ファッシャルリリーステクニック 医道の日本社 057Pより引用します。
足のアーチは、人間の身体の後ろ側に形成されている、一次的カーブと二次的カーブの連なりのうちの1つと考えることができる。これらの二次的カーブの形状(アーチも含めて)は、骨よりも、軟部組織のバランスによって決定される。
一次的カーブと二次的カーブ |
アーチは本質的には二次的カーブである。一次的カーブ、二次的カーブという表現は通常、脊柱に対して使われる。
一次的カーブとは、胎児や新生児の時にすでに存在している初期の弯曲から変わらずに残っているカーブのことであり、例えば脊柱の胸部のカーブや仙尾のカーブである。
二次的カーブは生後、筋の発達に伴って発生する。頚のカーブは、子どもが頭を持ち上げることができるようになるにつれて発達し、脊椎の二次的カーブはその少し後で、子どもが座るようになって脊柱起立筋下部と腰筋複合体の間のバランスを発展させることにより形成される。
この考えを身体の「上部」へと拡大すると、胎芽の脊柱を形成する部分と同じところから発展する脳頭蓋も含めることができる。頭部のカーブは一次的カーブ、頚のカーブは二次的カーブ、胸部のカーブは一次的、腰椎は二次的、仙尾のカーブは一次的である。
そこからさらに「下部」へと目を向ける。膝のカーブは二次的カーブ、踵のカーブは一次的、足のアーチは二次的である(もしさらに続けるのなら、足の母趾球は一次的である)。
つま先から額まで交互に身体をのぼる一次的カーブと二次的カーブの波について考えてみると、この一連のカーブの波がスーパーフィシャルバックラインと呼ばれる筋筋膜の連続体によってつながっていることがわかるだろう。
足のアーチは、後方から見てへこんでいる、バネのような働きをする。そして二次的カーブは体内に向けて引っ張られることで形成し、体内組織の緊張によって保持されている身体の他の二次的カーブといくつかの特徴を共有する。
一方の一次的カーブは最初から存在していたもので、骨によって保持されているため、動作のためのより安定した基盤となる。
引用ここまで
ついでに言えば、体内にも、上口蓋や横隔膜の上向きアーチ(ドーム状)、骨盤底筋群(骨盤隔膜)の下向きアーチ(ハンモック状)があります。昨日の記事の「らせん」のお話につながってきます。
身体のどこかに不調が生じたとき、つい「そこにだけ問題がある」と考えてしまいがちですが、実際は全体のバランスが崩壊しており、最弱部に問題が現出したにすぎない場合がほとんどです。