小脳 |
小脳の内部モデルは、試行錯誤によってのみつくられるわけではありません。
大脳の思考モデルを複製保存することで、意識してつくることができます。
運動モデルを複製保持するのと同じ原理で。
小脳が、思考~学習という行為を、運動と同じような原理で実行するのです。
もしも、小脳に機能異常があったとしたら、どんなに学習しても間違いがなくなりません。
小脳には、外界や他者の脳のモデルも存在します。
小脳に機能異常があったとしたら、人間関係もうまくいかないかもしれません。
視覚イメージは言葉と概念と結びつき、大脳の頭頂葉・側頭葉の連合野に蓄えられます。
思考とは、その思考モデルを前頭葉の連合野が操作することという説です。
繰り返し繰り返し思考を積み重ねます。
頭頂葉・側頭葉の思考モデルを小脳が複製保持します。
前頭葉が、小脳が複製保持した思考モデルを直接操作します。
思考モデルの直接操作が、瞬時の判断を生み出します。
つくりあげてきた思考モデルが正しければ、物事はうまくいきます。
つくりあげてきた思考モデルが間違っていれば、物事はうまくいいません。
恐ろしくシンプルな展開です。
いま現在の自分の状況は、自分が積み重ねてきた思考モデルの産物なのです。
ここまで、考えて、ふと思いました。
『視覚イメージを言葉にする能力と言葉を視覚イメージにする能力の両方が必要』
多分それが、大脳と小脳の協働機能を十全に活かすということです。
大脳は意識的で論理的・小脳は無意識的で直観的な機能をもちます。
つまり、こういうことです。
『何を考えるべきなのかについて、まずじっくり考える』
これが大切なのだと思います。
感情は、「世界をどう解釈するか?」で生まれてきます。
そこから行動が生まれます。
世界を解釈しているのはどこか?
おそらくは小脳です。
大脳で論理的・意識的に世界の建設的・肯定的意味づけを重ねる。
小脳は、その建設的・肯定的意味づけを複製保持する。
直観的・無意識的な次元で、建設的・肯定的な自動思考ができるようになります。
それは、視覚イメージと言葉を相互変換できるようになれたということです。
世界を建設的・肯定的に解釈できるということ。
それがいちばん大切なことだ思います。
『世界を建設的・肯定的に解釈するということを、まずじっくり考える』
ここから始めるのが合理的だと思うのです。
視機能(視覚イメージ)→思考(認知システム)→感情(情動反応)→行動
この流れをできる限り、美しく変えていく。
それが、本当の意味での身体機能の改善。
僕はそう考えています。
視覚イメージを言葉にする能力と言葉を視覚イメージにする能力の向上。
今後、それを身体操作の次元で展開していきます。