2025年11月7日金曜日

正しい舌の位置(スポット)に舌を収めるパタカラ体操

 

👅 低位舌とは

 低位舌とは、舌が上あごの正しい位置(スポット)に収まらず、下の歯の裏側や口腔底に沈み込んでいる状態を指します。

  • 正しい舌の位置: 舌の先端が上の前歯の少し奥にある「スポット」と呼ばれる場所に触れ、舌全体が上あごに吸い付くように持ち上がっている状態です。

  • 低位舌の問題点: 口呼吸を招きやすくなる、いびきや睡眠時無呼吸症候群のリスクを高める、嚥下(えんげ)機能の低下、滑舌の悪化、歯並びへの影響(不正咬合)など、様々な健康上の問題を引き起こす可能性があります。


🏋️‍♀️ パタカラ体操と低位舌の関係

 パタカラ体操は、口の周り(口輪筋)舌(舌筋)の筋肉を鍛えることを目的としたトレーニングです。これらの筋肉を鍛えることが、低位舌の改善に直接つながります。

1. 舌筋の強化

  • 特に「」と「」の発音は、舌を上あごに押し付けたり、後方に引き上げたりする動作を伴うため、舌を正しい位置に保持するのに必要な舌筋を効果的に鍛えます。

  • 舌の筋力がアップすると、無意識下でも舌が正しい位置(上あご)に収まりやすくなり、低位舌の状態を解消する助けになります。

2. 口輪筋の強化

  • 」と「」の発音や、体操全体の動作は口輪筋(唇の周りの筋肉)も鍛えます。

  • 口輪筋が強化されると、口をしっかり閉じられるようになり、口呼吸から鼻呼吸への改善を促します。口呼吸の改善は、舌が下がりっぱなしになるのを防ぎ、結果として低位舌の改善にも寄与します。

パタカラ体操の具体的な効果

 パタカラ体操を継続することで、低位舌が改善されることにより、以下のような効果が期待できます。

  • 嚥下機能の向上(食べ物や飲み物を飲み込む力の強化)

  • 口呼吸の予防・改善

  • 滑舌の改善

  • 表情筋アップ


💡 パタカラ体操の基本とコツ

 パタカラ体操には主に3つの発音方法がありますが、まずは単音での発音をマスターしましょう。

1. 姿勢

  • 椅子に座り、背筋を伸ばし、顔は正面を向く。

  • 鏡を見ながら行うと、口や舌の動きを確認できて効果的です。

2. 基本的なやり方(単音)

「パ・タ・カ・ラ」のそれぞれの音を、大きく、ゆっくり、はっきりと、1音ずつ発音します。

基本的なやり方(単音)

3. 目標回数

  • 「パ・タ・カ・ラ」をそれぞれ10回、または続けて「パタカラ」と10回発音します。

  • これを1セットとし、1日3セット(食前など)を目安に続けると効果的です。


🗣️ ステップアップの方法

 慣れてきたら、難易度を上げてさらに効果を高めることができます。

1. 連続の発音

  • 「パパパパパ...」「タタタタタ...」「カカカカカ...」「ラララララ...」のように、それぞれの音を連続で素早く発音します。

  • または、「パタカラ、パタカラ、パタカラ...」と連続して発音します。

  • ポイント: 速くてもはっきり発音することを意識しましょう。

2. 文章での発音

  • 「パ・タ・カ・ラ」の音を含む文章を、大げさなくらい口を動かして発音します。

  • 例:「パンダのたからもの」を繰り返す

⚠️ 注意点

  • 無理はしないこと: 疲れたと感じたら無理せず休みましょう。

  • 鏡の活用: 自分の口がしっかり動いているか確認すると、意識的に筋肉を使えます。

 パタカラ体操は、低位舌の改善だけでなく、嚥下や滑舌にも効果があるので、日々の習慣にすることをおすすめします。