昨日の塾生講座の補講的内容を、ものすごくざっとですが、簡単にまとめてみました。
講座受けてない人には意味不明かもですね(笑~私見ですし)。
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扁桃体と海馬 |
情動を伴う記憶と状況判断には、扁桃体が関わっています。
眼や耳などの感覚器官からの感覚的情報は、まず中枢神経に入ります。
情報は視床に入力されて統合され、扁桃体と前頭葉に送られます。
扁桃体は、送られてきた情報の情緒評価を行います。
そして、自律神経・神経ホルモン反応システムと行動を制御している脳幹領域に送ります。
こうして、扁桃体は、情緒反応を生じさせます。
そして、情緒それ自体が記憶されます。
情緒は、『記憶に影響する過程』ではありません。
まさに、『記憶過程そのもの』なのです。
さらに、扁桃体は、海馬を含む脳の諸機構に情報を伝達します。
海馬は、情報をネットワーク化して、既存情報と新情報を統合します。
扁桃体からの情報入力強度に応じて、海馬の活動の強度が決まります。
扁桃体による情緒的な意味づけが強力であるほど、その記憶はより強力に保持されます。
しかし、情緒的興奮度が大きすぎる場合は、海馬の機能が阻害されます。
入力情報の空間的・時間的定位の補助機能が低下してしまうのです。
これによって、適切な経験の分類・評価ができなくなります。
結果、記憶の断片化が生じます。
扁桃体は、『快・不快』を判断します。
感覚情報は、扁桃体によって『好き・嫌い』が判断されているのです。
扁桃体は海馬に、『快・不快』『好き・嫌い』『喜怒哀楽』の感情を伝達します。
海馬は、情緒的に重要な短期記憶を大脳皮質に送り、長期記憶化します。
そう。長期記憶は、情緒的意味づけや感情の働きに影響されているのです。
『思い出す』という現象は、大脳皮質に長期記憶された情報の再生なのです。
扁桃体で意味づけされた感情は、海馬に作用して記憶の形成に影響を与えます。
また、既存記憶が、いま経験している現象に情緒的に影響を与えます。
認知(考え方)と感情(感じ方)は独立したものではなく、強く結びついたものなのです。
どんな情緒的意味づけを行うかは、その後の展開に重大な影響を与えるのです。
で、本題です。
扁桃体には、社会性の機能もあります。
『表情を読む=表情認知能力』です。
扁桃体が損傷している人は、社会的に孤立しがちです。
社会生活がうまくいかない原因は、扁桃体が損傷しているからなのかもしれません。
扁桃体と海馬の機能を改善することで、社会生活がうまくいくようになる可能性があるのです。
御存じのように、社会性が低い人は、他人の動きを真似することができません。
『他人の動きを真似することができない≒表情が読めない』
そう考えると、辻褄が合います。
腰や肩が痛いとか体調が悪い原因は、社会的な孤立によるストレスだからです。
最近、指導者仲間で話題の『値切るクライアント』のお話。
値切るという行為は、自己肯定感情・他者肯定感情が低い人が選択する行動パターンです。
自己肯定感情・他者肯定感情が低い=社会性が低い=豊かさの欠如。
筋肉・関節の痛みと、社会性の低さゆえの経済的余裕のなさが、ここでつながります。
扁桃体の損傷と海馬の萎縮。
それが、筋肉・関節の痛みの正体だと、僕は考えています。
筋肉・関節に問題を抱えている人は、人間関係にも同じ問題を抱えています。
まさに、『人間の悩みは、すべて人間関係の悩みである(アドラー先生)』なのです。
私たちは、他者の期待を満たすために生きているのではない。
そして同時に、他者もまた、あなたの期待を満たすために生きているのではない。
他者の期待など、満たす必要はない。
自分を曲げてまで相手の期待に合わせる必要はない。
相手が自分の思い通りに動いてくれなくても、身勝手に怒ってはいけない。
それは、当然のことなのだから。
どこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのか、冷静に線引きする。
そして他者の課題には介入せず、自分の課題には誰ひとりとして介入させない。
このアドラー先生の考え方は、筋肉・関節の解放そのものです。
筋肉・関節機能の崩壊の本当の原因は、自他の課題の分離ができないから。
分離できないことによる精神的ダメージが、筋肉・関節機能障害を引き起こしているのです。
そう。身体機能改善レッスンが効くのは、社会性が高まるからなのです。
逆に言えば、社会性が高まらないようなレッスンなんて、参加する価値がないということです。
身体機能改善指導の達人たちが、みなさん『人気者』である理由です。
人気のない身体操作の達人なんて、この世には存在しません。
……続きは、またいつか塾生講座でお話しします(笑)。