2017年4月11日火曜日

股関節のお話(私見)~力積で動きを考える

先日の集中講座参加者から質問が。

参加者からの質問1

参加者からの質問2

返答を書いてみる。

■縄跳び(スキッピングロープ)が必要ない理由。

 「骨の成熟」とは、「骨端線の消失(閉鎖)」。成長期の骨端線に刺激を与えることは、成長ホルモンとの絡みでメリットが多い。ただし、その場合も、損傷させない程度の刺激で充分。だと言える。
 骨が成熟した後は、関節に刺激を与える際、速度を落として持続時間を増やした方がいいと考える。物理法則の基本である、「運動量の変化は力積に等しい」を適用する。
力積
※力積=力の大きさと力が働く時間を掛けあわせたもの。他の物体の運動量をどれだけ変化させるかをあらわす。
 必要なのは、ぴったりとはまり合った関節に低速度の圧力(小さな最大の力)を、じっくりと加えること。はまっていない状態の関節に高速度の衝撃(大きな最大の力)を与える必要はない(デメリットがメリットを上回る)。もっとも、筋肉や靭帯の受容器の性能・脳機能の性能が良い関節を完全にはめて動ける者は、いくらでも飛び跳ねても問題ない。
 健全な関節を維持するためには、毎日しっかりと負荷を加える必要がある。安部塾では、低速度の重い負荷をじっくりかけていくことが大切だと考えている。

健全な股関節・損傷した股関節

■股関節のおさまり

 この場合も、靭帯や筋肉の受容器と神経の機能を磨きあげるのが基本だと考える。関節における骨の位置を決めているのは、靭帯や筋肉の受容器だからだ。ただし、医師以外の人間が、診断や治療をするのは法的に許されないので、あくまで私見である。


細かな話は、次回お会いした時にしたいと思う。