それが、コンプレッションストレッチングです。
よく勘違いされますが、マッサージではありません。
癒着・短縮硬化した筋肉に、垂直に圧をかけていきます。
ソフトな安定持続圧でタツチすることで解放(リリース)され、筋肉が緩んできます。
徐々に圧を増して、表層から深層へと、段階的に緩めていきます。
ハードで鋭い圧をかけると痛みを感じやすくなります。
安定持続圧で少しずつ圧を増していくことで、痛みが少なくなります。
毛細血管やリンパ管に、損傷を与えずに済みます。
筋肉が硬いからといって、力づくで無理をしても筋拘縮は解放されません。
神経レベルで反発が起きるので、よけいに拘縮を増すだけです。
なるべく苦痛を伴わない強さで、時間をかけてゆっくりと伸ばしひろげます。
癒着・硬直していた筋肉が解放されて、伸縮性が改善します。
今回は、『筋肉でショートポールを圧迫しながら転がす』というやり方を教えました。
コンプレッションストレッチング ハムストリングス(もも裏) |
コンプレッションストレッチング ふくらはぎ |
コンプレッションストレッチング ハムストリングス(もも裏) 両足 |
筋膜は、伸縮性に富む線維性結合組織でできています。
性質上、安定持続圧を加えると、ゲル(粘性)からゾル(液体)に変化します。
それが、筋肉がほぐれるということです。
萎縮していた筋肉や関節の柔軟性が回復する理由です。
※ゲル
高い粘性を持ち流動性を失い、系全体としては固体状になったもの。
※ゾル
分散系の一種で、液体を分散媒とするコロイド。
※コロイド
一方が微小な液滴あるいは微粒子を形成し(分散相)、他方に分散した2組の相から構成された物質状態である。膠質(こうしつ)と呼ぶこともある。
筋肉がほぐれると、姿勢への負担が軽くなり、呼吸が楽になります。
リラックス効果とともに、血液・リンパ液の循環も促されます。
終了後の、参加者のみなさんの楽しそうな笑顔が印象的でした。
筋膜のお話の続きは、またの機会に書きたいと思います。