若く活動的な人の筋膜と、老いて非活動的な人の筋膜。 |
「手技療法とオステオパシーにおけるトリガーポイントと筋肉連鎖(GAIABOOKS)31Pより
筋膜は結合組織の一部である。結合組織はコラーゲン繊維、弾性繊維、細網繊維、筋細胞、骨組織、軟骨細胞を含み、繊維芽細胞、神経膠細胞、コラーゲン繊維、弾性繊維から形成されている。
筋膜はすべての体細胞を覆って、全細胞を結びつけている。筋膜が身体を支え、形づくっている。
これから説明する筋膜の機能は、英語ではPackaging,Protection,Posture,Passagewayで「4P]と呼ばれている
Packaging(包装機能)
筋膜は身体の全構造を覆う。個々の構造を分けると同時に結びついている。その部位で抵抗力を持つ。抵抗力が筋膜の可動性の決め手となる。
Protection(保護機能)
筋膜が全器官を覆いながら構造を支えて保護している。組織の密度が異なっていることで構造に抵抗力がつく。その部位で抵抗力が保たれ、筋膜の可動性の決め手となる。
Posture(支持機能)
姿勢つまり平衡状態は運動器が定める。固有受容器は身体の筋膜構造の中に存在する。筋肉中の筋紡錘とゴルジ腱受容器、靭帯と関節包の中にあるパチニ小体とゴルジ小体は体位性のトーンを調整して、必要に応じて外部からの誘因による姿勢の変化に順応させる。その際には筋肉が活動して、筋膜が結びつける役割を果たす。
自由神経終末や痛み受容体は筋膜に多数存在する。何人もの著者が組織の記憶機能を認めていて、特定の運動パターンや外傷、負傷が筋膜面で記憶されると推測している。
結合組織は負傷のエネルギーを「エネルギー嚢子」の形で記憶する。この組織変化を施術者は感じ取って治療することが可能だ。
Passageway(通路機能)
筋膜は神経、動脈、静脈、リンパ管のための通路をつくる。分泌管と排出管は結合組織から形成されている。したがって新陳代謝の全プロセスで筋膜は重要な役割を果たす。結合組織が臓器を形作り(肝臓、脳下垂体、副腎)、酵素とホルモンを含む小胞を作る(胆嚢、リンパ節)ので、筋膜の緊張は臓器の機能や新陳代謝に影響を与えることになる。
生体のホメオスタシスが結合組織の状態に左右されるのは明らかである。
引用ここまで
特定の運動パターンが筋膜で記憶されるわけですが、その人が着たがる服と筋膜の関係も観察することができます。
筋膜の状態が良好な人は、体型がよくわかるパリッとした服を着たがりますし、着こなしもスマートです。色彩もバランスがよいものです。
筋膜の状態がよくない人は、体型を隠すような服を着たがりますし、着こなしもダラッとしています。色彩も、いわゆる柄on柄だったりでバランスがよくありません。
正しい指導に基づくエクササイズによって筋膜の状態がよくなると、服の好みが変わります。ただ鍛えただけだと、ピタピタ系のウエアを好むようになるので、違いがわかります。