2021年4月20日火曜日

頸部姿勢保持筋の過緊張とネガティブ感情には、姿勢保持筋に対する姿勢改善や体操などの運動療法がより重要。勝者効果=ウィナーズエフェクトは、姿勢の改善から起こる。

 

僧帽筋

■僧帽筋

起始:

・全体:後頭骨、項靭帯、頸椎7番~胸椎12番の棘突起

・上部:外後頭隆起、後頭骨の内側1/3の上項線、項靭帯、頸椎7番の棘突起

・中部:胸椎1~5番の棘突起

・下部:胸椎6~12番の棘突起

停止:鎖骨の外側1/3、肩峰、肩甲棘

作用:

・同側の頚部と頭部の伸展、側屈

・反対側への頚部と頭部の回旋

・肩甲骨の挙上、上方回旋(上部)

・肩甲骨の内転(全体)

・肩甲骨の下制、上方回旋(下部)

 僧帽筋は、背中の最も浅層にある筋で、頭蓋の付け根から始まり、肩甲骨を横切り、外側に凧のようにひろがる広域を覆い、広背筋の上方部分と脊椎上で重なっています。繊維の方向が異なる、上部・中部・下部の3つに分けられます。

僧帽筋

 下行する上部繊維は肩甲挙筋や菱形筋と共に、肩をすくめたり、肩甲骨を挙上させたりする動作を担っています。また、頭部の伸展・側屈、反対方向への回旋動作も行います。

 中部繊維は水平方向に走行しています。菱形筋と共に、肩甲骨の内転を行ないます。

 上行する下部繊維は肩甲骨の下制を行ないます。上部・下部繊維は協調して肩甲骨の上方回旋を起こします。

肩甲骨の上方回旋

 僧帽筋の全繊維が同時に働くことで、肩甲骨を胸郭に固定することができ、荷重に耐えることや押す動作で力強い支持が可能となります。上肢が固定されていない場合でも、僧帽筋の違う繊維と他の協動筋とによって肩甲骨の挙上、内転、下制などの特殊な動きを成し遂げてしまいます。

 肩甲骨の上方回旋を行なうという僧帽筋の機能は、頭上動作時に関節窩の位置を最適にし、それによって肩甲上腕関節の可動域を高めています。

 僧帽筋はそれぞれ一体となって作用するという能力を持つにもかかわらず、下部はあまり使われず弱く、上部は持ち上げたり、運んだり、引いたりすることで過度に使われ筋緊張が高まることがしばしばあります。これは肩が挙上し、姿勢の偏りが発生することにつながります。僧帽筋の上部と下部でバランスのとれた柔軟性と筋力が、重力に対して頭部と肩甲帯を最適な位置に保たせます。

※参考文献「ヴィジュアル機能解剖学 南江堂」

適応:頚部の慢性的な筋張と痛み/頭痛(ストレス性、緊張型、群発型)/頸椎の痛み/むちうち/顔面、あごの痛み/頚部の痛みと凝り/肩上部の痛み/背中の痛み/めまい/目の痛み/感情的ストレス/うつ

※参考文献「ヴィジュアルでわかるトリガーポイント治療 緑書房」

 感情の有無が頭頸部筋活動に影響を示さないことが明らかになった.このことから,感情変化に伴う姿勢や頭頸部の筋緊張の増加は短期的ではなく長期的,また二次的に発生するものであること考えられる.このことは頸部姿勢保持筋の過緊張とネガティブ感情を持つ患者に対する理学療法アプローチとして,感情にではなく,姿勢保持筋に対する姿勢改善や体操などの運動療法がより重要であるという基礎的知見を示すものである.
引用元 感情は表情筋および頸部姿勢保持筋に影響を与えるか

 戦うか逃げるか反応または闘争反応・逃走反応(たたかうかにげるかはんのう、とうそうはんのう英語: fight-or-flight response)は、動物の恐怖への反応で、差し迫った危機的状況において、戦うか逃げるか身動きを止める(擬死、凍結挙動(英語版))方法で生き延びてきたため備わったと考えられている[1][2]。通常は発揮できない怪力を発揮できる反面、緊急時に使用しない内臓への血流が絞られたり判断力が低下するため、長期的にストレスを受けると体や精神に悪影響が出る。
引用元 戦うか逃げるか反応


 安部塾では、徹底的に姿勢保持筋群を鍛えることと合わせて、首を楽にして動くような練習をします。ネガティブ感情そのものにアプローチしようとすると泥沼化してしまうためです。僧帽筋はテストステロン(男性ホルモン)に反応しやすい=発達しやすい筋肉だとされています。テストステロンは骨や筋肉を作りあげるのに大切な働きをします。また同時に体脂肪を減らしていく働きもあります。大胆でリスクを恐れず、決断し、男らしい行動をとらせる作用があります。好奇心、冒険心、チャレンジ精神にも関与します。

 筋力トレーニングがテストステロンや成長ホルモンの分泌を促します。良好な姿勢を保持する習慣だけでもテストステロンの上昇が起こるといわれています。社会のために懸命に生きているとテストステロンが分泌されリーダーシップを高めます。勝つことでテストステロン値が上昇し、さらにますます勝てるようになります。勝者効果=ウィナーズエフェクトは、姿勢の改善から起こるのです。