2020年8月25日火曜日

基礎を積み重ねることで、呼吸と動きが磨かれていきます。

 9月4日(金)、20日(日)、21日(月祝)の日程で、新宮校集中講座を開講いたします。内容は、あおむけとうつぶせのコアプログラムとなります。


どんなことでもそうですが、基礎を積み重ね、基本を積みあげていった先に、研磨された世界があります。誰にでもできる基礎を、気が遠くなるくらい繰り返し反復練習した結果として、普通の人には真似ができない呼吸や動きを身につけることができます。今月から、基礎を徹底して反復するという方針を徹底しております。

「1回受講したらわかる」という人たちの多くは、おそらくは何ひとつわかってはいないと思います。よく見かける「自分は全然できないのに教えたがる人たち」は、インスタント(即席)なやり方をマネタイズ(収益化する・収益を得る)しようとします。当然、うまくいくわけもなく、次から次に新しい詐欺ネタを打ち出すことになります。そんな人生は終わっていると思います。

「活発な呼吸」ひとつとっても、何十年やっても毎回毎回新しい発見があります。いやむしろ、繰り返し続けてきた結果、微細なことまでわかるようになります。反復練習を楽しめるかどうかが、成功の鍵となると信じております。

2020年8月20日木曜日

8月28日名古屋集中講座でも、呼吸と動きと姿勢を改善するコアプログラムの解説をすることになりました。

8月28日(金)名古屋集中講座でも、呼吸と動きと姿勢を改善するコアプログラムの解説をすることになりました。

→ 名古屋集中講座詳細

残席3名です。御参加、お待ちしております。

美しい体型と、動きと呼吸の同期。

 安部塾グループレッスン・コアプログラムをまとめ直しました。現場で読みあげながら、「あぁ、ほんとはここまで厳密に動きに呼吸を合わせないといけないんだよな」と実感いたしました。美しい体型の方々の動きと呼吸を観察してみると、その思いがさらに強くなります。体型が崩壊している人の動きと呼吸は同期しておらず、不安定です。動きと呼吸の崩壊が招く連鎖について調べるほどに、動きと呼吸を連鎖させる練習の重要性をお伝えしていきたくなります。

 いい機会なので、これまで省略していた「小さなこと(些末なこと)」をきちんとやるように指導しています。ほんの少しの気のゆるみが、後々のさまざまな崩壊につながります。体調が良くない人ほど、小さなことをきちんとやりません。ダムや堤防の決壊と同じく、小さな穴を放置してしまうと、すべてが崩壊してしまうのです。そしてその損害は甚大です。

 避けるべきは「急」な動作です。急な動作は呼吸と同期させづらいため、動きと動きのつながりが悪くなってしまいます。動きと動きがつながらない場合、体型はそれに対応して「動きづらい構造」に変化していきます。動かなければ問題は悪化しないためなのですが、体感的にはしんどくなってしまいます。

 来月にかけて、誘導するときの言葉を考えていきたいと考えております。合わせて、理解しやすいように、わかりやすいイラストを描いていく予定です。中心軸や正中線、動きのベクトルやリズムなど、動きを描くためのいろいろなテクニックを具現化してまいります。

 現実世界の私の体型の変化をリアルタイムに見ている方々は、私が実践している方法論の効果に納得していただけると思います。「やさしい」「簡単に」「すぐに」「楽して」などという小手先の方法論の中身のなさを理解していただき、決して安易な方向に流れることのないよう、王道をいってもらえるように厳しく当たって、きっちりと結果を出していこうと考えております。

 明日からの東京集中講座で、コアプログラムと美術解剖学を融合した解説をいたします。8月27日(木)の大阪集中講座、29日(土)の神戸集中講座、9月5日(土)の下関集中講座には、東京集中講座でさらに改善したコアプログラムを解説できるかと思います。御参加、お待ちしております。

2020年8月18日火曜日

肥満とは、自分の体脂肪量を自分で操作することができなくなった状態」~自分の力で自分の身体を制御するということ~

 昨日、某所で「肥満」についての意見を求められました。「肥満とは、自分の体脂肪量を自分で操作することができなくなった状態」だと考えている旨を、お伝えいたしました。肝臓先生のツイートを読んでいただければ、私の言いたいことは伝わるかと思います。

 現在、私の身体で実験しておりますが、ツイキャスでおわかりのように無駄肉が削ぎ落されていっております。ウエストサイズの激細化は、私自身にとっても面白い結果となりました。今回の実験で、特に効果が高いと感じているのが、果糖を避けるということ。過剰な果糖の代謝で肝臓を疲弊させないことのメリットを実感しております。


 データ的には、2時間程度の運動をしている人は、多少の果糖の摂取は問題ないようです。お米も、運動量に応じて充分な量の摂取が可能です。問題は、すでに肥満状態にある場合、脂肪細胞が引き起こす「もっと喰え」という化学反応が、大脳の理性の力を凌駕してしまうということです。入院して徹底管理してもらうと、多くの方々に効果が見られるのが確認されております。

 ただ体重を減らした場合、骨格筋の筋量が減ってしまうため、代謝の改善が見られません。体感的には「身体がどんよりと重く感じる」ようになり、活動量が減ります。体重を落とすのではなく、筋量を増やして脂肪が減った場合、代謝が改善して血糖値・肝機能ともに改善しやすくなります。体感的には「とても身体が軽く感じる」ようになり、活動量が増えます。減量と筋肉増強はワンセットと考えていいかと思います。

 といって、特別な道具は特に必要なく、マットエクササイズ程度の自重筋力トレーニングで充分です。鍵となるのは、「本気で自分を変える」と決めたら、すべての退路を断つことです。そして、「私はできる子」と、自分の制御能力を信じること。いま現在、ありとあらゆる判断を間違ってえらいことになっている場合、これまでの自分の考え方を手放し、エビデンスのある情報に基づいて考えるようにしていく必要があるように思います。

 昨日も書きましたが、自分を変えていくというのは容易なことではありません。ただ、一度でいいのできちんと自分を変えることができれば、あとは勢いがついて自分で自分の身体を制御することができます。ドミノの1個目を正しく倒すことが大切だと思います。

2020年8月17日月曜日

8月21・22・23日(金・土・日)の東京集中講座で「安部塾コアプログラム」やります。

 8月21・22・23日(金・土・日)の東京集中講座は、美術解剖学的な視点を取り入れた姿勢のつくり方や動きについて解説いたします。加えて、安部塾コアプログラムに沿って、身体を動かしていきます。私がお伝えしている身体操作技法の内容は、10年前から変わっておりません。当初の頃に比べ、より地味になり続けており、『楊枝(ようじ)で、重箱の隅をほじくる』ような感じになっております。通常、非常に細かいことまで問題にして口うるさく言うことは否定されております。しかし、身体操作技法に関しては、些細な点まで干渉することが大切だと考えております。

 この世に生を受けて数十年間にわたり染みついた動きを変えていくというのは、簡単なことではありません。人体にはホメオスタシス(恒常性。その内部環境を一定の状態に保ちつづけようとする傾向)があるため、たとえ自身に対して有害な姿勢や動きであっても、その姿勢や動きを保ち続けようとしてしまいます。ダイエットが成功せずリバウンドする現象がわかりやすいかと思います。

『何回言っても行動が変わらない人=本気で変わる気がない人』

 ほとんどの身体操作指導者が、現場デビュー後すぐに感じることだと思います。良くない結果にしかならないことがわかりきっているにもかかわらず、良くない方法を続けていきます。当然のことですが、行動を変えずにこれまでと違う結果を得ることは、ほとんどできません。本気で変わる気がない理由は、本気で変わらなければいけない理由がないからなのだと思います。

 これも当たり前のことですが、本人が本気で変わらなければならないと気がつけば、すぐに変わります。自分を変えていけるのは自分の思いだけなのですから。どんなに優れた方法論であっても、自分がそれを心から受けいれていかなければ、良い結果にはつながりません。他者がどうこうできる問題ではないのです。自分が本気で変わろうとしなければ、変われるはずがありません。

 どんな身体操作指導者も、変わる気がない人に対してやれることは何もありません。そして、「変わって欲しい」と願うのは、身体操作指導者のエゴイズムでしかありません。できることは、いま現在の自分にできる最高水準のプログラムを用意して、本気で取り組んでくれるのを待つということだけです。取り組んでくれるのであれば、『楊枝(ようじ)で、重箱の隅をほじくり返す』スタイルを全開にしていけます。アクセルペダルを床まで踏み込める相手に出会えるのは、しあわせなことだと思います。

 現在の自分の姿勢と動きをつくり出しているのは自分です。他の誰でもありません。行動を変えるためには、思考を変えなければなりません。そのハードルは高いかもしれませんが、腹を括ることができれば、怒涛の勢いで人は変わります。いままで、超高速で変わっていく人たちを沢山見てきましたが、みな異常ともいえる本気の取り組みをされておられました。

 よく言われる、変わらない人の特徴があります。

①はじめからできないと諦めている。

②すぐ結果が出ないと、行動をやめてしまう。

③具体的な目標がない。

④習慣化できない。

……結果、「行動化」が安定しないため、結果につながりません。


 コアプログラムをまとめながら、「すぐに結果は出ないし、習慣化できないと意味ないし、はなから諦めている人はやらないだろうけど、まずは自らが行動をしないと物語は始まらないよな」と思いました。他者を変えるためでなく、自分が変わるためのプログラムという認識で、安部塾コアプログラムをまとめております。これから現場で使う中で改善を加えながら育てていきたいと思います。

 





 


2020年8月15日土曜日

安部塾グループレッスン・コアプログラムを作成いたしました。

 お盆明けより、各地のグループレッスンの内容を統一することにいたしました。それに伴い、安部塾グループレッスン・コアプログラムを作成いたしました。「生きていくうえで、最低限必要なコアの機能」を確立するための選りすぐりの内容を目指しております。

安部塾グループレッスン・コアプログラム
安部塾グループレッスン・コアプログラム

お盆明けより、実際に現場で運用しながら改良していきたいと考えております。コロナ禍の影響でグループレッスン参加者数が少ない現在、やるならいましかないという判断です。私的には60分で動き終えれる内容にまとめたつもりですが、例によって「盛りこみ過ぎ」の可能性が高いので、しばらくは試行錯誤が続くかと思います。

オンライン塾生講座にpdfファイルをアップしております。常連のグループレッスン参加者に配布予定です。

よろしくお願いいたします。

2020年8月8日土曜日

8月9日(日)・10日(月)・16日(日)の新宮校集中講座のために、吊り下げ式のプロジェクタースクリーンを設置いたしました。お盆明けのクラスと講座について。

 8月9日(日)・10日(月)・16日(日)の新宮校集中講座のために、吊り下げ式のプロジェクタースクリーンを設置いたしました。薬院校時代は立ち上げ式の大型スクリーンを使っておりましたが、スペース的な理由からカーテンボックスに取り付けいたしました。明日の講座前に微調整したいと思います。

新宮校・プロジェクタースクリーン
新宮校プロジェクタースクリーン

 プロジェクターの使用に伴い、記録機器の使用を許可いたします。他の参加者の邪魔にならないように御配慮ください。合わせて、公式の記録動画を撮影いたします。オンライン塾生講座にて配信を予定しております。

 お盆明けより、各地のグループレッスンのプログラムを統一し、決まったルーティン(決まった手順・決まりの所作)でやっていきます。これまで蓄積してきたデータに基づき、呼吸と動きと姿勢を改善いたします。新宮校のレッスンは、呼吸と動きと姿勢を改善するクラスと、ヨガとアイソレーションのクラスの二本立てでやっていきます。アイソレーション(身体のひとつひとつの部分を分離・独立させて動かす)とキネティックチェーン(運動連鎖)の両方を学べる私独自のドリル(特定の技能・能力を向上させるための反復練習)によるクラスとなります。集中講座はこれまで通りですが、グループレッスンプログラムを深めるという目的でやっていきます。

安部塾では、「身体を正確に操(あやつ)る」ということを大切しています。正確なアイソレーションができれば、思うように身体が使えるようになります。決して、やさしくもありませんし、簡単ではありませんし、思うだけでは叶いませんし、ノートに書くだけでは何ひとつできるようにはなりません。地道にコツコツと日々のプラクティス(練習)を積み重ねた者だけが到達できる時空は、本当の意味での幸福感溢れる世界であると、私は考えております。

practice makes perfect.

「練習は嘘をつかない」
「すべて練習の中にある」
「練習により完璧に至る」
「継続は力なり」
「努力に勝る上達方法はない」

……突き詰めたいと願い、練習し続ける行為に尽きると思っております。

2020年8月6日木曜日

8月9・10日の新宮校集中講座に向け、新宮校各室を改装しております。

 新型コロナウイルスCOVID-19流行の影響で、新宮校での合宿の開催ができなくなりましたので、1階の宿泊室を改装しております。いつ緊急事態宣言が出ても対応できるように、キッチンに冷凍庫(144L)を追加します(明日、設置予定です)。それに伴い、お茶関係の材料や茶器を宿泊室に移し、プロジェクターを使用する座学は1階で行うようにしたいと考えております。2階の更衣室兼座学室も、食事がしやすいように改装します。8月9・10日の新宮校集中講座より、各室の機能を発揮できるかと思います。

 コロナ禍の影響はそれなりに甚大で、各公共施設の使用が急遽できなくなったり、医療福祉関係者のレッスン・講座参加がなくなったりと、厳しい状況が続いております。悪あがきしても傷が深くなるだけですので、この状況でも来てくれる方々と食を共にして、お籠りしながらしばらくの間やっていくことにしました。

 緊急事態宣言をきっかけに始めた肉体改造の効果は絶大で、食事内容の全面的な見直しによって肌が綺麗になり、全身きっちりと引き締まっております。ノウハウを共有すべく、食事についての講座も開催しても面白いかもしれません。

 今日、明日と、ひたすらお片付けいたします。参加者のみなさま、お楽しみに♪

2020年8月5日水曜日

『自分を変えることができるのは、自分だけ』『脱皮しない蛇は死ぬ(脱皮できない蛇は滅びる)』

「自分が変われないのは環境(自分以外)のせい」と主張し続ける人は、自ら変わろうとしません。アドラー先生は、「本心では変わりたくないと思っているのだ」と言います。そんな人に、周りの人たちが関わってみたところで、変わりたくない人を変えることはできません。本心から変わりたいと思っている人は、自らの力で変わっていきます。

本心では変わりたくない人たちは、極端に自己肯定感が低いとされます。自分で自分という存在を「いい」と受けいれることができないということです。性格(持って生まれた性質の意)を変えることはできません。変わることができるのは「思考」「行動」です。自分の思考や行動を変えるのに、他人の助けはいりません。「現実の自分」と真正面から向き合うことで、それは可能になります。

現在の自分に対する不満から、新しい自分になろうとするというのは、違う自分(自分でない自分になる)になるということではありません。過去の環境によってつくられた自分のすべてを否定しようとしても、大抵は挫折してしまうと思います。変わりたい理由が「自分自身に対する不満」というのはストレスフルです。変わりたい理由は「満足度の高い人生にしたい」というのが円滑でいいかと思います。

本心では変わりたくない人は、他者とのコミュニケーションを深めようとしない傾向が強いそうです。「自分の思い通りにならないのであれば、他者と付き合う必要はない」という思考の元、幅の狭い対人関係を構築してしまうということです。最近のSNSで問題となっているエコーチェンバー効果もそうですが、本心では変わりたくない人は、自分の考えを否定するような考えの人たちを「間違い」だと認識し、「自分は正しい」と考えます。もしくは逆に、「どうせ自分は間違っているから」と殻に籠ってしまったりということになります。

「変わりたい」と口で言っている人に、変わる機会を与えたとします。多くの場合、全力で拒絶してしまうと思います。本心では、自分を変えたいとは思っていないからです。いまの現状を、いまの現状のままにしておきたいというのが本心です。いわゆる「現状維持バイアス」がかかっている状態です。「未知なもの、未体験のものを受け入れたくないと感じ、現状のままでいたい」とする心理作用です。現状を基準とし、変化を受け入れず固執します。現状維持を選択すれば、リスクを負う必要もありませんし、コストも労力も払わなくて済みます。

ニーチェは「脱皮しない蛇は死ぬ(脱皮できない蛇は滅びる。意見を脱皮していくことを妨げられた精神も同じである)」と言いました。古い自分を脱ぎ捨てて新しい自分に生まれ変わるのを拒めば、その先にあるのは「停滞」からの「死」です。『スッタニ・パータ』に、「この世に還り来る縁となる煩悩から生ずるものを、いささかも持たない修行者は、この世とかの世を共に捨てる―蛇が脱皮して旧い皮を捨てるようなものである」とあります。

8月からの安部塾は、「脱皮できない蛇は滅びる」をテーマにやっております。

2020年8月3日月曜日

幼少時に「自分はこう生きるのだ」という筋書きをつくる際、うまくいかない筋書きを描いた人は苦しみ続けることになります。

人生脚本とは、エリック・バーン先生が提唱した理論で、人は幼少期に自分自身の人生脚本を描き、その後の人生がその通りになるというものです。 人生脚本の大部分は親からのメッセージ(禁止令)によって決まると考えられています。 無意識のうちに生き方を決め、それに従い行動しているということです。

「思い込み」と考えた方がわかりやすいかもしれません。生存本能によって自らの行動を制限することによって親から愛を得ようとします。幼少時につくられた思い込みは、大人になってからもなかなか消えないとされています。親や周りの人間とのコミュニケーションを通じて描いた「自分はこう生きるのだ」という筋書きを基にして、人生のあらゆる場面で決断をくだしながら生きてきたということになります。

エリック・バーン先生は「人生早期に親の影響の下に発達し、現在も進行中のプログラムを言い、個人の人生の最も重要な局面で、どう行動すべきか指図するものである」と、人生脚本を定義しています。

ある出来事に対して、人それぞれ取る行動は違います。例えば、自分を軽視する行動とる人は、自分を軽視する脚本を基にしていると考えられます。

どうすればいいのでしょうか?

「現在の自分なら解決できる」と考えて、幼少期の決断を書き直すという選択があります。メッセージを受け取って脚本を書いたのは自分自身です。であるならば、自分自身で脚本を書き変えることができるはずです。幼少時にはどうすることもできなかったわけですが、成長した現在の自分が同じ状況にあれば余裕で対処できるはずです。それを基に決断をくだしていけば、人生脚本は描きかわっていきます。

問題行動をとってしまう人が総じて幼く見える理由は、幼少時の人生脚本を基に決断をくだして生きているからだと思います。幼少時からの自分語りを繰り返している人や同じ失敗を繰り返している人は、人生脚本を描き直してみると、道が拓けるかもしれません。


2020年8月2日日曜日

人は、自分が見ている方向に進んでいきます。「正しい方向」とは「他者貢献」「社会貢献」です。「何者かになりたい」のは「我」でしかありません。

 昨日、下関での講座を終えて自宅に戻る道すがら、「人は、自分が見ている方向に進む」という言葉の意味を実感しておりました。進む方向が正しくて人生が順調なときは、「幸福感を」感じます。良いタイミングで良いことが起き、体調も良好です。進む方向が間違っていて人生が不調な時は、「絶望感」を感じます。嫌なタイミングで問題が繰り返し起き、体調は不良です。興味深いことに、進む方向が正しい人には「ちょっとした問題」が単発で起き、進む方向が間違っている人には「同じような深刻な問題」が何度も起きます。間違いを認めるまで、繰り返し繰り返し何度も何度も問題が起き続けます。

 当たり前のことですが、「正しい方向」とは「他者貢献」「社会貢献」です。他者のために力を発揮している状態です。人は、自分が見ている方向に進んでしまう習性があるので、他者貢献という視座をもつことで、人生は順調になっていきます。自分の思考・行動に間違いがあると、同じ問題が繰り返し起きるということはすなわち、他者貢献という視座が欠けているということです。現在、自分の周りで起きている問題は、過去に自分がしてきた思考と、とってきた行動の結果です。タイムラグがかなりあるので実感しづらいのですが、遡ってみると意味がわかるかと思います。

 厄介なことに、思考や行動の間違いによって起きる問題は、回数を重ねるごとに次第に大きく複雑になっていきます。そして、自分で自分の誤りに気づき、間違いを認めるまで、問題は起き続けます。つまり、正しい方向を向いている人には「ちょっとした問題」が単発で起き、そこで自分の誤りを正すので問題は起きなくなり、間違った方向を向いている人には「何度も何度も繰り返し繰り返し深刻な問題」が起き、回を重ねるごとにより深刻な事態になっていくということになります。自分の間違いに気がつくのが早ければ早いほど、改めるのが早ければ早いほど、より正しい方向を見ることができます。

 困ったことに、現在の自分の周りにいる人たちは、自分と同じような考えをも人たちばかりです。さらに、SNSの発達によりエコーチャンバー効果が強くはたらくようになってしまったため、「自分は正しい」と思い込んでしまいやすくなってきています。自分の思考の間違いに気づくことが、とても難しくなってきていると思います。自分が正しいかどうかは、自分の人生がほんとうにうまくいっているのかどうかを第三者視点で判定してみるのがいいのですが、「自分が正しい」と思い込んでいる状態ではこれができないために間違いを正すことができなくなってしまいます。

 何者かになるために他者貢献をしようとすると不満がたまります。正しい方向が他者貢献というだけの話ですので、現代社会では、普通に仕事をして納税していくだけ社会貢献できます。もうおわかりだと思いますが、誰かに相談してしまう人というのは、「何者かになろうとしている人」なのです。下手すると、相談に乗りたがる人と化し、本来進むべき方向とは真逆の方向にフル加速してしまうことになります。特別な方法論なんてどこにもないのですから、自分にできることをやっていけばいいだけです。

 簡単な話、「人に恵まれない」という人は、他者貢献していないというだけのお話です。そして、別に人に恵まれる必要を感じない=他者との縁が薄くても気にならないのであれば、義務で他者貢献する必要はありません。この場合も、人は自分が見ている方向に進むだけです。私個人としては、人に恵まれる人生は非常に素晴らしいものだと感じますので、絶賛おすすめしたいところですが。

 身体操作の勉強を始める人の多くは、「体調を良くしたい」という動機で動いているのではないかと思います。体調不良の原因が「何者かになりたい」という我の強さに起因する場合、身体操作の原理を理解することができなくなります。「余計なことをしない」のが極意なのですから。「何者かになりたい」という願望から生みだされる動きはリキミでしかありません。リキミを繰り返すうちに、さらに動きが崩壊していきます。

 自撮りにハマる動機や、SNS自分語りやプロフィール長くなる動機もそうですが、やっている本人は、どこまでも「自分が正しい」と思ってやっています。本人が好きでやっていることであり、結果責任を背負うのも本人です。実人生がうまくいっているときにハマる人は、それほどいないと思います。撮る暇も語る暇もありませんから。自撮りや自分語りが他者貢献になるレベルの人は、職業としてやっておられます。

 8月からの安部塾は「何者かになろうとするのをやめる」というテーマを加えていこうと考えております。「余計なことをしない」という循環の一部としていきます。何者かになろうとするのをやめることで、時と場合に応じて「何者にでもなれるリキミのなさ」を実現できていけたらいいなと考えております。

本日8月2日(日)大牟田機能改善サークルは中止となりました。

本日8月2日(日)13:00~予定しておりました大牟田機能改善サークルは、新型コロナウイルス感染防止のため市外の人の会場使用ができないため、中止となりました。新宮校でのワークショップを開催する予定で調整しておりましたが、今回は見送ることにいたしました。よろしくお願いいたします。