2020年1月5日日曜日

ストレッチングの基礎知識~体幹部の側屈と回旋~脊柱の保護~股関節の柔軟性

横方向への運動を担当している筋肉は、日常生活における重要性が極めて高くなっています。体幹部の屈筋は、横方向への運動に加えて、脊柱(特に腰椎部)を支持しています。このため、痛みや筋スパズム(断続的に生じる一定の持続時間をもった異常な筋収縮状態)が発生しやすく脆弱な部位である腰部の保護の機能をもちます。

体幹の回旋を担当している筋肉は、体幹の側屈を担当する筋肉ほどには、日常生活における重要は高くありません。しかし、運動レベルがあがってくると、回旋筋がパフォーマンス(身体性能)と腰部保護の両面で重要性が高まります。

側屈・回旋ともに、最適な可動域を確保することと、左右非対称な筋肉バランスを対称に整えることを重視します。現実の生活では、身体の片側のみを使って同方向に体幹を回旋させることが多くなりがちです。筋肉連鎖にアンバランス(不均衡)が生じることによって、痛みの発生や障害につながることがあります。筋力を強化するとともに、筋肉連鎖を安定させて、腰部を保護する機能を高めるのが基本となります。

下背部(腰部)も頸部と同様に酷使されがちな部位です。下背部がこわばったままでは、深い睡眠をとることはできません。筋肉の緊張レベルが高いためです。腰部の筋肉をリラックスさせる必要があります。

脊柱起立筋の下部繊維が強すぎ、腹筋が弱くなると、過剰脊柱前湾(腰部)になることがあります。内臓下垂を伴います。正しい腹筋の強化によって、脊柱起立筋下部繊維がリラックスすると、問題は解消します。

腹筋が強すぎ、脊柱起立筋上部繊維(上背部)が弱いと、脊柱後弯(胸部)になることがあります。いわゆる猫背です。腰椎のカーブがなくなることにつながります。正しい背筋の強化によって、腹筋がリラックスすると、問題は解消します。

股関節の回旋筋には、腰椎の正常なカーブを維持する機能があります。回旋筋の柔軟性が不十分な場合、筋肉の硬さの影響で下背部(腰部)が牽引されてしまいます。結果として、腰椎の自然な湾曲が失われてしまいます。股関節の回旋筋が硬くなると、正確な動きをするのが困難になってしまいます。

正確なストレッチングによって筋肉の機能を改善することが基本だと考えています。


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