完全復調まで、もう少しかかりそうです。
4月19・20・21日の東京集中講座で、『肩甲帯と骨盤帯』の解説をします。
たとえば、歩行という運動をみてみましょう。
肩甲帯と骨盤帯の相反する動きにより、体軸内での回旋が生まれます。
上肢と下肢が協調運動し、安定した円滑な歩行の継続が可能になります。
体幹内の重心が一定に保たれて、動的重心移動が円滑になるからです。
肩甲帯(上肢帯・肩周辺機構)ですが、定義が流派によって違います。
今回は、肋骨・胸骨・鎖骨・肩甲骨・上腕骨の間に形成される各関節の複合運動としてとらえていきます。
一般的には、「肩甲骨+鎖骨」ですが、今回はこれで。
胸郭出口症候群や肩関節周囲炎など、身近な問題にからんでいると考えています。
骨盤帯は、自由下肢骨と胴骨との間に介在する骨で、背側部の腸骨、腹側部の恥骨と坐骨からなります。
これら3骨は互いに癒合し、寛骨を形成します。
寛骨の外面中央部の寛骨臼で大腿骨の大腿骨頭と、後上方部の腸骨耳状面で仙骨の耳状面と関節で結合しています。
左右の寛骨は、恥骨の前下端で線維軟骨によって互いに連絡しています。
体幹と下肢を連結する部分と考えています。
ちなみに、この研究面白いです。
→ 骨盤帯に着目した腰部障害の評価 骨盤帯アライメントと片脚立位の重心動揺
最近、急速に流行り出した『スター』系エクササイズ。
足関節の安定性が高まるので、好評なようです。
安部塾では『米シリーズ』として洗練された技となっておりまして、片脚立位のようなアライメントだけでなく筋の出力を要するような課題においての安定性には定評があります。
くどいですが、安部塾では足首まわしはやりません。
腰椎椎間関節・仙腸関節・恥骨結合・股関節に付着する筋は多数存在します。
筋の作用を、姿勢制御という観点に立って評価していかないと機能改善が進みません。
今回の東京では、このあたりの話をしていきたいと思います。
姿勢制御という基本を疎かにすると、先がありませんから。
上肢と下肢が協調運動すると、全身の動きが美しくなっていきます。
美しい動きは、さまざまな良いことの種となります。
肩甲帯と骨盤帯がそれぞれ十全に機能し、相反する動きをすること。
いわゆる『らせんの動き』を身につける楽しさを味わってください。