「上手な体・手指の使い方 笹田哲 より引用」
感覚という言葉からは、通常、視覚、聴覚、味覚、臭覚、触覚という、いわゆる五感を連想する人が多いと思います。私たちの体の中には、こうした感覚をキャッチする感覚器が多く存在します。
具体的には、視覚は目という感覚器でキャッチします。聴覚は耳、嗅覚は鼻、味覚は舌でキャッチします。触覚は物などが皮膚に触れたかどうかを感知する感覚であり皮膚の表面に感覚器が存在します。
その他にも、固有感覚器、前庭覚という感覚があります。固有受容器は、筋肉・関節の中に感覚器が存在し、関節の動き、力の加減を感知します。前庭覚は、耳の鼓膜の奥に感覚器(三半規管)が存在し、体の傾き、スピードの変化を感知する感覚です。触覚・固有受容覚、前庭覚は特に動きや行動に大きな影響を与えます。
私たちが何かをするときには、こうした感覚が大きな役割を担っています。体や手指の動きを改善するときには、「動き」だけを見るのではなく、「感覚」にも目を向けましょう。133P
どんなに優れた記憶力、豊富な知識があっても、疲れやすい、姿勢が悪い、指先が不器用など、身体の使い方の問題があると、学校生活や就職活動、そして働くことに向けて、十分に力を発揮することができません。134P
引用ここまで
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動きをつくる |
感覚器(かんかくき)とは、身体の内外で起る状況の変化を刺激として受取ることのできる器官です。感覚神経の終末が数多く集って受容器を形成しています。視覚器、平衡聴覚器、嗅覚器、味覚器、一般感覚器などに分けられます。一般感覚には、触覚、痛覚などの皮膚感覚と、筋肉、腱、関節などの身体内部から起きる刺激を感じる深部感覚とがあります。
視る力、全身の動きを調整する力が足りないと、「周囲が見えなくなり、ひとつのことに過集中してしまう」「コミュニケーションができない」という問題が生じることがあります。コミュニケーション能力をあげたければ、身体を動かす能力を高めればいいというのは、経験則としてよく理解できるかと思います。
「他人がおこなっていることを見ることで、まるで自分が同じことを行っているかのように共鳴する運動神経細胞ミラーニューロン。自ら行動するとき、他の個体が行動するのを見ているとき、その両方で活動電位を発生させるのですが、他人の心を理解する能力のもととなるとされています。意識するしないにかかわらず、脳はまるで鏡のように周りの影響を受けます。自然に言葉を覚えたり、他者の気持ちを類推したりする能力を高めていくのです。
日常動作を改善していくことで、コミュニケーション能力が磨かれていくことはとてもよく知られています。
7月の各地のワークショップは、生活動作の改善をテーマに解説してまいります。
☆下関ワークショップ
■7月2日(土)→ 詳細
☆機能運動学大牟田サークル
■7月3日(日) → 詳細
☆新宮校ワークショップ(平日)
7月4日(月) → 詳細
☆東京ワークショップ
7月8・9・10日(金・土・日)→ 詳細