https://www.pinterest.jp/pin/711639178588653129/ |
日々の生活の中で姿勢と呼吸と動きを改善していくためには、肩の力を抜くことが大切です。とはいえ、動きがぎこちない人ほど、肩の力を抜くのは難しいと思います。
肩の力が抜けない人を観察してみると、「動くときに必要以上に力を使いすぎている」のがすぐにわかると思います。不要なりきみでガチガチになっている印象を受けるはずです。姿勢保持や動作には、最低限必要な力だけを使うのが基本なのですが、りきみすぎて体を自由自在に動かすことができなくなっています。
頭部の位置異常による姿勢崩壊に伴う筋肉の過剰緊張により、体が動きづらくなっていることが多いと思います。頭部の位置異常は思い込みの激しさにつながると考えています。「情報を受けとったときに、それが真実か・どういう状況で起きているのかといった冷静な事実確認をせずに、『自分の考えが絶対に正しい』と思い込んでしまう」という特徴が見られます。
相手の何気ない言葉を激しい思い込みでとらえてしまうため、注意や指摘をされた際に、「非難された・責められた」と受け取り、相手が真に意図した内容を正しく理解しようとせずに、思い込みで相手の意見を判断してしまいます。そして、その考えが、さらなる筋緊張を生み出してしまうという悪循環につながります。肩に力が入っている状態では、冷静な判断をするのが困難になるのだと思います。
「最小限の力で制御してください」とすすめると、「え?こんなんじゃ効かないですよ」「やった気がしない」という反応をされる方が多く見られます。実際に、腕も脚も体幹もよく伸び、よく動くようになるにも関わらず、元の「短縮させる体の使い方」に戻そうとされます。いつもやっている動作の感覚を「正しい」と思い込んでいるからだと思います。
人によっては、肩の力が抜けている状態を「さぼっている」「怠けている」と感じることもあるようです。重力に負けてつぶれてしまうとダメですが、重力に抗うことができる最小限の力でいることは効率的・機能的な状態であり、むしろ理想的なあり方だと思います。りきんでいる状態は、「労多くして功少なし」「労多くして益少なし」という状態になりがちです。
脊柱がつぶれたまま=短縮したままで動いたり考えたりすると、脊柱が長く伸びた状態で動いたり考えたりする場合に比べて、とても疲れます。『自分の考えが絶対に正しい』と、肩に力を入れている人たちがみな一様に慢性的な疲労感を訴えているのをみれば、その意味がよくわかると思います。首や肩の不要な筋緊張をなくしていく=肩の力を抜く練習がもたらす果報は、とても大きいと考えています。
7月の各地の講座で、「体の余計な力を抜く」ということをテーマに解説いたします。
☆下関集中講座
■7月3日(土)
→ 詳細
☆機能運動学大牟田サークル
■7月4日(日)
→ 詳細
☆東京集中講座
■7月9・10・11日(金・土・日)
→ 詳細