■呼吸筋、特に横隔膜をターゲットにしたエクササイズ
横隔膜 |
①よつんばいになって、息を吸いながら、できるだけ腹部を凹ませます。
②息を吐きながら、筋肉をゆるめます。
※簡単すぎるエクササイズですが、20呼吸を過ぎたあたりからキツくなってきます。
☆バリエーション
・よつんばいでおこなうのが難しければ、座るか、膝をついて練習します。
・あおむけでおこなうこともできます(さらに簡単になります)。
・持久力アップ効果を最大にするには、次のコンビネーションにします。
①呼吸筋が疲れるまでよつんばいでおこなう。
②疲れたら、あおむけになって簡単なバージョンで続行します。
科学的研究によれば、持久運動のときは、呼吸に使われる筋肉、特に横隔膜が疲労することがわかっています。ほかの筋肉同様に、この疲労はパフォーマンスを低下させます。持久力は横隔膜のエクササイズによって大きく改善します。呼吸エクササイズには、長時間運動の息切れを緩和する効果があります。
※参考文献 「コアトレーニングアナトミィ フレデリック・ドラヴィエ/マイケル・グンディル」
安部塾で採用している呼吸法は、
①脊柱を長くしながら、肋骨を骨盤のほうに下げて、ウエストをしぼりながら吐く。
②お腹を平らに保ちながら、胸郭(肋骨の籠)の側面と背面に息を吸う。
……というやり方です。
実際の肺の位置を意識しておこないます。下図のように、思ったよりも上のほうに肺があります。下の方に肺があるイメージで呼吸しないように気をつけております。
肺の位置 |
■横隔膜
起始:第7~12肋骨、肋軟骨の内側面、剣状突起、腰椎1-2番の椎体
停止:横隔膜腱中心
作用:吸気運動時の胸腔の拡張
横隔膜は下部胸郭のまわりを覆う天蓋型の筋であり、胸腔と腹腔を隔てています。血管、神経、消化管が通る孔がいくつかあります。横隔膜の筋繊維は中央に収束し、腱中心を形成しています。この腱は天蓋部の最も上方および中心部を形成しています。
横隔膜は呼吸運動の主動筋です。収縮するにつれて、腱中心は腹腔方向に下方に引かれます。これは天蓋部を平たくさせ、胸腔の体積を上昇させて、内圧を低下させます。胸腔内の圧力の低下は、空気圧を平衡にするため、外気を内側に流入させます(吸気運動)。このメカニズムにより、肺は空気で満たされます。横隔膜がリラックスするにつれて、天蓋型に戻り始め、胸腔の体積は減少します。胸腔内の圧力の上昇によって、空気圧を平衡にするため、肺から空気が排出されます(呼気運動)。
横隔膜の収縮と弛緩は、身体がリラックスしている際の呼吸運動を促します。肋間筋や肋骨下筋、後鋸筋のような他の筋は深い呼吸の際に力を発揮します。
※参考文献 「ヴィジュアル機能解剖学 南江堂」