2021年8月25日水曜日

股関節・肩関節を潰(つぶ)さない・詰まらせない身体の使い方

  身体の動きが悪い・きたない人の股関節・肩関節の使い方を観察してみると、潰したり、詰まらせたりして動いているのがすぐにわかると思います。脊柱の伸長と荷重移動ができていないこととが主たる原因であることが多いと思いますが、股関節窩(か)・肩関節窩に大腿骨頭・上腕骨頭を引き込むような過剰緊張状態があるはずです。

 結果として、骨頭が関節窩の正規の位置から外れて動くこととなります。当たり前のことですが、本来の位置に骨頭がないということは、本来の機能を発揮することができなくなり=正しく動くことができなくなり、身体全体の動きのコーディネーション(適切に組み合わせること)ができなくなってしまいます。

 コーディネーションができていない動きは円滑さ(スムーズさ)がありません。ギクシャク(間がきしんで、なめらかに動かないさま。)した動きとなり、姿勢の制御に脳神経系のリソースをとられる結果、さまざまな処理能力の低下をきたし過緊張状態を悪化させることになります。詳細は、松尾佳世子さんのこの記事をお読みください。

→ 常に脳は、体の安定性を優先させたい。より抜粋引用

 ヒトの体は、「物事を認知する」ことよりも「姿勢のバランスを保つ」方を優先させる。歩きながら会話したり、お昼何を食べようかなと考えたりすることはそんなに難しいわけではないと思います。それがもし、安全装置無しで綱渡りしながらだとどうでしょう? 

 会話する余裕もなければ、考える暇もなくなると思います。

 最終的に脳は、認知機能よりも身体的機能を優先させるようになる。しつこいが、常に脳は、体の安定性を優先させたい。だから、姿勢の制御で脳が手一杯のときはいろいろと考えるとか理解するといったことは後回しにされる

 つまり、体がうまく動けなくなればなるほど、相手の話の内容が理解できなかったり、外の世界の状況や環境が把握出来なくなる確率が上がってくる。空気読めず、変な態度とったり、言わなくていいことを言ってしまったり。気まずい雰囲気になっても、認知機能が低下していると気づくのは難しい

引用ここまで

 動きがきたない人が対人関係でやらかすことが多いのは、姿勢の制御でいっぱいいっぱいになってしまう結果であることが多いという推測が成り立つと思います。実際、股関節や肩関節がぴったりとハマって全身のコーディネーションができている動きが綺麗な人は、打てば響く(働きかけるとすぐに反応する。)ものです。動きがきたない人は、まわりの状況にまるで気がついていないことすらあります。

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