2023年3月4日土曜日

頭頸部の運動や姿勢を最適に制御することは、日常生活において極めて重要である。

 エッセンシャル・キネシオロジー 南江堂 より引用します。

頭頸部の深層筋

 頭長筋と頸長筋は、頭頸部の前面にある(図8-45)。これらの筋は、頸部や頭部を屈曲させるとともに、頭頸部を安定させる機能を持つ。

頸部前面の深層筋

 前頭直筋と外側頭直筋は環椎の横突起から上行し、大後頭孔付近の後頭骨に付着する短い筋である(図8-45)。この2つの筋は、環椎後頭関節に対してのみ作用する。前頭直筋は屈筋であり、外側頭直筋は側屈筋である。これらの筋による微調整は、視覚や前庭機能の働き(姿勢調整)に重要である。

後頭下筋

 後頭下筋は環椎、軸椎、後頭骨に付着する4つの筋からなり、脊柱後方の深層筋に分類される(図8-46)。
後頭下筋群

 これらは短く、比較的厚い筋で、環軸関節や環椎後頭関節の微調整を行う。その働きは、目標物へ視線を向けたり、音源に耳を傾けたり、頭部の姿勢を整えたりするのに重要である。これらの筋の緊張や圧痛は、「頭部を前方に突出する」姿勢に関連する。

機能的考察:頭頸部の微調整

 頭頸部の運動や姿勢を最適に制御することは、日常生活において極めて重要である。頭部や頸部を自在に制御する能力は、目や耳の協調的な配置(たとえば、誰かの話し声に耳を向ける動作)に必要不可欠である。また頭頸部にある多くの筋の制御は、神経学的にも、脳の視覚系や前庭系領域の活動と関連があると考えられる。

 これを確かめるために、簡単な実験をしてみよう。まず、前にあるものをじっと見つめよう。それから頭を動かさずに、素早く、できるだけ左側で遠くにあるものをみる。そうすると、頭を静止状態に保とうとしているにもかかわらず、視線を向けたほうへ、少しだけ頭頸部が回旋する(これは、頭頸部の筋の制御と脳の視覚系や前庭系領域の活動との関連を示唆する)。

 頭頸部は、3つの面(前額面、矢状面、水平面)において大きな可動域を有するが、頭頸部にある多くの深層筋の主な作用は、頭頸部の微調整を行うことである。先に述べたように、脊椎の運動は各椎骨の運動と連動して機械的に生じるが、それぞれの運動は椎間関節の関節面の向きによって決まる。後頭下筋などの頭頸部の深層筋は、椎間関節の向きによって決まる二次的な作用(多くの場合は望ましくない作用)を、無効にする働きがある。これらの深層筋の作用はわずかではあるが、重要である。

引用ここまで

 「頭頸部の運動や姿勢を最適に制御すること」は最優先事項だと考えています。あらゆる活動や行動に伴っている「頭の動きが身体の他の部分の動きと状態を調整している」という仕組み=プライマリー・コントロール=初源的調整作用を重要視しているからです。「頭を不要に押し下げないでいること」が、全体の効率の良さの鍵を握っています。頭を押し下げずに物事をやっていくことで、さまざまな問題を解消できます。

よくあるミスですが、「押し下げまいと緊張して、結局筋肉で余計に頑張ってしまう」ことがあります。特有の他の部分の無駄な緊張をせずに物事をやっていくことです。元の押し下げと身体の他のいろんな癖に戻ってしまわないようにします。

 試しに、頭を背骨の方に引き込むようにして固定してみましょう。身体が固まって動きにくくなるのがわかると思います。頭を背骨の方に引き込むやめる=頭を背骨から離れるような方向に動けるように解放すると、身体全体が動きやすくなるはずです。

 頭を背骨の方に引き込むようにして過剰に固定してしまっている人の首や肩はガチガチに硬くなっています。腕も脚も縮こまって硬くなっており、うまく呼吸ができなくなっています。

 頭を動けるようにして解放してあげることで、楽に動けるようになります。


3月の各地のワークショップ日程


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