2017年8月25日金曜日

機能と形は、一つの臓器を時間的に見るか、空間的に見るかの違いでしかない。

http://www.shinchosha.co.jp/book/610576/











今日の塾生講座で、「機能と形状」について解説します。

2017年8月23日水曜日

壊れた脳機能が、正しい運動でよみがえります~痛みと脳。努力の方向を、優越することではなく、人とふれ合う方向に。

度重なるストレス反応で、暴走する扁桃体と萎縮する海馬。

扁桃体と海馬

腰痛や肩こりをはじめとする、身体の痛み。

うつ状態と記憶障害。

壊れた脳を、一体どうやって回復させればよいのでしょうか?

コーピング? マインドフルネス?


現代の二大潮流です。


安部塾では、「正しい運動」を提案します。

脳機能レベルが高い=頭がいい状態をつくれるように、プログラムをつくります。

幼少時に壊された脳に対しても、正しい運動は好影響を与えます。

世界各地で、実証されている通りです。


進化の歴史を学び、私たちが獲得してきた身体機能を理解することをお奨めします。

なぜ、手が生まれたのか?

なぜ、横隔膜が生まれたのか?

なぜ、授乳するようになったのか?

なぜ、胎生になったのか?

なぜ、白目があるのか?

なぜ、言葉を使えるようになったのか?

さまざまなことを学ぶ中で、脳機能がよみがえっていきます。


すべての身体機能は、愛し合うために発達してきました。

私たちホモサピエンスは社会的生物であり、孤独になると心身を壊してしまいます。

「ひとりぼっち」だから、身体のあちこちが痛いのです。

孤独感で脳が壊れてしまったことが、さまざまな身体の痛みの原因なのです。


どんなに周りに人がいても、そこに愛がなければ孤独です。

愛されているという実感がなければ、ストレス反応は止まりません。

ひとりぼっちで自分を見つめて、データ上だけ改善していても、止まりません。

私たちは、愛されないと成長できないのです。


愛されるためには、優越しようとすることや、変わったことをするのをやめる必要があります。


劣等感がなくなる方法

人は劣等感を乗り越えるための努力で劣等感を深刻化する。人は劣等感を乗り越える心の姿勢で根本的な間違いを犯す。

劣等感を解消しよう、解消しようとして逆に劣等感を深刻化していく。劣等感は劣等感の上に積み重なる。そして劣等感が心の中に山積みになる。

屈辱感を乗り越えようとして「オレは凄いんだ」と言っている人が居る。その場を何とか心理的に治める。

しかしそれはなんの解決にもなっていない。それはカレン・ホルナイの言う神経症的解決である。真の解決ではない。

過去の屈辱感が「優越したい」と言う願望を生む。人は優越することで、心の葛藤を解決しようとしている。

優越することで心の葛藤を解決しようとすると、どうしても普通の人よりも生きる障害が多くなる。

たとえば自分が優越することの障害になる人が出てくる機会は普通の人より多い。そしてその人を許せない。

自分の神経症的要求を妨害する人が許せない。

努力の方向が優越することから、人とふれ合う方向に舵を切れるかどうかが、その人の幸せと不幸の分かれ道である。

「私たちという感情」を持つように舵を切れるかどうかで生きづらさは違ってくる。

深刻な劣等感で生きることが辛い人は、今までの不幸な歴史を検証することが先決である。

自分への失望に気がつき、視野を広げることができない限り、幸せになることは出来ない。

生まれてから受けてきた様々な自分に対する否定的メッセージに気がつくことである。

その自分に対する不当な否定的メッセージを乗り越えることが先決である。

人と心がふれあうことで劣等感は解消できるのに、劣等感を解消しようとして逆に相手に優越しようとする。

だからこそ劣等感のある人は、努力するにもかかわらず劣等感がどんどん深刻になる。

劣等感は依存症である。

アルコール依存症の人は、アルコールを飲めばその時には一瞬楽になる。しかし問題は解決していないどころか、深刻化している。

深刻な劣等感のある人は競争に勝てばその時にはほっとする。その時だけは楽である。しかし心の葛藤は深刻化している。競争に勝っても負けても劣等感は深刻になっている。

アルコール依存症の人がアルコールを飲まないではいられないように、劣等感の深刻な人は優越しようとしないではいられない。

しかし優越しようとすることは人との心のふれあいをさらに難しくする。

優越できなければ、不安になり自分の独自性の強調になる。人と違ったことをして他人に自分を印象づけようとする。

不安になれば不安になるほどほど、競争心が強くなり、優越できなければ変わったことをして人に自分を印象づけようとする。

自分は「変わっている」ということで世の中の普通の基準で評価されることから逃げる。

ただの我が儘を「私、平凡な生き方って好きじゃないんですよね」と芸術家や革命家を気取ったりする。

深刻な劣等感のある人は身勝手な自分のことを個性的と解釈しようとする。

夏に毛皮のコートを着て、ファッショの最前線であると気取るような人である。

深刻な劣等感から「変わっている」ことをして、それを個性と言い張る。

いずれにしろ優越することが「緊急の必要性」なのに優越できない。

そこで「個性的な自分」と言う自己像に固執する。現実の世界から想像の世界に逃避する。

そうして神経症的競争意識がますます酷くなり、ますます人と心のふれあいを失う。

人は他人に自分を強く印象づけようとして不安になれば不安になるほどほど、競争心は強くなる。

「註、Paul Gilbert*, Kirsten McEwan, Rebecca Bellew,

Alison Mills and Corinne Gale

The Mental Health Research Unit, Derbyshire Mental Health Trust, University of Derby, Derby, UK

The dark side of competition: How competitive behavior and striving to avoid inferiority are linked to depression, anxiety, stress and self- harm

Psychology and Psychotherapy: Theory, Research and Practice (2009), 82, 123-136

® 2009 The British Psychological Societ,P.124」

アルコール依存症の人がアルコールを飲み続けていよいよアルコール依存症が深刻になるのと同じである。

優越できても、優越できなくて独自性を強調しても、いよいよ劣等感は深刻になる。

独自性を強調できなくて「どうせ」とすねる人も出てくる。これらの心理の解説がこの本の目的である。

アルコール依存症の人は、自分がアルコール依存症であることを否定するが、心の底ではアルコール依存症であることを知っている。

しかし深刻な劣等感のある人は、心の底でも自分が依存症であることに気がついていない。

引用ここまで


正しい運動の基本は、「私たちという感情」で動けているかどうかです。

変わった服を着て、変わった動きをしているうちは、劣等感は解消できません。

他人に対して、自分を強く印象づけようとすればするほど、詰むことになります。

「触れ合う」という方向で動くことを選択しましょう。











40歳近くになってもまだ、「悪いのは他人」という人がいました。

誰からも相手にされず、疎ましがられ、避けられ、無視されていました。

人間関係は、トラブルだらけでした。

立ち直り方は提案しましたが、実行してくれそうにないので、あのままかもしれません。






そう。

嫌われる人は、相手の扁桃体を暴走させる人なのです。

好かれる人は、海馬の萎縮を止め、豊かにしてくれる人なのです。










私たちのすべての身体機能は、愛し合うために発達してきました。

その事実を認めることができれば、楽に生きていけます。

2017年8月15日火曜日

真っ直ぐに前を見て、首の後ろを伸ばす~~信頼される態度とは?

薬院校お盆集中講座、無事に満了いたしました。

今日も、みっちり盛り盛りで解説しました。

お盆集中講座20170815 プラスチックボールを使った首の後ろの解放 肩甲上腕関節屈曲

みんな、美しい姿勢・美しい顔になりました。

私はと言えば、夜な夜な連日のお茶会で電池切れというかガス欠状態(笑)。

かえって、程よい勢いに弱まったので、ちょうどよかったそうです。

初日のテンションで5日間やってたら、それはそれで面白かったかもですが。


終了後のお茶会で、今後の私の活動スタイルについてのお話をしました。

朝の記事にも書きましたが、今後は「楽しい話」をすることにします。

お盆集中講座の裏テーマである、「真っ直ぐ前を見る」ということ。

それはすなわち、他人の悪口を言わないということを意味します。


さっきTwitterを見たら、タイムリーなTweetが。



「治したい」ということは、「腰痛」を「敵」「いやなもの」「邪魔なもの」と認識し、排除したいということだからです。

「症状」は自分の一部なんです。
できれば「好き」になってもらいたい。
それがムリでも「嫌ったり」「邪魔者扱いしたり」「敵」だと思わないでほしい。
それは自分の一部を嫌うことでもあるから。

自分が自分の一部を嫌う。
それは、自分をとりまく世界の一部を嫌うこと。
それが争いにつながるのではないか?

私の大好きなアドラーは、戦争から帰ってきてから、
「共同体感覚」という概念をつよく打ちだしたそうです。
戦争をなくすために必要なのは、政治や活動ではない。
「育児」や「教育」を通じ、一人一人の心から「争い」をなくすことだと。

自分の心から「争い」をなくすことが「世界の平和」につながる、なんてピンとこないかもしれません。

だけど、私はそう信じています。

引用ここまで。





ここ数日、いろいろ反省することがありました。

振り返ってみて、他人を否定して得をしたことは、一度もありません。

何の得もないことを、49年間も続けていたわけです。

愚かすぎて、哀しくなります。


楽しいことを語ることの方が、ずっとみんなの得になります。

もちろん、私自身の得にもなります。

だから、そろそろ覚悟を決めて、その方向で知識を活用することにしました。

ちょうど、終戦記念日なので、私の49年間に及ぶ戦争も終わらせました。






明日からの私が心に刻むキーワードは、「信用」「信頼」です。

参考サイト 

→ 「信用」と「信頼」の違いをご存知ですか?

→ 「信頼」を得るためには?

「信頼されやすい態度」を列挙すると山のようにありますが、今回は大きく2つのキーポイントを挙げておきましょう。

ひとつは「背筋を伸ばし、堂々とする」ということです。背筋を伸ばす、ということがポイントです。猫背になっていたり、身体がフラフラしたりしてはいけません。ただ、堂々としすぎるとエラソウに見えてしまうので、バランスが大切です。

引用ここまで


私のことを好いてくれる人たちを喜ばせることに専心いたします。

真っ直ぐに前を向き、首の後ろを伸ばして。

2017年8月14日月曜日

「正しい静止姿勢」は、「正しく見る」ことでつくられます~変化していく~「そうしたいから、そうしている」

昨日、お盆集中講座を折り返しました。

お盆集中講座 201700813

内容は、「正しい静止姿勢」です。

正しい静止姿勢は、「正しく見る」ことで、上からつくられます。

まっすぐ前を見ないと、正しい静止姿勢はつくれません。

正しく見ないで身体を動かせば、待っているのは破滅です。


人は、見ている方向に進んでしまうからです。


正しく見るということは、正しい見解につながります。

仏教でいう「正見」です。


私たちは、瞬間瞬間変化しています。

無常=変化していくということこそ、「存在する=生きる」ということです。

変化を停止するということは、「死」を意味します。

無常を認めることが、正しい見解ということになります。


「変化していくことができる」ことを認めないと、正しい静止姿勢をとることができません。

姿勢が崩れている人たちは、自分が変わっていくことを拒みます。

姿勢を直すという行為は、自分を変えるということですから。

姿勢が崩れている人たちは、姿勢を崩したくてそうしているのです。


というような気持ちを込めて、正しい静止姿勢の解説をしました。

参加した人たちが真っ直ぐになっていくのを、嬉しく思いました。


講座終了後、中打ち上げをしました。

安部塾史上、最も深いおしゃべりだったと思います。

現在の安部塾が抱える様々な問題点と、その解消に向けた対策などなど。

「そうしたいから、そうしている」という考え方の再確認でした。


安部塾の基本姿勢が、「変化すること」であることの再確認もできました。


今日のお盆集中講座は、コアスタビリティ=自分の芯の安定がテーマです。

「自分の中心」と「変化」のお話を交えながら、正しい動きについての解説をします。

2017年8月13日日曜日

正しい姿勢・呼吸・動きは、「見つめ合うこと」から生まれます~人は、社会的生物なのです。

フォームローラーを使う

本日8月13日(日)の薬院校お盆集中講座は、

・コアスタビライゼーションと効果的な運動のためのエクササイズ(正しい静止姿勢~必須の準備エクササイズ)です。

昨日・一昨日の座学が活きてきます。

覚えた用語と姿勢・呼吸・動きが結びつくのです。


今年のお盆集中講座のテーマは、「見つめ合うこと」です。

正しい姿勢・呼吸・動きは、「見つめ合うこと」から生まれます。

その理由は、昨日解説した通りです。

自然な動きを生み出す原動力は、見つめ合うことなのです。


私たちは、社会的生物です。

孤立したり、単なる「群れ」をつくった程度ではダメな身体構造になっています。

社会的に満たされた状態で動くことで、幸福感と自己信頼感を高めることができます。

群れて動くことは、むしろ逆に、不幸感と自己不信感を高めてしまいます。


正しい静止姿勢を理解できると、対人関係が飛躍的に良くなります。

よく知られていることですが、正しい静止姿勢をとれないと、群れしかつくれません。

群れることすらできず、孤立化してしまうことすらあります。

対等な関係を築く基礎は、正しい静止姿勢をとれることです。


この5日間における、最重要内容を解説するのが今日です。

一切の出し惜しみなく、語り尽くそうと思います。

2017年8月12日土曜日

「人はなぜ愛するか?」~愛を感じる心を取り戻せない身体操作指導に、私は何の意味も見出せません~ティーチング・ピラティス解説2日目

今日も、ティーチング・ピラティスを解説しました。

お盆集中講座 20170812


1994年の、「人はなぜ愛するか?」を、みんなで観ました。

NHKスペシャル 驚異の小宇宙 人体II 脳と心 第4集 人はなぜ愛するか~感情~ [DVD]


参加者のために、内容をまとめてみます。


脳の中心部にあって情動をつかさどっている大脳辺縁系

愛と関係の深い神経伝達物質……ドーパミン。

A10という神経の束を通って流れていくドーパミン。

神経末端で,シナプス間隙にドーパミンを放出。

対岸のドーパミンレセプターがドーパミンを受けとめ興奮。

脳内で快感を生み出す仕組み。


ドーパミン神経が興奮すると、自律神経系に作用し、心臓が高鳴り、頬は紅潮して、目が潤む。


好き嫌いはどこから生まれるのか?


扁桃体という構造体から。

好き嫌いを判断するのは扁桃体の働き。

扁桃体から視床下部を経て前頭葉へと信号が流れていく。


好き嫌いの形成には、幼児期の体験が重要な役割を果たす。

この時期に脳は急速に容量を増し,神経細胞どうしをつなげていく。


うつ病の母親に育てられる赤ちゃん。

うつ病の母親は、優しく赤ちゃんをあやすことができない。

強い刺激を与え続けてしまう。

結果,赤ちゃんも,母親と同じような脳の活動状態=うつ病になる。


抑圧されていた無意識的な怒りを表出し、ありのままの自分を相手に受けとめてもらう。

そうすると、しこりがとれたように良い関係を持つことができるようになる。


親子を結びつける感情は、ドーパミンだけでなく、オキシトシンという物質が関係する。

脳内で,ドーパミンに刺激されて,他の個体との結びつきを求める行動を引き起こす。


前頭葉は、A10神経の終点であり、知性や想像力などの高次の機能を司る。

本能を超えた,崇高な愛が育つ。

人と人が強い愛で結ばれるのは、前頭葉の働き。

ドーパミンが、視床下部→扁桃体→前頭葉に至り,人の愛が完成する。


人の感情の基本は幼児期につくられます。

5歳くらいまでの間に、親からどのような愛情を受けたか?

受けた愛情によって、その人の性格がつくられます。

人の脳は、5歳くらいまでの間に成長し、完成に向かうからです。


1歳くらいまでに、脳の体積は約2倍になります。

そして、3歳から4歳までの間に脳の隅々に神経細胞がのびていきます。

この過程で脳にどんな刺激を受けたかで、ボトムラインが決まるのです。


子育てに愛情が不足していると、脳も身体も発達が遅れてしまいます。

子供が起こす社会問題は、愛情の不足が原因であることが多いのです。

感情のコントロール能力は、幼児期の育てられ方によって決まります。

子供自身のせいではなく、5歳くらいまでに育った環境が悪かったのです。


母親の愛に恵まれなかった人が、愛を感じる心を取り戻していく過程。

それこそが、美しい身体操作の練習そのものなのです。


愛を感じる心を取り戻せない身体操作指導に、私は何の意味も見出せません。

身体機能の改善は、愛を感じる心を育てるためのものだと、私は考えています。

適切な運動は、幸福感と自己信頼感を増大させます。

昨日から、安部塾薬院校集中講座が始まりました。

時間いっぱい、語り尽くしました。

お盆集中講座 20170811

初日のテーマは、「適切な運動は、幸福感と自信を増大させる」という考え方です。

運動が、直接的に身体の状態を直接改善するという考え方ではなく、

適切な運動によって増大した幸福感と自己信頼感が、

間接的に身体の状態を改善していくという考え方です。


松本さんが降臨したような、私の表情。

お盆集中講座 20170811

「極端に走らない」

しなさ過ぎ・し過ぎの問題について、詳しく解説しました。


椎間板を強化する方法を含め、誤解されている知識の修正に力を入れました。

さまざまな姿勢の崩れ方と、その原因である頭部の位置異常にについての解説にも。


予想に反し、座学メインであるにも関わらず、参加者の皆さまが寝落ちしませんでした。

内容的には、宝石の煌(きらめ)きだったと思います。


今日は、ひたすら「解剖」について解説します。

2017年8月11日金曜日

お互いの表情を見つめ合うことから、愛が生まれてきます。はっきりと視える眼で見つめ合えば。

昨日の塾生講座で、「眼と表情」について解説しました。


私たちは、お互いの表情を見つめ合うことで、表情コミュニケーションができます。

そして、言葉を交わし合うことで、言葉でのコミュニケーションができます。

コミュニケーションが、私たちの心をつくってきました。

「よく視える・よく聴ける・よく喋れる」ことで、心が豊かになってきたのです。


私たちの眼が悪かったら、相手の表情がわからなくなります。

視えている人の見え方・見えていない人の見え方

ぼやけた見え方では、相手の細かな表情がわかりません。

結果、相手の心を感じることができません。

また、自分の表情も乏しくなります。

よく視えていない原始のサルに表情がないのと、同じことが起こります。


はっきりと視える眼で見つめ合うことで、そこに愛が生まれるのです。


そして、「白目」の意味についても解説をしました。


私たちの白目には、「自分がどこを見ているのか」を相手に伝える機能があります。

白目がない動物と違い、見ている方向がバレバレなのです。

争いを肯定する動物には、白目がありません(争いに不利だからです)。

お互いの表情を見つめ合い、愛の言葉を交わすことを選択した私たちには、白目があります。


白目があるのは、人間だけです。

私たちは、コミュニケーションを深めるために、白目を選択したのです。

「あなたのことを、見つめています」という気持ちを伝えること。

そして、愛し合うことから、「社会」が生まれてくるのです。


今日からの薬院校お盆集中講座の私のテーマは、「見つめる」です。

身体機能を向上させる理由は、「愛し合うため」です。

その基礎となるのは、相手の表情を見つめることです。

そこから自然と生まれてくる表情と言葉には力があります。


その力を、感じてください。

2017年8月6日日曜日

ネコのポーズ↔逆ネコのポーズ(Cat↔Reverse Cat)で、多裂筋の固有受容器(姿勢制御センサー)を磨きあげる。

昨日の記事の続きです。

体幹の筋肉

多裂筋は、脊柱の椎骨同士をつないで、安定させています。

脊柱は構造上、椎骨による骨支持が弱くなっています。

骨支持は椎間関節でなされていて、衝撃を椎間板で吸収しています。

強力な靭帯が、骨支持を補強します。

脊柱の構造 グレイ解剖学



が、それだけでは、脊柱の安定性を変化させることはできません。

そこで、多裂筋の出番です。


私たちが身体を動かすとき、まずは体幹筋が収縮します。

それによって脊柱が安定し、それから上肢・下肢の筋群が活動をし始めます。

そしてそのとき、最初に筋活動を開始するのが、多裂筋と腹横筋ということになります。

そして、多裂筋と腹横筋をつないでいるのが胸腰筋膜です。

多裂筋~胸腰筋膜~腹横筋

安部塾の身体操作技法は、多裂筋による脊柱の固定を重視しています。

このため、柔軟性の向上よりも、安定性の向上を優先します。

重力に抗う姿勢を意識して、小さく丁寧に動きます。

大きく乱暴に動くと、多裂筋から動くメカニズムが崩壊してしまいます。


いわゆる、猫のポーズ↔逆猫のポーズ(Cat↔Reverse Cat )が効果的です。

ヨガの、猫のポーズ↔雌牛のポーズ(Cat↔Cow)も。


猫のポーズ↔雌牛のポーズ(Cat↔Cow)

「フルパワー症候群」の人は、この動きを難しく感じると思います。

安部塾は、20%程度の力の発揮感覚を推奨しています。

猫のシリーズは、多裂筋の固有受容器感覚の洗練を目指してやるものだと考えています。

少しでも無駄な力が入ると、感じることができなくなります。


多裂筋による姿勢制御システム

詳細は、お盆集中講座で解説します。


腹横筋との関連も。

腹横筋

楽しみに、お待ちください。


2017年8月5日土曜日

椎間板に垂直に負荷をかけて若返らせる~多裂筋と姿勢制御

姿勢保持と姿勢制御に必要な固有受容器(センサー)が脊柱のそばにあります。

多裂筋です。

多裂筋

多裂筋

多裂筋(たれつきん)は、横突棘筋のうち、最も中間に位置する筋肉である。
多裂筋は、更に腰多裂筋 (musculus multifidus lumborum)、胸多裂筋 (musculus multifidus thoracis)、頸多裂筋 (musculus multifidus cervicis) の3筋に分類される。

腰多裂筋

腰多裂筋(ようたれつきん)は、長背筋のうち、斜胸の深層に位置する筋肉である。多裂筋のうち、頸多裂筋と胸多裂筋、腰多裂筋の3部に分けられたものの一方である。仙骨背面、全腰椎の乳頭突起及び副突起、第7~6頸椎の下関節突起を起始とし、斜側上方に向かって走り、軸椎以下のすべての椎骨の棘突起に付着する。
弯曲の伸展(背屈)とわずかの回旋を行う。

胸多裂筋

胸多裂筋(きょうたれつきん)は、長背筋のうち、斜胸の深層に位置する筋肉である。多裂筋のうち、腰多裂筋と頸多裂筋、胸多裂筋の3部に分けられたものの一方である。全腰椎の乳頭突起及び副突起、第7〜5頸椎の下関節突起を起始とし、斜側上方に向かって走り、軸椎以下のすべての椎骨の棘突起に付着する。
弯曲の伸展(背屈)とわずかの回旋を行う。

頸多裂筋

頸多裂筋(けいたれつきん)は、長背筋のうち、斜胸の深層に位置する筋肉である。多裂筋のうち、腰多裂筋と胸多裂筋、頸多裂筋の3部に分けられたものの一方である。全腰椎の乳頭突起及び副突起、第7~4頸椎の下関節突起を起始とし、斜側上方に向かって走り、軸椎以下のすべての椎骨の棘突起に付着する。
彎曲の伸展(背屈)とわずかの回旋を行う。

引用ここまで


図でわかるとおり、腹横筋と骨盤底筋と連動しています。

なので、正確に呼吸をすると多裂筋が機能し、腰部を安定させてくれます。

息を吐くとき、腹横筋が収縮するタイミングで、多裂筋も収縮することが大切です。

他の筋肉に先駆けて、腹横筋を収縮させるように指示される理由です。


多裂筋の機能を代行できる筋肉はありません。

なので、多裂筋の機能低下は、さまざまな問題を引き起こします。


多裂筋の機能低下の原因のひとつは、「負荷不足」です。

きちんとした姿勢で、自分の体重をかけることが必要なのです。

私たちの多裂筋は、重力に抗うことで、本来の機能を発揮できるのです。

腰横や前モモやふくらはぎが疲れるのは、多裂筋・腹横筋が使えていないからかもしれません。


こんな記事があります。
 ↓
腰痛予防にランニングは効果あり!椎間板が健康的な状態に

「椎間板に垂直に負荷をかける」と、椎間板が若返るという記事です。

水分をじゅぶんに含んだ分厚い椎間板は、負荷を垂直にかけることでつくれるのです。

私の塾に通い続けた人たちは、椎間板が厚くなるので、身長が伸びています。


椎間板に垂直な負荷をかけるときに機能するのが多裂筋だと、安部塾では考えています。

多裂筋を機能させる=自動制御させるためには、腹横筋を使いこなせることが必要です。

この理由で、指導の大半の時間を「お腹の使い方」に費やしています。


腹横筋

薬院校お盆集中講座で、呼吸と姿勢について、熱く解説したいと思います。

2017年8月3日木曜日

痛みを体操で消そうなんて考えはナンセンスだと思います。痛くない動きを続け、痛い動きをやめましょう。

痛み


私は、痛みを体操で消そうとすることはナンセンスだと考えています。

生体力学を学べば、痛みを消す体操が思い込みであることがすぐにわかります。


どうすればいいかというと……





昨日の記事にも書きましたが、「わざわざ痛みがでるようなことをしない」のが基本です。


あり得ない動きをして痛みを訴える人を観察してみると、

「関節は、どんな動きでもできる」

というイメージで動かしているような印象を受けます。

関節には、構造上動く方向が決まっているにも関わらずです。


むしろ、「どんな動きでもできるようになれる体操を探す人」すらいます。

「そんな動きができるようになって、一体何がしたいのか?」

はたで見ているクレバーな人たちは、そう思います。

クレバーな人は、余計なことをしません。


「痛くない動きを続け、痛い動きをやめる」

そんな当たり前のことを繰り返すことが基本だと、私も思います。


日々のしあわせに気づくことが、持続的幸福度を向上させます。

結果、痛みを抑制する能力が改善し、痛みが消えます。


しあわせな人は、ぎっくり腰とか寝違いになんてなりません。

なった時点で、持続的幸福度が低下しているという自覚をした方がいいと思います。

必要なのは治療ではなく、しあわせに気づくことです。

しあわせでなかったら、しあわせになることです。


健康法ではなく、幸福法を実践することが大切だと思います。

痛みに注目せずに、日々のしあわせに注目しましょう。

2017年8月2日水曜日

「こうすると痛いんです」~日常生活に必要ない動きをして、痛みを探して詳細にレポートする人。

伊藤かよこさんのFBより

伊藤かよこさんのFBより

「こうすると痛いんです」

日常生活でその動きは必要ないでしょう? という動きをして、

わざわざ痛みを探す人、痛みを詳細にレポートする人。

こうして悪循環の罠にはまるのですね。

引用ここまで


私のところにも、同じような相談者が、以前はよく来ていました。

腕をあり得ない方向にねじりながらあげて、「肩が痛い」という人。

やはり、腕をあり得ない方向にねじりながら後ろにまわして、「肩が痛い」という人。

首をぐるぐるまわした後で、「首のコリがとれない」とか「腕がしびれる」とかいう人。

腰をねじって、「腰が痛い」という人。

足首をぐるぐるまわして、「捻挫癖があるんですよ」という人。

ひじやひざを、あり得ない方向に曲げて、痛いという人。

きりがありませんが、出だしから全部間違ってますので、痛いのが当然です。


人間の身体は、普通に動かしてさえいれば、そうそう壊れるものではありません。

痛みに注目することで、おかしな動きをしてしまう人が多いように思います。


痛くない動きは、生体力学を学べば理解できます。

問題は、この仕組みを理解できるかどうかなんですが……


腰痛学校を読みましょう。

腰痛学校

知性ある人なら、一読すれば痛みが消えます。

※腰痛だけでなく、いろんな痛みにどうぞ。

お腹の使い方を学ぶ~現代解剖学を基本とすべき~個人の感想を基本としてはならない

http://www.christinedwyer.com/difference-between-neutral-spine-and-spinal-imprinting

今月のクラスで、ピラティスの基本姿勢や呼吸について解説しています。

「ニュートラル・ポジション」

おへそと背中を引き寄せ、腹部を平らにし、骨盤を床と平行に保ちます。無理やり背中を反らせてはいけません。仙骨を床に密着させつつ腹横筋を意識して、脊柱起立筋群の緊張を解除します。

「インプリント・ポジション」

おへそと背中を引き寄せ、腹部が斜めになる感じでウエストを床に近づけ、骨盤をやや後ろに傾けます。骨盤がやや後傾+腰椎がやや屈曲→胸郭(肋骨のかご)と骨盤が身体の前で近づきます。腹斜筋を意識します。

というあたりが、一般的な解説かと思います。


現代解剖学を基本とするピラティスは、知性的な人たちに対して絶大な効果を発揮します。

らせんの動きを基本とする安部塾のIBUKI との違いを楽しんで欲しいと思います。


基本姿勢にしても、呼吸にしても、現代解剖学を基本とすべきだと思います。

個人の感想を基本とするのは有害無益だと、私は考えています。


頭を使う人は、美しい姿勢と動きを身につけることができます。

意味もわからないまま体を動かしたい人は、きたない姿勢と動きのまま生涯を終えることになります。


姿勢にしても、動きにしても、呼吸にしても、

「我執(エゴ)」に基づくものはダメだと思います。


「型」に基づく姿勢・動き・呼吸が大切です。

正確無比な型を繰り返すのが、最短の道だと考えています。


気が遠くなるような反復練習の結果として、人は美しくなっていきます。