2016年1月29日金曜日

正解の動き・考え方だけを繰り返し繰り返しする理由~動くとき・考えるときに使う脳内言語は、視覚イメージ。

昨日、塾生講座で『小脳と動き』について説明しました。

『最初は、大脳で意識して操作していた身体の動きが、繰り返し繰り返しその動きを反復することにより、小脳に複製保持されると、大脳で意識することなく無意識的に身体を動かせるようになる。より速く・正確に・巧みに』

小脳


小脳の脳力は、大脳をはるかに凌駕しています。

小脳で動いている人と大脳で動いている人を比べてみると、よくわかります。

小脳に複製保持された身体操作データによって、正確に高速に動くことができます。

『最初に大脳で考えた内容が正しければ』


そうなのです。

大脳の思考データが壊れていたら、壊れたデータを小脳が複製保持します。

そして、その間違った動きを、延々繰り返します。

修正データが入力されるまでずっとです。


怖い話です。


もし動きに問題がある間違った運動回路だと判断できれば、そのデータは消去されます。

新たに正確無比な動きだけを、繰り返し繰り返し反復することで上書きできるのです。


小脳

最近の脳機能研究で、面白いことがわかってきたそうです。

これまで、小脳は運動機能のみを複製保持すると考えられてきました。

恐ろしいことに、認知や考え方も複製保持するようなのです。

認知システムを複製保持して、無意識的に考えているということなのです。


算盤や将棋や芸能なんかがわかりやすいですね。

熟練というのは、小脳の複製保持機能がなせる業ということになります。


高速で考える=無意識的に考える。

『考えるな。感じるんだ!』





そういうことです。


これ、冷静に考えたら、とてつもなく恐ろしいことです。

最初に大脳で考えている内容が間違っていたとします。

そして、その間違った内容で思考をパターン化したとします。

そうすると、考えなしで、そう考えるようになってしまうのです。


安部塾でよく言う、「最初から全部間違ってますよ」の意味です。

修正データを上書き保持するまで、間違ったままなのです。


『正解の動き・考え方だけを繰り返しましょう』


僕がよく口にする言葉です。

身体操作であれば、機能解剖学的矛盾がない美しくて優雅な動き。

考え方であれば、認知のゆがみがない状態。

正解はひとつしかありません。あとはすべて間違いです。


そして、いろんな正解の動き・考え方を増やしていきましょう。


そして、いちばん大切なこと。

僕たちが考えるときに使う脳内言語は、『視覚イメージ』そのものです。

つまり、思考とは『視覚イメージの操作』ということになります。

そう。『視えていないと、そこで試合終了ですよ』ということです。


身体操作が下手な人には特徴があります。

『きちんと他人の動きを見ることができない』

これ、致命的です。

正解の視覚イメージをつくることができないからです。


もう、おわかりでしょう。

小脳に複製保持されているデータは、視覚イメージそのものです。

正しく見る=正しく考える正しく動く

正確無比な視覚イメージの大切さが、実感できるはずです。



ケガや故障が多い指導者が、他人の話を聴けないのも、同じ理由です。

正しく視えていないので、正しく視えている人の世界が理解できないのです。

その視覚イメージを理解する方法のひとつが、視機能の完全矯正です。

視機能を完全矯正してはじめて、同じスタートラインに立てるわけです。


何が正しい動き・考え方なのかが認識できれば、あとはそれを繰り返すだけです。

正しい動き・考え方が無意識にできるようになれば、人生は良い方に変わります。

だから、まずは正しく視えるようになることに、全力を注ぐのが合理的です。

非合理な認知システムで生きていくのは、ハードゲーム過ぎますから。