2015年3月4日水曜日

上後鋸筋・下後鋸筋を使った身体操作ブームが来るか(笑)?

上後鋸筋・下後鋸筋を使った身体操作ブームが来るかもしれないので、少し詳しく書いてみることにしました。


■吸う~上後鋸筋(僧帽筋と小・大菱形筋の下)

■吐く~下後鋸筋(広背筋の下)

上後鋸筋・下後鋸筋

で、これがうまくいかないんですよね。

上に、これらの筋肉がありますから。

菱形筋・僧帽筋・広背筋

よほど感覚が良くないと、これらの筋肉を固めてしまうことに。

すると何が起きるか?

呼吸が深くなるどころか、浅くなって息苦しくなります。

理由を、少しだけ紹介。


小菱形筋

・起始 頸椎6番~7番椎体棘突起

・停止 肩甲骨内側縁上部

・作用 肩甲骨を内方に引く(背骨に近づける)・下方回旋・挙上

※上位肋骨を前にひろげる(肩甲骨を後ろに引く)=吸う息の補助筋

小菱形筋が固まる→息苦しい(吸えない)

小菱形筋と肩甲骨

大菱形筋

・起始 胸椎1番~4番椎体棘突起

・停止 肩甲骨内側縁下部

・作用 肩甲骨を内方に引く(背骨に近づける)・下方回旋

※上位肋骨を前にひろげる(肩甲骨を後ろに引く)=吸う息の補助筋

大菱形筋が固まる→息苦しい(吸えない)


僧帽筋

・起始

上部僧帽筋 後頭骨上項線・項靭帯
中部僧帽筋 胸椎1~6番椎体棘突起・棘上靭帯
下部僧帽筋 胸椎7~12番椎体棘突起・棘上靭帯

・停止

上部僧帽筋 鎖骨の外方1/3
中部僧帽筋 肩甲骨の肩峰・肩甲棘
下部僧帽筋 肩甲棘

・作用

上部僧帽筋 肩甲骨を内方に引く(背骨に近づける)・挙上・上方回旋
中部僧帽筋 肩甲骨を内方に引く(背骨に近づける)
下部僧帽筋 肩甲骨を肩甲骨を内方に引く(背骨に近づける)・下制・下方回旋

※僧帽筋は「吸う息」の筋肉としても作用します。

僧帽筋が固まる→息苦しい(吸えない)


広背筋

・起始 胸椎5番~腰椎5番棘突起・第9~12肋骨・仙骨・腸骨稜

・停止 上腕骨の小結節稜

・作用 上腕を内側・後方に引く

※広背筋は「吐く息」の筋肉としても作用します。

広背筋が固まる→息苦しい(吸えない)

※広背筋が固まっている人は、腕があがりません→吐けない。
広背筋
・・・・・・とまあ、こんな感じです。


つまり、これらの筋肉を使う瞬間に、筋肉特性に合わせて吸う・吐くの選択をすればよいわけです

安部塾の身体操作は、そのタイミングを緻密に計算してつくられています。

仙骨と後頭骨の同期・声帯と横隔膜と骨盤隔膜の同期・呼吸筋の同期・・・・・・

最低限、そのくらいはできてないと効きません。


上後鋸筋・下後鋸筋の使い方だけやっても効果薄なので、ブームは来ない模様w