体幹側屈時にはたらく筋肉群 |
体幹側屈運動時、腹斜筋と脊柱起立筋が主動作筋としてはたらきます。そして、広背筋下部線維も、体幹を側屈させます。
側臥位側屈時および座位対側肩関節外転時において、外腹斜筋と腰部脊柱起立筋に対して広背筋下部線維の筋活動が大きくなります。
一方、同側股関節外転時および骨盤引き上げ時などの骨盤の固定や動きが生じる動作においては、広背筋下部線維の関与が小さくなります。
体幹側屈動作において、座位体幹右側屈運動、側臥位右股関節外転・左股関節内転運動、背臥位右骨盤引き上げ運動において、広背筋下外側部がはたらきます。側臥位体幹右側屈において、広背筋上外側部・中下部・下外側部がはたらきます。
広背筋の上部線維は肩関節運動時にはたらき、外側線維については体幹の側屈を伴う運動時にはたらきます。
体幹の側屈運動をしっかりおこなうと、腕の動きがよくなります。
胸腰筋膜は、大殿筋や腕と背中をつなぐ広背筋と筋肉と連結しています。萎縮・筋膜同士の癒着・筋肉と筋膜が癒着することで、機能障害・筋肉の柔軟性低下・関節可動域の低下・痛みが生じます。
胸腰筋膜 |
臀筋と胸腰筋膜と広背筋がつながることにより、下半身の力を腕に伝えることができます。腕の筋肉量は少ないので、力の差は圧倒的となります。「腰を入れる」という言葉の意味は、胸腰筋膜の機能を学ぶと納得だと思います。側屈運動(横に曲げる)の質が悪いと、広範囲に悪影響が出ます。正しい型を守って体幹側屈運動を積み重ねることが肝要だと思います。
■胸腰部側屈の主動筋
腹直筋
外腹斜筋
内腹斜筋
腰方形筋
胸部脊柱起立筋
腰部脊柱起立筋
多裂筋
広背筋
■胸腰部側屈の協動筋
横突間筋
頭頸部側屈時の筋肉群 |
■頭頸部側屈の主動筋
胸鎖乳突筋
外側頭直筋
上頭斜筋
頚長筋
前斜角筋
中斜角筋
後斜角筋
■頸部側屈の協動筋
頭板状筋・頚板状筋
■脊柱側屈時における各脊椎領域における平均可動域(角度)
環椎後頭関節 20°
環軸関節 0°
頸椎全体 35°
胸椎 20°
腰椎 20°
頸椎+胸椎+腰椎=75°