2020年1月13日月曜日

攻撃性とナルシシズム

加藤諦三先生の「ナルシシズムと人間社会」という動画を観ていると、この動画を繰り返し観ることが救いになるなと強く思います。



 ナルシシストの無意識は「自己不適格感」であり、意識は誇大な自己イメージとなる。自己評価が低いため、孤独と恐怖感に悩まされており、すぐ傷つき攻撃性と結びつきやすい。攻撃性は、自己憐憫・犠牲者意識などの弱さに変装することがある(惨めさの誇示)。

ナルシシスト自身が、自分がナルシシストであると自覚するのは難しいため、無意識下にある自己不適格感を埋め合わせるために、必死で活動します。SNSなどで過剰な自己アピールしているのがわかりやすい例です。たくさんの他者から「いいね」をしてもらい、常に承認と称賛をしてもらえないと不安になってしまう。他者に対するマウント行為を繰り返し、自分が他者よりも優越している特別な存在だと思えなければ、自己の存在意義を感じることができません。

他人の気持ちを慮らない行為を繰り返しているがゆえに、他者からの認証を得られないわけですが、ナルシシズムに支配されているために内省することができません。死んでしまうその時まで、自分を取り巻いているさびしすぎる人生の本質を理解することができません。年々、欠乏感や劣等感は深刻化していきます。そして不平不満で凝り固まった、依存性の高い老害になり果ててしまうことになります。

ナルシシストは病的に共感性がありませんが、同類(ナルシシスト同士)に対しては強い仲間意識をもっています。仲間意識はもっていますが、お互いに相手に対する関心はないので、その結びつきは幻想に過ぎません。ナルシシストは、無意識下での自己不適格感を感じていて、日常的な自分自身(現実の自分)に、なんらかの不満感や不足感を感じているため、ほんとうの意味で仲良くなることはできないのです。無意識下における自己不適格感を穴埋めしようとして何かをしている人は、視野狭窄に陥ってしまうために、人としてのコミュニケーション能力を喪失してしまうのです。

なぜ、あの人は自分のことしか考えられないのか (単行本) 加藤諦三: 三笠書房より
ナルシシズムは自己を愛することでなく、自己を救ってくれという孤独の叫びである。 148P
最大の問題は、いかにして自己愛からのエネルギーを解放するか、いかにして自分に巻きついている意識を、対象に向けて投げ出せるか、ということである。200P

引用ここまで

攻撃的な人≒不健全なナルシシストと考えると、近づかない=なるべく接触しないで済むようにすることが大切だと思います。