「体が硬い人の方がケガをしやすい」
割と信じられている迷信のひとつです。
実際には、過度に軟らかすぎる人の方が、炎症や捻挫や脱臼などの障害に悩まされがちです。
関節を安定させる筋力が弱い=関節がゆるい人ほどダメージを受けやすいのが現実なのです。
靭帯は、一定方向への動きを制限してくれます。
関節を静的に支持して、動きを安定させてくれるのです。
そして、細かな関節の動きを、筋肉が制御してくれます。
靭帯や筋肉が伸び過ぎたらどうなるかは、容易に想像できますよね。
体が軟らかすぎる指導者と仲良くなってみればわかります。
関節がゆるいがために、予想以上に故障を抱えていることが多いのです。
関節の可動域は適度にあれば充分です。
可動域の制限を越える状況に陥った場合、速やかに制御できる筋力がある方がいいのです。
関節の可動域が過剰な場合は、危険性が高まります。
可動域の制限を越えるような状況に陥った場合に、それを制御する筋力がないと最悪です。
だから僕は、関節の動きを安定させてくれる筋肉を鍛えてもらっています。
面白いことに、適度な柔軟性も備わってきます。
『無理やり伸ばすのではなくて、関節の安定性を高めることで体をやわらかくする』
それが僕たちのやり方です。
関節の安定性が高いことで中心軸が定まり、所作のひとつひとつが美しくなります。
不安定な関節から生まれる動きは、気味が悪くて汚いと感じられることが多い気がします。
関節の安定性を高めるようなエクササイズに力を入れることが大切だと思います。