2023年3月20日月曜日

斜角筋群は、さまざまな角度から頚を安定させているため、構造的バランスにおいて、さまざまな姿勢パターンの原因になることもある。

   ファッシャルリリーステクニック 医道の日本社 より引用します。

 斜角筋は最近では第2の呼吸筋として広く認知されている。ちなみに肋間筋は第3の呼吸筋である。斜角筋は第2~第6頚椎の横突起を包み、まるで頚の周りにスカートのように第1、2肋骨へと下りてくる。呼吸時は、上の2本の肋骨を持ち上げ、下がるのを防いでいると表現してもいいだろう。

斜角筋群

 機能不全の際には、中斜角筋と後斜角筋(そもそも完全に分離しているとはいえない筋)と前斜角筋を分けて考えるべきである。中斜角筋と後斜角筋は傍脊椎筋であるため、「頚の腰方形筋」として機能する。頚の屈曲に関わる(または屈曲を防ぎ、安定させることの方が多い)。

 前斜角筋は第3~6頚椎の前結節から前方を、下前方に向かって、第1肋骨へと走る。前斜角筋は「頚の腰筋」といった方が適切である。頚を発生点とし、肋骨を付着点として使うように作られているため、吸引時には肋骨を上方向に引っ張る。胸鎖乳突筋を内側に押しのけて、その下にある滑らかで密な筋に指の腹を当てて、息を吸い込む。そうすれば、吸気の途中、または少なくとも息を吸い切った時点で、前斜角筋が硬くなるのがわかるだろう。178P

 この重要な筋群は、さまざまな角度から頚を安定させている。しかし、そのため、構造的バランスにおいて、さまざまな姿勢パターンの原因になることもある。前斜角筋は、頚部を下前方に引っ張る。片方がもう片方よりも強いと、回旋で問題となることもある。中斜角筋と後斜角筋は、頚を一方向に引っ張るため、外側へのずれや傾斜を引き起こす。237P

 引用ここまで

 斜角筋の機能不全は、その筋肉の小ささからは想像がつかないほど広範囲に悪影響を及ぼします。手、腕、肩、胸部、上背部などに、異常感覚(痛みやしびれ)を引き起こします。斜角筋の神経支配が、頚神経叢と腕神経叢という上半身に問題を起こしやすい神経であるためだとされています。

 安部塾では、母指・示指・前腕・上腕・肩甲部などに痛みが強く現れている場合、斜角筋群の機能不全を疑います。また、斜角筋は、吸気の際に第一肋骨と第二肋骨を引き上げる機能があり、激しい呼吸を繰り返すことで斜角筋にダメージを与えてしまうことがあります。呼吸器疾患などによって引き起こされる努力呼吸によりダメージが蓄積されることもあります。交通事故なども悪影響があります。

 以前も書きましたが、斜角筋の機能不全は、菱形筋の機能不全と負のフィードバックを起こしてしまいがちです。

 明日の大手門ワークショップで、解説します。

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