エッセンシャル・キネシオロジー 南江堂 より引用します。
開口・閉口の際の筋肉と関節の状況 |
1)開口運動の概要
下顎骨の左側への移動に伴う筋の複雑な相互作用 |
エッセンシャル・キネシオロジー 南江堂 より引用します。
開口・閉口の際の筋肉と関節の状況 |
下顎骨の左側への移動に伴う筋の複雑な相互作用 |
エッセンシャル・キネシオロジー 南江堂 より引用します。
頭部前方位の姿勢では、下顎が後方-下方へ牽引へされることにより、受動的な緊張が引き起こされることを示す。
頭部前方位 |
頭部前方位の姿勢は一般に、上部胸椎と下位頸椎のわずかな屈曲を伴う。この姿勢は肩甲舌筋や胸骨舌筋のような舌骨下筋を引き伸ばし(ストレッチし)、舌骨を後方および下方に引き付ける。この力は、その後、舌骨上筋を介して下顎骨に移行し、下顎骨を後方および下方に引く力を生じる。
時間の経過に伴い、関節窩における下顎骨の持続的な後方への圧力が関節円板を圧縮し、過度な痛みや炎症を引き起こす。一部の人は、下顎を前方に引き出すことにより、顎関節に対する負荷を軽減させるために機能する外側翼突筋における、疼痛を伴うスパズムを経験する。この外側翼突筋のスパズムは、関節円板のずれを引き起こす。 外側翼突筋があまりにも下顎を前方に引き付けると口の開閉中に下顎のクリック音を引き起こしてしまうからである。もし関節円板が「脱臼」したままであれば、下顎のささいな動きですら関節円板へ大きなストレスを与えてしまい、永続する痛みの病的代謝を引き起こす。
引用ここまで
頭が前方に位置する姿勢にはさまざまなデメリットがありますが、顎関節の不調もそのひとつです。
頭部前方位姿勢 |
頭を前方に動かすと、肩も前方に引っ張られ、前に丸められます。その結果、背中の上部が引っ張られ、背骨が必要以上に弯曲し、胸椎が過度に弯曲した異常な猫背姿勢になります(胸椎過剰後弯症)。
頭が中間位置にあるとき、首が伸びます。しかし、習慣的に頭を前に傾けていると、頭蓋底の筋肉が短くなります。短縮された筋肉が頭蓋骨を引っ張り、頭痛を引き起こす可能性があります。頭部前方位では、頭部中間位のときの最大 5 倍の負荷が首にかかります。そのストレスの多くは、頸椎から、それを支えるはずのない筋肉に伝達され、首をまわしたり傾けたりする能力を低下させる可能性があります。
☆下関ワークショップ
3月4日(土)→ 詳細
☆機能運動学大牟田サークル
3月5日(日) → 詳細
☆東京ワークショップ
3月10・11・12 日(金・土・日)→ 詳細
肩甲舌骨筋 |
■肩甲舌骨筋
起始:肩甲骨の上縁
停止:舌骨体
作用
①舌骨を押し下げる(固定する)。
②咽頭と舌骨を押し下げる(発声と嚥下の最終相)。
③中間腱で頸筋膜を緊張させ、内頸静脈の開存を維持する。
肩甲舌骨筋は頸部の筋膜を緊張させ、深い吸気作用の間、首部がしぼむのを防ぎます。肩甲舌骨筋の収縮は、深い吸気の間、首の大きな血管ならびに肺の先端が、圧縮されのを防ぎます。
肩甲舌骨筋 |
顎二腹筋 |
☆新宮校ワークショップ(平日全日)
2 月27日(月) → 詳細
正しい股関節の位置 |
股関節の正しい位置がわからないと、エクササイズをするときの正しい動きをイメージすることができません。上の写真は、その1例です。正しい動きで歩くことも、走ることもできません。エクササイズをすればするほど調子が悪くなってしまう人は、正しい股関節の位置がイメージできているかどうかチェックしてみるといいかもしれません。
股関節は寛骨臼と大腿骨頭で構成される関節です。大腿骨頭は大腿骨の先端にあります。
股関節 |
まず大腿骨の大転子に触ります。そのまま内側やや上方に指をずらしていき、脚の付け根(鼠径部)と交わるあたりに股関節があります。
☆大阪ワークショップ
2月23日(木)→ 詳細
☆名古屋ワークショップ
2月24日(金)→ 詳細
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2月25日(土)→ 詳細
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2月26日(日)→ 詳細
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2 月27日(月) → 詳細
https://comic-zenon.com/article/entry/2020/08/07/120000 |
目的を実現するために選択した手段が、いつの間にかそれ自体が「目的」になってしまうことがあります。いわゆる『手段の目的化』です。
目的とは、「成し遂げようと目指す事柄。行為の目指すところ」の意味です。
手段とは、「目的を達するためにその途上で使う方法」の意味です。
目的とは目指す事柄をいいます。そして、その事柄を実現する行為・方法・要素が手段となります。
何かを成し遂げようとするとき、目的と手段はセットになっています。
「~実現のために、~する/~がある」という型になります。たとえば、「良好な健康状態を維持増進する(=目的)ために、エクササイズをする=(手段)」、「良好な健康状態を維持増進するため(=目的)に、体重を適正化する(手段)」といった感じです。
ある1つの目的は、より大きな目的の下では手段となります。自分がどのレベルに目線を置くかによって、何が目的で、何が手段かが、相対的に決まってくることになります。あるひとつの目的を達成した後に、次の新たな目的を掲げ続けると、この目的と手段の入れ替わりが連続していくことになります。
これは、何を達成したいかという目線が下がることで、目的と手段の入れ替わりが起こるということでもあります。
エクササイズが目的化して健康状態を害してしまう人。
ダイエットが目的化して健康状態を害してしまう人。
……よく見かける光景です。
「健康のためなら死ねる」っていうのもありましたね。
医療系の危険なデマに踊らされている人たちにも、目的と手段の入れ替わりが起きていて、からだによいことをしようとして、かえって健康を害してしまっていることがあります。
初期のThousand each rock さんが、医療系デマに騙されてありましたが、最近はかなりマシになられたように思います。
医療デマ関連ツイートを拾ってみます。
医療系の危険なデマを繰り返すインフルエンサーが、今度は「水素は万能薬!」との誤情報を流しています。あらゆる病気に効く万能薬は存在しません。
— やさひふ|皮膚科専門医|医学博士|Lumedia編集長 (@S96405539) February 21, 2023
また、水素の健康効果はこれまでに示されていません。誇大広告に対して消費者庁や国民生活センターが注意喚起しています。https://t.co/QddETuTk8x
【補足】詐欺に騙されないためのコツを、アメリカ食品医薬品局が整理しています↓
— やさひふ|皮膚科専門医|医学博士|Lumedia編集長 (@S96405539) February 21, 2023
こちらのツイートツリーも参考になれば幸いです。https://t.co/zJymwJGM2F
医療系デマや陰謀論は金や知識がある「からこそ」ハマるケースも多くて、金や知識故に現実的な手段での病状克服の難しさを理解&絶望してしまいオカルトに逃避してしまうんだよな。ジョブズが癌の代替医療にハマッたり、富裕層ほどワクチン陰謀論にハマりやすいのもこの文脈https://t.co/TRJ4PcBFX8
— rei@サブアカウント (@Shanice79540635) December 11, 2022
正直なところ、医療系の免許持ってる人間の流す医療系デマほどタチの悪いものはないと思ってます。恐らく、他の専門分野でもそうだと思いますが。
— 相川晴(HAL) (@halproject00) August 26, 2019
匿名の良識あるドクターが沢山いらして、医療系デマが比較的早期に沈静化するツイッターと、実名顔出しで所属も明らかなとんでもドクターがランキング上位になって、自ら大暴れしているFacebookを見ていると、なにが良くてなにが悪いのかは一概には言えないのかなって最近思います。
— 相川晴(HAL) (@halproject00) December 5, 2018
医療系デマ垢をほおっておくとよくないのは、騙されて健康被害が生じるのはもちろんですが、カルト化も怖いんです。 https://t.co/KOuYN4r1x5
— 画像診断医k🐾屋代香絵 (@AdultSpotDiffer) June 13, 2022
反ワクチンその他トンデモ医療系デマを撒いてるツイートを見た時
— きたくん@漢方のオンラインスクール (@YakuyakusanGt) May 6, 2021
リプや引用RTで反論したらダメ。
彼らに話が通じるわけがない。
スクショとかもNG。
結果的に拡散に貢献することになる。
対処法は正しい情報をただツイートする。で、他の人にも同じようなツイートをしてもらうよう呼びかける。
医療系デマとか情報操作。
— にわかはんぞー @ダメおじ (@niwakasennpei01) April 23, 2021
ヤバい側の方が穏やかでキャッチーな言葉の羅列で直感的に伝わりやすいのがミソであり、デマを糾弾したい側の言葉が荒く殺伐としたものになりやすい傾向があるので、出来れば糾弾したい側は淡々と「この分野は素人なのですが」ビームで焼き尽くすようお願いしたい。
偏見かもだけどなんで5〜60代女性って医療系デマとかトンデモ民間療法みたいなの好きなんだろ。うちの母も医療従事者なのに嘘だろみたいな民間療法進めてくる。母は気性荒く勧めてくるタイプでもないし、特に体に害はなさそうなので一緒にいる時は付き合ってるんだけど、
— 針山張子とプリンセス(3) (@zenbu___mendoi) August 28, 2021
医療系のデマの恐ろしいのは藁をもすがる思いの人たちを騙してデマを真実だと思い込ませて拡散していることとその結果人の命が失われること。
— マホロバ@奈良のプロレスラー (@TaurusAlma) October 24, 2022
製薬会社よりも医療系デマを流して怪しげな民間療法に導く人間の方がよっぽど金の亡者なんである。
そして、これ。
患者を直接診察、血液検査で判断して処方した目の前の医者よりも、ネットや週刊誌を信じて主治医にあーだこーだ訴える患者、薬剤師に文句を言う患者などなど、いくら医師と薬剤師が説明しても、どーにもならんやっかいな人はいます。#アンサングシンデレラ pic.twitter.com/Pf869tT9iT
— きぬ (@zUVoue4wEkYoZQ6) January 10, 2023
「アンサングシンデレラ」患者の不安エピソード無料公開は、一読の価値ありだと思います。
『手段の目的化』がこじれないようにしましょう。
ファッシャルリリーステクニック 医道の日本社 057Pより引用します。
足のアーチは、人間の身体の後ろ側に形成されている、一次的カーブと二次的カーブの連なりのうちの1つと考えることができる。これらの二次的カーブの形状(アーチも含めて)は、骨よりも、軟部組織のバランスによって決定される。
一次的カーブと二次的カーブ |
アーチは本質的には二次的カーブである。一次的カーブ、二次的カーブという表現は通常、脊柱に対して使われる。
一次的カーブとは、胎児や新生児の時にすでに存在している初期の弯曲から変わらずに残っているカーブのことであり、例えば脊柱の胸部のカーブや仙尾のカーブである。
二次的カーブは生後、筋の発達に伴って発生する。頚のカーブは、子どもが頭を持ち上げることができるようになるにつれて発達し、脊椎の二次的カーブはその少し後で、子どもが座るようになって脊柱起立筋下部と腰筋複合体の間のバランスを発展させることにより形成される。
この考えを身体の「上部」へと拡大すると、胎芽の脊柱を形成する部分と同じところから発展する脳頭蓋も含めることができる。頭部のカーブは一次的カーブ、頚のカーブは二次的カーブ、胸部のカーブは一次的、腰椎は二次的、仙尾のカーブは一次的である。
そこからさらに「下部」へと目を向ける。膝のカーブは二次的カーブ、踵のカーブは一次的、足のアーチは二次的である(もしさらに続けるのなら、足の母趾球は一次的である)。
つま先から額まで交互に身体をのぼる一次的カーブと二次的カーブの波について考えてみると、この一連のカーブの波がスーパーフィシャルバックラインと呼ばれる筋筋膜の連続体によってつながっていることがわかるだろう。
足のアーチは、後方から見てへこんでいる、バネのような働きをする。そして二次的カーブは体内に向けて引っ張られることで形成し、体内組織の緊張によって保持されている身体の他の二次的カーブといくつかの特徴を共有する。
一方の一次的カーブは最初から存在していたもので、骨によって保持されているため、動作のためのより安定した基盤となる。
引用ここまで
ついでに言えば、体内にも、上口蓋や横隔膜の上向きアーチ(ドーム状)、骨盤底筋群(骨盤隔膜)の下向きアーチ(ハンモック状)があります。昨日の記事の「らせん」のお話につながってきます。
身体のどこかに不調が生じたとき、つい「そこにだけ問題がある」と考えてしまいがちですが、実際は全体のバランスが崩壊しており、最弱部に問題が現出したにすぎない場合がほとんどです。
ファッシャルリリーステクニック 医道の日本社 056P より引用します。
脛骨と腓骨は強力に結び付いているため、動きは限定的である上、そのほとんどは上部で起こる。この回旋運動(前腕の回内と回外に相当)は膝に影響している。それを実感するには、膝を曲げて、踵の上に臀部をのせて、床に座る。その状態で踵を内方向と外側方向に回旋するのが感じられるだろう。
この運動は膝関節が屈曲している場合のみ可能である。膝関節を伸展した状態では、靱帯がそのような運動を防いでいる(膝を伸ばした状態でも踵を内側と外側に向かって動かすことはできるが、この場合、股関節の運動による影響となる)。
通常の膝関節の運動は、屈曲と伸展する蝶番運動である。そしてもちろん股関節は、どんな動きも可能にし、多方向に動かすことのできる関節である。
回旋運動と蝶番運動が交互に起こる構造は、同様に上肢や脊柱にも見られる。仙腸関節の限定的な蝶番運動、胸部下部の回旋運動、胸部中間部の椎骨の蝶番運動。頚の回旋運動、そして第1頚椎と後頭部の間の蝶番運動である。
蝶番運動に制限があることで、いくつかの筋は動作のエネルギーを局所的に使うことができる。つまりもしも上肢や足の下部の関節がすべて回旋運動しかできなかったなら、それらの関節を安定させるためにはかなりの筋力が必要となるのである。
蝶番運動(縦方向の動き)と回旋運動が交互に行えるような構造は、バレエのジャンプや空手のパンチのようならせん運動を作り出す。
直線運動と回旋運動の組み合わせ |
螺旋回転 |
禍福は糾える縄の如し 妓夫太郎 |
足 |
ファッシャルリリーステクニック 医道の日本社 055-056Pより引用します。
下肢関節は、1方向への自由(蝶番運動をつくりだす)と多方向への自由(回旋運動を可能にする)が交互に重なってできている。
足の先であるつま先のさまざまな趾骨の関節はすべて蝶番関節であり、われわれが地面をつかめるようになっている。足の母趾球、5つの中足趾節関節は、つま先と中足骨頭の間で回旋運動が可能となっている。
四角い中足底は蝶番運動のみを行うことができる(非常に小さいが、重要な役割を果たす)。この足の中間部の関節をほとんど動かさずに、強くて高いアーチを持ち、回外した足で歩く人を見てみよう。足部のわずかな弾力性の欠如が、歩行時の腰と背中にどれほどの影響を与えるかがわかるだろう。
足部でその次に重要な働きをしているのが、距骨下関節、または距踵舟関節である。この関節と、その上に位置する脛距関節は、一般的にまとめて足関節と呼ばれる。両方の関節は、関節包靱帯で覆われているため、捻挫して腫れを引き起こすと、両方の関節を動かすことができなくなる。しかし治療を行うという観点から見れば、われわれは距骨の上部の関節と、下部の関節を明確に区別しておかねばならない。
距骨下関節は距骨を足の残りの部分の上で回旋させる。またはその逆、の役割を果たす。つまり、回旋関節である。回旋軸は真っ直ぐではなく、母趾のつま先の根元あたりから、踵の外側あたりに走り、内返しと外返しの軸を形成している。
足関節の上部の脛距関節はより真っ直ぐな蝶番構造となっている。距骨の上部は、ほぞ継ぎ構造(ほぞとほぞ穴を作り、角材同士を接合する方法)になっていて、脛骨と腓骨の底につながり、強力な繊維状の靱帯結合によって「結び付け」られている。この関節は、背屈と底屈だけを可能にする。
引用ここまで
プロメテウス解剖学アトラス 解剖学総論 運動器系 より |
ファッシャルリリーステクニック 医道の日本社 より引用します。
脊柱起立筋(スーパーフィシャルバックライン)
当然ながら、脊柱起立筋は脊柱や胸部の位置にさまざまな影響を与えている。まずは矢状面におけるバランスを整える必要がある。これは、屈曲や伸展のさまざまな角度に対応するためであり、脊椎の第1カーブと第2カーブのバランスを整えるためである。
脊椎が屈曲し、脊柱起立筋の筋膜が制限されていると、脊柱起立筋は棘突起から遠ざかるように外側に移動する傾向がある。
脊椎が比較的伸展している時は、逆の現象が起こる。脊柱起立筋の筋膜が、棘突起に向かって近づくように作用している。
脊柱起立筋の組織を、より自然な位置に戻すことは有益であり、時にはそれだけで効果的となる。
脊椎の過剰な弯曲(前方への屈曲)により、組織が外側に移動している場合は、組織を内側に引っ張る。
反対に内側に移動しているなら、棘突起から遠ざけるように引っ張る。
引用ここまで
脊柱屈曲時、脊柱起立筋の筋膜が棘突起から遠ざかる。 脊柱伸展時、脊柱起立筋の筋膜が棘突起に向かって近づく。 |
猫背+反り腰 |
ファッシャルリリーステクニック (医道の日本社)218-219Pより引用します。
脊椎の側屈
脊椎が一方向に側屈している場合には、側屈している側の脊柱起立筋が短くなる(または、短縮によって側屈が起こる)。
中部胸椎の右脊柱起立筋が短く、脊椎から離れていることがわかるだろう。それゆえに、左脊柱起立筋は長く、脊椎に近くなっている。
このようなパターンを修正するには、組織の関係を逆転させて、筋膜のつながりを矯正しなければならない。そのために、外側の組織を内側に引っ張り、内側の組織を外側に引っ張る。
脊椎の回旋
脊椎の各部位は、脊椎関節の性質に応じて、さまざまな回旋する能力を持っている。
我々は単に軟部組織を脊柱のテンセグリティーの中での伸縮素材として使い、骨間のかんけいを和らげ、負荷を低減しているのである。
脊柱の回旋は深層筋によって保持される。背中の板のように配置されている組織の最深層である。これらの短い斜筋は棘突起を、1つ下の椎骨の横突起に向かって引っ張り、脊椎を反対側に引っ張る傾向がある。
多裂筋の短縮 |
環椎後頭関節(頭と脊椎の関節) |
アレクサンダー・テクニーク完全読本 医道の日本社 より引用します。
すべての人は正しくありたいと願う
しかし、誰も「自分が正しいと考えていること」が、
本当に正しいのかどうかを考えようとしない。
フレデリック・マサイアス・アレクサンダー
固有感覚(体の部位の相対的な位置の感覚)と筋感覚(動作の感覚)は誤りやすく、実際に、自分が空間のどこにいて、何をしているかに関して、間違った情報を与えている場合があるといういことです。
私たちの多くは誤りやすい感覚のメカニズムのせいで、「自分が何をしているのか」がわからなくなりやすいのです。後ろに傾く状態で立っていても、「真っすぐに立っている」と感じていたりするのです。
第1に、自分に欠点、または解消の必要がある問題点があるということを、生徒ははっきりと認識していなければならないでしょう。
第2に、教師はその問題点を明確にして、それを是正する手段を決めなければなりません。
生徒は、自分の肉体的な動作についてメンタル面で混乱していること、つまり自己の感覚評価、または筋感覚が不完全であることを認めることになるでしょう。別な表現で言えば、日常の単純な行為を達成するために必要な筋緊張程度の感覚ですら、誤っていて、有害だったりすることに気づくでしょう。
そして、生徒が「リラックス」や「集中」といった状態にしようと思っても、この感覚的な誤りのせいで、実現不可能になってしまうのです。63P
このアレクサンダーの言葉をシンプルにすると、「私たちが実際にしていることと、私たちが『している』と考えていることは、まったく異なる」ということです。64P
固有感覚と運動感覚はともに筋組織からのフィードバックを基にしているため、過剰な筋緊張はどちらか一方、または両方の感覚を妨げる可能性があります。これが、フィードバックによって伝えられた情報を歪ませてしまうのです。
私たちの多くが過剰な緊張で体を支えてしまい、強く収縮した筋が関節や筋の受容器で受信した感覚の情報を妨害してしまうことが、私たちが「誤りやすい感覚評価」を起こしてしまう理由だと考えられます。65P
「自分のやっていることを信じる傾向」はとても根深いものです。多くの人が起きている間のほとんどをバランスが崩れた状態で過ごしているため、筋は絶えず緊張しているのです。
新しい改善された動き方に変えるためには、「間違っている」と感じることが必要です。
正しいことをすることは、私たちが最も避けたいことである。なぜなら、私たちが「正しいことをしよう」と考えること自体が、邪魔するからだ。すべての人は正しくありたいと願うが、誰も「自分が正しいと考えていること」が、本当に正しいのかどうかを考えようとはしない。
人が間違ったとき、それはその人にとって「正しいこと」が間違っていたことを意味します。このために、問題は複雑になります。誰もが、自分にとって違和感のない方法で動き、座ったり、立ったりするでしょう。「何かおかしい」と感じる方法で動くことが、実は本来のやるべきことであるとは、夢にも思わないでしょう。66P
引用ここまで
胸鎖関節(腕の付け根) |