2020年1月4日土曜日

ストレッチングのメリットとデメリット~過度な柔軟性は身体性能を低下させてしまいます~開脚できることに、とりたててメリットはありません。

特定の動きを繰り返すと、筋肉や腱が硬くなって可動域が狭くなってしまうことがあります。過度な緊張や可動域が狭くなることは、パフォーマンス(性能)の低下につながります。

一方、過度の柔軟性もパフォーマンス(性能)を低下させます。筋肉の緊張と柔軟性は適度なバランスをとる必要があります。その動きに要求される可動域より少し広めの柔軟性をもつ筋肉をつくるのが基本です。関節がゆるゆると動く柔軟性過剰な状態はよくありません。

静的ストレッチングのメリットは、細かく制御しながら少しずつやれるのでケガをしにくい点にあります。デメリットは、運動の直前にやるとパフォーマンスの低下につながりやすい点です。

動的ストレッチングのメリットは、運動の直前におこなっても、筋断裂を起こさない範囲であれば、パフォーマンスの低下につながりにくい点です。デメリットは、雑にやるとケガにつながりやすい点です。筋肉の収縮とストレッチをハイスピードで反復するので、分類的には筋力増強トレーニングにいれてもよいかと思います。

筋肉は、息を止めないと最大筋力を発揮できません。息を吐くと少し弱くなってしまいます。もっとも弱いのは息を吸っているときです。ストレッチするときに息を止めてしまうと筋肉が硬くなってしまいます。ゆっくり静かに息を吸って筋肉の抵抗をなくし、筋肉が最大に伸びるときに息を吐くように動きと呼吸を同調(シンクロ)させるのが基本となります。

ストレッチに慣れていない筋肉は、ストレッチング後に筋肉痛になることがあります。慣れない動きをすると、筋肉と腱の接合部がいつもとは違う伸び方をして筋繊維にダメージを与え、結果として筋肉痛になるというものです。

そして、開脚(前後・左右)ですが、とりたててメリットはありません。特殊な蹴りを用いる格闘技や、決まった型を要求されるダンス・新体操・フィギュアスケートなどを除けば、開脚は決して有意義なものではありません。そもそも、身体構造的に関節の形状が開脚できるようになっていない人の場合はデメリットしかありません。私自身、180°超えの開脚ができるので断言できますが、とりたててメリットはありません。特殊な蹴りを多用する格闘技をやっていた時に役立ちましたが、それ以降は気分転換に役立つ程度です。ハンドスタンド(倒立)と同じように、できなくても別に困ることはありません。

呼吸を意識したストレッチングで、姿勢維持や運動遂行のための筋肉の正常な持続的張力を手に入れましょう。にも書きましたが、どちらかといえば関節の可動域を広げることよりも、「呼吸と動きを同調させること」を意識した方がよいかと思います。

1月の東京集中講座神戸集中講座大阪集中講座機能運動学大牟田サークルは、「呼吸を意識したストレッチング」について解説いたします。福岡での各クラスでも、理解を深めていこうと考えています。