『体が硬いからヨガなんてできません』
常套句なんだけど、ちょっと心配になってしまう。
『筋肉が硬い』という状態は、想像以上に深刻な事態。
それは、筋肉が『粘性・弾性を喪失している』ということだから。
粘性=ねばりけがある液体が持つ性質
弾性=弾力のあるゴムのような性質。
僕の筋肉に触れた人が『液体??』と感じるのはこのため。
本来の筋肉は、液体が入ったゴム風船のような触感なのだ。
筋肉が硬くなると、粘性・弾性を失う。
効率が悪くなり、動きが滞り、疲労しやすくなる。
弾性を失った筋肉は衝撃を吸収できないため、関節が壊れる。
よく見かける『関節がゆるい人』にケガが多いのはこのため。
いっそ、関節ごと硬い方が、ケガはしにくいんだよね。
体の歪みも、筋肉の粘性・弾性の喪失が原因のことが多い。
硬くなった筋肉は伸びにくくなる=短縮する。
短くなった筋肉は、頭蓋骨や脊椎や骨盤を、その方向へ引っ張る。
正しく筋トレすると、肩こりや腰痛が消滅するのはこのため。
粘性・弾性を失った筋肉は、毛細血管を圧迫する。
酸欠・栄養失調に陥った筋肉は、ますます硬くなる。
後は、坂道を転がるような負の連鎖でボロボロになっていくだけ。
『体が硬いから ヨガなんてできません』→×
『体が硬いから ヨガやります』→○
筋肉が硬い人ほど、ヨガの恩恵を受けることができるのだ。
僕は誘導するときに、『無理に筋肉を伸ばさないでください』と連呼する。
粘性・弾性を失った筋肉を無理に伸ばすと壊れてしまうから。
固まった筋肉は、筋トレでやわらかくする。
やわらかくなってから、ストレッチングで伸ばしてあげればいい。
ケガをさせないプログラム構成を、分析してみるといい。
姿勢保持(バランス)→ストレッチングの流れになっている。
下手すると、ストレッチング的なことを一切やらないイントラもいる。
僕自身、健康目的なら正確なフォームで筋トレすれば充分だと考えている。
体が硬い人は、筋トレ的なヨガからはいると楽しいと思う。