2014年6月13日金曜日

ストレッチは有害というお話(その3)

好評なので第3弾です。


静的ストレッチングやストレッチング系ヨガの指導者の方が、こんなことをおっしゃることがあります。

「私は運動音痴なんですよ」

そうなのです。

球技や瞬発系スポーツが苦手だったからこそ、静的ストレッチングにハマったのかもしれないのです。


運動センスがないがゆえ、何の疑問も抱かなかった可能性があるのです。


「球技が得意だったり、瞬発系スポーツが得意な人は、静的ストレッチングにハマりにくい」

そう感じている指導者は、僕だけではないと思います。


なぜなのでしょうか?

「静的ストレッチングとは、重心を固定して伸張反射を抑えつつ筋肉を伸ばすこと」だからです。

自然な関節運動・脊髄反射・重心移動といった身体機能を低下させることで成立するわけです。

運動機能が低下することが本能的にわかる運動センスがいい人は、静的ストレッチングを避けるのです。


ケガをしやすくなるのも同じ理由です。

伸張反射を抑える癖がついてしまうと、バネ=関節の遊びがなくなります。

遊びがなくなった関節は、簡単に壊れてしまいます。

必要以上にゆるすぎる関節は、衝撃を吸収する力を失ってしまうからです。


伸びすぎた筋肉はもろくなり、運動効率が悪化します。

エネルギーの利用効率は、関節が硬くて可動範囲が狭い人の方が優れています。

関節が軟らかくて可動範囲が広い人ほど、エネルギー効率が悪化します。

効率の悪化が、ケガにつながるわけです。


筋肉の過剰緊張状態=短縮硬化の改善には、静的ストレッチングは有益です。

また、股関節と肩関節にのみ関して言えば、らせん系の柔らかさを高めると有益です。

そんな理由で、僕のクラスでは、股関節と肩関節を中心としたらせんの動きを練習しています。

「痛みを感じるような伸張動作はしない」のが、僕のポリシーです。


このあたりの理屈が体で理解できると、所作が美しくなります。

無理のない合理的な動きは美しいからです。

美しい動きは、反射と重心移動でつくられます。

はた目に『軸』が感じれるので、見惚れてしまうことになります。


・・・・・・まだまだ続くかも。