2023年1月4日水曜日

腰痛の原因~闘争・逃走反応(fight-or-flight response)と扁桃体の過剰活動。

 ビジュアルで学ぶ筋膜リリーステクニック2 医道の日本社 より引用いたします。

 準備にあたるアプローチは、患者の自律神経系覚醒に関係する。自律神経系(闘争または逃走反応)が高レベルで活性化している場合、まずは反応を鎮めることを、構造的な施術よりも優先させる。交感神経系の覚醒が治癒していない状態、つまり、トラウマ的反応、慢性痛、不安、日常生活のストレス、警戒態勢、過剰覚醒、過敏状態は、学習と変化を妨げるだけでなく、直接的すぎる、または深部への施術で悪化する場合がある。 235-236P

 引用ここまで

扁桃体

「fight-or-flight response(闘争・逃走反応)は、驚愕反応~恐怖に対する反応だとされてています。恐怖刺激が、視床下部、下垂体に伝達し副腎皮質刺激ホルモン (ACTH)が分泌され、アドレナリンとコルチゾールが放出されます。

 動物は、危機的な状況に陥ったとき、「闘い争うか逃げるか」という反応で生き残ろうとします。また、擬死(ぎし、タナトーシス)して、動かなくなってしまうこともあります。

 普通の状態では発揮できない力を発揮できる一方で、使用しない内臓への血流が絞られたり、判断力が低下するために、長期的にストレスを受け続けると体や精神に悪影響が出てきます。

・涙腺と唾液腺の阻害(ドライアイ、ドライマウス)~眼と口が渇く

・瞳孔散大(散瞳)~目がイッてしまう

・聴覚喪失~繊細な音が聞こえなくなる

・周辺視野の喪失(視野狭窄)

・脊髄反射の脱抑制

・振戦(ふるえ)

・心拍や呼吸が早くなり、血圧が高くなる。

・血糖値が上昇する。

・血液凝固作用が高まる。

・筋肉が緊張状態になる。

・気を紛らわせる(転位行動)

・思考停止

・感情的な人は、不安を感じ、攻撃的になる。

 長期的にストレスにさらされ続けて慢性化すると、心臓および皮膚に損傷があらわれ、脳の容積が縮小します。

 高血圧(心臓病を誘発)、筋萎縮、成長の阻害、免疫低下、不眠症、腹痛、消化不良、精神疾患を引き起こします。

 ストレス刺激を長時間受け続けることで、交感神経ではなく副交感神経の機能が相対的に強くなり、ノルアドレナリンやアドレナリンの放出が減少して血圧が低下、顔面蒼白となり、消化液の分泌が増大し、胃腸の運動が亢進しし、精神的に不健康になります。

 扁桃体は、側頭葉の奥深くにある小さなアーモンド形のニューロンの集まりです、感情の学習と行動の多くの側面を仲介する際に重要な役割を果たします。扁桃体の刺激は、怒り、暴力、不安、恐怖の感情を呼び起こします。恐怖や危険な刺激にさらされると、この情報は扁桃体に直接送られます。次に、扁桃体はこれらの信号を視床下部などの脳の他の領域に渡し、状況に応じて体の「逃げるか戦うか」反応を活性化します. 

 つまり、主な機能は、周囲の危険を感知し、戦うか逃げるかのいずれかの状態に身体の状態を準備することとなります。恐怖を検出し、緊急事態に備えるという機能です。イベントや感情の記憶を保存し、将来の同様のイベントを認識するのに役立てます。

 扁桃体は、ストレスの多い状況に対して、脳の高次領域がそれについて「考える」前に、極端な反応を引き起こす可能性があります。脳がコルチゾールとアドレナリンという 2 つのストレス ホルモンを放出し、体が「戦うか逃げるか」の準備を整え始めます。その結果、心拍数の増加、手のひらの発汗、皮膚の鳥肌、瞳孔の拡張、筋肉への血流の増加、およびグルコース (血糖) レベルの上昇を経験する可能性があります。

 いわゆる過覚醒は、 扁桃体の暴走が原因である可能性があります。過度の警戒心を持つ人は、他人に対して恐怖を感じている可能性があります。

 研究によると、うつ病は扁桃体の活動の増加と、実行制御を担う背外側前頭前野の活動の減少に関連していることが示されています。扁桃体の過剰活性化は、心的外傷後ストレス障害 (PTSD)、社会不安障害、双極性障害、および/またはパニック発作などの他の精神的健康状態にも関連しています。いわゆる腰痛症も、扁桃体の活動の増加と、背外側前頭前野の活動の減少によって生じるとされます。

2022年12月26日月曜日

筋膜を解放して身体構造のバランスを整える。1月3日新宮校よりスタートします。

  2023年1月の各地のワークショップは、「身体構造のバランスを整える筋膜解放技術」について解説します。年始は、1月3日新宮校よりスタートします。セルフケアテクニックを中心に解説いたします。

深後頸部の解放

 筋膜の解放は、筋膜を伸ばし、筋膜と外皮、筋肉、骨の間の結合を解放するための手技を指し、痛みを取り除き、可動域を広げ、体のバランスをとることを目的としています。

  筋膜は、直接的または間接的に操作され、結合組織繊維がより柔軟で機能的な方法に再編成されることを可能にします.。

 筋膜は、皮膚とその下にある筋肉と骨の構造の間に位置し、体内の筋肉、器官、骨格構造を覆い、接続する結合組織のシームレス(継ぎ目のない)なウェブ(結びつけるシステム)です。

 筋肉と筋膜は結合して筋膜系を形成しています。

 ケガ、ストレス、炎症、外傷、および姿勢の悪さは、筋膜の制限を引き起こす可能性があります。

 筋膜は相互につながったウェブであるため、ある場所での筋膜への制限または緊張は、時間の経過とともに、セーターの引っ張りのように体の他の場所に広がる可能性があります。

 筋膜の解放の目標は、筋膜の制限を解放し、組織の健康を回復することです。

■身体構造のバランスを整える筋膜解放技術

 《前半》

①胸腰筋膜

・脊柱起立筋

・多裂筋

・腰方形筋

②腸腰靱帯と第12肋骨

③腸間膜と腹部

④大腰筋

脇腹の解放

《後半》

①頸部

・胸鎖乳突筋の解放

・僧帽筋の解放

・後頭下筋群の解放

・斜角筋の解放

②顎関節

・咬筋の解放

・側頭筋の解放

・顎二腹筋の解放

・内側翼突筋の解放

 ・外側翼突筋の解放

へその解放

☆新宮校ワークショップ

  1月3日(日)→ 詳細

 

☆下関ワークショップ

1月7日(日)→ 詳細

 

 機能運動学大牟田サークル

1月8日(日) → 詳細

 

☆新宮校ワークショップ(平日)

 1月9日(月) → 詳細

  

☆東京ワークショップ

1月13・14・15 日(金・土・日)→ 詳細  

 

☆新宮校ワークショップ(平日)

 1月日(月) → 詳細調整中

  

☆大阪ワークショップ

1月26日(木)→ 詳細

 

☆名古屋ワークショップ

1月27日(金)→ 詳細

 

☆神戸ワークショップ

1月28日(土)→ 詳細

2022年12月20日火曜日

下腹では、アウターマッスルである腹直筋の上にインナーマッスルである腹横筋がある。

この記事の続きです → 腹筋群(外腹斜筋、内腹斜筋、腹直筋、腹横筋)のはたらきを学ぶと、お腹をほぐさなくてはならない理由がわかります。

外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋・腹直筋の重なり

 ファッシャル・リリース・テクニック 医道の日本社 より引用いたします。

■腹部の筋膜鞘

 腹直筋は、腹部で最も表層に位置する筋である。腹部の前面のどこかにピンを刺せば、最初に触れる筋は腹直筋である。しかし、筋膜の観点から言えば、全く別の話である。

 第5肋骨での上部付着においては、実際に最も表層の筋であるが、肋骨の数センチ下では、外腹斜筋の筋膜が腹直筋を覆う。そのため、筋膜を考慮すると、腹直筋は外腹斜筋よりも深部に位置していることになる。

 さらにもう少し下の部位では、内腹斜筋の伸びた筋膜が腹直筋を覆っている。へその数センチ下の腹の高さである弓状線では、腹横筋の裏に潜り込み、恥骨に達する頃には、腹部で最も深層に位置する筋になっている。そして、腹直筋は骨盤底とつながっている。151P

 腹直筋と腹横筋は、ともに腹腔の2つの”ベルト″を形成する上で非常に重要な筋である。腹横筋は、前面の白線を通して脊柱の横突起から横突起へと走っており、横方向へのベルトの大部分を構成している。この横方向のベルトは、脊柱起立筋の周囲を走る筋膜(腰筋膜の表層と深層の薄い膜)によって完成され、棘突起で結合している。

 縦方向のベルトは腹直筋から発生し、横隔膜の中心部となって上昇し、前縦靱帯を骨盤底に向かって下降する。恥骨尾骨筋は腔の底とこのベルトを越え、再び恥骨で腹直筋の後ろの筋膜と出会う。

 これら2つのベルト付近の適切なバランスを保つことで、体の上部の胸郭や頭をしっかりと安定させ、よい基盤を与えることができる。152P

引用ここまで

弓状線

 講座 X線解剖学・10 前腹壁,背部の筋 腹壁の筋より引用いたします。

 弓状線arcuate lineは内腹斜筋の腱膜のうち,その後葉が臍の下約5cmの所で下方に凹む線で終わる部分をいう.三層の筋の腱または腱膜は腹直筋を鞘状につつむが,後葉と前葉からなる腹直筋鞘は弓状線の上と下で異なる.

 弓状線の上方では外腹斜筋の腱膜は前面に,内腹斜筋の腱膜は腹直筋の外側で二葉となり,うち前葉は腹直筋の前面を覆い,後葉は後面を覆う.後面にはさらに腹横筋の腱膜が加わるので腹直筋鞘の前面と後面との強さは同様である.

 弓状線の下方では,三層の筋の腱膜はすべて腹直筋の前面を覆い,後面には腹横筋膜が覆うのみである.外腹斜筋と皮膚の間には脂肪層である外側のCamper's fasciaと線維層である内層のScarpa's fasciaがある.

引用ここまで

 いわゆる「下丹田」と呼ばれている場所は、ちょうど弓状線のあたりになるという説があります。実際、ここを意識することで、とても動きやすくなります。ここが機能するためには、お腹がほぐれていなくてはならいないと考えております。お腹がほぐれると、胸が開いて肩甲骨がお尻の方へ下がって、頭が美しい位置で安定します。

腹筋群(外腹斜筋、内腹斜筋、腹直筋、腹横筋)のはたらきを学ぶと、お腹をほぐさなくてはならない理由がわかります。

腹筋群のユニオンジャック

 ファッシャル・リリース・テクニック 医道の日本社 より引用いたします。

外腹斜筋

 外腹斜筋は下部肋骨と肋骨の下の軟骨を(反対側の内腹斜筋を通って)反対側の上前腸骨棘に結びつけるだけでなく、直接、同じ側の恥骨にも結びつけている。

 腹部の筋の最も外側の部分に目を向けると、後方下部肋骨から、同じ側の上前腸骨棘へと走っていることがわかる。この部位は、体を回旋するときに機能するが、側屈するときにより強い力を発揮する。

内腹斜筋

 内腹斜筋も同様に、シートのような形状であるが、同時に三角形でもある。”X”の一部として、反対側の肋骨へ到達している。上前腸骨棘の反対側へ走っており、腹横筋が下部腹壁を強化するサポートをしている。また、恥骨に向かって鼡径靱帯へも走っている。149P

腹直筋と腹横筋

 ユニオンジャックの十字(赤十字、またはプラス記号のよう)部分は、垂直に走る腹直筋と、まるで軟らかい腹部の周りの大きなベルトのように繊維が水平に走る腹横筋が組み合わさって形成されている。

腹直筋と腹横筋

 腹横筋は、腰部と(仙骨の多裂筋とともに)仙腸関節を安定させる上で大きな役割を果たしている。この筋の動作は、腹部の中身に圧力をかけて、圧力下での安定性を作り出す。この筋なしに重いものを移動させることはできない。

 腹横筋と骨盤底の間には神経的な結合があることが、研究によりわかってきている。この2つはしばしば同時収縮を起こす。問題なく機能しているときは、腹腔および骨盤腔を強力に安定させている。一方で、うまく機能していないときは、尿失禁や不安定な腰の原因となる。

 当然、腹横筋は左右に1つずつある。基本的には、腹部の筋膜の最深層で機能する。臓器の腹膜のすぐ外側に位置し、横突起から横突起へと白線を越えて機能する。

 腹直筋は、腹部の筋の中では最も一般的な筋で(筋膜的な観点からこの後、意義を唱えるが)、最も表層に位置し、ビール腹と6つに割れた腹筋を区別する素晴らしい腱画を持っている。基本的に、腱画は腹直筋を左右それぞれ4つに分ける。

 腹直筋は、骨のサポートも受けずに、恥骨から胸骨へと長い距離をカバーしているため、このような腱画は必要である。腱画は、下腹部を補強しており、激しい運動をした場合や、体幹を伸展した際に下腹部が裂けないようにしている。

 もちろん、腹直筋は体幹の屈曲時も機能している。典型的な腹筋運動やクランチにおいては、胸郭の前面を恥骨に近づけ、多くの肋骨や、腰椎、さらには仙腸関節までを越えて機能する。他の腹筋と同様に、体を安定させる役割も持っている。さらに腹直筋は、腰椎の過伸展を防ぐ機能も持つ。150-151P

引用ここまで

 今月は、各地で「お腹ほぐし」をやっています。腹筋組織を持ち上げることで効果を得ます。適当にやっても効果は得られない(下手をすると有害)ので、意味を理解して行うことが大切です。

 お腹がほぐれると、頭部の前方へのずれが修正され、呼吸が楽になります。顔色が良くなり、見た目に若返ります(当人比)。

☆大阪ワークショップ

12月22日(木)→ 詳細

 

☆名古屋ワークショップ

12月23日(金)→ 詳細

 

☆神戸ワークショップ

12月24日(土)→ 詳細

2022年12月19日月曜日

美しい顔と肌をつくる内側翼突筋ほぐし

 昨日・今日の新宮校ワークショップは、「美しい顔になる効果」で定評がある「内側翼突筋ほぐし」で盛り上がりました。実際、顔を下方向に引っ張られなくなるため、ほうれい線が目立たなくなりすっきりし、血流が改善して肌が潤い、トーンが明るくなります。

 頭蓋全体の機能的統合、そして審美的な統合を図ることで、顔貌(目・口・鼻などの形・配置を含めた顔の様子)は、本来のその人がもつ美しい姿に近づくことができます(当人比)。

内側翼突筋

内側翼突筋ほぐし

 内側翼突筋ほぐしは、その卓越した効果から、女子受けがよいです(笑)。私的には、姿勢改善の要となる必須エクササイズですので、やってくれるなら万々歳です。

 アナトミー・トレインー徒手運動療法のための筋膜経線 第4版 医学書院 より引用します。

 下顎骨を頬骨弓から引き上げる咬筋と、蝶形骨の下側から持ち上げる翼突筋は、下顎角の部分でスリングを形成し、口内底部に接続する。側頭筋は下顎骨を通る一部のラインが機械的に接続しているだけで、側頭骨上の広範な付着部から下顎骨鈎状突起を上方に真っすぐ牽引し、その膜は帽状腱膜の下で頭蓋を冠状に越えて走る。帽状腱膜はSFL、SBL、LTL、SPLに関与する頭蓋の筋膜である。

下から見ると、2つの内側翼突筋とともに機能する2つの咬筋で
形成された下顎骨枝に不可欠なスリングがはっきりとわかる。

 
DFLの上部範囲には、外側の咬筋と内側の内側翼突筋で形成するスリングと、
SBLの帽状腱膜下で頭上ループのように越える側頭筋由来の膜が含まれる。

 引用ここまで(180-181P)

■手順(参加者復習用、いちばん上の図を参照)
①口を開ける。
②上歯に沿って、奥に指を進める。
③側頭筋が付着する下顎骨の筋突起を感じる。
④指をそれと歯の間で、さらに奥へと進める。
⑤上歯の臼歯の後ろにある内側翼突筋を探す。
⑥外側に置く手は方向づけに役立て、アーチ下で頭蓋骨の骨ばった組織を感じる。
⑦立体的に三次元でイメージして、内側翼突筋に触れる。
⑧内側翼突筋中の索状硬結を触知し、直径2-3mmのトリガーポイントを見つける。

■内側翼突筋の作用
・下顎挙上
・片側の収縮は下顎の反対側偏位を生じる

 大阪・名古屋・神戸のワークショップで解説することにしました。

☆大阪ワークショップ

12月22日(木)→ 詳細

 

☆名古屋ワークショップ

12月23日(金)→ 詳細

 

☆神戸ワークショップ

12月24日(土)→ 詳細

美しい胸をつくる。胸筋群直下の胸骨下部を横切る接続の緊張をゆるめて、呼吸を楽にする。

 アナトミー・トレインー徒手運動療法のための筋膜経線 第4版 医学書院 より引用します。

スパイラルライン(後頭骨~肩甲骨~上前腸骨棘)

 前鋸筋は四角形の要素と三角形の要素が広範に組み合わさった複雑な筋であり、肩甲骨の位置の安定化と制御を行う。系統発生の初期には、前鋸筋は主に直立状態の肩甲骨内側の胸郭を支えるスリング形成に関与していた。114P

 前鋸筋の下部スリップは確かにSPLに属しているが、中間スリップは、「ブラジャーのライン」の高さの大胸筋下方で、胸骨下部で中心線を越えて互いに結合する。前鋸筋はSPLの「分岐線」を形成し、臨床で頻繁にみられる頭部前方位姿勢を治療する場合に注目される。

胸筋群直下の胸骨下部を横切る左右の前鋸筋間の接続は、
SPLを上行して後頭部につながり、呼吸運動を制限する。

 剣状突起上の正中線からSPLをたどると、前鋸筋中間のスリップを回り、菱形筋の中間まで行き、頭板状筋を横切り、最終的に反対側の後頭骨で停止する。

スパイラルライン

 きわめて多くの頭部前方位姿勢の人々は、胸部帯が緊張している。胸部帯は代償による力伝達の主要経路である。胸部帯をゆるめて呼吸を持続させたい場合、左右の前鋸筋を接続する筋膜バンドを徐々にゆるめながら、頭を身体の頂点へと徐々に戻す。SPLをゆるめ、呼吸時に胸部の可動性が完全な状態に戻るよう促す。115P

引用ここまで

交差症候群

 昨日の新宮校ワークショップで、お腹と顎(あご)をほぐしました。上の図を見てもらえばすぐにわかると思いますが、頭部前方位姿勢では咀嚼筋の柔軟性が低下して硬くなってしまいがちです。そして、胸筋の柔軟性の低下とともに、前鋸筋の筋力低下がみられます。

 頭部前方位姿勢の姿勢改善においては、肩甲骨を寄せつつお尻の方へ下げるという意識が基本ですが、これも上図を見れば一目瞭然です。うなづく意識の大切さも、よくわかるかと思います。

 胸筋群直下の胸骨下部を横切る左右の前鋸筋間の接続=胸部帯の緊張をゆるめると、いきなり呼吸が楽になります。今日の新宮校ワークショップと大阪・名古屋・神戸のワークショップで解説いたします。

☆新宮校ワークショップ(休日)

 12月18日(日)→ 詳細 

 

☆新宮校ワークショップ(平日)

12月19日(月) → 詳細

 

☆大阪ワークショップ

12月22日(木)→ 詳細

 

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☆神戸ワークショップ

12月24日(土)→ 詳細

2022年12月18日日曜日

美しい顔と胸をつくる。お腹の緊張をほぐし、恥骨から耳の後ろの骨(乳様突起)を遠ざける。

 ビジュアルでわかるトリガーポイント治療 緑書房 より引用いたします。

■腹直筋の作用 114P
・胸腰椎を屈曲する
・胸郭を押し下げる
・骨盤を安定させる(歩行時)
・拮抗筋:脊柱起立筋

■腹直筋の関連痛パターン 114P
上部繊維:背部に出現する痛み(胸椎領域に出現し、水平上〈帯状〉に広がる痛み。胸やけや消化不良として感じられることもある。
下部繊維:腰部に出現する痛み(月経困難症の際に恥骨と臍の間に出現するような痛み)
腹直筋のトリガーポイントと関連痛領域

■適応 115P
 胸やけ/疝痛/月経困難/吐き気/嘔吐/膨満感/背部の痛み(水平上/帯状)/下位交差パターン/肋骨の痛み/精巣痛/横隔膜と呼吸の問題

■原因 115P
 直接外傷を受ける/姿勢/内臓下垂症(一般的にスポーツの練習のしすぎ)/間違った腹筋運動の方法/長時間脚を組んで座る/咳/感情的ストレス/腰痛/腹部の術後


■外腹斜筋の作用 110P
・腹部を圧迫し、腹圧をかけることで重力に対して内臓を支える補助をする
・体感を側屈、対側回旋する

■外腹斜筋の関連痛パターン 110P
・内臓痛に類似した痛みとして感じられる
・肋骨縁周囲のトリガーポイント:胸から腹部に広がる痛み
・下腹部外周のトリガーポイント:精巣や下腹部に出現する痛み
・恥骨縁周囲のトリガーポイント:膀胱や鼡径部に出現する痛み(頻尿/残尿感として感じられることもある)
外腹斜筋のトリガーポイントと関連痛領域

■セルフケアテクニック 115P
①筋繊維の方向を解剖学的に確認する。
②胸郭から下方へ、痛む場所や硬結(ノット)を明確にし、確認する。
③確認された硬結を母指を使って、小さくすくい上げるようにする。
④痛みのある硬結(ノット)では痛みが弱まるまで圧を留め、停止部までストローク(軽擦)を続ける。

引用ここまで

 アナトミー・トレインー徒手運動療法のための筋膜経線 第4版 医学書院 より引用します。

 腹直筋は、「燃え尽きるまで持続しようとする」仲間の集団によって過剰な運動を強いられたり、徒手セラピストから十分に治療されなかったりする気の毒な筋肉である。

 腹直筋を見る場合、筋自体の緊張と腹直筋の前後にある2つの鞘の解消と、3つの部分に分けて調べなければならない。「シックスパック」の腹筋群である腹直筋が平らであれば、浅層筋膜と筋自体の緊張が大きいことが疑われる。腹直筋が膨らんでいる場合、筋の緊張を調べなければならないが、筋後面で深層の腹横筋膜が短縮している可能性が高い。66P

 腹部が突き出し、筋の緊張が低く見えるとしても、腹直筋後壁がきわめて大きな緊張を示し、締まっており、呼吸の制限や背部の牽引などの一因となっている可能性がある。

 腹直筋が付着し、腹筋膜が胸筋膜と一体化する余分な付着部を可動解放すると、多くの場合、呼吸運動を促進することができる。69P

 Feldemkraisは、「負の感情はすべて、屈曲として現れる」と述べている。怒りによる前かがみ状態、うつ状態によるうなだれた姿勢、恐れによる身を縮めた姿勢は数多く、様々な形態でみられる。これらはすべて屈曲に関与する。75P

 しかし、Feldenkraisの観察には注目すべき例外がある。すなわち、負の感情は通常、上頸部の屈曲ではなく過伸展を引きおこす。これは驚愕反応と呼ばれる反応にきわめてはっきりと見ることができる。

 明らかなことは、驚愕反応は全体的な屈曲反応ではなく、より正確に見えるのはSFL上での短縮と緊張であるということである。この反応全体は、乳様突起が恥骨に近づけられることからはっきりと示される。これは前面で器官を保護するのみならず、頸を退縮かつ過伸展させ、頭を前方に下げる。76P

 SFLの筋も頻繁にこの反応にも関与し、肘の屈曲や肩の保護もこの全体像に当てはまる。したがって、驚いた人の全身姿勢は、頸上部の過伸展に加えて、下肢が硬直し、体幹と腕が屈曲する。

 問題は驚愕姿勢が維持される場合に生じる。人間は長時間にわたり、完全にかつ反復してこの姿勢を維持できる。この姿勢とこれが変化した型は、ほぼすべての人間の機能にマイナスの影響を与えるが、特に、呼吸はSFLの短縮で制限される

 ゆったりとした呼吸は、肋骨の上向き運動や外向き運動、骨盤と呼吸横隔膜との相互関係によって決まる。短縮したSFLでは、頭を前方に引き下げ、肋骨運動を制限する前後両面において代償性緊張が必要となる。防御的緊張が腹直筋を越えて下肢まで進む場合、鼡径部の短縮は呼吸横隔膜と骨盤底とのバランスを崩し、呼吸は極端に横隔膜前部に頼るようになる。

 実際、最初の驚愕反応は爆発的な呼息によってマークされている。持続的驚愕反応は呼吸サイクルの呼息期で止まる明確な姿勢的傾向を示す。これに続いてうつ状態を伴う可能性がある。

 SFLをゆっくりと完全に上行し、これらの組織をリリースする。SFLの各要素を上部から持ち上げられるようになることで、対象者の身体的負担要素をリリースすることができ、きわめて良好な結果を得られることが多い。77P

引用ここまで

頭部前方位姿勢では下顎が後ろに引かれる
胸鎖乳突筋が過緊張して短縮硬化する

 安部塾では、恥骨から乳様突起を遠ざける意識を持つように指導しております。理由は、引用させていただいた文章にある通りです。

 今日・明日の新宮校ワークショップと今週末の大阪・名古屋・神戸のワークショップで詳しく解説しますが、腹直筋の状態を観察することで、驚愕姿勢を維持しているかどうかを知ることができます。今回はリフレッシュスティックやマッサージボールを用いて、腹部のリリースをやっていきます。

☆新宮校ワークショップ(休日)

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