明らかに、関節まわりの感覚が鈍感なのがわかると思います。
鈍感であるがゆえに、身体の動きが粗雑なのです。
関節まわりの感覚を繊細にしていくことが、身体の動きをよくすることにつながります。
ケガをしたり、痛みを感じたりすると、関節まわりの感覚が鈍麻します。
身体の動きをよくするためには、素早い反応が必要です。
関節まわりの感覚が鈍ってしまうことで、筋肉の活動も低下してしまうことになります。
ケガを繰り返すせば繰り返すほど、身体の動きが悪くなるということです。
関節まわりの感覚 |
動きがおかしいから痛みが出て、痛みが出るから動きがおかしくなる。
負の連鎖です。
感覚訓練が大切なのですが、感覚が鈍い人ほど感覚を鋭敏にする練習に意味を見出しづらいようです。
感覚が鈍いがゆえに、「やった気がする運動」をしたがるのです。
繊細な味がわからない人が、何にでもしょうゆやソースをかけたり、ジャンクフードばかりを食するのに似ています。
味の場合もそうですが、実は鈍い人ほど「自分はわかっている」という誤認をしがちです。
感覚が鋭敏な人は、すぐに自分の間違いに気がつけます。
反応が早く、修正も的確です。
感覚受容器から入力される情報が正確だからです。
これに対し、鈍感な人は、感覚受容器からの情報が不正確なので修正が見当違いとなります。
ここで大切なのは『型』です。
「最初に型、あとから心」
ということです。
「守」
師や流派の型を忠実に守り、確実に身につける段階。
「破」
他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。
「離」
師や流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。
「守格」
徹底した稽古により真の格を体得する。
「破格」
形式をくずし自由に演じる。
「破」は「守」ができてから、つまり型が身についてからということになります。
感覚訓練は、正確無比な型の反復練習によって磨くことをお奨めしています。
狂った感覚で突き進めば、待っているのは自滅という結果だけですから。
バカバカしいかもしれないけれど、基本型の積み重ねと積み上げを大切にすべきだと思います。