膚に触れることで、相手の内部状態を同時に把握することが、脳のお話につながっていくのです。
……と、ここまで書いてみて、文章で書くとわけがわからないので、実際に触れるしかないことを再認識させられました。
☆新宮校ワークショップ(平日)
1月23日(月) → 詳細
☆大阪ワークショップ
1月26日(木)→ 詳細
☆名古屋ワークショップ
1月27日(金)→ 詳細
☆神戸ワークショップ
1月28日(土)→ 詳細
☆新宮校ワークショップ(休日)
1月29日(日)→ 詳細