扁桃体 |
感情の源は、思い込みや信念です。
思い込みとは、強く信じて疑うことのない固定的な考え方です。
私たちは、思い込みを元に日常の行動の判断しています。
私たちの行動を制限している「~すべきだ」「~すべきではない」といった考え方を行動基準といいます。
主に親からの影響で、幼少期から形成されます。
自分自身をどうとらえているかという認識のパターンを、自己認識といいます。
私たちはそれぞれ独自の世界観を持っていて、その中で物事を判断しています。
そしてその思い込みは、過去の記憶と深く関係しています。
脳の前頭前野にある思い込みシステムと側頭葉にある記憶とによって成立しているのです。
感情には脳の大脳辺縁系にある扁桃体と海馬が関わっています。
扁桃体は脳神経細胞の集合体で1.5cmくらい、脳の中央に位置します。
感情を増幅させ、記憶を強化します。
思い込みと照合して、外界からの情報を評価します。
不安を感じるとストレスホルモンを分泌し、逃走・闘争態勢をつくります。
視覚・聴覚・味覚・触覚などの情報を元にして、快・不快を判断します。
ストレスを受けすぎると扁桃体が傷害し、うつ状態に陥ります。
慢性の痛み(腰痛や肩こりなど)は、扁桃体が障害された結果です。
海馬 |
海馬は記憶に関する脳細胞です。
タツノオトシゴのような形をしており、扁桃体とつながって連携をとっています。
海馬とタツノオトシゴ |
短期記憶=記憶の一時保存をします。
コンピュータのメモリのイメージです。
短期記憶を長期記憶にします。
また、長期記憶を引き出すゲートの役割を果たします。
外界の情報を記憶とを照らし合わせ、自分が知っている情報かどうかを判断します。
海馬は扁桃体と隣あっていて、快・不快の感情を海馬に伝えます。
感情を揺さぶるような出来事は、心に残りやすいのです。
視覚や聴覚の情報は、海馬によって側頭葉(長期記憶の保管場所)の記憶と照合されます。
このときの情報は現実である必要はありません。
頭の中で想像したことも、現実に起こったことも、脳にとっては同じことなのです。
側頭葉の記憶と照らし合わされた情報は、肯定的または否定的なものとして処理されます。
思い込みシステムの前頭前野と連携して情報が評価され、様々な感情が生まれます。
外界の情報と思い込みシステムが乖離しているほど、扁桃体が感情を増幅させます。
慢性の痛みを訴えるとき、その人は否定的な思い込みシステムを作動させているということです。
なんて解説を、12月3日(日)の安部塾薬院校開校3周年記念講座でやります。
御参加、お待ちしております。