身体操作の基本に『脊柱の伸長』がある。
軸伸長とか軸伸展と言われることもある。
頭頂と尾骨(坐骨)を遠ざける意識でおこなう。
ウエストが締まり、首が楽になる。
腰椎部が安定することで、頸椎部が解放されるためだ。
脊柱が歪んで見えるのは、脊柱の長さが縮んでいるためだ。
本来の長さまで戻してあげれば、歪みは消える。
肺は、吐いたときが本来の大きさだ。
吸ったときには、ふくらんだ状態にある。
当然、横隔膜は下がり、胸郭はふくらんでいる。
面白いことに、脊柱は吸ったときに平坦化する。
身体操作の誘導において、「息を吸って骨盤底筋群を締めて、脊柱を伸ばして」という文言が使われる理由を考えると楽しい。
今日のレイゾーナの解剖学講座で、この解説をする。
キャットで腰を丸めるときに息を吸う理由。
坐骨を膝裏に近づける理由。
体幹の動きと呼吸のつながりは深い。
思いこみが通用しない世界。
先人たちが残してくれた身体操作技法は、ほんとに素晴らしいと思う。
身体操作の世界には、「~だけやればいい」は存在しない。
「やれることはすべてやる」のが基本だ。
いや、「必要な動きはすべてやる」という感じかもしれない。
そして、まずはじめに脊柱の伸長がある。
安部塾の身体操作も、脊柱の伸長から始まる。
今日は、水平器を使って骨盤の中間位を出したうえで、脊柱の中間位を出していこうと思う。
明日の大阪集中講座と土曜の神戸集中講座でも、脊柱の伸長の解説をする。