5月より経絡のお話をするので、いろいろまとめています。音にも陰陽があり、五行を配する考えがあります。
■陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)
中国の戦国時代に別々に成立した陰陽説と五行説が、漢代に合したもの。五行の木火は陽、金水は陰、土はその中間にあるとして、これらの消長交替によって万象を解釈、説明する思想。天文学、医学から経書の解釈にまで適用され、特に暦法と結合して干支の組合せによる多くの迷信を生み、中国、日本の日常生活に大きな影響を与えた。
出典 精選版 日本国語大辞典
■宮商角徴羽(きゅう‐しょう‐かく‐ち‐う)
中国古来の音楽における五つの基本音階の各名称。のち日本に移入された。五音(ごいん)。
※古今著聞集(1254)六「宮・商・角・徴・羽の五音あり。或は五行に配し、或は五常に配す」
〔孟子集注‐離婁上〕出典 精選版 日本国語大辞典
■五音(ごいん)
中国や日本の音律のこと。宮(きゅう)・商(しょう)・角(かく)・緻(ち)・羽(う)の五つの音を指し、宮は土、商は金、角は木、緻は火、羽は水に五行が配される。
出典 占い学校 アカデメイア・カレッジ
■五声(ごせい)
音階理論用語。中国に始まり、朝鮮、日本、ベトナムに伝わった。五音(ごおん/ごいん)ともいい、五音音階を意味する。各音は宮(きゅう)・商(しょう)・角(かく)・徴(ち)・羽(う)とよばれ、徴と宮の半音下に変徴・変宮の2音を加えたものを七声という。おもに雅楽や声明(しょうみょう)で用いられる。
中国音階の基調をなす五声は、宮を出発点とし、三分損益法(さんぶんそんえきほう)で5度上、4度下と音を交互にとることによって得られる。これを音高順に配列すると宮・商・角・徴・羽となり、西洋音階のド・レ・ミ・ソ・ラに相当する。五声がいつごろから用いられたのかは不明であるが、周末から前漢にかけて、前述の算法が『管子(かんし)』『呂氏春秋(りょししゅんじゅう)』『淮南子(えなんじ)』に記されている。さらに、漢代には方位や五行説と深く結び付いた。
日本へは奈良時代にこの中国の五声が移入されたが、平安時代になると日本式の五声が生まれた。それは、中国の五声の第五度(徴)を宮に読み替えた音階で、西洋音階のド・レ・ファ・ソ・ラに相当するものである。前者を呂(りょ)、後者を律(りつ)と区別した。その後、律の五声に新たなものも加わったが、中国の五声を呂、日本式の五声を律とよぶのが習わしとなった。
[山口 修]出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
呂律 |