2016年1月31日日曜日

正確無比な基本の動きを何度も何度も繰り返し繰り返し反復するのが、いちばんの近道です。

昨日は、神戸での集中講座でした。

『肩甲骨と腸骨を、前鋸筋・外腹斜筋・内腹斜筋でつなぐ』

そんなことをテーマに、いろいろお話させていただきました。

安部塾神戸集中講座

肩関節と股関節がつながった身体の動きは、次元が違います。

正しい身体操作ができているときの身体感覚は、

『やっている気がしない』

が、正解です。


やっている気がしているとき……それは、壊れていってるときです。


で、大脳と小脳のお話で、

「正確無比な基本の動きを10.000時間もやれば、結構身につきますよ(^^♪」

ということを、説明させていただきました。

何度も何度も繰り返し繰り返し動かすのが、いちばん効果的だからです。


目新しいことや奇抜なことに心を奪われているうちは、何も身につきません。

きちんと視えていないと、特別なことをしたがるものです。

きちんと視えてくると、基本というものの大切さが理解できます。

基本を身体で覚えることが、生涯使える身体感覚を養うことにつながります。


基本の動きをていねいに練習して欲しいと思います。


来月の神戸では、テニスボールを使ったテクニックを紹介したいと思います。

2016年1月29日金曜日

視覚イメージを言葉にする能力と言葉を視覚イメージにする能力の両方が必要~世界を建設的・肯定的に解釈できる

さっきの記事のつづきです。

小脳


小脳の内部モデルは、試行錯誤によってのみつくられるわけではありません。

大脳の思考モデルを複製保存することで、意識してつくることができます。

運動モデルを複製保持するのと同じ原理で。

小脳が、思考~学習という行為を、運動と同じような原理で実行するのです。


もしも、小脳に機能異常があったとしたら、どんなに学習しても間違いがなくなりません。


小脳には、外界や他者の脳のモデルも存在します。

小脳に機能異常があったとしたら、人間関係もうまくいかないかもしれません。


視覚イメージは言葉と概念と結びつき、大脳の頭頂葉・側頭葉の連合野に蓄えられます。

思考とは、その思考モデルを前頭葉の連合野が操作することという説です。

繰り返し繰り返し思考を積み重ねます。

頭頂葉・側頭葉の思考モデルを小脳が複製保持します。

前頭葉が、小脳が複製保持した思考モデルを直接操作します。

思考モデルの直接操作が、瞬時の判断を生み出します。


つくりあげてきた思考モデルが正しければ、物事はうまくいきます。

つくりあげてきた思考モデルが間違っていれば、物事はうまくいいません。

恐ろしくシンプルな展開です。

いま現在の自分の状況は、自分が積み重ねてきた思考モデルの産物なのです。


ここまで、考えて、ふと思いました。

『視覚イメージを言葉にする能力と言葉を視覚イメージにする能力の両方が必要』

多分それが、大脳と小脳の協働機能を十全に活かすということです。

大脳は意識的で論理的・小脳は無意識的で直観的な機能をもちます。


つまり、こういうことです。

『何を考えるべきなのかについて、まずじっくり考える』

これが大切なのだと思います。


感情は、「世界をどう解釈するか?」で生まれてきます。

そこから行動が生まれます。

世界を解釈しているのはどこか?

おそらくは小脳です。


大脳で論理的・意識的に世界の建設的・肯定的意味づけを重ねる。

小脳は、その建設的・肯定的意味づけを複製保持する。

直観的・無意識的な次元で、建設的・肯定的な自動思考ができるようになります。

それは、視覚イメージと言葉を相互変換できるようになれたということです。


世界を建設的・肯定的に解釈できるということ。

それがいちばん大切なことだ思います。


『世界を建設的・肯定的に解釈するということを、まずじっくり考える』

ここから始めるのが合理的だと思うのです。


視機能(視覚イメージ)→思考(認知システム)→感情(情動反応)→行動

この流れをできる限り、美しく変えていく。

それが、本当の意味での身体機能の改善。

僕はそう考えています。


視覚イメージを言葉にする能力と言葉を視覚イメージにする能力の向上。

今後、それを身体操作の次元で展開していきます。

正解の動き・考え方だけを繰り返し繰り返しする理由~動くとき・考えるときに使う脳内言語は、視覚イメージ。

昨日、塾生講座で『小脳と動き』について説明しました。

『最初は、大脳で意識して操作していた身体の動きが、繰り返し繰り返しその動きを反復することにより、小脳に複製保持されると、大脳で意識することなく無意識的に身体を動かせるようになる。より速く・正確に・巧みに』

小脳


小脳の脳力は、大脳をはるかに凌駕しています。

小脳で動いている人と大脳で動いている人を比べてみると、よくわかります。

小脳に複製保持された身体操作データによって、正確に高速に動くことができます。

『最初に大脳で考えた内容が正しければ』


そうなのです。

大脳の思考データが壊れていたら、壊れたデータを小脳が複製保持します。

そして、その間違った動きを、延々繰り返します。

修正データが入力されるまでずっとです。


怖い話です。


もし動きに問題がある間違った運動回路だと判断できれば、そのデータは消去されます。

新たに正確無比な動きだけを、繰り返し繰り返し反復することで上書きできるのです。


小脳

最近の脳機能研究で、面白いことがわかってきたそうです。

これまで、小脳は運動機能のみを複製保持すると考えられてきました。

恐ろしいことに、認知や考え方も複製保持するようなのです。

認知システムを複製保持して、無意識的に考えているということなのです。


算盤や将棋や芸能なんかがわかりやすいですね。

熟練というのは、小脳の複製保持機能がなせる業ということになります。


高速で考える=無意識的に考える。

『考えるな。感じるんだ!』





そういうことです。


これ、冷静に考えたら、とてつもなく恐ろしいことです。

最初に大脳で考えている内容が間違っていたとします。

そして、その間違った内容で思考をパターン化したとします。

そうすると、考えなしで、そう考えるようになってしまうのです。


安部塾でよく言う、「最初から全部間違ってますよ」の意味です。

修正データを上書き保持するまで、間違ったままなのです。


『正解の動き・考え方だけを繰り返しましょう』


僕がよく口にする言葉です。

身体操作であれば、機能解剖学的矛盾がない美しくて優雅な動き。

考え方であれば、認知のゆがみがない状態。

正解はひとつしかありません。あとはすべて間違いです。


そして、いろんな正解の動き・考え方を増やしていきましょう。


そして、いちばん大切なこと。

僕たちが考えるときに使う脳内言語は、『視覚イメージ』そのものです。

つまり、思考とは『視覚イメージの操作』ということになります。

そう。『視えていないと、そこで試合終了ですよ』ということです。


身体操作が下手な人には特徴があります。

『きちんと他人の動きを見ることができない』

これ、致命的です。

正解の視覚イメージをつくることができないからです。


もう、おわかりでしょう。

小脳に複製保持されているデータは、視覚イメージそのものです。

正しく見る=正しく考える正しく動く

正確無比な視覚イメージの大切さが、実感できるはずです。



ケガや故障が多い指導者が、他人の話を聴けないのも、同じ理由です。

正しく視えていないので、正しく視えている人の世界が理解できないのです。

その視覚イメージを理解する方法のひとつが、視機能の完全矯正です。

視機能を完全矯正してはじめて、同じスタートラインに立てるわけです。


何が正しい動き・考え方なのかが認識できれば、あとはそれを繰り返すだけです。

正しい動き・考え方が無意識にできるようになれば、人生は良い方に変わります。

だから、まずは正しく視えるようになることに、全力を注ぐのが合理的です。

非合理な認知システムで生きていくのは、ハードゲーム過ぎますから。

2016年1月27日水曜日

腰痛などの筋肉・関節の痛みと、罪悪感で子供を操作する母親(過干渉な母親)。

昨日、ある方とお話ししていて思ったこと。

『母親が罪悪感で子供を操作するような人間だった場合、その子供は問題解決能力が低下する。罪悪感は脳機能を容易に壊してしまう。母親に過剰に干渉されて育った人の人生どん詰まりぶりは、容易に観察できる。母親と同じように他人に干渉し、罪悪感で操作しようとするからである。感謝されたい=認められたいという気持ちが透けて見えるので、めんどくさがられ、敬遠されるようになってしまう』

『視機能の改善によって脳機能の入力状態が好転しても、母親の影響が大きい情緒的意味づけ機能が壊れたままだと、機能の改善はできない。身体の痛みが消えない理由である。無意識に他人を操作しようとしてしまう習慣をやめてしまわない限り、小手先のセラピーをつまみ喰いしても、何も良くはならない。』

で、そんなことを考えていたら、これ思い出しました。

アドラー先生の言葉 http://matome.naver.jp/odai/2140396034406363501


「世話好きな人は、単に優しい人なのではない。相手を自分に依存させ、自分が重要な人物であることを実感したいのだ」

「悲しいから涙を流すのではない。相手を責め、同情や注目を引くために泣いているのだ」

感情が人を突き動かすのではなく、人は目的のために感情を使用する。



世話好きな人が、どん詰まる理由はこれだと思います。

自分が重要な人間であると主張する人は、鬱陶しいので浮いてしまいます。

だから、依存してくれる対象を探し求めます。

満たされることのない承認欲求は、人間関係をしちゃがちゃにしてしまいます。


そして、身勝手にこう決めつけます。

「他人は私を裏切る。傷つける。誰も信用できない!」

自分で、そんな人たちばかりを選んでくっついてるだけなんですけどね。

現実的で冷静な人の目には、そう映ります。


また、涙で他人を操作しようとする行為も、人生をどん詰まらせます。

むしろ、世話好きよりもまずいです。

感情を他人を操作するために使うと、筋肉と関節が悲鳴をあげます。

同情を集めるために泣くという手段を使っている人って、体調不良がデフォルトです。



操作的な母親の悪影響を、どの様に克服するか?

それはある種のゲームのようなものです。

人生を賭けた、逃れることができないゲームです。

他者との関わりの中で、何度も何度も向き合わされます。


どんなに現実逃避しても、逃げ切れるものではありません。

他人のせいにしても、しきれるものでもありません。


自分で問題をつくり出すのをやめるまでずっと……


近いうちに、重くて深い母親のワークをやろうと思います。

2016年1月25日月曜日

フォームローラーを使って、身体安定性の向上・筋膜解放やります→2月20・21日東京集中講座

2月20・21日の東京での集中講座のご案内

詳細


で、フォームローラーやります。

世界的に、すっかり定番になってしまいましたね。

フォームローラー

フォームローラー

フォームローラー

やってみればわかりますが、根底から身体が変わります。

身体の安定性の向上と筋膜解放のマストアイテムです。

圧迫伸展法などによって、さまざまな筋肉の機能を改善できます。

今回は、脳機能の改善も視野に入れた内容の予定です。


お楽しみに!!

2016年1月24日日曜日

雪道ドリフトしてきました

今日は、下関集中講座が雪のため中止になったので、若杉山に行ってきました。

若杉山といえば、雪道ドリフトの聖地です(30~40km/hでお尻を流せます)。

朝、後輪にだけ非金属チェーンを装着して登坂(ヒルクライム)。

ジムニー軍団やランクル軍団やJeep軍団と、楽々ワインディングを楽しみました。

2016/01/26 若杉楽園

が、悲劇はこの後にやってきました。

降坂(ダウンヒル)で、前輪がグリップしてくれません。

プッシングアンダーステアが出て、舵が効かずに直進。

おまけに、ブレーキが効かないので、ズルズルと……


危うく、ガードレールとディープキスするところでした(笑)。

意外と勾配きついのを忘れてました。


で、いったん帰宅して、前輪に亀甲金属チェーンを装着。

4輪すべてにタイヤチェーンをまといました

これで、アンダーステアは出ませんし、ブレーキも効きます。

未完の行為を完結させるべく、夜の若杉山へ!!

2016/01/26 若杉山

2016/01/26 若杉山

2016/01/26 若杉山

で、結果はというと……

最高でした。


揺るぎないトラクション。

しっかりと舵の効いたハンドリング。

ロックすることなく、確実に止まるブレーキ。

まさに、意のままのコーナーマシンと化したFRテリキ。


……最高速わずか40km/hですが(制限速度厳守~大笑)。


で、今日1日で通算210km走行しました。

麓~若杉楽園を何往復しただろうw(各峠もまわりましたよw)

一生分、雪道ドリフトしたかもです。

童心にかえれてよかったです。


未完の行為を完結させることができました(^^♪


というか、今日のジムニーとJeepの遭遇率の高さときたら、半端なかったです。

峠という峠で、たくさん会いました。

この日のためといっていいような足回りですもんね。

出撃しないわけがないですよね。


みなさんも、楽しい雪遊びをされたことと思います。

明日の凍結路面も、楽しんでまいりましょう!!

2016年1月23日土曜日

正しい身体操作の練習をすると、社会生活がうまくいくようになる理由。どこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのか、冷静に線引きする。他者の課題には介入せず、自分の課題には誰ひとりとして介入させない。

昨日の塾生講座の補講的内容を、ものすごくざっとですが、簡単にまとめてみました。

講座受けてない人には意味不明かもですね(笑~私見ですし)。

扁桃体と海馬


情動を伴う記憶と状況判断には、扁桃体が関わっています。


眼や耳などの感覚器官からの感覚的情報は、まず中枢神経に入ります。

情報は視床に入力されて統合され、扁桃体と前頭葉に送られます。

扁桃体は、送られてきた情報の情緒評価を行います。

そして、自律神経・神経ホルモン反応システムと行動を制御している脳幹領域に送ります。


こうして、扁桃体は、情緒反応を生じさせます。

そして、情緒それ自体が記憶されます。

情緒は、『記憶に影響する過程』ではありません。

まさに、『記憶過程そのもの』なのです。


さらに、扁桃体は、海馬を含む脳の諸機構に情報を伝達します。

海馬は、情報をネットワーク化して、既存情報と新情報を統合します。

扁桃体からの情報入力強度に応じて、海馬の活動の強度が決まります。

扁桃体による情緒的な意味づけが強力であるほど、その記憶はより強力に保持されます。


しかし、情緒的興奮度が大きすぎる場合は、海馬の機能が阻害されます。

入力情報の空間的・時間的定位の補助機能が低下してしまうのです。

これによって、適切な経験の分類・評価ができなくなります。

結果、記憶の断片化が生じます。


扁桃体は、『快・不快』を判断します。

感覚情報は、扁桃体によって『好き・嫌い』が判断されているのです。

扁桃体は海馬に、『快・不快』『好き・嫌い』『喜怒哀楽』の感情を伝達します。

海馬は、情緒的に重要な短期記憶を大脳皮質に送り、長期記憶化します。


そう。長期記憶は、情緒的意味づけや感情の働きに影響されているのです。

『思い出す』という現象は、大脳皮質に長期記憶された情報の再生なのです。


扁桃体で意味づけされた感情は、海馬に作用して記憶の形成に影響を与えます。

また、既存記憶が、いま経験している現象に情緒的に影響を与えます。

認知(考え方)と感情(感じ方)は独立したものではなく、強く結びついたものなのです。

どんな情緒的意味づけを行うかは、その後の展開に重大な影響を与えるのです。


で、本題です。


扁桃体には、社会性の機能もあります。

『表情を読む=表情認知能力』です。

扁桃体が損傷している人は、社会的に孤立しがちです。

社会生活がうまくいかない原因は、扁桃体が損傷しているからなのかもしれません。



扁桃体と海馬の機能を改善することで、社会生活がうまくいくようになる可能性があるのです。


御存じのように、社会性が低い人は、他人の動きを真似することができません。

『他人の動きを真似することができない≒表情が読めない』

そう考えると、辻褄が合います。

腰や肩が痛いとか体調が悪い原因は、社会的な孤立によるストレスだからです。


最近、指導者仲間で話題の『値切るクライアント』のお話。

値切るという行為は、自己肯定感情・他者肯定感情が低い人が選択する行動パターンです。

自己肯定感情・他者肯定感情が低い=社会性が低い=豊かさの欠如。

筋肉・関節の痛みと、社会性の低さゆえの経済的余裕のなさが、ここでつながります。


扁桃体の損傷と海馬の萎縮。

それが、筋肉・関節の痛みの正体だと、僕は考えています。

筋肉・関節に問題を抱えている人は、人間関係にも同じ問題を抱えています。

まさに、『人間の悩みは、すべて人間関係の悩みである(アドラー先生)』なのです。


私たちは、他者の期待を満たすために生きているのではない。

そして同時に、他者もまた、あなたの期待を満たすために生きているのではない。

他者の期待など、満たす必要はない。

自分を曲げてまで相手の期待に合わせる必要はない。

相手が自分の思い通りに動いてくれなくても、身勝手に怒ってはいけない。

それは、当然のことなのだから。



どこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのか、冷静に線引きする。

そして他者の課題には介入せず、自分の課題には誰ひとりとして介入させない。



このアドラー先生の考え方は、筋肉・関節の解放そのものです。

筋肉・関節機能の崩壊の本当の原因は、自他の課題の分離ができないから。

分離できないことによる精神的ダメージが、筋肉・関節機能障害を引き起こしているのです。

そう。身体機能改善レッスンが効くのは、社会性が高まるからなのです。


逆に言えば、社会性が高まらないようなレッスンなんて、参加する価値がないということです。

身体機能改善指導の達人たちが、みなさん『人気者』である理由です。


人気のない身体操作の達人なんて、この世には存在しません。



……続きは、またいつか塾生講座でお話しします(笑)。

2016年1月20日水曜日

筋肉・関節には、感情が封印されています。眼から入った視覚情報と感情の関係が、筋肉や関節に封印される仕組みは?


感情と論理

昨年、腰痛関係者を震撼させた『DLPFC (背外側前頭前野)』のお話。

DLPFCは、脳の前頭葉の左側面にあります。

意欲や・判断力に関わる領域です。

DLPFCの機能障害が起きると、意欲の低下や判断力の喪失が起きます。


怒り・悲しみ・不安・恐怖などのネガティブ感情が生まれるのは扁桃体。

危険を回避するためにネガティブ感情を生み出します。

扁桃体の暴走によって、必要のないネガティブ感情が湧き出し続ける状態。

それが、筋肉や関節にあらわれる痛みの正体です。


扁桃体の暴走を抑制してくれるのがDLPFC。

DLPFCが機能低下を起こしてしまうと、扁桃体の暴走がおさまりません。


その結果が、『腰痛』や」『肩こり』だというわけです。


脳と痛み 視機能と感情と筋肉・関節の完成図


眼で見た視覚情報は、網膜→外側膝状体→視覚野→後部皮質→下部頭皮質へと送られて統合されます。

カタチとして認知されると、扁桃体で情緒的な意味づけがなされます。


この仕組みが、僕がふだん塾生に話している内容の基本になっています。

扁桃体で意味づけがなされた視覚情報が、ネガティブ感情とともに筋肉・関節に記憶されていくということです。

記憶される仕組みは、この説明より長くなるので割愛させていただきます。

ちなみに、僕がアイックスの眼鏡に感激したのは、視覚情報そのものの質が改善されるからです。

『人生が変わる眼鏡』の意味は、眼鏡によるDLPFCの活性化ということですね。


話をDLPFCに戻します。


DLPFCは、意欲と判断をつかさどります。

それが機能低下しているのですから、痛みがある人の行動は以下のようになりがちです。

・意欲が出ないので、改善のための努力の継続が困難

・判断力が低下しているので、自分に有益な情報を理解できない

痛みがなくならない人の言動が、不平不満と言い訳に満ちている理由だと思います。


活性化するためには、何をしたらいいのでしょうか?

・認知のゆがみを直す(視機能の完全矯正と論理療法)

・機能解剖学に基づく正確無比な運動の反復

このふたつが、世界の潮流になっていくはずです。


加えて、人間関係の改善による感情面の問題の解消が不可欠だと思います。

心の成長こそ、DLPFCの機能が改善されている証しだと、僕は思います。

前鋸筋と外腹斜筋のつながりを理解しよう

明日・明後日の塾生講座用の画像です。

前鋸筋(前方より)


前鋸筋の起始は、第1~第9肋骨の外側面中央部。

停止は、肩甲骨上角、内側縁、内角。

作用は、

・肩甲骨の前方突出(外転)

・肩甲骨の上方回旋

・肋骨の挙上=吸気の補助

※肋骨上部と肩甲骨の間=肩甲骨の下面に付着し、上腕内転時に緊張します。

肋骨の脇の下に触れて腕を組むと、触れることができます。

前鋸筋による肩甲帯の制御が不充分だと、可動域障害につながりがちです。

前鋸筋と外腹斜筋のつなぎ目



外腹斜筋の起始は、第5~第12肋骨の外面。

停止は、腸骨稜外唇、そけい靭帯、腹直筋鞘前葉。

作用は、

・体幹の前屈

・体幹の側屈

・体幹の反対側への回旋

※お腹を締める=腰のくびれをつくる筋肉。呼気(吐く)の補助筋。


で、つなぎ目の肋骨ナンバーはこんな感じ。

肋骨の番数と前鋸筋・外腹斜筋


四つんばいの姿勢で、ひじ関節が過伸展すると、肩まわりが固まります。

余計な緊張が肩甲帯を制御不能にしてしまい、上肢帯が不安定になります。

床についた手首が痛いのは、これが原因の場合が多いと思います。

これは、立位のひざ関節の過伸展で足首が痛くなるのと同じようなメカニズムです。


ひじ関節の過伸展を防ぐためには、前鋸筋と外腹斜筋をつなげて使うとよいでしょう。

この筋肉も、少し使ってあげると喜びます(^^♪

小胸筋

小胸筋は、肩甲骨を下制・外転します。

安部塾でよく見られる動きに役立ってます。


明日・明後日、塾生講座で詳しく説明いたします。

2016年1月15日金曜日

猫のポーズと胎児の背骨(脊柱)のカーブ

昨日の塾生講座&グループレッスンで、胎児の背骨のカーブについて語りました。

いわゆる『プライマリーカーブ』というやつです。

胎児の背骨のカーブ プライマリーカーブ

これ、猫のポーズの脊柱の状態と同じだと考えています。

猫のポーズ

似てますよね。


胎児と大人の脊柱のカーブの違いは、こんな感じ。

胎児と大人の脊柱のカーブ

このイメージで、猫のポーズをやるのがいいと考えています。


今日の塾生講座&グループレッスンでも、詳しく説明しますね(^^♪

2016年1月14日木曜日

ヨガ式の猫と牛のポーズを、今日・明日の薬院校グループレッスンと塾生講座でやります。

今日・明日の塾生講座と薬院校グループレッスンで、これやります。

猫↔牛
呼吸と動きのバリエーションが豊富で、効果も多方面に絶大です。

最近は、安部塾のIBUKIのやり方しかやってませんでした。

今日・明日は、ヨガのやり方もやってみようと思います。

ヨガ・アナトミーの解説もいれます。


お楽しみに(^^♪

2016年1月11日月曜日

当たり前のことを、きちっとする。身体調整は魔法ではない。

身体調整の基本は、『ダメ探し』です。

できていないことをひとつひとつ見つけ、できるように練習する。

当たり前のことを、きちっとする。

魔法でも何でもない、気が遠くなるほどに繰り返された反復練習の結果です。

呼吸と姿勢のユニット

身体調整に、うまい話も近道も特別な方法もありません。

機能解剖学の学習と、基本的動作の積み重ねがすべてです。

姑息な手段でどうにかなるようなものではありません。

一切のズルができないからこその、楽しい世界であるといえます。


当たり前のことを、きちっとやれるということ。

それは、人間関係にも劇的な変化をもたらします。

実際に人間関係が良好になる体験済の方々には自明の理ですね。

体調と人間関係は、完璧に相似形であり、同期しているのです。


いまでは常識になった、『痛みとストレスの関係』。

『見方を正しくし、考え方を正しくし、感情を解放し、動きを合理化する』

それが最も効果的であることが、証明されてきております。

行動を変えることで、現実が変化するのです。


今年は、『当たり前のことを、きちっとする』ことをすすめていきたいと思います。

2016年1月9日土曜日

呼吸と仙骨の伸展・屈曲の動き~骨盤上口と骨盤下口について

昨日の塾生講座で説明した、仙骨と腸骨・坐骨の動きの基本的知識。

※詳細は、カパンディ関節生理学(体幹・脊柱)を参照ください。


■仙骨伸展

骨盤上口はひろがる・骨盤下口は狭まる。

両腸骨は離れる・両坐骨は近づく。

骨盤は逆三角形に。

仙骨伸展(のけ反り)


■仙骨屈曲

骨盤上口は狭まる・骨盤下口は広がる。

両腸骨は近づく・両坐骨は離れる

骨盤は四角形に。

仙骨屈曲(うなずき)


安全な身体操作の基本だと考えています。


■骨盤上口・下口の図

骨盤上口(正面斜め前方より)

骨盤下口(真下より)

骨盤上口・下口の断面図


骨盤上口・下口を意識すると身体を動かしやすいそうなので、今後は積極的に誘導時に使っていきたいと思います。

2016年1月8日金曜日

呼吸と肩甲骨・上腕骨の動きの基本原則

呼吸と肩甲骨・上腕骨の動きについても図示してみました。

IBUKIの腕の動き(肩甲骨の上方回旋・下方回旋)の基本原則です。

呼吸と肩甲骨・上腕骨  肩甲骨の上方回旋・下方回旋


肩関節を痛めている人を観察してみてください。

図と逆の動きをしていることが多いかと思います。

関節の構造に合わない動きによって、関節が壊れてしまうのだと考えています。

関節の構造に合った動きを正確になぞることで、関節機能の改善ができるという立場です。


特別・特殊な動きをやる必要を感じません。

理に適った普通の動きを正確になぞるのが大切だと感じています。

プロメテウス解剖学・グレイ解剖学に記されている基本的な身体機能の理解。

それなくして、呼吸や動きを教えることは、僕にはできません。


これからもっとしっかりと読み込んでいきたいと思います。

2016年1月7日木曜日

呼吸と肩関節・股関節の外旋・内旋

呼吸の指導者には基本中の基本の知識『呼吸と肩関節・股関節の外旋・内旋』。

IBUKIの腕と脚は、この基本法則に忠実に動かします。

呼吸と肩関節・股関節の外旋・内旋

呼吸をすると、図の方向に仙骨と後頭骨が動きます。

・吸う=屈曲・外転・外旋

・吐く=伸展・内転・内旋

その結果として、腕と脚が外旋・内旋します。


この基本法則に反すると、関節を壊してしまいがちです。

ケガに悩まされている指導者の動きを観察してみると、これがよくわかります。

呼吸と外旋・内旋が逆転していることが多いと思います。

習いに行くときは、これができている指導者を選ぶといいかもしれません。

2016年1月6日水曜日

吐く息で動き、吸う息で姿勢を保持する。

IBUKIの呼吸と動きの同期の原理はシンプルです。

『吐く息で動き、吸う息で姿勢を保持する』

この基本原則を守っていれば、安全に練習ができます。

腕や脚には吸う息で動く動きもありますが、体幹部に関しては基本原則通りです。


なぜ、吐く息で動くのかというと、息を吐くときに仙骨がうなずくからです。

仙骨のうなずき運動

仙骨がうなずくと、腸骨がしまり、坐骨がゆるみます。

仙骨のうなずきと腸骨・坐骨の同期

腸骨がしまると、肋骨もしまります。

ややこしいのですが、息を吐くとき、横隔膜はゆるんでいます。

呼吸と肋骨・横隔膜

で、骨盤隔膜はしまります。

呼吸と横隔膜・骨盤隔膜

要は、骨盤隔膜をしめて(肋骨と腸骨をしめて)動くということですね。

靭帯性の支持なので、動きが安定し、見た目にも美しいです

吸う息で動く筋性支持の動きは不安定で、見た目にきたないです。

体型や姿勢はさらにきたなくなりますし、ケガや故障に悩まされるようになります。


IBUKIをやると、お腹周りが美しく凹みます。

骨盤隔膜と外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋を使いこなせるようになるからです。

見た目で、やれているかどうかが瞬時に判別できます。

お腹は、美しいのがデフォルトだと考えています。


1月は、骨盤の腸骨の動きに焦点を合わせます。

お楽しみに!!

2016年1月5日火曜日

呼吸と骨盤・肋骨の動き~動きによって呼吸を改善し、呼吸によって動きを改善する。

呼吸と骨盤・肋骨の動きを図示して欲しいとのことなので、つくってみました。

吸うときの肋骨・骨盤の動き

吐くときの肋骨・骨盤の動き

IBUKIの動きは、すべてこの動きに忠実です。

『動きによって呼吸を改善し、呼吸によって動きを改善する』

それがIBUKIです。

公開から7ケ月で、ずいぶんと進化をとげました。

今後は、ひとつひとつの動きをより細やかに説明したいと思います。

より美しい姿勢と動きをつくるために!!

2016年1月3日日曜日

息を吐くということ~副交感神経と外腹斜筋・内腹斜筋

昨日の集中講座で、副交感神経と外腹斜筋・内腹斜筋について語りました。

安部塾身体操作でお腹が美しく凹む理由とともに。


実際の動きのイメージ。

外腹斜筋・内腹斜筋

意識すると有効なイメージ。

外腹斜筋・内腹斜筋
ちなみに、外腹斜筋の裏側w

外腹斜筋(後方から)

僕の誘導の、『肋骨を骨盤の方へ引き下げて~』をイメージできるでしょ?


そしてこれ、吸う・吐くの交感神経・副交感神経対応の説明。

呼吸と自律神経

眼の見え方によっても、どっちが興奮しやすいかが変わります。

遠くにピントが合いやすい人は、吸うタイプ。

近くにピントが合いやすい人は、吐くタイプ。

アイックスでドイツ式検眼を受けると、自分がどちらのタイプかわかります。


安部塾では、外腹斜筋・内腹斜筋を使って、副交感神経を興奮させます。

交感神経・副交感神経


昨日も説明しましたが、副交感神経といえば後頭骨と仙骨です。

今日の講座でも詳細に説明したいと思います。


お楽しみにっ!!