丹田呼吸法は、心身のリラックスや集中力向上、健康維持に役立つとされる呼吸法です。おへその下あたりにある「丹田」と呼ばれる場所を意識して呼吸を行うのが特徴です。
■丹田の位置
丹田は、おへその下約10cmのところにあります。
■丹田呼吸法のやり方(基本的な手順の一例)
①姿勢を整える: 椅子に座るか、あぐらをかいて床に座ります。背筋を伸ばし、肩の力を抜いて、下半身が安定するように座ります。軽く目を閉じます。
②手を丹田に置く: 右手または両手を丹田(おへその数センチ下の下腹部あたり)に当てます。
③息を吐き切る: 下腹部をへこませるようにして、時間をかけてゆっくりと口から息を吐き切ります。体の中の悪いものをすべて出しきるようなイメージで行います。
④息を吸う: 下腹部を膨らませるように意識しながら、鼻からゆっくりと息を吸い込みます。丹田に空気を溜めていくイメージです。
⑤息を止める(任意): 3秒程度息を止めます。
⑥息を吐く: 再び、時間をかけてゆっくりと息を吐き切ります。吸うときの倍くらいの時間をかけるつもりで吐くのがポイントです。
これを数回繰り返します。最初は1日5回程度から始め、慣れてきたら10~20回を目安に行うと良いでしょう。
■ポイント:
息を吸うときは鼻からゆっくり、おへその下に空気を溜めていくイメージで。
息を吐くときは口からゆっくり、からだの中の悪いものをすべて出し切るイメージで。
吸うときの倍くらいの時間をかけるつもりで吐く。
呼吸に意識を集中し、ゆっくり行う。
息を吐くときに腹圧をかけることで、内臓にマッサージ効果も期待できます。
■丹田呼吸法の効果
丹田呼吸法には、以下のような様々な効果が期待できます。
リラックス効果・ストレス緩和: 副交感神経が優位になり、心身がリラックスした状態になります。ストレスホルモンの分泌が抑えられ、不安感や緊張が和らぎます。
集中力向上: 精神的なストレスが軽減され、注意力が向上するため、仕事や学習の効率アップにもつながります。
自律神経の調整: 自律神経のバランスを整え、不眠やうつ、高血圧、頻脈などの改善に効果があると言われています。
セロトニンの分泌促進: 丹田呼吸のようなリズム運動は、幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌を促進します。セロトニンは、睡眠ホルモンであるメラトニンの原料にもなるため、睡眠の質の向上も期待できます。
循環器系・消化器系の強化: 深い呼吸により肺に取り込む酸素量が増え、血流が良くなります。横隔膜が鍛えられ、腹腔内にある太陽神経叢(自律神経叢)が刺激され、消化器系の働きが活発になり、便秘の改善にもつながると言われています。
免疫力向上: 血行が良くなり、免疫力が高まる効果も期待できます。
体の不調改善: 肩こりや腰痛の緩和、冷え性の改善にもつながるとされています。
■丹田呼吸法の注意点
無理のない範囲で行う: 慣れないうちは無理をせず、自分のペースで行うことが大切です。
吸うより吐くことを意識する: 息を吸うときに交感神経、吐くときに副交感神経が優位になるため、リラックス効果を高めるためには、息を長くゆっくり吐き切ることを意識しましょう。
姿勢と意識: 丹田を意識することが重要ですが、無理に力を入れたり、肛門を締めすぎたりしないように注意しましょう。息が背中や腰を通って丹田へ入っていくイメージを持つと良いとされています。
体調に合わせる: 立位で行うと血圧が下がりすぎてふらつくことがあるため、普段は座って行うのがおすすめです。
丹田呼吸法は、いつでもどこでも手軽に行える呼吸法です。日常に取り入れることで、心身の健康維持に役立ててみてください。
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☆8月の各地のワークショップで、丹田呼吸法について解説いたします。
☆東京ワークショップ
8月1・2・3日(金・土・日)→ 詳細
☆飯塚ヨガワークショップ
8月8日(金)→ 詳細
☆下関ワークショップ
8月9日(土)→ 詳細
☆機能運動学大牟田サークル
8月10日(日) → 詳細