2019年8月30日金曜日

しなやかで強い脊柱の動き~体幹の力を引き出し、身体の動きを滑らかにする。

9月は、脊柱の動きについての解説に力を入れたいと思います。

脊柱の動き

昨日の大阪集中講座で、少し解説しました。

参加者が、記事を書いてくれました。

→ 足元と側屈と笑いと。(杉本さま)

→ 安部塾大阪集中講座レポート 2019.08 (村田さま)


魚の動きを観察してみましょう。

水中を泳ぐとき、身体全体を使って尾を左右に動かしているのがわかります。

胴体の筋肉を左右に動かして尾びれを左右にふる=側屈する力で前進しているわけです。

背びれ・尾びれ・胸びれ・腹びれで、進行方向のコントロールをしています。

前後・左右・上下……主前進運動器(胴体)と副前進運動器(背びれ・尾びれ・胸びれ・腹びれ)を使いこなしているのです。

魚の動き

魚類→両生類→爬虫類という進化の過程で陸上にあがると、ひれは脚に変わります。

前脚・後ろ脚を左右交互に出して進むようになりました。

魚の泳ぎ方とイモリの這い方

ここで、見た目の主前進運動器が手足に置き換わります。

胴体が、見た目の副前進運動器として機能するようになりました。

とかげの動き

前脚と後ろ脚は、一見よく似た動きをしています。

しかし、よく観察してみると、両者は異なった動きをしています。

前脚が地面をつかんで引き寄せ、後ろ脚は地面を押して蹴っています。

前脚は曲げる能力が高く、後ろ脚は伸ばす能力が高いのです。


これは、人間においても同様で、手・腕は曲げる(握る)能力が高く、足・脚は伸ばす能力が高くなっています。


哺乳類では、四肢が著しく大きくなり、四肢を前後に動かして前進運動をするようになりました。

二足歩行になると、脚が前進運動の主役になり、手は前進運動の補助をするようになりました。


人間のあらゆる動きにおいて、進化の過程で獲得した脊柱の動きが鍵となります。

各地の集中講座やオンライン動画で、詳しく解説していきます。

2019年8月28日水曜日

筋力トレーニングに回帰~私たちの身体は筋力発揮を前提につくられています

1周まわって、筋力トレーニング(ストレングス・トレーニング)に回帰しております。

腹筋群

腹筋群
腹筋群ひとつとっても、奥が深いです。

腹筋群

お腹に限りませんが、私たちの身体は筋力発揮を前提につくられています。

今日のレイ・ゾーナでの講座と、明日の大阪集中講座で解説します。


安部塾では、下腹と脇腹の筋力トレーニングにこだわっています。

理由は、こちらの記事を御覧ください。

→ ハイギョは四足歩行する

サカナが陸に上がるにあたり、ティクターリクの発見によって手のひらや腕や肢の関節がサカナの時代に進化していたことが示されたのに続いて、陸上四足動物に特異的と考えられたいたトカゲ歩きという行動すらもサカナの時代にすでに獲得されていた

https://shinka3.exblog.jp/17201529/
引用ここまで

ちなみに、この動きで殴るとこんな感じになります。


コモドドラゴンみたいでしょ?



いまや、スポーツの世界では当たり前になったトカゲ歩きとかも、この流れです。


続きは、レイ・ゾーナと大阪集中講座で。

2019年8月22日木曜日

ふとももの裏(ハムストリングス)を伸ばす

レッスンバーを使ったハムストリングス(ふとももの裏)の伸ばし方。

バーに股関節屈曲・外旋・外転で脚をあげる

鵞足と腓骨頭・脛骨外側顆の位置を確認する

坐骨の位置を確認する

鵞足と腓骨頭から坐骨を遠ざける

足関節は軽い底屈位です(ふくらはぎの腓腹筋を干渉させないため)。

必要な解剖の知識はこんな感じ。

ハムストリングスの起始と停止
こんなイメージで伸ばします。

ハムストリングスの伸ばし方。

オンラインサロンに動画をアップしています。

明日からの東京集中講座でも解説します。

2019年8月21日水曜日

股関節の使い方後編~脚のあげ方~軸足側の股関節を使いこなす

さっきの記事のつづきです。

実際に脚をあげた画像です。

脚をあげたイメージ 

軸足側の股関節の使用イメージはこんな感じです。

軸足側股関節の使い方イメージ

骨盤の腸骨稜を大腿骨の大転子に近づけます。

いわゆる『股関節の外転』を、軸足側股関節でおこないます。

やってみればわかりますが、一気に反対側の脚がハネあがります。

安部塾における四股の踏み方の基本となります。


慣れるまでは、膝を曲げて(膝のかい込みをして)脚をあげましょう。

慣れてきたら、膝を伸ばして脚をあげても安定しているはずです。


オンラインサロンに、動画をアップしています。

8/23・24・25の東京集中講座でも、詳しく解説します。

お尻をほぐす~股関節の機能を改善する~横蹴りやプリエや四股の効果~前編

お尻の筋肉 プロメテウス解剖学より

お尻の筋肉の構造を理解してほぐすと、股関節の機能が改善します。

プロメテウス解剖学より

特に、大臀筋の上部繊維と下部繊維の解説は重要です。

中臀筋と小臀筋の前部繊維と後部繊維の解説も。


後で写真を撮ろうと思いますが、股関節の機能改善には『横蹴り』の練習が有効です。

蹴り脚の股関節だけでなく、軸脚の股関節の使い方に重要な秘密があります。

プリエや四股を踏んでいる人なら、ピンとくるはずです。

支えている脚の股関節の使い方次第で、あげている脚の動きが決まってしまうのです。


支えている脚の股関節がハマった状態になると、あげている脚が軽くなります。

逆に言えば、脚があがらない人の軸脚の股関節は詰まっているか、抜けていると考えられます。


といっても、写真がないと意味がわかりませんね。

後程、今日の新宮校レッスンで写真を撮ってから、つづきをアップします。

オンライン講座には、解説動画をアップする予定です。

8月23・24・25日の東京集中講座でも、みっちり股関節の解説を予定しています。


後編につづく。

2019年8月16日金曜日

フロス(糸ようじ)・歯間ブラシは必ず使用しましょう

安部塾では、毎日の歯磨きで、歯周病菌に対してアプローチするように力説しています。

「正しい歯磨きの仕方を学んでください」と、強調します。

歯周病菌は体内に入りこみ、血管系をはじめとした身体の各所にダメージを与えます。

姿勢の崩壊の原因が、歯周病菌である場合があると考えています。

歯周病

歯周病は歯茎に近いところ、もしくは歯茎の中に入った歯周病菌が原因で発症します。

歯茎の周辺を念入りに磨くことが大切です。

歯周病菌は、バイオフィルムやプラークといったねばねばの中に潜んでいます。

粘度があり、歯にへばりつくため、雑に磨く人は除去することができません。

歯の根元にきちんと歯ブラシを当てて、徹底的に歯磨きをしましょう。

フロス(糸ようじ)・歯間ブラシは必ず使用することをおすすめします。

普通の歯ブラシだけでは、歯と歯の間の掃除は難しいからです。

歯周病がある程度進行してしまうと歯茎が下がるため、歯間ブラシが効果的です。


歯ブラシを選ぶ際は、なるべく小さい歯ブラシで、表面の平たいベーシックタイプがいいかと思います。

硬い歯ブラシは避け、普通~やわらかめを選びましょう。


最近の電動歯ブラシは高性能なので、僕は電動ブラシを使用しています。


信頼のできる歯科医で、定期的にメンテナンスしてもらうことをおすすめいたします。

2019年8月15日木曜日

仙腸関節の動きと多裂筋の解説をします

今日の新宮校お盆集中講座の内容は、「脊柱」です。

いろいろ解説しますが、「仙腸関節」と「多裂筋」の解説に力を入れようと思います。

身体運動学 関節の制御機構と筋機能

身体運動学 関節の制御機構と筋機能

わかっているようでわかっていないのが、このあたりの身体感覚です。

先日の大臀筋の解説の続きも、みっちり解説したいと思います。

今日の内容も動画に撮って、オンライン講座にアップします。



2019年8月14日水曜日

らせんの動き~脱力がもたらす美しく効率的な身体操作~動きの老化とは、らせんの動きが失われるということ。

今日の新宮校お盆特別講座は『肩関節・股関節の機能改善(対角らせん~脚と腕をつなげる)』です。

今回のお盆特別講座中、最も重要な内容となります。

アナトミートレイン的な考え方と、ブスケ先生的な考え方から解説します。

スパイラルライン・ファンクショナルライン

後方対角線連鎖・前方対角線連鎖

私たちは、らせんの動きをしている人を見たとき『美しい』と感じます。

私見ですが、私たちの祖先が身体能力で生き残っていた時代、らせんの動きができる個体が淘汰されずに生きのびてきたのだと思います。

このため、らせんの動きができる人に魅力を感じるのではないかと考えています。

ちなみに、私たちが最初にするらせんの動きは『寝返り』です。

遺伝子にしても銀河にしても、渦~らせん構造ですし。

いま接近している台風も、らせん構造です。


らせんの動きが素晴らしいのは、その動きが途切れることなく一定の力を作動できることです。

いわゆる『中庸状態』が維持できるのです。

太極図

らせんの動きはダメージが少なく、疲れにくい利点があります。

直線的な動きはダメージが大きく、疲れ果ててしまうし、ケガや故障に悩まされます。


これまた私見ですが、動きが老いるということは、らせんの動きができなくなることを意味するのだと思います。

らせんの動きは、『直線的な動き+回転的な動き』です。

硬く緊張した筋肉が、回転的な動きを抑えてしまい、結果、らせん運動ができなくなる。

ちょうど、硬く緊張した思考のせいで何もかも破綻して、人生詰んでしまうようなものです。

老化とは、動きや思考から回転的な動きの要素が失われてしまうということなのだと、私は考えています。


そんな小話も含めて、解説したいと思います。

今日の講座内容も、オンライン講座にて公開予定です。

2019年8月13日火曜日

肩の動きを良くする。肩甲骨の動きを安定させ、可動性を上げる。肩をやわらかく使う。

肩をやわらかく使えないと、股関節の回旋で生まれた力を手先に伝えることができません。

今日の新宮校お盆特別講座は、肩関節の機能改善(肩甲骨・腕の動きの改善~肩甲骨の安定性と可動性の向上)です。

基本となる肩の動きをみっちり解説する予定です。

エッセンシャルキネシオロジー 機能的運動学の基礎と臨床 より

流行っているので、「ショルダーポップ(肩抜き)」の解説もしたいと思います。

りきんで肩甲骨が上がってしまうと、体幹との連動性が失われてしまいます。

見た目に力強くても、しょせんは腕の力だけ。

股関節の回旋で生まれる力と比べれば、しょぼすぎます。


加えて、こちらも流行っていますが、「うつぶせでの肩関節の外転・外旋動作」もやります。

シンプルですがとても効果的で、かつキツイです。


今日の講座内容も、オンライン講座にアップします。

2019年8月12日月曜日

骨盤の前傾と後傾。股関節が軸回旋で描く軌跡は円錐形。屈曲位では外転・外旋、伸展位では外転・内旋。

今日の新宮校お盆特別講座は、『股関節の機能改善(股関節の外旋・内旋のテクニック・開脚テクニック他)』です。

基本となる骨盤の前傾・後傾から解説する予定です。

エッセンシャルキネシオロジー 機能的運動学の基礎と臨床 より
定番のこの解説も。

身体運動学−関節の制御機構と筋機能 より

今日の内容も、オンライン動画で公開予定です。

2019年8月11日日曜日

肩甲骨を動かして首のまわりを良くする~肩甲挙筋。

昨日の新宮校集中講座の余談で『肩甲挙筋』の解説をしました。

今日の大牟田集中講座でも、お話をします。

肩甲挙筋は、頸椎の椎体第1~4の横突起より起始し、肩甲骨の上角と内側縁の上部1/3に停止しています。


頭部と固定すると、肩甲骨上角を上方に引き上げることで、関節窩を下方に向けます。

肩をすくめる動作をイメージするとわかりやすいと思います。

肩を固定すると、首を肩に引きつけます。

首をかしげる動作ですね。


肩甲挙筋は、様々な頭痛を引き起こすことがあります。

また、眼球を動かす筋肉である内眼筋・外眼筋と連動しています。

集中して同じものを見続けていると、内眼筋・外眼筋が過緊張に陥ります。

内眼筋・外眼筋の過緊張状態に連動して、肩甲挙筋も過緊張状態に陥ります。


小松式ビジョントレーニングで肩甲挙筋の機能がよくなる理由のひとつです。

※小松式ビジョントレーニングのお問合せ → アイックス


ちなみに、肩甲挙筋が疲労すると、連動して眼の動きが悪くなります。


肩甲挙筋が過緊張状態になると、筋肉連鎖によって、肩甲骨が外に動きにくくなります。

肩甲骨の動き

ストレッチングのフォームはこんな感じです。

肩甲骨のストレッチング

①右腕のひじを曲げて、背中へまわす。
②首から上を45°くらい左側へ向ける。
③背中を伸ばして、あごを引いて、やや下を見ます。
④左手で後頭部を保持して、45°下に向かって軽く引きます。
⑤深い呼吸を、5秒×3セット繰り返します。。
⑥同様の手順で、反対側も行います。


鍛える場合、肩甲挙筋は、僧帽筋と比較すると筋力がないことを考える必要があります。

僧帽筋と肩甲挙筋の比較
なので、いわゆる『脱力系身体操作』を使うのがよいかと思います。

やり方は、今日の大牟田で録画して、オンライン講座にアップしたいと思います。


トリガーポイントはこんな感じです。

肩甲挙筋

うまくほぐれると、首のまわりがよくなります。