2020年10月27日火曜日

身体の使い方が美しい人は、その声も美しい。発声は運動。

 

発声は運動

一般的な運動に適用できるルールはすべて、話すことにも適用できます。話すことは運動だからです。美しい声で話せている人は、発声が運動であることを体現できています。発声を運動として筋感覚的に認知し、モニターすることができるので、一般的な運動が楽に効率的に美しくおこなわれるようにするのと同じように、その声は聞き惚れるほどに美しくなります。たおやかにやわらかく伸びた首と、ひろがりのある胸、綺麗に長く伸びた脊柱……その姿同様に、よく通る澄んだ声を発します。

緊張が伝わってくるようなりきみのある発声で話す人は、発声を運動と考えていません。のどをつぶしながら絞り出すようにノイズだらけの声を発します。発声を運動として筋感覚的に認知することができず、モニターすることができないので、一般的な運動が苦しく非効率的で醜くおこなわれるのと同じように、その声は耳をふさぎたくなるほどにきたなくなります。太く短くつぶれた首と、狭い胸、醜く短くつぶれた脊柱……その姿同様に、通らない濁った声を発します。

のどや舌が硬いのは、首が硬いからです。首が硬いのは、楽に呼吸ができていないからです。楽に呼吸ができないのは……続きは、オンライン塾生講座にアップしております。10月の集中講座でも解説いたします。

■10月29日(木) 大阪集中講座

■10月30日(金) 名古屋集中講座

■10月31日(土) 神戸集中講座

発声は運動です。それが理解できると、動きと呼吸の質がよくなっていきます。

2020年10月26日月曜日

肩甲骨は肺を守る盾。楽に呼吸ができている人は美しい。

 「肩甲骨は、肋骨とともに肺を守る盾」と考えられております。

肩甲骨は肺を守る盾

肩甲骨が肋骨とともに肺を保護しているというイメージがあれば、動きが変わるかと思います。

肋骨と脊椎の接続

各肋骨は椎骨に肋椎関節でつながっています。12関節×左右なので24か所あります。背中が狭くなっている人は、この関節が詰まって動きにくくなっています。また、押し下げによって背中が短く狭くなってしまい、肺よりも下に位置する11・12番肋骨(浮遊肋骨)が圧縮されることにより前に押しだされてしまっています。肋骨が押し出された時点で、姿勢の崩壊とともに体型の崩壊も始まります。

肋骨は後方から前方に傾きながら胸の肋軟骨につながっています。なので「バケツハンドルアクション」という動きをします。この機能により、息を吸うと肋骨は上に・外側に動き、息を吐くと肋骨は下に・内側に動きます。肋骨と肋骨の間にある肋間筋は、呼吸の際に筋肉がする仕事の25%程度活動します。そして、歩くときバネのようにはたらくので、呼吸改善は歩行改善につながることになります。

「楽に呼吸で来ている人は美しい」と、よく言われております。筋感覚が高い人は、呼吸の動きに気づいているものです。もうおわかりだと思いますが、筋感覚が高い人の肩甲骨の動きの美しさは肩甲骨エクササイズや肩甲骨ストレッチングでつくられているのではなく、楽に呼吸をする能力によってつくられているのです。さらに言えば、上肢の動作と呼吸が調和しているということなのです。

姿勢・体型が美しい人の肩甲骨は盾の役割を果しています。


10月の集中講座で、肩甲骨と肺と肋骨について解説いたします。
■10月29日(木) 大阪集中講座
■10月30日(金) 名古屋集中講座
■10月31日(土) 神戸集中講座

2020年10月23日金曜日

無駄な力をいれず、不要な緊張しない。立つこと秤(はかり)の如(ごと)く~縦横の軸が真っ直ぐ・平らであれば、自由に動くことができる。

立つこと秤(はかり)の如(ごと)く

「一動全動~身体の一部が動けば全身各部で動かない部分はない」

「陰陽相済~一方は腰(下丹田)へ沈み、もう一方は頭頂(百会へと上昇する」

「虚霊頂劲~鎖骨と肩甲骨をゆるめ、肩を沈め胸をひろげる=含胸。背中と腰に息を吸う=抜背⇒抜背。首から頭頂へと上昇していく劲が生まれる」

「沈肩墜肘~腕の拙力を消し、下部肋骨をゆるめ横隔膜を下げて息を吸う」

「虚領頂勁~首のりきみをゆるめ、軽くする。頭頂を軽く引きあげる」

首の力みをゆるめる(虚)にすると、丹田に気が満ちてきます。

日本では、「鼎ノ如二立チ(かなえのごときにたち)」とされます。

鼎ノ如二立チ

鼎(かなえ)

人体は、頭の向きの変化に対応して、全身の筋肉の状態が追従して変化していく構造になっています。「真っ直ぐに伸ばす」というのは、「無駄な力をいれず、不要な緊張しない」ということです。「真っ直ぐに伸ばそう」という邪念・邪心があると、魔がさします(判断や行動を誤ります。姿勢を正そうとすればするほど、カチカチに固まってしまったり、グラグラになってしまったりすることになります。

「人は見ている方に進む」という原則があります。正しい目標があると動きに無駄がなくなります。間違った目標であれば、無駄な動きしかできなくなります。

車のコーナリングがわかりやすいのですが、曲がるときは進みたい方向をしっかり見ることが重要です。外側にふくらんでしまいそうなときは内側を見ます。緊張して外側を見てしまえば、より外側に寄っていってしまう結果となります。内側に巻きこみそうなときは外側を見ます。緊張して内側を見てしまえば、より内側に寄っていってしまう結果となります。興味がある方は、ドリフト走行の教習を受けてみられると体感できるかと思います。人というのは、見ただけでその方向に向かってしまうものなのです。

“Beware that, when fighting monsters, you yourself do not become a monster… for when you gaze long into the abyss. The abyss gazes also into you.”
怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。深淵をのぞくとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。
フリードリヒ・ニーチェ『善悪の彼岸』146節より

「緊張しないようになければ」と、緊張に目を向ければ向けるほどに、緊張そのものになっていきます。緊張をのぞくとき、緊張もまたこちらをのぞいているのです。

身体の使い方を学ぶとき、心しておかねばならないことだと思います。

2020年10月22日木曜日

はじめに姿勢と呼吸を正してから運動しましょう。すべての動きはコアから始まります。

すべての動きはコアから始まります。コアは胴体を包み込んで身体を支え、正しい姿勢をつくります。動きはすべてコアから始めることが求められるため、コアを意識するということが不可欠です。正しい状態の背骨と平らなお腹を手に入れるためにも、コアを強くすることが不可欠です。不必要な筋収縮をやめ、身体の筋肉組織を長く幅広く回復させる必要があります。

運動する前に、姿勢と呼吸を正すべきです。

すべての動きはコアから始めることが不可欠

日本には、「調身・調息・調心(ちょうしん・ちょうそく・ちょうしん)」という考え方があります。私は、「身(姿勢)を整え、息(呼吸)を整えることで、心が整う」というように解釈しております。

日常生活における一挙手一投足、自分の姿勢に気を配っていくことで、自然と呼吸も整ってきます。姿勢を正していくためには、身にまとう衣服はもちろん、生活習慣をも正していくことが求められます。健康管理を徹底してていくことも「調身」につながっていきます。

2020年10月20日火曜日

お腹を引き締めるやさしい巻きあげ

 

巻きあげ(お腹の引き締め)

お腹を引き締める際、×のやり方になっていると結果につながりにくいと思います。安部塾では、お腹を平らに保ったまま、背面側を伸ばすことで巻きあげをおこないます。下の動画のイメージで息を吐きながらおこないます。


基本通り、背中は広く長く、胸をひろげて、首を楽にして動かします。 

2020年10月14日水曜日

お腹とアンダーバストを引き締める上体のねじり方

 昨日のKANON集中講座で、お腹とアンダーバストを引き締める上体のねじり方の解説をしました。

上体のねじり方

上体のねじり方

上体のねじり方

安部塾では、アンダーバストを締めるためには胸をひろげる必要があると考えています。

吐く息で胸をひろげる

胸がひろがることで、結果的にお腹が引き締まります。ブログでの解説は難しいので、実際にレッスンや講座で確認していただければと思います。

2020年10月12日月曜日

関節を解放し、脊柱を伸ばし、背中と胸をひろげる。

昨日は、飯塚ワークショップでした。内容の一部を、AkiさんとYuukiさんの写真で紹介いたします。

下位肋骨を締めながら胸をひらく

腰とお腹をゆるめて横隔膜を解放する

胸をゆるめて首を解放する

胸をひらく(チェストオープナー)

どの動きも基本中の基本で、はたから見ているだけでは何をやっているのかまるでわからないと思います。しかし、きちんとやれた後の改善効果は気持ちがよいので、参加された方々は、休憩時間も練習されてありました。「わかるひとにはわかる」内容であり、簡単ではありません。簡単でないからこそ価値があり、毎日の地道な練習の積み重ねと基礎の積みあげがもたらしてくれる果報(よい運を授かってしあわせなこと)があるのだと思います。

人は、安易に楽な道を知ってしまうと「甘え」がでてきてしまうようになることがあります。「アディクション=嗜癖(しへき)」といいます。ある物質や一定の行為にひどくのめりこみ、日常生活に害があるとわかっていながら、自分ではコントロールができない、そうせざるを得ない不健康な習慣へ耽溺することです。特定の行動過程に執着し、その行動を抑えがたい欲求や衝動があり、有害事象が起きてもその行動をやめません。

意志薄弱、依存的、未熟性、逃避的、自信欠乏、情緒不安定、自己中心的、顕示的……な人は、行動嗜癖(衝動制御障害)に溺れやすいそうです。

私は「エクササイズは歯磨きのように当たり前にやるほうがいい」と考えております。やった感のある運動に耽溺するのは行動嗜癖だと思います。その代償はとてつもなく大きく、果報はありません。

歯磨きのブラッシング圧が強いと、歯の表面や歯肉にダメージを与えてしまい、症状を悪化させてしまう可能性があります。


同様に、運動の圧が強すぎると、身体にダメージを与えてしまいがちです。私が、「やってる気がしない」という基本運動を推奨し、「呼吸の力で動いてください」と力説している理由です。

10月16・17・18日(金・土・日)の東京集中講座で、詳しく解説いたします。