権威との葛藤(その4) より
もし、大人になって生きづらさを感じている人は、健全な自立ができていないのかもしれません。
今日は社会との葛藤の話をします。
権威との葛藤をしている人で、社会的に幸せに成功している人には皆無です。
なぜなら、成功するというのは、お金を稼いだり、地位をえたりしていきます。
これは何を意味しているかといえば、他人に影響を与えていくということなのです。
社会的な活動というのは、誰かの何かの役に立つことです。
簡単に言えば、誰かを笑顔にすることです。
多くの人を喜ばせたり、一人の人をむちゃくちゃ喜ばせたりすることの結果として、お金が入って来たり、地位が上がったり、名誉が手に入るのです。
権威的な部分をゴールにしていくと何がなんだかわからない状態になることも多いです。
権威との葛藤がある人は、自分自身が権威を手に入れることを恐れています。
お金持ちになったり、社会的な地位をえたり、名誉をえることを極端に嫌います。
なぜなら、権威との葛藤がある人は、お金持ちが嫌いだし、権力を持っている人が嫌いだし、名誉がある人が嫌いです。
嫌いな理由は多々あるでしょう。
この嫌っているというのも、意識的にわかっている場合もあれば、無意識で気付いていないこともあります。
権威は影響力です。どれだけ多くの人に深く影響を与えるのか。
極端に走れば、権威との葛藤がある人は隠遁者になります。誰にも会わずに影響を与えようとしない。
人と接することを極端に減らしていることさえあります。
引用ココマデ リンク先で全文読まれてみてください。
僕はずっと、あることを疑問に思っていました。
「自尊心が欠如している人は、どうして権威に反抗ばかりするのだろう?」
何のメリットもないのに、ひたすら反抗し続けるのは何故なのかわからなかったのです。
「そんなに反抗するのなら、いっそ自分でやればいいのに」と思っていました。
リンク先の記事の中に、僕の疑問と同じような内容が書かれています。
「社会問題を扱っている人たちは、反抗したり怒っているときだけ元気なのです」
これは、ほんとそうだと思います。
他人の権威を失墜させようとしているときだけ元気だなんて、なんか哀しいものがあります。
セラピストもまた、同じような状況に陥ることがあるのではないかと思います。
そう。
「依頼者(クライエント)が体調が悪いときにだけ、治療者(セラピスト)が元気になる」
とても、よくあることだと思います。
以前、クライエントが調子よさそうにしているのを見て、不機嫌になっているセラピストを見ました。
「本末転倒だよなあ・・・・・・」って感じたのを、よく覚えています。
健全に自立しているクライエントを見て、自尊心を傷つけられる依存しまくりなセラピスト。
僕の目には、そんな風にうつりました。
自尊心の欠如が原因で体調を崩している人に、わけのわからない指導をする人もいます。
「冷えが悪い。温めなさい」
「牛乳が悪い。飲むのをやめなさい」 ※肉・コーヒーなどのバリエーションあり。
他にも、本来不必要な各種療法を奨めてみたりしますが、自尊心は回復しません。
権威と葛藤している人に、社会的に成功しているしあわせな人がいないのと同じですね。
クライエントに依存させているセラピストに、健康状態が良好な人はいない気がします。
ただの『共依存』ですから。
共依存者は自尊心が低いため、相手から依存されることに自己の存在価値を見出します。
このため、共依存関係を形成し続けることになります。
しかし、相手に依存させ続けてみたところで、自尊心は高まりません。
共依存の人は、自分自身の問題に向き合うことを避けます
それよりも、身近な他人の問題に取り組んで、その問題の後始末に夢中になります。
本人がとらなくてはならない責任を、かわりにとろうとします。
そうして、困った状況を本人が決意して解決する必要を与えません。
状況をそのまま続けさせようと躍起になります。
そうして、ますます困った状況に陥いらせていきます。
それはもうセラピーでもなんでもない、身勝手な他者コントロールです。
問題を解決に導くどころか、悪化させてこじらせているわけですからね。
依存症の支え手(イネイブラー)でしかありません。
このあたりが、権威との葛藤がある人に、よく似ていると思うのです。
ともに、自尊心が欠如しているがゆえに、相手に依存してしまうという点で。
依存する対象が、権威か依頼者かという違いだけですね。
ふしあわせで不健康という点も、そっくりです。
権威と依頼者の両方に依存していることも、よくあるような気がします。
基本、本人の不始末は本人に始末させる方がいいと思います。
他人の問題にお節介にも入り込んでしまわないこと。
他人の落ち込むのを見て、自分も滅入ってしまったりしないこと。
自分と他人は考え方も感じ方も感情も違う個別の人間であるという自覚をもつ必要があります。
自尊心を高め合って、しあわせに生きていきたいと思います。