症状
幼児のころから足裏が平べったく、大人になってもそのまま残っているタイプの扁平足では、痛みはあまりありません。これに対して中年以降に発症する扁平足では内側のくるぶしの下が腫れ、痛みが生じます。
初期には足の扁平化は目立ちませんが、しだいに変形が進みます。つま先立ちがしにくくなり、さらに進行すれば足が硬くなって歩行が障害されます。
原因と病態
足にはアーチ構造があり、効率よく体重をささえています。内側のくるぶしの下に、アーチをつり上げる働きをする後脛骨筋の腱が通っています。年齢による腱の変性や体重の負荷によって、この腱が断裂すればアーチは低下します。成人期の扁平足は女性に多く発生します。
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扁平足 |
多くの場合、過回内によるアーチ(足弓)つぶれが観察できます。後ろから見るとかかとが外に傾いています(後足部外反)。前足部の外転も観察できます。後天性扁平足は、肥満(過体重)、運動不足、足のケガ、間違った体の使い方、足底腱膜炎など、さまざまな原因で起こります。
過回内の右足 |
回外しすぎると、ハイアーチになります。→方向に各骨が動くからです。
ハイアーチとローアーチ |
足のアーチを支える靭帯や腱が加齢によって変性したり、無理な運動などによって損傷したりすると足のアーチが維持できなくなります。肥満体型の人や中年以降の女性に後脛骨筋腱機能不全(後脛骨筋腱が加齢性変化や体重負荷によって断裂する)や変形性足関節症が起きやすいようです。安部塾では、繰り返し過体重負荷をかけるのを戒めています。
長母趾屈筋と長趾屈筋が舟状骨を真下から支えて、足底のクッションの役割を果たしています。しかし、長母趾屈筋と長趾屈筋だけでは体重を支えることはできません。舟状骨を上に引き上げるのが前脛骨筋と後脛骨筋の働きが必要になります。これらの筋肉をほぐし整えることによって、過回内を改善するための第一歩が踏み出せます。
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