👅 低位舌とは
低位舌とは、舌が上あごの正しい位置(スポット)に収まらず、下の歯の裏側や口腔底に沈み込んでいる状態を指します。
正しい舌の位置: 舌の先端が上の前歯の少し奥にある「スポット」と呼ばれる場所に触れ、舌全体が上あごに吸い付くように持ち上がっている状態です。
低位舌の問題点: 口呼吸を招きやすくなる、いびきや睡眠時無呼吸症候群のリスクを高める、嚥下(えんげ)機能の低下、滑舌の悪化、歯並びへの影響(不正咬合)など、様々な健康上の問題を引き起こす可能性があります。
🏋️♀️ パタカラ体操と低位舌の関係
パタカラ体操は、口の周り(口輪筋)と舌(舌筋)の筋肉を鍛えることを目的としたトレーニングです。これらの筋肉を鍛えることが、低位舌の改善に直接つながります。
1. 舌筋の強化
特に「タ」と「カ」の発音は、舌を上あごに押し付けたり、後方に引き上げたりする動作を伴うため、舌を正しい位置に保持するのに必要な舌筋を効果的に鍛えます。
舌の筋力がアップすると、無意識下でも舌が正しい位置(上あご)に収まりやすくなり、低位舌の状態を解消する助けになります。
2. 口輪筋の強化
「パ」と「ラ」の発音や、体操全体の動作は口輪筋(唇の周りの筋肉)も鍛えます。
口輪筋が強化されると、口をしっかり閉じられるようになり、口呼吸から鼻呼吸への改善を促します。口呼吸の改善は、舌が下がりっぱなしになるのを防ぎ、結果として低位舌の改善にも寄与します。
パタカラ体操の具体的な効果
パタカラ体操を継続することで、低位舌が改善されることにより、以下のような効果が期待できます。
嚥下機能の向上(食べ物や飲み物を飲み込む力の強化)
口呼吸の予防・改善
滑舌の改善
表情筋アップ
💡 パタカラ体操の基本とコツ
パタカラ体操には主に3つの発音方法がありますが、まずは単音での発音をマスターしましょう。
1. 姿勢
椅子に座り、背筋を伸ばし、顔は正面を向く。
鏡を見ながら行うと、口や舌の動きを確認できて効果的です。
2. 基本的なやり方(単音)
「パ・タ・カ・ラ」のそれぞれの音を、大きく、ゆっくり、はっきりと、1音ずつ発音します。
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| 基本的なやり方(単音) |
3. 目標回数
「パ・タ・カ・ラ」をそれぞれ10回、または続けて「パタカラ」と10回発音します。
これを1セットとし、1日3セット(食前など)を目安に続けると効果的です。
🗣️ ステップアップの方法
慣れてきたら、難易度を上げてさらに効果を高めることができます。
1. 連続の発音
「パパパパパ...」「タタタタタ...」「カカカカカ...」「ラララララ...」のように、それぞれの音を連続で素早く発音します。
または、「パタカラ、パタカラ、パタカラ...」と連続して発音します。
ポイント: 速くてもはっきり発音することを意識しましょう。
2. 文章での発音
「パ・タ・カ・ラ」の音を含む文章を、大げさなくらい口を動かして発音します。
例:「パンダのたからもの」を繰り返す
⚠️ 注意点
無理はしないこと: 疲れたと感じたら無理せず休みましょう。
鏡の活用: 自分の口がしっかり動いているか確認すると、意識的に筋肉を使えます。
パタカラ体操は、低位舌の改善だけでなく、嚥下や滑舌にも効果があるので、日々の習慣にすることをおすすめします。
