2024年4月11日木曜日

三角のポーズ(トリコナーサナ) 自分の体の声に耳を傾け、痛みや刺すような感覚があればポーズを緩める。膝をロック、または過伸展させないようにする。

三角のポーズ(トリコナーサナ)

サイエンス・オブ・ヨガ(アン・スワンソン)118~121Pより

三角のポーズ トリコナーサナ(Trikonaasana)

 三角のポーズは体を強化することができる、しっかりと足をついて行う立位ポーズです。重力に抵抗し、前方に傾かないようにするために、脊柱と胸郭をひねる動作も含まれます。このような強度の高いポーズは、筋肉と骨の両方を強化します。

ポーズの特徴

 このポーズは、とくに体幹、大腿部、脚を強化します。脊柱に近いとことにある深部の筋肉は、脊柱を安定させるために引き締められ、脳へフィードバックを送って、心と体のつながりを高めます。

ポーズの効果

 三角のポーズのようなポーズでは、大腿部、股関節、背中の筋肉を強化することで、骨密度を高めるという効果もあると考えられる。このポーズを行う際は、自分の体の声に耳を傾け、痛みや刺すような感覚があればポーズを緩めます。また、膝関節には注意するようにしてください。

圧点

 どんなポーズでも、しびれやピリピリする感じ、電気が走るような痛みが起こったら、緩める、またはポーズを解く。同様に、刺すような鈍い、感覚がないような感じがある場合も、中止すべきである。これは、血管が圧迫されて血流が妨げられたために起こることである。

膝の過伸展

 三角のポーズなどすべての立位ポーズでは、膝をロック、または過伸展させないようにする。神経や血管を遮断する恐れがあるからだ。膝はほんのわずかに曲げ、180度に近いが安定する位置を見つける。筋肉は関節を支えるためにより強くはたらくので、さらに強化される。

引用ここまで

 明日より、東京ワークショップです。先月につづき、教本はサイエンス・オブ・ヨガです。

 安部塾では、ヨガやストレッチングでよく用いられる表現である「痛気持ちいい強度」を否定しております。アドレナリンやドーパミンなどのホルモンの影響により痛みを快感だと誤認してしまうため、「気持ちよさ」を基準にすると強度が高くなりすぎ、ケガや故障につながるためです。

 関節をロックさせたり、過伸展させることも否定しております。ゆるすぎる関節は、様々な問題を引き起こすためです。いまだに、「身体が軟らかいとケガをしにくい」という迷信を信じている人がいますが、実際には関節がゆるい人はケガをしやすくなります。

 あと、基本的な「ねじる方向」の間違いも問題を引き起こします。間違った方向にねじりながら力を入れていくとセルフ関節技状態になり、自己破壊が進行します。自分の知識や判断能力は思い込みの産物であって、現実に問題を生じているのであれば間違っているのだという認識が必要です。間違ったやり方を積み重ねていくと、そこに待っているのは地獄です。

 厄介なことに、身体の使い方が間違っていて、りきんだ動き(やっている感のある動き)を正しいと自認していると、「正しい使い方をしている人(りきみのない動きをしている人)」のことを否定するようになります。その人の目には、りきんでいない動きは間違っているように映るからです。

 ポージングの仕組みや感覚を理解するのに、三角のポーズは最適だと考えております。


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